○黒柳明君 たしか
衆議院で
審議があって、
参議院に回ってちょっとブランクがあったわけですね。それから、臨調がそういう異例の談話を出した時期あるいは
衆議院の
審議の段階におきましても、先般中曽根行管庁長官もいらっしゃったわけですけれ
ども、あるいは自民党の運輸部会の中でも、盛んに一般の
ユーザーには迷惑かけないんだと、こういう発言の中に、特殊な車というもの、これを
対象にするのだ、これだけだと、こういうことで、あるいは
運輸省の方もしっかりした決まった見解をもってこれを国会に
提案して、そして同じ発言をしてきたのかというのは、ちょっと私も議事録読んでみると疑問かと思うんです。少なくとも与党・
政府間の話し合いというかあるいは責任者の発言の中には、何か食い違いがあったと、こういうことは感じていたわけなんです。
それと、臨調の異例と思われる先ほど言った、土光さんが怒ったのは二つしきゃないと、そのうちの
一つにしてはちょっと時間的なずれがあるんではないかというような感じがしてきたわけでありますので、検討のときの事務段階におきまして、果たしてそういう一般の
ユーザーに迷惑かけない——私はかけないかどうかというのは疑問だと思いますよ。かけないというこの
運輸省の
答弁が、実際に実施段階においてかけなくて済むという私は認識
余りないんですけれ
ども、まず国会における約束はかけないのだと、あくまでも五割というその
点検について促進するのだと、この中で若干
整備不良車というものを拡大できる、こういうことで特定の車を
対象にと、こういう発言があったし、もしこれだと、これだけに限るとすると、あの臨調のいわゆる合理化、
国民の
負担の軽減、こういうものを
趣旨にした臨調全体の姿勢として当然新しい
負担をかけるということについては反対なわけです。
参議院で
修正しろと、これはわかるんですが、一般の
ユーザーに迷惑かけない、限定したものであると。悪、悪いもの、何回も言いますように、いまの
運輸省の
答弁ですと限られていますね、四つぐらいの例挙げましたね。それだけならば、別にいままでも
道路の
検査におきましては十万件ぐらいのうちの
整備不良が二万、そのうちの千件ぐらいは直ちに
整備不良として勧告を受けたその範疇に私も入るのかなと、こういうような認識もあるんですよ。一千件直ちに
整備しろと。
整備不良と指摘されたのは二万件ぐらいあるわけですな。そのうちの一万九千というのはやっぱり無罪釈放ですね、
整備しようがしまいが。ですけれ
ども、一千件についてはこれはもう直ちに改善、それで改善したという返事をとらなきやならない。とってきたと。しかも今度の
法律が万が一成立する——もうこれ成立する見込みないですよ、明後日になりますと公選法で爆発しますからね。爆発しちゃったらこんなもの幾らやったって、きょう、あさっての論議なんていうのは、運輸
大臣も腹の中では非常にむなしいものを感じながら、
自動車局長なんか当事者ですからより、もう新任早々ですから、それで二日いじめられて、後しあさってになったらこれはもうバカーンと変なところで爆発しちゃってあらあらなんていうことになるわけで、私は一〇〇%いまの雰囲気ですともう成立見込みないと思うのです。
それにしても、私は往々にしまして、失礼な話ですけれ
ども、何か変なものが先行しちゃって、それによって認識が、先入観がありまして、どうも悪だ、悪だなんてことを、私、悪じゃないといって一どうも
質問がややこしいな。悪じゃないと思ってないんですけれ
ども、悪だ悪だと言っていることが本当によく認識してみますと、ああそうじゃなかったのかなという
時点も、私、十七年間の国会の生活でたまにはある。このケースがそうであるとは言わないんです。臨調のこの発言と、いまの
運輸省のたてまえにせよ、あるいは隠されたものがあるにせよ、特定のものについて、明らかにだれが見たって悪いと思うものについてだけこの
過料を適用する、罰則規定を適用する、こういま言っている国会での発言、何回も繰り返していることだけに限った場合には、臨調のけしからぬと、
参議院で
修正せよというこの兼ね合いがどうも私、頭が悪いんでぴんとこないんですよ。
だから、くどいようですけれ
どももう一回、臨調の事務レベルの責任者としてさんざんいろんなデータを集めて御論議もされ、それが次長、局長、部会長のところへ行きまして論議され、土光会長のところへ行って異例の談話と、こうなったわけでありますね。ですから、その震源地は主任
調査員あたりが最大の震源地であると。会長が別にデータを集めて自分で研究したわけではないわけでありまして、それで発言がぽっと出た。それが間違いであるとか間違いでなかったとか、そんなことは私は探知する材料は何もありません。皆さん方が真剣になって、国家百年の大計の上に立ちまして検討した結果だと思います。その結果が、異例のああいう発言になって、
参議院の野党として、反対の私たちとして非常に力をつけられて、
質問がやりやすくなった、こういう観点なんですが、それと同時に、ひょっとこの時期的なかみ合いやなんかが果たしてどうなのかな、こういうことも感じられますものですから、いまの
運輸省の厳密に限定されたとしたらば——仮定です、これは。したらば、その中においてでも新しい
負担の軽減と、こうなるのか、新しいものとなるのか、あるいはそれは新しいものじゃなくて既成だってこういうふうに千件近くのものがあったんだからそれの延長線上となるのか。そうすると、あの談話というものはちょっとやっぱり
時点が違っていたのか、そこらあたり、もう一回、ひとつお教えいただけますか。