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対馬孝且君 これは石炭
部長ね、いまの問題は非常に大事な問題なんですが、これは私八月三十一日に政府
調査団の一員に加わった北大の磯部教授と約二時間対談をいたしました。これは若干時間がなくて省きましたけれ
ども、ちょっと詳しく申し上げてみたいと思うんでありますが。
これは四十九年新鉱を
開発した当時の
委員長が磯部教授です。この磯部さんと話し合った結果明らかになったことは、これは総炭量としては五千万トンだったけれ
ども、四千五百万トンにベースを置いたということですね。それをスタートにして、政府が投資した額が百六十億円、当時の年間出炭ベースが百五十万トン、一人当たりの能率が八十五トン、こういうことで坑口開設に至った。実は額としては、当時百八十億という要求がありましたけれ
ども、百六十億ということになった。
そこで、今後の対策としてどういうことを考えられるのかということを、私も磯部教授とずいぶん意見交換をして一致したことは、やっぱり何といっても保安上——政府
調査団ですから、磯部さんも加わっていますから。当然伊木教授が出されましたように、これはガス山だと、しかし坑内骨格構造の展開が間違っていると、こういう見解ですね、一口に言うなら。だから、坑内骨格構造の展開が間違ったとするならば、新たに千メートルの斜坑一本おろすといったことと、それから新たに清水沢寄りから立て坑一本をおろさなければならんと。これが当時
調査団に加わった磯部教授の見解でもあり、われわれもかねて、この
決算委員会ではありませんが、
エネルギー委員会で私申し上げたことがあります。
そういうことを踏まえて考えた場合、やっぱり立て坑をおろし、同時に斜坑を一本おろすということは、これは常識的に言って、一日の伸びが大体六十メーターというのが、私も炭鉱マンですからわかっていますけれ
ども、まあ岩石と沿層掘進ではわけが違いますが、大体六十メーターというふうに踏んだって、仮に四十メーターの伸びに縮めて安全性を持っていったとしても、二年ちょっとあればこれは斜坑一本掘れるわけです。同時に立て坑の掘削ができるわけです。私が言っているのは、そういう立て坑、あるいは斜坑一本おろすというのは、今日の大澤提案にもあるわけです。ところが、斜坑をおろすためには掘進要員が必要なわけですよ。大澤提案にもあるように、撤収もすると、こう言っているわけでしょう。撤収もしなければならん、坑道維持もしていくんだ、こうなってくれば、私は明らかに新北部地域というものを
開発するという基本方針がある限り、当然その部内の——私の言っているのは新北部ですよ、いまある西部のことを言ってるのじゃありません。新北部地域におけるそういうものは当然撤収、それから斜坑を一本おろす、坑道掘削、こういう
開発とつながっていけば、おのずから一定のやっぱり労務者の雇用対策は当然必要である。そういう
意味の残炭とつなげていった場合には、山としては、炭労案でいけば七百という当時の再建構想を出しました。ですから、そのことは別にして、私が言いたいのは、そういう炭労再建構想にどこまで近づけるかは別にして、近づけるという基本方針は別にして、私が言ったことは、客観的に磯部教授の見解としても、そういう方程式というか、あるいは作業
計画、
開発計画というものは組まれてしかるべきであると、これは私の意見とも全く一致しているわけです。ただ、私はそのことを言っているんであって、いま石炭
部長から答弁があったのは保安上の問題、もちろんこれは
調査団の結論がそうですから、とても北炭の経営者には任せきれないと、こういうずさんな管理体制の経営者に託せるかというのが結論ですから、われわれもそのことは多とするんでありますけれ
ども、問題はそういう雇用をつないでいく、保安を管理していきながらつないでいくという、そういう対策があっていいんじゃないかという、それがひいては先ほど言った五年というものをリードタイムをして早めて、結果はやっぱり三年後ないし四年後には千三百人の山になる。なるほどこれで山の再建は図ったと、よかったと、夕張の地域社会は守られたと、こういうところへ行くためのあれが必要ではないか。もちろんそれは協会でいま検討されている、先ほど
大臣が責任を持ってやらせるということですから、それは別にして、そういう問題について、保安上の問題、採算
コスト上の問題もちろんあるけれ
ども、私は経済合理性だけに余り中心を置くということではなしに、むしろ保安上の見地から十分にこれは検討しなければならないということは私も了解しております。ただしかし、保安上の見地を踏まえたとしても、そういう体制づくりをひとつ政府として検討していただかなければ、やっぱり将来そこへつないでいけない、ここに雇用対策の問題と、夕張地域社会を守る
意味で、私はこの
考え方をもう一回検討してもらいたい、こういうふうに考えるんですが、いかがでしょうか。