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説明員(
杉戸大作君)
お答えいたします。
まず他
都市への影響についてでございます。確かに
先生御
指摘のように私
どもも
東京都という全国のリーダーシップをとる、そういう
立場で今回のような
措置がとられたことにつきましては大変遺憾に思っておりますし、他への波及を大変懸念をいたしておるところでございます。しかしながら、今回の
東京都の
措置につきましていろいろ検討してみますと、実際にこの
海洋投棄の
実施に切りかえるというような私
どもの指導方針に逆行するような
措置をとるにはかなりいろいろな
条件が必要になってまいりまして、
一つは自動航行記録計等のそういう設備を備えました外洋船を確保しなければならないとか、それから積み出し基地、これは住民の方の大変な抵抗があるものでございますが、その積み出し基地の
整備をしなければならないといったような問題がございます。さらに漁業
関係者との
調整というむずかしい問題もございまして、直ちにこの
東京都の事例が全国的に波及するというようには思っておらないのでございます。しかし、私
どもとしましてまだ一一%ほど全国の
屎尿が、
くみ取り屎尿が
海洋投棄されておる、これをできるだけ早く解消したいという
立場でございますし、今後安易に
海洋投入処分などが行われないように従来より一層強力に全国的に指導を強化してまいりたい、かように存じております。また
下水道の
整備の促進などを図りまして
くみ取り屎尿量そのものを極力削減する、そういったことにつきましても
関係方面に強く要請してまいりたい、そのようにも考えております。また
海洋投棄に際しましてはできる限り
海洋汚染の生じないような万全の
措置を講ずる、そのような指導もあわせてしてまいりたいというように考えております。
それからもう
一つ、御
指摘いただきました固有の事務としていたし方のないというようなことについてでございますが、私
ども基本的には大変この今回の
措置は残念に存じておりますが、しかし、
東京都の
説明を伺いますと、一応
廃棄物処理法あるいは
海洋汚染防止法等には
違反をしていない、また
財政再建等という、そういう違う
目的のものに、これは
廃棄物処理の
厚生省の権限外というような表現をいたした方が妥当かもしれませんが、そういう違う
目的のもとにやろうという、そういう施策でもございますし、またこの
措置につきましては科学的にもあるいは学問的にも誤った行為であるというようなことではないわけでございます。
それから先ほど御
説明申し上げました緊急
措置法の五カ年
計画、これはマクロ的な
計画でございますので、この今回の
東京都の
措置につきましてもマクロ的に見ればこの
目標達成が不可能というようなことでもないわけでございます。こういうようなことと一般的に行政指導につきましての
立場を考慮いたしますと、国の指導というものはあくまでもこの
廃棄物処理という、市町村の責任において
計画実施をしてまいるというその
事業に対しましては、助言的あるいは指導を行うという、これは自治法でございますが、そういう範囲にとどまるのが適当ではないか、そのように私
どもは考えておるところでございまして、五カ年
計画及び国の基本的方針につきまして都の自主的な
理解と協力を求めておるわけでございますが、結果としましてこのような
厚生省のちょっと所管外のような、そういう状況も勘案して総合的に判断いたしたものである、そのような
措置についてはやむを得ない、いたし方のないという、そういう
立場でございます。