○
国務大臣(
坂田道太君) この種の不正事項、これはもう続発しないようにしなければいけません。もうまことに遺憾千万だと思います。会計検査院に
指摘をしていただきまして
改善をしたということでございますが、今後はこういうようなことが絶対にないようにしなければならないというふうに思います。
しかし一方、私刑務所
二つ、実は熊本とそれから府中の刑務所を見てまいりました。たとえば府中の刑務所でございますと約二千四百名程度の累犯の人たちが収容をされておるんですが、その五三%が実は組織暴力の人たちであります。しかも、それを幾つかの班に分けまして、そして作業をさせているわけでございますが、大体平均いたしますと六十人を一人で見ている。しかもドアをシャットアウト、そしていろいろの器具を使いながらこうやる。たまにはけんかというようなことも起こり得る。それからまた、これは数年の間ではございましょうけれ
ども、めがねを割りまして、これで頸動脈を切るとかあるいははしを二本タオルで巻きましてこうやれば、これ
自身がもう凶器になる、またそれで傷つけたという例も実はあるわけです。そういう中で、私防衛庁長官もやりまして、自衛隊の諸君を視察をしたこともございます。しかし、二十四時間のスクランブル体制におる自衛官、それ以上の緊張の連続が刑務官に課されている。それでなければ保安が保てない。非常に緊張感を持っておる。したがいまして、後で所長から、一体この人たちの恩給の受給
状況はどうなんだと聞きましたら、非常に短いわけでございます。後でうちでも調べましたところ、
法務省の
一般の職員は二三%、受給
関係でございますが、しかし看守以下は約二七%ということ、恩給受給期間が五年未満の者でございますね、そういうこと。それから年休の取得日数が、普通
一般の公務員は十二・一日、それがここの場合は八・六日ということ。それから叙勲の年齢にいたしましても、
一般は七十歳以上、しかし、刑務所職員につきましては五十五歳から受けられるというような
状況で、かなり緊張の連続という、しかも先ほど矯正
局長が申し上げましたように、受刑者を社会に復帰させる、更正させるやはり
一つの大きい手段、方法といたしましてこの作業が行われておる。所長のお話によりますと、まず食事、これがきちんとしていなきゃいけない。
二つ目は、適当な運動を与えるということ。三つ目は、適切な作業を行う。これがきちんとしておらないと非常に不安な
状況が出てくるおそれがあるということでございまして、一面こういう不正事件は再び起こらないようにしなければいけませんが、同時に刑務所のこのような仕事に携わっておられる人たちの処遇については、十分政府として、
法務省として考えていかなきゃいけないというふうに思いました。
それから、法務局の問題、これは個々の問題については私はまだ突っ込んで聞いておりませんから何とも申し上げられませんが、
一般的に申しますと、先生方も御承知のとおりに、法務局の仕事、特に登記の事務というものは、この十年間約二倍以上になってきておる。しかも、質的にも複雑になり、あるいはマンション等もできて、非常に
労働が過重になっておる。にもかかわらず、定員は一・一二ですか、ほとんど変わらない。そういう人員でこの仕事をやっておる。サービスはきちんとやらなきゃならないのにそれはできない。しかも、法務局をあちこちを私最近見て回りましたけれ
ども、たとえば板橋の法務局出張所のごときは狭隘で、いま新しくつくり始めておりますけれ
ども、あそこの中であれだけの仕事をやっておる。なかなか監督なんかもできないような
状況じゃないだろうかというふうな一面もあるということ、これは私
法務大臣といたしまして、やはり法務局を新しく近代化していくと、そして仕事をきちんとやれるようにしてあげるということも、やはり
犯罪、このような不正なことが行われない前提ではなかろうかというふうに思って、自分に言い聞かせておるようなわけでございます。来年度の予算におきまして、この点にどうこたえていくかということも一面において私考えておるわけでございます。
以上でございます。