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政府委員(豊島格君)
機械類信用保険法の一部を
改正する
法律案につきまして、ただいま
大臣が御説明申し
上げました提案理由及び要旨を補足して御説明申し
上げます。
機械類信用保険
制度は、機械類の割賦販売契約及び購入資金借入保証契約並びにリース契約による取引について信用保険を行っているものであります。御高承のとおり、現行
制度は、これらの取引に伴う代金等の不払いリスクについて保険を実施することにより、健全な機械類流通の拡大を図り、もって、
中小企業の設備の近代化と機械工業の振興に資することを目的としているものであります。
本保険
事業の実績と利用
状況を見ますと、まず、保険
対象機種につきましては、
昭和三十六年度に四機種で発足いたしましたものが、その後逐次追加がなされ、
昭和五十六年度には、割賦ローン保証販売信用保険では二十五機種、リース信用保険では二十九機種が保険
対象となっております。
これに伴って、引受保険金額も拡大し、
昭和五十六年度には約三千八百億円に、また、付保件数も約十三万七千件に達する見込みであり、しかも、このうち、約八割の取引は、
中小企業向けのものとなっております。
以上申し述べましたとおり、本
制度は、法律の目的である
中小企業の設備の近化代と機械工業の振興に大いに寄与しているところであります。
今回の法律
改正の
趣旨は、本保険
制度を拡充し、新たにコンピュータのプログラムに係る割賦販売、リース等による取引につき信用保険を行うことであります。
近年、
中小企業におけるコンピュータリゼーションの進展に伴いまして、コンピュータの一層の有効
活用を図るためには、
中小企業が良質なプログラムを容易に入手、利用し得るようにすることが喫緊の
課題となっております。
しかしながら、
中小企業がプログラムを入手、利用するに当たって、近年のプログラム価格の上昇が大きな障害となっております。すなわち、コンピュータは、
技術革新によって急激に価格を低下させてきているのに比べ、プログラムは、その作成を人間の頭脳に頼っているため、人件費の上昇に伴って価格が上昇しております。
このため、一方で今後一層汎用プログラムの
開発を促進し、そのコストダウンを図っていくことが必要でございますが、他方で
中小企業がプログラムを入手する方法として、割賦販売、リース等の信用取引を利用しやすくすることが必要であります。しかしながら、
中小企業にはいまだ信用基礎の確立していないものが多く、割賦販売業者やリース業者等には、
中小企業に対して長期間にわたって信用を供与することをちゅうちょする例が数多く見られます。
このため、プログラムの割賦販売、リース等による取引に伴うリスクを保険する
制度を確立し、
中小企業の信用力を補完することがぜひとも必要であります。
次に本
法律案の要旨につきまして、御説明申し
上げます。
第一に、プログラムに係る取引につき信用保険を行うことに伴い、法律の目的に
中小企業の経営管理の合理化及びソフトウエア業の振興に資することを加えることとしております。
第二に、「割賦販売契約」、「購入資金借入保証契約」及び「リース契約」の定義規定にプログラムに係る取引を加えるとともに、「第一種機械類」及び「第二種機械類」の定義規定にプログラムを加える等、定義規定の整備を行うこととしております。
第三に、機械類信用保険の保険契約の相手方として、プログラムの作成の
事業を行う者等を加えることとしております。
その他所要の規定の整備を行うことによりまして、今回プログラムについて、現行の機械類の場合と
基本的に同一の仕組みにより、信用保険の
対象とすることとしております。
以上が今回の法
改正の主な
内容でありますが、これらの具体的な運用に当たりましては、本保険
制度の
趣旨を
中小企業及び
関係業界に周知し、その利用の拡大を図ることが肝要であると考えておりますので、
制度につきまして、積極的に広報活動を行うよう努めてまいりたいと存じます。
以上、この
法律案につきまして補足説明をいたしました。何とぞよろしく御審議の上御賛同くださいますようお願い申し
上げます。