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安武洋子君 私、
農水省の職員の天下り問題でお伺い、をいたします。
農水省の場合でございますが、東北農政局の職員が手みやげ
工事つきで三井建設に天下っておりまして、しかも就職の際に
農水大臣の承認を得ていないと、こういうことで、
民間企業への天下りにつきまして、
大臣の承認がきわめて形式的ではないかというふうなことで、国民の批判が高まっております。
農水省につきましては、このほかにもきわめて違法な天下りが行われていることが私の調査で判明をいたしております。公務員の再就職に当たりましては、私企業から隔離のために、国家公務員法百三条並びに人事院規則によりまして、在職中に密接な
関係のあった企業に離職後二年以内に就職する場合は、人事院または所属
大臣の承認が要る、また就職後も離職から二年以内に地位が
変更する場合は、同様の承認を得なければならないと、こういうふうになっております。ところが、人事院が
昭和五十一年三月十六日付で承認をされております当時の北陸農政
局長の坂本正氏の場合でございますが、この方は日本工営株式会社という、これは農業、水利、灌漑、こういうコンサルタント事業を行っている
農水省ときわめて密接な企業でございますが、ここに顧問として就職をなさっていらっしゃいます。人事院はこの承認の理由といたしまして、この日本工営株式会社というのは「北陸農政局と契約
関係があった」と、こういうことを認めながら、「当該
工事額の同社の完成
工事高に占める比率が極めて低かった」と、こういうことと、「企業につく地位が技術点
事項担当の非役員である」、こういうことで天下りを承認いたしております。坂本氏は五十一年三月十六日に顧問で就職をされておりますけれ
ども、私が調べましたところ、離職後一年三カ月日でございますが、翌年の五十二年六月に同社の取締役、しかもコンサルタント第二事業部の農業担当、この農業
関係の営業の最高責任者に就任をされております。これは人事興信録にも出てまいりますし、日本経済新聞あるいは会社年鑑、それから有価証券
報告書と、こういうふうなものに公表されておりますから、公表された
資料でこういうことがはっきりとわかるわけなんです。そして現在は常務になられております。そして、この五十二年六月の取締役就職につきましては、人事院の承認を受けておられません。人事院の年次
報告に出ておりません。
日本工営のこの当時のコンサルティング業務の完成
工事高というのは、官公需が八十億でございます。そして民需は三十一億でございます。もし人事院に地位の
変更を求められる、取締役就任の承認を求められるというふうなことになっておれば、当然これは私は承認されないはずだというふうに思います。
さらに、もう一件ございますが、これは
昭和五十一年の四月一日に離職をされました近畿農政局の久原秀士氏の場合でございます。この方も日本グラウト工業の技術顧問、こういうことで就職の承認を受けておられます。この場合もつく地位が非役員である、こういうことで承認をされております。にもかかわらず、一年半後の五十二年十一月二十九日常務に昇格しておられます。地位の
変更承認が行われた形跡というのは全くございません。これは人事院の年次
報告に出ておりません。私は、これら二つの件でございますけれ
ども、離職後二年以内に地位の
変更というふうなことがありました場合には、人事院の承認を受けなければいけない、こういうことになっておりますけれ
ども、この両件というのは、明らかに人事院の承認を受けないで役職についておられるというふうなことで、明らかに国家公務員法に違反する行為が行われていたというふうに思うわけです。
そこで、
農水省にお伺いをいたしますけれ
ども、私は先日、これは人事院に対しまして、この両氏の件につきまして国公法違反を犯していたのではないかということで調査をお願いいたしております。当該官庁であります
農水省の方にも連絡があって、
農水省としても当然御調査をなさったのではなかろうかというふうに思いますが、御調査をなさっているようでしたら、その調査、そしてその結果をお知らせ願いとうございますし、もしいま私の申し上げたことが事実で間違いなければ、このお二人に対してどのような処置をとられたかをお伺いさせていただきます。