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参考人(野田
親則君) ただいまの非常にたくさんのポイントがありましたので、一番最後の点だけ最初にお答えさせていただきます。
片桐機長は、私のいまの記憶では五月、十二月に六カ月ごとの
身体検査の時期が来まして、それらのときに
身体検査を受けております。それが
一つ。もう
一つは、五十五年の十一月末から異常が出たわけですが、五十五年の十一月末から最近の
事故に至るまでの病状を非常に大まかに見ますと、六月ごろ若干病状が逆戻りをした。しかし、全体を見るとずっとよくなってきている。たくさんの
医学的な個々の診断書あるいは
意見書等を見ると、そういうふうにとれるわけであります。
そこで、五月と十二月ごろに受けた二回の
航空身体検査といいますのは、官で決められました、
乗員としていいかどうかという意味の
身体検査ですが、それは非常に具体的に細かくやり方が決まっておりまして、その
検査をする
医療機関、あるいはそれを判定できる
医師、そういうものが政府から認められておる。そういうものによる
検査ですが、その
検査には心身症というものは本人が申告すべき既往症の中に入っていないということでありまして、まあ書くとしますと、心身症から来る症状である胃がおかしくなったとか等々症状はいろいろなところに出るそうですが、そういうものを書けば書く。そういうことでございますが、たまたま
航空身体検査を受けた時期には病状が非常によくなっておって、そういう点でもコメントすべきほどではなかったということを聞いております。そういう意味で、異常なしという意味は、
航空身体検査のやり方に照らして不合格疾患というものはいまありませんと、こういう意味であります。
それからもう
一つ最後に、そうであろうとも、どんな病気であっても、その
身体検査を受けたときにぐあいが悪ければだめですよという項目がございますが、その項目にも、たまたまその試験のときには非常に軽快になって、治っておって該当しなかったというのが私
どもが担当の
医師から聞いた
説明でございました。
そこで、一年余りの間、非常に長いことお
医者さんからいろいろな手当てを受け、観察を受けて最近に至ったということはそのとおりでございまして、いまいろいろ具体的にお述べになりました、一番最初のころはモスクワ線の乗務の途中で本人が異常を感じて、そして勤務を休む
状態になって、そしてセント・マリアンヌ病院の精神科にかかって、その結果は、明くる年の一月の末にもうよくなったから平常勤務が可能であるという意味の、心身症という名前の診断書をいただいております。
〔
委員長退席、理事
本岡昭次君着席〕
その後が、会社の
健康管理室が受け継いでずっとやりましたものでありまして、竹山
医師というのは、その二月ごろからこの患者についていろいろめんどうを見ておる。そういうことでございました。
そして、セント・マリアンヌ病院からは平常勤務可能であるという診断が出ましたけれ
ども、会社としてはそれに大事をとって二カ月ぐらいのいろいろな手当てをして、副操縦士の楽な勤務というところから始まって、乗務をぼつぼつ様子を見ながら回復過程に入った。その中で、六月ごろ一たん病状が逆行しました。そこでまた休んだということが一たんございましたが、その後また治ってきて、夏を過ぎたころ、もうこれは大丈夫だという関係者の判断で機長に戻るという過程を踏んだわけでございました。
そこで、
事故が起こりました後にいろいろなことが耳に入りました。そして、そういうことが前からわかっておればあるいはお
医者さんの判断、診断というものも変わったかもしれない。この辺は
専門の方に伺わないとわからないのですけれ
ども、そういうことを素人の私
どもも感ずるわけでございまして、この点がまさに会社における
乗員の
健康管理をいかにやるかということの今後の課題を示しておると思います。
そういう意味において、きょうお答えしました、
大臣に提出した
健康管理の
制度をこのようにやりますということは、われわれがいままで集めました知恵によって、こうすれば会社としてはまず万全であろうということを御報告申し上げたわけでございますが、やはりこれで一〇〇%ということではなくて、たとえば家族の人の協力であるとか、あるいは同僚とか、あるいはコミュニティーの人の協力であるとか、いろんなことがないとこういう種類の病気というのは的確に一〇〇%正確につかむことがむずかしい。この辺が企業としての
健康管理の今後の課題であるというふうに感じておる次第であります。