○中山千夏君 ちょっと
予備費との関連というのが、この監視員の派遣や資機材のところで気になりましたのは、いままでに国連軍の派遣に係る分担金に
予備費を出しているということがございますね。
昭和四十八年から数次にわたって出されています。この
予備費というものが、よく
大蔵大臣は、
予算は生き物だ、財政は生き物だとおっしゃるんだけれども、その中でも一番生き物らしい感じを持っている部分なような気がするんですね。そういう
予備費の性格からしまして、この国連軍の派遣に係る分担金を充てていくときにちょっと問題があるんじゃないかと思った個所がありましたので、御
意見を申し上げたいと思うんですが、この分担金に関しましては各
年度の
一般会計予備費使用調書の「
事項」と、それから「説明」を拝見すると、はっきりわかるようになっています。たとえば四十八
年度ですと、「
事項」のところに「国際連合緊急軍派遣に係る分担金及び拠出金の
支出に必要な
経費」、
予算科目が「国際分担金其他諸費」というふうになって、
予備費使用額が挙げられています。ところが、これ各
年度大体そういうふうになっているんですが、
昭和五十四
年度についてはちょっと問題があるんじゃないかと思います。というのは、五十四
年度の(その2)に、「国際分担金等の支払に必要な
経費」と「
事項」にありまして、「項目」が「国際分担金其他諸費」となっていて、三億九百六十二万円の
使用額が挙げられています。その説明には、「外国為替相場の変動に伴い、国際機関分担金等の
予算の不足を補うため」としか書いてないわけですね。それで当初
予算の各日明細書を見ますと、三億九百六十二万円のうち、二千三百二十三万は国連緊急軍派遣の分担金である、それから二百四十四万円はサイプラス国連平和維持軍の拠出金であるということがわかるわけです。ところが、その残り大半の二億八千万余りというのは、この当初
予算の各日明細書にないんですね。これはどこから出てきているかというと、
補正予算から出てきている。そこで、その
補正予算の各日明細というのを拝見いたしますと、「国際機関分担金」とあるだけでして、そのほか詳しいことが示されてないわけです、細目が。それで独自に調べますと、この二億八千三百九十五万円というものが、国連軍のレバノン派遣の分担金に充てられているということがやっとわかるわけですね。つまり当初
予算にもこのレバノン派遣という文字は全然出てこないし、それから
補正予算の部分でも、国連軍のレバノン派遣の分担金に充てられたということが出てこないわけですね。すると、これだと、事レバノン派遣の分担金の
予備費に関しましては、
国会はめくら判を押したことになるのじゃないかと思うんですよ。問題が国連軍への資金援助というのは、もう全然問題がない、ずっとみんなに認められてきていることだというふうな言い方も政府の側にあるようなんですけれども、いろいろと異論もあるところです。ですから、そういう項目について、
国会を何か無視したような報告の仕方というのは、財政民主主義に反するんじゃないかと思うんですよね。まず、
予備費使用
調書に関しては、
補正予算でこの件みたいにもし新たな細目が発生した場合には、もっと丁寧に説明をつけていただくべきだと思うんです。それから、また
補正予算の各日明細というのは、この事例に関して余りにも大ざっぱ過ぎると思います。何か余り大ざっぱにざあっと出されると、わざと隠そうとしているのかなという疑いすら出てくると思うんですね。もしそうでないんだったらば、そうじゃなくて、ちゃんと財政民主主義を尊重するんだということであれば、全般的にほかの部分を拝見しても、
補正予算の各日明細書というのは何か大ざっぱな感じがするので、ぜひ改革をしていただいて、科目をもっと丁寧に明示していただきたいと思うんです。
大蔵大臣はいろいろと思い切った改革を財政面でも行っていらっしゃいますから、こういう
国会への報告書というものを改革して、もっと明朗な明細書が出てきて、
審議がしやすい、積極的に
審議の中で議論を巻き起こしてもらうというような積極的な姿勢を
補正予算の各日明細書をお出しになるときにとっていただけるんじゃないかと思うんですが、
大蔵大臣いかがでしょうか。