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政府委員(
勝谷保君) まず、最近の
企業倒産の
実態を説明さしていただきます。
五十六年度の
企業倒産件数でございますが、一万七千三百九十七件、これはしょうけつをきわめました前年に比べますと四・四%の減でございます。
原因別に見ますと、販売不振、これが全体の四五・二ということでやはり
景気不振、
内需不振という
ところに一番大きな原因がございます。次が放漫経営ということで全体の二一・二%、これは、放漫経営と申しますのは、遊びほうけて経営を放漫にしたということじゃございませんで、計画その他が必ずしも需要にマッチしなかったというようなことでございます。連鎖倒産、これが全体の一〇・五ということで、連鎖倒産の比率が減っておるのが
一つの特徴ではないかと、こう思います。赤字の累積でとうとうやむを得ず倒産というのが全体の八・二%というようなことでございまして、いまの数字で御了承賜りますように、最近の需要
低迷を
背景といたしまして、販売不振による倒産の割合が高いというのが
実態でございます。また
企業規模別に見ますと、
資本金の一億円未満の
企業、これが九九・八%でございまして、非常に高いということでございます。
さらに、五十七年の一−三月期の倒産件数を月平均で見ますと、千三百四十一件、これを原因別に見ますと、販売不振というのが四五・八ということでございまして、
先ほどの四五・二に対して上回っておるわけでございます。放漫経営というのは一八・九になりまして比率を低くしております。連鎖倒産等が全体の一一・九、赤字累積が八・七ということでございまして、依然として販売不振の割合が圧倒的に高いというのが実情でございます。また、
企業規模別に見ましても
資本金一億円未満の
企業が今度は九九・九%ということで、下に行くほど高くなっていくという
実態でございます。
このような倒産の
実態、
先ほど先生御
指摘のとおりでございますが、これに対しては
不況感というのは従来にも増して強いわけでございますが、その中で倒産の
実態が五十六年度全体でそれまで史上三位であった、さらにことしの一月に入っては史上の四位とか五位というような
実態、この三月も千五百件でございますが、史上三位というような
実態で一応史上最悪の事態にならない原因は何であるかということでございます。
これは御
指摘のとおりに
金融が非常に働いているということは言えるかと思います。したがいまして私
どもも、
中小企業の倒産を防止するために従来から
政府系の
中小企業金融三機関からの資金供給の円滑化を図っていくという
ところが
一つの大きな
施策でございまして、所要の貸付枠の確保は五十七年度の
予算で五十六年に比べまして、ゼロシーリングの時期ではございますが、貸付規模は六%のアップを確保しておりますし、
先ほども申し述べましたが、五十七年度の第一・
四半期につきましては前年度実績比で二二%という枠を確保しておるわけでございまして、特に
関連企業の倒産によりまして経営の安定に支障を生じている
中小企業に対しましては、中小公庫、国民公庫の倒産
対策の貸し付けを通じまして必要な資金を優遇した条件で貸し付けるような体制が整っておるわけでございます。このほかにも、
中小企業体質強化資金の経営安定貸し付け、さらに倒産
関連保証の発動等の各般の
金融措置を講じた
ところでございます。
今後も、本日御
審議賜ります法案が成立いたしますならば、適確に迅速に発動いたしまして
対応するということによって倒産
対策を進めてまいる予定でございます。