○沓脱タケ子君 これやっぱり理解できへんのですよ。
老人医療を国民みんなが
負担すると言うけれ
ども、
老人は厄介者でないでしょう。長い間社会的貢献をしてきたお年寄りたちでしょう。その人たちの健康を、一部
負担金を出させるということで
受診率を抑えるということで何とかかっこうをつけていこうと、みんなが分け持って
負担するのだから、できるだけ抑えた方がいいという発想になるんですね、それだったら。長い間社会に貢献してきた人たちの、特にお年寄り、これは健やかなお年寄りにどういうふうにしていくかということが本旨であって、現在のお年寄りの病人を何とかみんなが分け持って
負担するのだから無料でいいんだろうか、無料で結構じゃないですか、長いこと苦労してこられたのだから。
健やかなお年寄りになるような施策を十分に積み上げてきて、あしたからそうならないけれ
ども、五年先には本当に健やかな
老人が多くなって、現実的には、結果としては、
医療費は少なくなったというふうな施策というのがやはりまともな厚生行政だと思うわけですね。
医療費を減らすのに、医者に行きにくいようにして
医療費を減らすというのは、これは本末転倒なんですよね。健康なお年寄りを、健やかなお年寄りをたくさんつくろうということでヘルスの
事業というのは今度ついているわけですけれ
どもね。ところが、四十歳以上の健診も百円取るのでしょう。こんなもの百円取ったからといって健康自覚を促進するんですか。いまだったら無料でしょうがな。大
部分無料ですよ。精密
検診以外はほとんど無料でしょう。それ今度は百円取るというのですね。
私は大阪で、この前もちょっと御
指摘申し上げたけれ
ども、大阪市で聞いたけれ
ども、もう大変困る言うていたな。たった百円ぐらいのお金を集めるために、
保健婦さんだけが行ってやれることを、
保健婦が公金の扱いができないために事務員を派遣せんならぬ、人件費も出ないじゃないか、一体どないしてくれるつもりなんやというのが——それは公式の席上では大阪市が
厚生省にそうは言わないかもしれない。私
どもにはそう言いましたよ。一体何考えているんや、百円もらうために事務員を一人出さんならぬのやと。こういう不合理なやり方があるわけですから、私
ども理屈にならぬと思うのですね。
さらに、入院の場合も、提案されている本法では一日三百円でしょう。二カ月だから一万八千円。健康保険の本人の場合は一日五百円ですね。これは一ヵ月ですわ。五百円だから一ヵ月一万五千円。お年寄りの場合は一日三百円だけれ
ども二ヵ月だから一万八千円。それで働き盛りの人が入院するときは一部
負担金が一万五千円で、最も乏しいお年寄りのふところからは一万八千円。これはどう考えても割りに合わない、道理に合わないし、国民の皆さんから考えたって、何でそんなことをせにゃならぬのやと、こんな酷なことをなぜせにゃならぬのやということになるわけでございます。やめたらどうですか、こんなこと。入院したくてするお年寄りがいますか。それも健康の自覚料ですか。入院したいから入れてくださいと言って、入れてくれる
病院、どこぞにありますかね。もっと置いてくれと言っても、部屋がないからと言ってみんな追い出されているんですよ。何のために三百円取るんですか。