○五十嵐
分科員 そうすると、一応北電なんかとは話はしているわけですね。この間ちょっと新聞なんかを見ますと、どうも北電も、これは何か寝耳に水だというような話はしているのですが、いまの
お話を聞くとそうでもなさそうであります。
そこで、いまちょっと出ましたように非常に劣悪な地盤条件になっている。あそこはサロベツ原野に続いたところで大変な湿原であります。泥炭等それから砂地のところで、これは相当深いところまできわめて弱いというようなことは、この間、町自身の地質
調査なんかでも明らかになっているわけです。しかも、あそこは御
承知のように国立公園にまさに交わっているところであって、これは町の陳情書なんかにも書かれているのですが、こういうことが書いてあるんですよ。「幌延町は、日本最後の国立公園と言われる利尻・礼文・サロベツ国立公園の一角を占めています。名山利尻富士、礼文の植物とならんでサロベツ原野二万三千ヘクタールの展望は、まさに日本の冠たる眺望といえましょう。海跡湖の名残りパンケ・ペンケの両沼、湿原をいろどる原生花園、学術的に注目されるコモチカナヘビ、数多くの野鳥など一原逍遥しましたら興味のわくところです。」こういうPRが書かれているのでありますが、そういうところです。国立公園の自然環境に対する影響もきわめて大きいと言わなければいけないと思いますね。こういうさまざまな問題が実はあそこにはあるということはすでに御存じだと思いますが、十分にひとつこういう点を御検討をいただかなくてはいかぬのでないかというふうに思います。
どうも時間がないものですから、
科学技術委員会が十一日にありますから、その折に詳しくまたいろいろ聞きたいと思いますが、いまの地盤だとかあるいは国立公園等の
関係について、どういうぐあいにお
考えになっているかをちょっと後で
お答えください。
同時に、大臣にひとつお聞きしたいというふうに思うのです。
私は、この問題というのは、お聞きして、北海道の過疎の悲しみというか苦しみというか、そういうものの悲痛な一つの叫びのような感じがやはりしますですね。だれもそんなものを欲しいとは思わぬのでしょうが、そう言わざるを得ぬという過疎の現実というものがそこにあるのかなという気持ちもしないわけではありません。しかし、どうもそういう過疎の悲しみや貧しさや、そんなものにつけ込むようなことでこういうことを
考えられちゃいかぬと僕は思うのですね。いわば北海道開発の
基本にかかわる問題でないかというようにも、われわれ北海道に住んでいる者は思うし、これは大臣なんかも北海道出身なんだから、当然そういうことをお感じになっているに違いないというふうに思うのですよ。
それで、いまあっちこっちに発電所がある。北海道には御
承知のように発電所はないわけですね。それで、あっちこっちにある発電所の廃棄物をみんな集めて、今度は北海道に持ってきて処分せいということもどうかと思う。それはその発電所の存在の可否についてはいろいろ論議のあるところだ、これはおくとしても、それなら発電所のあるところでそれぞれひとつ処分してほしい。よくトイレなきマンションなんということを言われるわけだけれ
ども、そのトイレの部分だけを北海道に持ってくるというようなやり方は、われわれ納得いかないですよ。この間の下川の問題がある。これはさっき
答弁を聞きましたけれ
どもね。今度はまた幌延だ。(「二区ばかりだ」と呼ぶ者あり)まあ、そういう説もあるのですよ。五区に持っていったらどうだという説もないわけではないのですよ。まあ、二区も五区もそうだけれ
ども、北海道として、大臣、こういうことではうまくないですよ。ぜひひとつ慎重に対処してほしい。そして、いま減容の技術開発をどんどんしているわけでしょう。それはいま二百万本とか三百万本だとか、さっき話があったけれ
ども、しかし、たとえば焼却減容して、灰にしてそれを固化すれば四十分の一になるというのでしょう。いまある七万何千本のやつが二千本で済むと、あなた方の
資料でそう書いてあるのですよ。あるいはセメント固化ではなくてアスファルト固化するということなら、五分の一で済むわけでしょう。いま、技術開発をして、そういう施設を片っ端から建てているわけだ。そうしたら、これはおたくの方の
資料でいくと、三百万本で、陸がそのうちの四割で海が六割、こう言っている。三百万本になんか全然なるわけないじゃないですか。けた違いじゃないですか。こんないいかげんな
資料を出してもらっちゃ困るんですよ。しかも、陸が四割で海が六割と言ったって、いまのような減容をしていったらば、海になんか投げられるわけはないじゃないですか。陸で処分するよりしようがないじゃないですか。それは、海で六割、陸で四割どころか、海はゼロで陸が十割になるということを
考えてやっているのじゃないですか。それならそういうぐあいに言ってくださいよ。だめですよ。だから、いま陸地貯蔵施設というものを急いでやらなければいかぬということになっているんでしょう。こういうことなんかもやはり率直に話してもらわなければ、われわれ
国会で十分な審議ができませんから、お願い申し上げたいと思いますよ。それぞれ
お答えいただきたいと思います。