○寺前
分科員 そこがちょっと矛盾しているのじゃないだろうか。だから、最初に言いました各国の唯一の、JOCですね、日本のオリンピックへの参加の機構が唯一のものとして
存在しておったら問題ないわけですけれ
ども、体協の中の一内部機構にJOCがなっている。だから、体協加盟でなければ補助金の対象にならないという欠陥がある。体協に歴史的な経過の中から野球の諸君たちは入っていない。しかし、
現実に国際オリンピックの
課題にそれがなってきたときに、それじゃ、入っていないからといってここに派遣しない、そういうことはできないということになってしまうじゃないか。だからそういう
意味で、日本のJOCがそういう体協の従属じゃなくして独立を必要とするという問題と、それからもう
一つは、個々の団体に対してオリンピックに参加するという条件を保証するということが、やはり私は、それとの関連性において問題になってくるのは当然だと思うのです。
したがって、
政府は、私は歴史的経過のあることを否定するものではないのです、ですから、筋道の通ったように、助成のあり方についても、そのために逆に拘束をしてしまわないように十分な配慮のある要綱の改善も今後
検討してもらう必要があるのではないかということを、問題提起としてやっておきたいと思います。
次に、時間の
関係がありますので、
国民体育大会について聞きたいと思うのです。
ちょうど
昭和二十一年から始まったのが
昭和六十二年で終わって、ずっと府県を回るのが一通り終わってしまう。一通り終わった段階におけるところの
国民体育大会のあり方、従来のあり方のままでいいのかどうか、やはり
検討し直して、今後の
国民体育大会のあり方をどう進めていくかということは、私は
検討されてしかるべきだと思うのです。主催団体として
政府もこれはかんでいる。スポーツ団体だけの問題では、これは、
国民体育大会は違いますので、そういう
意味ではやはり
検討すべき段階に来ているんだということについてどういうふうにお
考えになるのか、これが
一つ。
そして、同時に、今日までの幾つかの問題があります。私は、時間がありませんので、二、三の問題だけにしぼりたいと思うのですが、まず施設の問題を、ここ十年間ずっとやってきたところを
調査してみますと、ずいぶんお金をかけて施設を建設しているわけですね。千葉県の場合を見ると、県の総合運動場をつくって、ざっと三十五億かけている。四十九年の茨城の国体を見ると、いままでに四十二億かけているという、こんな調子です。最近では、宮崎の場合七十三億とか、栃木の場合五十五億とか、どこの府県とも大変なお金をかけてきたものです。お金をかけて、いざ今度は大会が終わった後どうするのかというと、今度は、大規模なもので維持管理が大変だという問題に直面をするというのが施設をめぐる問題です。しかし、施設がそれなりの大きな役割りをしていることもまた事実ですから、一面的な評価をするわけにはいかないと思うのです。だけれ
ども、一巡後のあり方の問題のときには、施設に対する拘束力について少し
検討してもいいんじゃないだろうか。
たとえば
国民体育大会の開催基準要綱の中に、開会式は陸上競技場とする、観覧席は仮設スタンドを含めて約三万人程度を収容できる施設にする、その陸上競技場は日本陸上競技連盟公認の一種競技場で、一周三百メートルないし四百メートルのサブトラック一、云々というふうに要綱で
規定をしてくるわけですけれ
ども、一巡をずっとやって、それなりの体制をつくってきた段階ですから、これからのあり方としては、三万人入らなかったらだめだとか、そういうような基準についても再
検討してもいいんじゃないだろうか。それぞれの都道府県のあり方を尊重してもいいんじゃないだろうかということを感ずるわけです。
それからまた、これは
昭和二十九年に大問題になって、三十年に例の地方財政再建整備の法律ができるという過程の財政的に非常に困難な時期にあったから当然論議になったことですけれ
ども、毎年やらなければならぬだろうかという問題がその当時も問題になっている。だから、一巡後のときもこれについてやはり再
検討されてもいいんじゃないだろうかという問題があります。
〔宮下主査代理退席、主査着席〕
それから、私はもう
一つ気になって仕方がないのは、各県の競争のために、特に教員の中にあらわれてくるのですが、たとえば和歌山の場合に、
昭和四十六年にやりましたが、四十四年から四十六年の三年間に定数外で教員を二十四名採用しているのです。そのほかに体育指導員として九十一名採用しているのです。その結果が、和歌山県では昨年度まで十年間新規の体育科教員の採用はゼロだという
事態がつくられてしまう。こういうようなことは何も和歌山だけではなくして、昨年の滋賀の国体を見ても、五十三年から三年間で八十名の教員選手を採用した結果、今年度の体育科教員の採用は試験も行われず、数年間は採用が無理だという
状況になってきている。ことしの島根国体も同様な
状況で、五十六年、五十七年に教員採用を四十六人やったために、県の話では、今後五年ぐらいは体育教師の採用は無理だと言っている。これは一面の役割りを果たすか知らないけれ
ども、長期にわたって体育の教員を採用できない、こういう結果になってきているということは、不正常な運営との
関係があるのじゃないか。これは都道府県対抗ということがこういう結果をもたらしている
一つの要因になっているのじゃないか。この点についても
検討をすべき性格ではないだろうかと思うわけです。
そのほか、成人の部の二部制の採用とか、中学生の参加とか、公開競技の拡大などいろいろ意見が出ておりますけれ
ども、
文部省としても広くあり方の再
検討をしなければいけないと思うのですが、現段階におけるこれらの問題についての所見を聞きたいと思います。