○
参考人(
矢船良文君) まず最初に、私
ども居住者の代表に三たび発言の場を与えてくださったことに深くお礼を申し上げます。
家賃として私たちがお支払いをしまして公社に集まったお金のうち、維持修繕費とか管理費につきましては、その総額、使われ方ともに居住者にはよくわからないというのが実態でございます。これが私たちにとりまして大変な不満なことでございます。それでもまだその中の維持修繕費につきましては、
前回の五十二
年度の東京、大阪等の
家賃値上げ問題が発生しましてから自治会協議会ができまして、幾らかお示しいただけるようになりました。たとえば東京では約二十九億八千万円の維持修繕費がある。大阪では、いま
椚座副
会長が約十億とおっしゃいましたが、厳密に言えば、自治会協議会に知らされておりますのは九億六千万円で、ございます。これはことし大分ふえておりまして、ここ二、三年は九億から九億二千万円というややこれより下回る数字が予算として居住者に知らされておるような経緯でございます。
それからさらに、議員の先生方に公社連合会から営繕工事実施
状況ということで、五十一年から五十五年までの公社の修繕費と都営
住宅の修繕費を比較して、いかにもこれで見ますと公社の修繕費が一戸
当たり少ないような資料が配られておりますが、東京での実態からしますと、この間にかなり大きな数億の差がある。そういった資料がお配りなされておりますが、詳細については、この資料の出どころ、私
ども直接いただいたものではございませんので、ちょっと質問もしておりませんので、検討はいたしかねております。
東京の例でございますが、地震とか台風などの災害時用の積立分だという理由で大幅な額の積立分を各
年度の維持修繕費から天引きされてきました。この
金額が一年分の維持費の総額に近づくような
状況でございましたので、自治会協議会で強く申し入れまして、ようやく昨年、五十六
年度は公社さんで言う維持修繕費
収入の総額がその年の予算とされました。今
年度、五十七
年度分につきましては、ため込み過ぎではないかということで私
どもが強く申し入れを行いましたことにおこたえいただきまして、今
年度の
収入約三十億に四億を上乗せしまして三十四億近い予算をお立ていただいたようでございます。
この特別災害用積立金ということでございますが、三年前でしたか、関東では珍しい台風がございまして、屋上の防水膜が魔法のじゅうたんのように飛んで屋根からぶら下がってみたり、それで雨漏りがしたわけですが、屋上の手すりが風で倒れたり、大きな樹木が根こそぎ横倒しになったりいたしましたが、このときもこの積立金には全く手をつけず、
一般予算で修復されてしまったようであります。したがって、私たちは、修繕費につきましては十七、八億という大幅な黒字が東京では残っていると想定しております。大阪でも、
年度の額の上下があるということからかなりな額が残っているのではないかというふうに想定いたします。他の地方公社につきましても、余りに資料が居住者に知らされませんので何とも申し上げられませんが、似たり寄ったりではないかというふうに思っております。
それから、入居者の補修要求の実現度でございますが、けさほどの
原田先生の御質問に答えて私
ども全国公社自治協幹事の
高橋幹事の方から東京の例として、私たち居住者が要求をしましてから営繕工事実施基準というものがやっとできたんですが、その中の数字を見ましても、屋上の防水は十年と定めておるのに実態は二十四年かかっているとか、ベランダの手すりなどの鉄部の塗装は五年と定めているのに、実態は十一年にして初めて塗装されるというような
状況でかなりさびが目立っております。この辺につきましても、私
どもは長期的な見通しに立って、これだけの工事が必要だからこれだけの資金が必要だと資料を出して話し合おうではないでしょうかと、資料出ての話し合いなくしては、どれだけ
家賃に修繕費を組み込んだらいいかということが私たちから見ても想像もつかない、全くわからない話ではないかということを申し入れていますが、公社さんの方からはまだそういう趣旨での御相談はございません。
それから最後に、管理費でございますが、これは全くやみの中と申しますか、私
どもには数字を示しての御説明がございませんので、幾ら
収入があるものやら、大体千分の一対千分の〇・四でございますから約四億ぐらいかなと、こういった
状況でございます。本当に足りなくなれば、
前回値上げのときに大阪とか東京とかで話し合いの確認書ができているわけでありますから、これに基づいて御相談があるだろうというふうに私
ども判断しておりますが、そういう御相談もございません。
それから、東京での例でございますが、公社全体とすれば、つい先日、百二十億円を東京都にお返しになったということでありますから、土地を売ってというふうなことも聞いておりますが、売った全額を全部返したということのようには記事にはなっておりませんでしたので、よくわかりませんが、まだ
相当大幅な黒字をお持ちになっているんではないか、このように
考えております。