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大木正吾君 いや、実は遊休地が問題だとして伺ったのは、ほかに実は聞きたいことがございまして、これは質問時間も大分迫ってまいりましたので最後の方になりますが、結局こういうことじゃないんですか。東京とか大阪とかあるいは名古屋周辺の経済圏ですね、こういうところには人がぐんぐん集まってくるわけです。したがって、
住宅も足りないし
住宅の値段も上がるし、さっきの
国土庁から御返事あったんですが、そういう
地域周辺でもってもしも税金が今度逃れられるとなったときに、必ずこれは上がることは間違いないわけです。
ですから、そういう傾向との関係でもって考えてまいりますと、恐らくこういった土地は、いまから十年ぐらい前かもしれませんが、一時物すごく
住宅が上がった、田中角榮さんの列島改造問題の前後に入手したかもしれませんけれども、そういったこととの関係でもって日本列島全体を見たときに、過密過疎といった言い方は失礼なんですけれども、大体
人口十万から三十万ぐらいの
都市の周辺の場合には、いまおたくでとっているところの
住宅政策でもっていけるんです。しかし、実際問題として一番困っているのは東京、大阪、まあ中京圏です。ここの場合には私は余り功を奏しないと見ているんです。結果的には、さっきあえて日経
新聞を持ち出して言いましたことは、これからはこういう形でなければいけないと思う。
たとえば、東京二十三区プラス武蔵野、三鷹ですね、この周辺などはみんな土地が坪百三十万前後しているわけでしょう。そういうところは宝くじを当てたってあなた、とてもじゃありませんけれども買えるものじゃないわけですからね。そうなってきますと
住宅政策の根幹を変えなくちゃいけない。ということは、持ち家政策を全部やめろと言っているわけじゃないんだね。たとえば環状線の管内の場合には、あるいは三多摩周辺でもいいんですが、こういったものがもし活用できれば大いに活用していただきながら、要するに大変さっき
説明もありましたとおり、たとえば所有権の問題とかたくさんややこしい話が出てきます。これはわかるんです。わかるんですが、とにかく二千五百万人もおる首都圏の
人口との兼ね合いです。同時に、中京圏を含めて大阪圏といったらもう日本の
人口の半分を占めちゃうんだから。そういうこととの対応でもって考えたときには、相当抜本的な
住宅対策を考えなくちゃいけない。
そうすると、東京をまず、皆さん方全部住んでおるんですから、東京圏の場合でも、たとえば二十三区プラス武蔵野、三鷹、その辺の場合に、あくまでもこれはもう言えば、こういった種類のものを中心としながら賃貸しの低家賃
住宅で、同時に自分でもしどうしてもマイホームを、土地のついた家が持ちたい方は持ちたい方でもって、ちゃんと小田原周辺でもいいし、二宮でもいいし平塚でもいいわけで、もっと向こうの方へ行ってもらう。アメリカのサンフランシスコじゃみんなそうやっているんです。スラムに住んでいるのは結局黒人じゃないですか。金持ちの方はみんな車でもって一時間のところに住んでいるわけでしょう。
そういった発想の転換というものが大胆に出てこなければ、絶対に日本の、言えばのっぽビルが四十何階あって、近くには今度新宿の裏の方のスラムみたいなところがあって、そしてちょっと今度吉祥寺の方に行ったらまたたんぼがあって、そういったまさしく雑居状態をもうちょっと大胆にこれは整理、区画するということはどうしても私はいまの段階でもってぼちぼち始めなかったら、まあいまの若い衆は元気がないからわりあいにいいんだけれども、本当にあなた、マンションの占拠事件などがイタリアの南部みたいに起きるかもしれない。こういうふうな心配も、少し乱暴な言い方をしますけれども、起きないとは断言できないわけです。
だから、
住宅政策の根幹という問題について、せっかくこういったものが出ているんだったら、これは相当無理があっても、隘路を一つ一つ解決しながらそういう状態に持っていってもらいたい。同時に、どうしても日本人のニーズとして、たとえば二十坪の土地でもいいから土地がついた家がほしいという方は、それは少し遠くから通勤してもやむを得ないという形でもって対応していただかないとどうも
住宅政策の根幹は解決をしない、こういうふうに考えるものですから、たまたま非常にいい案が
建設省の内部から出ているものですから、これを例に引き合いに出しながら問題の提起をしているわけです。
両
大臣に聞きたいんですが、どうでしょう、そういった——
始関さんは千葉でしょう、千葉の一区でございましたですね、私も千葉でございますから、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
それで、そういう千葉の四街道からあの辺だったら、昔はみんな草っ原だったでしょう。四街道、こっち側の都賀、あそこには駅がなかったでしょう。あの周辺に団地がこんなにできて、あの辺はもう坪七十万はしています。ああいう状態でもってどんどん
都市周辺が変わっていくんです。私は、
始関大臣はそういった
都市近郊に住んでいて東京圏に住んでおられるわけだから、生々しい現実を知っているわけですから、ぜひ
住宅政策というものは、役人の方にお願いするのも結構なんですけれども、あなた御自身が自分のお孫さんなり子供さんなりをどうして住まわせていくんだということを考えながら、新しい大胆なアプローチがあってしかるべき、こう考えているんです。持ち家政策と、要するにこういったような土地問題が余りかからない低家賃の貸しマンション的なものをもっとつくることに
建設省は少し
住宅政策のかじを切りかえる決意はないかどうか、両
大臣に聞きたいんです。