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神谷信之助君 そのとき、この間二月十八日の地行の
委員会での
答弁の中で、
長官は、警察の「犯罪捜査の観点からもこの問題を非常に重視しておられるようであります。」というようにお答えになっているわけです、議事録を見ますと。本来は
消防法規上からいうとオンにしていなきゃ、連動するようにしていなきゃならない。オフにしておるということは、これはそうなりますと、
消防法違反になりますからね。当然警察の捜査でも重視せざるを得ない問題。ところがいま御
答弁にありましたように、これは四十四年の七月二十四日の「既存防火
対象物に対する
改正規定の
適用について」というものを出して、「非常警報
設備を、感知器の作動と連動して作動させるか又は受信機で
火災信号を受信した際直ちに当該地区ベル又は非常警報
設備を作動させることができる場合は、地区音響装置を
設置したものとして」取り扱うみなし
規定をつくって、いまおっしゃるように断にしておってもよろしい、こういうことになっていますね。これは四十四年に出ているんですよ。
私はこの間の質問の後、今度は京都の
消防局に行きました。京都の
消防局で話を聞きましたら、絶対にオフにすることは許していない、断にすることは許していない、京都
消防局はオンで
指導していると、こういうことです。その話を聞いた後、京都
消防局の
案内で、すぐ向かい側のロイヤル
ホテル、これは建設して十年ばかりの新しい
ホテルです。そこは
消防局が見せるだけあって
設備は全部整っているんです。そこで聞きましたら、そこの奥村常務が、いや、うちはオンじゃなしにオフにしています、オンにしておったんではしょっちゅう鳴ってお客さんはたまったものじゃないと。こういう事実が明らかになって、
消防局の人はびっくりしているんですよね。えらいことになったなということになっているんです。
それだけでなしに、その後もまた、麹町
消防署ですね、予防課長さんでしたか、この人に聞きますと、これはオフにしてもよいとは言えない、私が聞いたんですけれ
ども、実際、そういう
ホテルとか
旅館なんかの接客業者の場合に、夜中に誤報がしばしばあったんではたまったものじゃない。だから、現場へ
査察に行っている、あるいは
指導に行っている人たちは困っているんじゃないのか。そういう点についてはどうしているんですかと聞いたんですが、しかし
消防法上はオンにしなきゃならぬことになっておるんだ、連動せないかぬことになっているんだ、だからオフにしておいてもよいとはしたがって言えませんと。ただ、四十四年か四十六年ごろに、一定の条件があれば認めたような形跡があるという話なんで、当時の人の話も聞いたり、あるいは
文書を探したり、こういうことをしておりますという話なんですね。
ですから、いまの
答弁の
状態というのはもう
一つ徹底してない。これは当然接客業である
ホテルや
旅館の場合には、現場ではそういうことをやらなければ実際の処置はできない、それじゃお客さんどうしてくれますかということになりますから。それに対していまの御
答弁は、施行令三十二条で署長なり
消防長の判断、これにゆだねると、こうなるんでしょう。同時に、出されているこれを見ますと、「直ちに」作動させることができる場合はいい、こうなっている。これがなかなかあいまいなんですよね。私はそこに
一つ問題があるのではないかと思う。こういうことを痛感をしているんです。問題の
一つは私はここにあるのではないかというように思うんですよ。だから、自動
火災報知のシステムをオンにして地区ベルに連動をしておけば、当然、現在の感知器の性能からいいまして、誤報といいますか、非
火災報が続出するということはいま避けられない、現状では。ところが、
消防庁の
指導というのは「直ちに」ということであいまいなものですから、現場はその責任を明確にすることができぬわけですね。だからあいまいになっておる。
そういうことで、どういう条件の場合には断にしていい、オフにしてよいという、こういう点を明確にしない現在までの
消防庁の
指導、そこに私は
一つ大きい問題があるのじゃないかというように思うんですよね。だから、どういう場合にはいいんだということを私は
消防庁は、
消防研究所を持ってもおられるんだし、あるいは各現場の担当者からの意見も聞いて研究をして、この点はっきりさせたらいいんじゃないか。たとえば、昼間の場合にはどれだけの人員が防災センターには必要、夜間の場合にはどれだけが最低必要だと。この間の場合は二人ですよ。夜間二人では実際問題としては実効を上げることはできないですね。いろいろ現場で私聞きました。だから、その場合には最低人員は一体どれだけ必要かという
基準を決めなきゃいかぬだろう。あるいは放送
設備もちゃんと持たなきゃいかぬ。
ニュージャパンみたいに放送
設備が壊れておったんでは何の役にも立たぬわけですけれ
どもね。あるいは、その放送
設備の場所ですね。防災センターと離れておったんでは、電話をするなり何なりしなきゃいかぬでしょう。だからその場所についてもはっきり特定をしなきゃいかぬだろう。あるいは、京都で見ましたロイヤル
ホテルの場合は、携帯の無線機を持たしていましたよね。これならば、現場へ走っていってすぐ無線を使って、戻らなくても作動するということができる。そうすると、これはこの間も言いましたように、ヒルトン
ホテルのケースでいくと、走って行って帰ってきて作動させるのに最低四、五分かかるといいますから、四、五分初期消火がおくれますと、これは大変なことになってくるわけでしょう。こういう問題ですね。
あるいはまた、
防火区画あるいは
スプリンクラーの
設備の
状態をどの程度まで特定の条件として
設置するのかとか、こういったものを、私は、ひとつ早急に、現場の経験者を含め、そして学者なんかも含めたそういう研究機関というのをつくって明確にしてやらないと、政令三十二条でおまえら勝手に判断しなさいよ、こうなります。その根拠は何やというと、「直ちに」と書いてある。「直ちに」というのは何分とも書いてあらへん。五分以内ならええとか、三分以内にちゃんと作動できるようにせいとかいうようなこともないわけでしょう。だから、初期消火こそ消火活動の
基本なんだということをしばしばおっしゃる
消防庁の立場からいえば、この点をあいまいにしておった責任は私は大きいと思う。これは急いでこういうことをはっきりさせる必要があると思うんですが、この点の
見解を
長官から聞いておきたいと思う。