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政府委員(
藤仲貞一君) 最初の
沖繩県の水需給
計画調査によります七十三万トンという数字は、これに
対応する数字は実は四十五万トンでございます、現時点で。その
先生おっしゃいました三十六万トンは
沖繩県企業局配水分でございますので、あらかじめお断りを申し上げておきます。
私
ども、水資源の
開発は
沖繩振興開発上非常に重要な課題であるということで
復帰以来大変
努力をしてきたつもりでございますが、まず
復帰時点から最近時点までの水需給の
状況について申し上げたいと思います。
復帰時点におきましてはいまの七十三万トンに
対応いたしまする水の需要は日量にいたしまして約三十一万トンでございました。これを企業局配水分が約二十三万トン、
市町村等の自己水源八万トンをもってカバーしておった
状況でございます。最近時点におきましては、これが需要が日量で四十五万トンになっておりまして、これに対する供給といたしましては企業局配水分が約三十六万トン、それから
市町村等の自己水源が九万トン、こういうことで
対応しておるわけでございます。企業局配水分のうちには御案内の北部五ダムのうちの福地、新川の二ダムが含まれておりますので、大体この十年間の需要の増加に対しましてはこの北部の二ダムの完成によって
対応してきた、こういうことが言えようかと思います。
そこで、これからどうするかということでございますが、まず需要の見通しでございますが、第二次振計期間中における水需要の増加量につきましては現在
沖繩県において種々の要素を含めて検討中でございます。
復帰後十年の実績、それから将来への展望等踏まえまして、
開発庁といたしましても
沖繩県及び関係省庁と十分協議をいたしまして設定したいと
考えております。
ただ、そういうことではございますが、当面の供給増加の対策という点について申し上げますと、まずこの五十七年度中には北部五ダムのうち安波ダム、普久川ダム及び福地ダムの再
開発、この三
事業が完成いたすわけでございまして、この三
事業の完成によりまして五十七年度中には新たに日量約十二万トンが供給可能となるわけでございます。すでに安波ダム及び普久川ダムとも試験湛水を開始している
状況であることを御報告いたしておきます。
さらに御案内かと思いますが、北部五ダムのうち最後のダムとして辺野喜ダムというのがございます。そのほか五十六年度に着工の
予算をもらっております羽地ダム、それから五十七年度新規に着手が認められております比謝川総合
開発事業及び漢那ダム、この四つのダムの
事業がございまして、この四ダムが完成いたしますと、さらに日量約七万トンの水が
開発される、こういう
状況でございます。
その他ダムにつきましては、いま
先生から雨が降らなきゃだめじゃないかと、こういう御
指摘がございまして、まさにそのとおりでございますが、
沖繩は大変気象的条件あるいは地理的条件が特殊でございまして、雨が梅雨期、それから台風期に集中する。しかもその経年的変化が大きい。それから地勢から言いますと、なかなか大きなダムができないような地勢でございます上に、河川が非常に短くて雨が降りますとすぐ海へ流れてしまう。こういう
状況でございますので、
本土よりも降雨量が多いにもかかわらず利用率が非常に低い。こういう点から当面は多目的ダムの建設を主体として水資源の
開発を進めたいと、こういうことを
考えておるわけでございます。
以上、着手しておるダムあるいはまた着手予定のダムのほかにも、現在
沖繩本島におきましてダムの適地調査を実施しておるところでございます。物になるものから将来手がけていきたい、かように
考えております。
さはさりながらダムだけで済むかと、こういう
先生の御
指摘かと思いますが、私
どもといたしましても多目的ダムの建設を主体としながら、あわせまして西系列水源
開発施設整備事業というのがございまして、本島北部の西海岸の河川表流水をこれは取水する
事業でございますが、こういう
事業を
推進するほか、海水の淡水化であるとか、あるいは地下水の利用であるとか、さらにまた汚水の再利用であるとか、水資源の
開発については今後多角的に検討してまいりたい、かように
考えておる次第でございます。
それから、お尋ねがございました新聞報道によります屋久島からの送水の問題でございますが、いま
先生から御
指摘がございましたように、私
ども新聞報道以上のことは承知しておらないわけでございます。したがいまして、具体的にお答え申し上げることはむずかしいわけでございますが、聞くところによりますと、屋久島−
沖繩本島間は約五百キロメートルございます。恐らく日量二十万トンと申しますと、
かなり太いパイプを海底及び島嶼に埋設しなきゃいかぬ、こういうことであろうと思いますので、そういう点から
考えましても、建設、維持に
かなりのコストがかかるであろう、三千億で済むのかどうか私はちょっと見当がつきませんが、そういうことから申しましても技術的な適応性あるいは経済性等において検討すべき問題が非常に多いのではなかろうか、これは私の直観でございます。したがいまして、私
どもここで具体的にお答えをこの構想について申し上げるわけにはいかないわけでございますが、私
どもとしましては、じみちにただいま申し上げましたような水資源の
開発を当面は進めてまいりたい、こういうぐあいに
考えておる次第でございます。