○渋谷邦彦君 これはいまずいぶん含みを持った答弁をされているのではないだろうかという感じがするのです。これはやはり
日本語というのはいろいろな意味を含む場合があります。いろいろな解釈をなされる場合があります。しかしこれを文字どおりに受けとめますと、やはり米国の
世界戦略の一環に組み込まれたそういう
体制を築き上げていく、単に
日本の
防衛というところに主力を置いた発想ではなくして、いま申し上げたアメリカの
世界戦略、こうなりますと、いま申し上げているようなおそれというものが、にわかにではなくしても徐々に形骸化されていくようなその環境の中で、アメリカの
計画どおり、あるいは思うつぼと言ったら
言葉が過ぎるかもしれませんが、そういう方向にだんだん傾斜していく危険性があるのではないか。まあいまこれはやりとりいたしましても直ちに結論が出る問題ではないだろうと私は思うのです。
一方において、これまたやはりアメリカの要請だろうと思うのですが、先ほどちょっと途中の
段階で触れてまいりましたけれ
ども、前の在
日米軍司令官のアメリカ下院外交委員会において証言をした内容を引用しまして、そして
予算委員会で同僚議員が
発言をしておるわけです。そのときにやはりこのアメリカの要請の絡みの中で、公式な要請はないけれ
どもということを断りつつも、一たん緩急の場合は三海峡封鎖があり得るのだ、それには潜水艦あるいは水上艦艇、あるいは
航空機、そういったものを連動させながらやるのだという
趣旨のことが述べられております。
どだい私は戦術的な細かいことはわかりません。ただ従来の歴史的な戦史を振り返ってみますと、そういったものを敷設する場合には制海権、制空権というものをがっちりこちらが持っていない限りは不可能だというふうにされているのがいままでの常識とされているわけであります。こういったこ
とも十分考慮の中に入れながら
長官がそういう答弁をなされたのか、実際また起こった場合に三海峡鎖ということがあり得るのかどうなのか、これは公海条約の上から見た場合に背反行為にならないのかどうなのか等々いろいろな問題が私は関連して出てくるのではないだろうか。
これは封鎖をすれば確かに出る出られないという問題がある。これは相手国だけじゃありませんね。
日本の場合も出られなくなっちゃうわけです、漁船はもとより。そういうような障害というものも十分考えられるわけでありまして、恐らくその場合には有事ということを想定した上のことであろう。しかしこれにはもう膨大な爆雷が必要になってくるのですね。まあドーバーとは比較にならぬと思うのですけれ
ども、かつての第二次大戦のときにドーバーには大体二万個敷設された。海域が違いますからあながち同一視することはできないと思うのですが、そうすると、これが先ほど冒頭に申し上げたまた
防衛費に大きくのしかかってくる。しかも五六
中業ではそれもいまやる方向に向かって策定が進められている、こういうことがもうすでに
長官の口をついて出てきているわけです。一体そんなことが本当に可能性があるのかどうなのか。あるいは専守
防衛の枠を逸脱しているような方向へ踏み込んでいきはしまいかどうか。
その場合にもう
一つ考えられることは、そういうことが起こった場合に、これは仮定のことを言っても始まらぬと思うのですけれ
ども、やっぱり
防衛論争というものはいろいろなことを想定しながらお互いに考えなくちゃならぬ問題だろうと思うのです。その場合には米国側が単独で敷設をするのか、
日米が共同して敷設をするのか、あるいは
日本が独自の
立場で敷設をするのかという問題もまた出てくる。それによっても大分対応の仕方というものは違ってきはしまいか。この点余りこの問題ばかり触れておりますとほかへ行けなくなりますから総括してひとつ
お答えをいただきたい、こう思います。