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新谷寅三郎君 いろいろ御答弁をいただきましたが、要約しますと、電気通信
事業を
経営する場合の経済活動そのものについては、余りここに書いてあるような、そういうダイナミックな経済活動ができないなんというようなことは余り考えておらないようですね。問題になったのは公労法の関係ですね、労使関係。これは実は国会におきましても政治問題でございます。いまそれについて、あなたの基本的なお考えをここで聞こうと思いませんが、これはわれわれもこれから大いに考えていかなきゃならぬ問題が残っていると思います。しかし現在では、賃金に関しては、基準内の賃金についてはこれはなかなか政治的な要素もありまして、むずかしい問題が残っていると思いますけれども、基準外の賃金につきましては、御承知のようにこれは
公社法の中にも、それから
予算総則の中にも弾力条項があるわけです。その他の労働条件につきましても、これは
委員の方は皆さん御承知だと思いますけれども、いま総裁もそういうことをおっしゃいましたが、現状は、三
公社を比較いたしましても、
一般公務員と比較いたしましても非常に
電電公社の方はよい労働条件のもとで働いておるということが明瞭に出ているわけですね。
たとえば有給休暇の問題を取り上げましても、
電電公社は四週七休ですね。郵政は四週五休です。国鉄は四週六休。それから専売の方は職場によって三つに分かれておるようですが、これは問題にならぬと思います。
一般公務員の方は四週五休。
電電公社の職員は労働時間が三十七時間十分。これは恐らく他の民間の産業でも、これだけの百四十一日というような有給休暇を与えているところはどこにもないと思うんですよ。それからいろんな手当。基本給を除きましていろんな手当を見ますと、これは五十五年の統計ですけれども、
電電公社は五・九八七カ月、郵政は五・二ヵ月、国鉄は四・九、専売は五・一、
一般公務員の方は四・九です。
電電公社の職員は一カ月分ぐらい基準外の手当をよけいにもらっている。これは
公社の
経営状況もいいし、また職員も
経営に対して非常に熱意を持って働いておられるということのあらわれだと思いますから、あえて私はこれはどうこうということは言いませんが、しかし弾力条項によりまして、こういったことは労使が打ち解けて、さっき申し上げたように、本当に労使がひざを交えて交渉をされることによりまして妥当な結論が現在でも出てきておるわけです。さらに、これでもどうしてもいけないんだということになりますと、これは私はよほど政治的にも考えなきゃならぬ問題がそこにあるということを
指摘せざるを得ないんです。
時間がありませんから、これについては総裁も十分知っておられるところですから、これ以上この問題についての質問はやめますけれども、結論としまして、これは総裁にひとつ注文しておきますが、私の調べたところでは、さっきもお話しになりましたように、たとえば
予算制度について私たちがその当時二十七年に書きました法律では、
予算というものはいまの
一般官庁と同じように大蔵省に出さなくていいんですよ。これは
公社の
予算は郵政大臣に出せ、郵政大臣はそれを受け取って閣議に諮りなさい、閣議に諮る前に大蔵大臣と協議をして調整をしなさい、こういうことが書いてあるんです。それをいつの間にか
一般官庁と同じように大蔵省に
予算案を出しまして査定を受けているというようなかっこうなんですね。これはだれがいつからやったのか知りません。今度調べてみるとそういうことが明瞭になったわけです。ですから、給与に関しては弾力条項が生きておって、それがいろいろの障害があって当事者間だけでは片づかないという問題があることは事実でございましょう。これをどうしたらいいかという問題に悩んでおられるのじゃないかと思いますけれども、しかし、
予算その他
経理のやり方につきましては、法律面ではちゃんとその当時からあなたの心配しておられるようなことを予見しまして法律に書いてあるわけですよ。
実行されてない。
実行されてないから特殊会社にするのだということは、私はこれは本末転倒だと思うんですよ。いま少なくとも現行法で、生きた法律によって決められておる制度が守られていないとするならば、これは郵政大臣とも相談されまして、それを法律どおりにたてまえを変えてもらうということの
努力というのはどうしたって必要じゃないでしょうか。
それから私は、この機会に、そういうことの
努力をされると同時に、いまのそういった問題もほかにあると思いますから、
電電公社の総裁が特殊会社の案に傾斜されるのならば、一体どの問題を、どういう
理由で、どうしてほしいというのか、どうしなきゃいけないのかということを、もっと具体的にお示しになっていただく必要があると思うんです。私は、これが
公社の形態をどうするかということを考える原点になると思うんです。これが原点です。どの問題をどうしたらいいか、どうしてほしいのか、そういうことをひとつ総裁の方からこの
委員会にも、皆さんの前でしゃべったことなんですから、この
委員会にもそういった問題点を提起してもらいたい、こう思います。