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政府委員(
吉原健二君) この新しい
老人保健法におきましても、国の責任、あるいは地方公共団体を含めました公的な責任というものは十分意識してしかるべき責任を果たすというような
考え方で法律をつくったつもりでございます。実際問題といたしましても、従来、現行
制度のままですと、国と地方公共団体の負担
割合というのは一八・三%、二〇%を少し下回るような負担
割合に現行
制度ではなっているわけでございますが、新
老人保健法におきましては、これを三〇%、二九・五でございますが、約三〇%まで、五割以上公費負担の
割合を高めるという措置をとっているわけでございます。金額的に言いましても、公費負担、
老人福祉法による国の負担が現行
制度ですと三千六百五十億でございますけれども、新
制度におきましては五千九百十億と、二千二百六十億国の負担がふえるということになっているわけでございます。
それで、保険者の負担が逆に、現行
制度ですと約八〇%でございますけれども、新
制度ですと六八・力と、七割を少し切る率に下がっております。保険料は、被用者保険それから
国民健康保険を合わせました保険料で負担する部分が、現行
制度と新
制度でどうなっているかと言いますと、四六・五が四四・力と、率におきましても若干下がっておりますし、金額におきましても、
国民自身に実際に負担をしていただく保険料による負担部分というのは四百六十億円軽減をされているということになるわけでございます。
で、保険料全体としては軽減をされているんですが、各
制度別に見ますと、組合健康保険の方が約七百八十億ふえて、
国民健康保険の方が千五百七十億ふえる。そういうことの結果として組合健保の負担がふえるということになっているわけでございます。これは各保険者に、あるいはその各保険に入っておられる被保険者なり事業主の方に公平に負担をしていただく、
一つの物差しをつくりましてそれを公平に当てはめていった場合に、結果としてそうなる。
なぜ組合健保がふえるかと言いますと、いままでの負担が非常に軽かったから、組合健保の負担が今度の法律によりましてふえるということになるわけでございます。なぜ軽かったかと言いますと、七十歳以上の加入率が、
数字で見ましても約三%足らずでございます、組合健保は。平均が約六%、組合健保は約三%、
国民健康保険が約一〇%、そういうバランスになっている。したがいまして、加入者率、加入者の
割合で調整をいたしますと、どうしても組合健保の負担が重くなるわけでございます。その結果として組合健保の負担が七百八十億になって出てきたわけでございます。
実際問題として、なぜ組合の加入率が少なくて国保の加入率が多いかといいますと、従来組合健保に入っておられた方も退職後は政管健保に移り、
国民健康保険に移る。そういう結果、
国民健康保険の七十歳以上のお
年寄りの
割合が高くなっている。つまり組合健保のOBの方が多数
国民健康保険に入っておられるために、組合健保の負担が軽くなり、
国民健康保険の負担が重くなっている。それを是正した結果こういったことになっているわけでございます。