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政府委員(
土屋佳照君)
昭和五十七年度の
地方財政計画の概要につきましては、ただいま
自治大臣から御説明申し上げましたとおりでございますが、なお、若干の点につきまして補足して御説明を申し上げます。
まず、規模でございますが、明年度の
地方財政計画の規模は、四十七兆五百四十二億円で、前年度に比較しまして二兆五千三十三億円、五・六%の増加となっております。
次に、
歳入について御説明いたします。
まず、
地方税の収入見込み額でございますが、道府県税八兆八千七十億円、市町村税十兆二千八百七十三億円、合わせて十九兆九百四十三億円でございます。前年度に比べて道府県税は八千百四十五億円、一〇・二%の増加、市町村税は一兆一千九百二十二億円、一三・一%の増加で、合わせて二兆六十七億円、一一・七%の増加となっております。
なお、
地方税につきましては、
地方財政の実情と
地方税負担の現状とを勘案し、
法人の住民税及び事業税について徴収猶予割合を縮減するとともに、市街化区域農地に係る固定資産税及び都市計画税の課税の適正化措置等について所要の措置を講ずる一方、個人住民税所得割について、低所得者層の税負担に配慮するため、その非課税限度額を引き上げること等により
地方税源の充実と
地方税負担の適正化を図るための措置を講ずることとしており、これらによりまして三百十億円の増収を見込むことといたしております。
また、
地方譲与税の収入見込み額は、四千七百七十三億円となっております。
次に、
地方交付税につきましては、国税三税の三二%分九兆二千三百九億円に返還金二十八億円並びに
交付税及び譲与税配付金特別会計における資金運用部からの借入金二千九十八億円を加算した額から、国の厳しい財政状況を勘案するとともに、中長期的な
地方財政の健全化のため、
昭和五十七年度において減額し、後年度に加算することとしている千百三十五億円を控除した額とすることとし、総額九兆三千三百億円を
確保いたしました結果、前年度に対し六千百三十四億円、七%の増加となっております。
国庫支出金につきましては、総額十兆八千八百七十一億円で、前年度に対し二千六億円、一・九%の増加となっております。これは社会福祉
関係国庫補助負担金及び義務教育費国庫負担金などが増加した反面、公共事業費補助負担金などが前年度より減少したことによるものであります。
次に、
地方債でございますが、普通会計分の
地方債発行予定額は、三兆八千百億円でございまして、前年度に対しまして、四千六百億円、一〇・八%の減となっております。減少することとなりましたのは、
地方財源の不足に対処するための建設
地方債、いわゆる財源対策債については
昭和五十七年度においては措置する必要がなくなったことによるものであります。
なお、
地方債計画全体の規模は六兆五千四百三億円で、前年度に対しまして三千九百億円、五・六%の減となっておりますが財源対策債を除いて比較しますと前年度に対して三千億円、四・八%の増となっております。
以上のほか使用料及び手数料並びに雑収入につきましては、最近における実績等を勘案して計上いたしております。その結果、
歳入構成におきましては、
地方税が前年度の三八・三%に対し、二・三ポイント増の四〇・六%となり、これに
地方交付税及び
地方譲与税を加えた
一般財源は前年度の五八・九%から六一・四%へと上昇し、反面、
地方債は前年度の九・六%から八・一%へ、国庫支出金は前年度の二四%から二三・一%へとそれぞれそのウエートが低下しております。
次に、歳出について御説明いたします。
まず、給与
関係経費についてでございますが、総額は十三兆四千五十四億円で、前年度に対しまして八千三百五十九億円、六・七%の増加となっております。これに関連いたしまして、
職員数につきましては、教育、警察、消防
関係の
職員について
増員を抑制すると同時に、それ以外の
一般職員については、老人保健法の施行に伴い必要となると見込まれる
職員を措置する一方で、
国家公務員の
定員削減の方針に準じ、
定員合理化を行うこととし、
一般職員全体としては、
職員数の純減を図ることといたしております。
次に、
一般行政経費につきましては、総額十兆一千六百三十一億円、前年度に対しまして、四千六百六十六億円、四・八%の増加となっておりますが、このうち国庫補助負担金等を伴うものは五兆四億円で、前年度に対しまして二千九百四十八億円、六・三%の増加となっており、この中には、老人保健法の施行に伴う経費、生活扶助基準の引き上げ等を図っている生活保護費、児童福祉費、老人福祉費などが含まれております。国庫補助負担金を伴わないものは五兆一千六百二十七億円で、前年度に対しまして千七百十八億円、三・四%の増加となっております。この中では、社会福祉
関係経費を充実するほか、高等学校以下の私立学校に対する助成経費として二千百八十二億円、年度内及び年度越回収貸付金として一兆五千百三十八億円、災害等年度途中における追加財政需要に対する財源として四千五百億円等を計上いたしております。
なお、内部管理的な
一般行政経費は、極力抑制することといたしております。
公債費は、総額四兆二千六百十五億円で、前年度に対しまして五千六百二十九億円、一五・二%の増加となっております。
次に、維持補修費につきましては、計画的補修の必要性等の
事情を考慮し、前年度に対しまして二百七十六億円、四・七%の増額を見込み、六千百五十八億円を計上いたしております。
投資的経費につきましては、総額十六兆九千七百八十九億円で、前年度に対しまして四千四百三十億円、二・七%の増加となっております。このうち、直轄、補助事業につきましては、国の厳しい財政
事情を反映し、二・六%の減少となっております。
一方、
地方単独事業費につきましては、
地方団体が身近な生活関連施設等について計画的な整備を推進し、あわせて地域
経済の安定的な発展に資することができるよう所要の事業量を
確保することとし、前年度に対しまして六千七百一億円、八・五%増の八兆五千五百三十六億円を計上いたしております。
また、公営企業繰出金につきましては、地下鉄、上下水道、病院等
国民生活に不可欠なサービスを供給している事業について総額一兆百九十五億円を計上いたしております。
以上のほか、
地方交付税の不
交付団体における平均水準を超える必要経費については、
税収入の増加等の
事情を勘案して所要額を計上いたしております。
その結果、歳出
構成におきましては、
一般行政経費は二一・六%で、前年度に対し、〇・二ポイント、投資的経費は三六・一%で、前年度に対し一・〇ポイント低下している反面、給与
関係経費は二八・五%で前年度に対し〇・三ポイント、公債費は九・〇%で、前年度に対し〇・七ポイント上昇いたしております。
以上をもちまして、
地方財政計画の補足説明を終わらせていただきます。