○黒柳
明君 まあもう
防衛局長ではありませんから、どうですか
夏目局長、確かに線でも帯でもないと思うのです。かといいまして、もうここからここまで全部なんということもないとは思うのですよ。
ですけれ
ども、まあこれ時間がありますれば向こうの議事録等一々やればいいのですけれ
ども、当然そんな持ち時間なんかありませんものですから、要するに私に
アメリカの考えと
日本の考えと基本的に食い違いがあったとしても
アメリカは
アメリカですから、
日本は
日本ですから、いざとなったとき
アメリカがもろ手挙げて
日本を守るという約束だってあるかどうかわかりゃしません。核の傘だって非常に従来から疑問視されております。ますます疑問視されるのですから、食い違いがあったって別に構わないと思いますよ。
構わないと思いますが、ただしいま
日米間の
安保条約、そして
日米間の接点、非常に強い。しかも
共同研究は
日米間ですからね。それの
認識というもの、それをまず皆さん方が、私なんか当事者じゃありませんからいいですが、それはっきりしておきませんと食い違いからスタートした、そんなばかなこと専門家ですからないと思いますが、あるいは私たちがそういう
認識で何か議論しているとなると幾らたっても
防衛はかみ合いませんね。かみ合いません。
しかし、私もまた繰り返すようで恐縮でありますけれ
ども、昨年の一連の公聴会、そして下院がそのときの勢いに乗ったとも言えるかわかりませんけれ
ども、
日本はグアムからフィリピンまでの
海域を守れ、こう決議案を出しました。これはやっぱりひとつの厳しいものじゃないですか。
日本もある
意味ではこれを率直に、やるやらないなんということじゃなくして、そういうものが出たという
認識は当然していると思いますね。
ところが、こちらの
認識というものは、
マスコミの皆さん方がお書きになるように
シーレーンと言ったって何を言うのか、さらに言うと何から何を守るのかという従来の
防衛的な初歩の要素、それもわからないで論議なんかという書かれ方を盛んにされていた。私は非常にそれに同調する、同感するのです。
その場合に、
シーレーンというものが、
アメリカの従来の
考え方というのはシー・レーンズ・オブ・コミュニケーションじゃない、
シーレーンというのは
海域だという
考え方を
前提にやっていた。だから昨年はこちらの五六
中業、あんなに一生懸命やったのですよ、野党の反発を受けながらね。後で来年あたり一%GNPを超えるだろう。ところが
アメリカは昨年さらにそれを上回って量的な要求を出してきたわけでしょう。なぜそれじゃ
アメリカは出してきたのか。
私もその間二回ばかり向こうに行きましてアミテージさんに何回も会っていますし、いろいろな話を聞いてきました。皆さん方の百分の一ぐらいでしょうが、その彼らの
認識というのは、いわゆるラインであるのか帯であるのかわからないけれ
ども、
相当広範囲なところを守るためには単純計算したって
日本の五六
中業じゃ、P3CあるいはF15のそれだけじゃとても守れません、
潜水艦もう一艦隊つくらなければだめ、護衛艦ももっとつくらなければだめだということに基づいて、彼らなりに昨年のあの数字を出した。
これはもうあたりまえだと思いますね。やぶから棒に五六
中業に上乗せして
潜水艦は十三だから十六にしよう、こんなことじゃないわけですよ。彼らなりに、どこからどう守るのか、どの
範囲を守るのか、こういうことを
前提にやらなければそんな天下の
アメリカが、
世界戦略を立てている
アメリカが、いや
シーレーンは際限がないのだ、だれが攻めてくるかわからないから何もできないのだ、どういう形態で来るかわからないからまあやっておけばいいのだと、そんな
作戦を立てている国じゃありませんよ。当然こちらより制約も緩慢でありますし、いろいろな面において自由がありますから、それについて
日本に無理押しにこれをやらせようという意図がなくても、彼らが出した数字については当然彼らなりの根拠がある。
その根拠というのは、何をどの
範囲でどこから守るという根拠が彼らなりにしっかりしているわけです。
日本はまだそれがはっきりしていません。多々ますます弁ず方式ですな。
それで、彼らの基本
認識、守るべき
範囲というのはその
海域である、
日本が言っている
シーレーン、それを
海域なんだと、こうとっている。だから私は基本的にずれがあったって構わない。別にずれがあったって構わないのですけれ
ども、そこらあたりを何もずれがあると認めてはうまくない、
相違があると認めてはうまくない、こういうふうなお考えがあるいはあるかと思いますね、この席で。
ですけれ
ども、私はその
アメリカのそういう
認識について
防衛庁の専門家の皆さん方が、いや、そんなことは違う、われわれと同じだ、
アメリカの考えは
日本の考えと同じだとすると、これは物すごくおかしいことになるのじゃないか。
共同研究だけじゃありませんよ。こういうふうに感ずるのですけれ
ども、どうでしょう。