○板垣正君 遺骨収集については現地の自衛隊あるいは
本土から鉄道の専門家、そういう人たちの協力も得ながら困難な中で進めていただいていることは大変結構だと思いますが、ぜひ早く解決していただくように。
なお、埋没遺骨のみならず、私
ども経験によって
承知しておりますが、地表遺骨ですね。南方で玉砕された摩文仁を
中心とした地域等にも、ほんのちょっとしたところに地表遺骨がいまなお残されている。これは県の方で受け持って、
本土からも協力者が行ってやっておるわけでございますが、将来の
沖繩の発展とともに、やはりそうした残された問題が早く解決できますように今後ともひとつ力を入れていただきたいと思うのでございます。
次に、私は
北方領土の問題に関連をいたしまして、午前中に中村
委員からお話がございましたが、私もぜひひとつこれをお願いいたしたいと思うのでございます。
私のところに根室の
北方領土隣接地域
振興対策、この協議会の根室市長さんですけれ
ども、代表して陳情書をいただいております。総務長官のところにも恐らくいっているのじゃないかと思うんですけれ
ども、これを見ますと物心両面にわたってもう非常に厳しい状況、もう地域経済が行き詰まっていると。
このような地域経済の行き詰まりと、ソ連邦の
北方領土に対する軍事基地化が進められるなど、領土問題が長期化されていく状況の中で、物、心両面からの疲弊感が深まってきており、
北方領土返還運動の拠点地域としての役割が果し得ない状態になりつつある。
又、戦後、
北方領土返還運動の担い手であった、元
居住者の三分の一が死亡しており、世代交替という転換期を迎え、この国民的課題を次の世代へ引き継いでいくため、地域の青少年に領土問題をいかにして根強く定着させていくかという大きな問題が残されている。こういう非常に
北方領土返還運動の原点とも言うべき根室の現地においてもうもてない、こういう非常に深刻な状態に立ち至っておる。これは私も何度か現地に行ってつぶさにお話も伺い、本当に深刻なところへ来ておるということを痛感をしておるわけでございます。
そこで、先ほど中村
委員のお話にもありましたいわゆる地域
振興対策の問題でございますが、これは
昭和五十二年ごろから特に強く具体的な要望として出てきております。
北方領土隣接地域の
振興という問題については、五十二年、いわゆるソ連側も二百海里を設定する、それから特にもう厳しくなったようでございます。五十五年、昨年は
北海道庁を
中心に進められ。こちら側でもいわゆる連絡
会議等が設けられたわけでございます。しかし特にこの地域としての特別措置が制定されないで来たわけでございます。そうした中で昨年は「
北方領土の日」が制定される、総理が歴代総理として初めて現地に行かれる、こういうことで、現地の期待は非常に大きなものがあるわけであります。もうこれあと進めるのは具体的に
北方領土隣接地域の
振興特別措置法を定めるということにかかっているわけであります。
午前中中村
委員のお話にありましたように、これは自民党におきまして近日中にこの成案を得ようということで法案のまとめを図っております。これは三つの柱から成っております。まず
一つは、
国民世論の一層の
啓発を図っていこうということ。もう
一つは、いわゆる
北方地域の元
居住者、こうした方たちの
援護の充実を図っていこう、そうして第三番目に、いわゆる
北方領土の隣接地域、物心両面にわたって非常な逆境に置かれておるこの地域に対する
振興及び住民の生活の安定。
この三つの柱、帰するところは一日も早く
北方領土の
返還が実現できるように、この
目的を達成するためにやはり国民も広く理解をしてもらう、また引き揚げてこられた方々の
援護もやる。そして地域がこの
運動を支えていかれる、これは国民にかわって言うなれば全国民的な問題をあの根室の地で支えていただいておる、こういうわけでございますから、そうしたことでこの特別措置については内閣総理大臣がこの地域
振興の基本
方針を定めて、そこでいままで進められた各省、特に
北海道開発庁、いままでいろいろ積み重ねてきていただいておる
開発庁を
中心としてこの
振興計画を立ててその他特別の助成を行う、あるいは財政
振興の基金を設ける、こうしたことでいろいろ盛り込もう、こういうわけでございます。
北方領土の問題は民族的な課題であり、しかもソ連はまさに理不尽に力をもって彼らの意思を
日本に押しつけようとしておる。これは単なる利害、打算を超えた、正義の前にはあくまでこれを守り通していく、貫き通していく、力には屈しない、こういう民族の魂を支え抜いていかなければならない。これが
北方領土返還運動にかける国を挙げての思いであり、そうしたものを支えているのが現地の、しかももういままでかけ声だけで心配します、いろいろやりますよと言いながら本当に国としての思い切った措置がとられておらない。もう
運動はいまどうなるかというぎりぎりのところに来ているわけであります。こうした一番ぎりぎりのところに総務長官先ほど御決意の御披瀝もございました。大変私
どもも力強く存じている次第でございますけれ
ども、私
どももこの法案議員提案になり、何としても今国会においてこれを仕上げて、そうしてこの
運動についての
一つの画期的な体制づくりを進めなければならないと強く念願をいたしているところでございますが、
政府のお
立場においてもこれを受けて非常なる決意のもとで、ひとつ
田邉長官のもとにおいてこれを実らし、かつ具体的な姿で前進を図っていただきたい。
このことに対する長官の御決意を承って私の
質問終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。