○寺前
分科員 それじゃひとつ御努力のほどをお願いをするとして、次に移ります。
毎回、
国立国会図書館月報というのを私もいただいております。一番新しい二月号に、図書館刊行物の無償配付を削減し、有償に切りかえたい旨のお知らせが書かれています。聞いてみたら、
日本全国書誌週刊版とか「レファレンス」、これを無償で配付しているのを減らすのだと。どれだけ出ているのだと聞いてみたら、公共図書館に九十五出ているのを七十一にするのだ、大学図書館に百八十出ているのをゼロにするのだ。無償をやめて有償で買ってもらうのだというのですから、それはいろいろ予算上の合理的な配分とかいろいろな見解もあるかもしれません。
それで私は、こういうことになっていることに対して、本当にみんなどんな意見を持っているのかということで、電話でしたが、
日本図書館協会なり全国公共図書館協議会なり国立大学図書館協議会、公立短大図書館協議会、私立短大図書館協議会などに聞いてみました。どの団体もまず、正式に聞いていないということがはね返ってきました。それから、各図書館の予算はきわめて悪い、
日本の国というのは図書館に対する
理解が薄い、
国会図書館がむしろ積極的な音頭取りをやっていただいてありがたいんだから、ぜひ有料にせぬようにして一層活動してほしい、せめて基本書誌である
日本全国書誌週刊版だけでも何とかならぬだろうかと、これに対する声は非常に高いんですね。だから、私もこれを聞いておって、相談したら、無償を有償にする話というのはろくなことにならぬとお思いになったから相談されなかったのか知らぬけれ
ども、
国会図書館というのは、これらの皆さんにとっては中心的役割りを果たしているだけに、十分こういう方々の意見を聞いてほしいというのが
一つです。
それから、これは月報でぱぁんと出してしまっているんだから、いまさら聞いてもということになるのか知りませんけれ
ども、特に昨年の一月号に、いまの全国書誌週刊版、こう書いてあります。「冊子体の詳細記入では唯一のものとなりますので、今後はこれを保存して御利用下さい。」僕はこれが値打ちがあると思うのは、一般的に出ている本の内容だけではなくして、
国会図書館法に基づいて納本の義務を国民に課せているんだ、だから、そこには有償で出ていないところの本であっても、やはり
国会図書館に納めなければいかぬのや。納めた本はすべてここに紹介してくれている。私は、これは納本の義務を課したことに対するところの
国会図書館の側の責務だと思うのですね、みんなにお知らせする。
これをどの範囲に、どういうふうにやるかという、有償の問題は
十分研究していただくことにして、一番重要な位置を占める都道府県なり、市町村に対しては打ち切るということはなかろうと思うのです、指定都市などの大きなところには。私が心配するのは、さっき配付しているという
数字を聞いたら、九十何ぼのところにしか配付してないと言うんですね。そうすると、これは都道府県や指定都市を除いたら、わずかのところにしかいってないと思うのですね。そのわずかのところにしかいっていないというところのここを切るという問題について、せめて最低それは再検討してほしいと思うんです。
なぜかというと、これは市町村の、指定都市でないところに行って、やっている姿を聞いたら、本当に世間の
理解のない中で図書館活動をやっているわけです。ですから、
国会図書館からあの週刊版を送ってもらって、ああ、こういうものが出ているのかという関心を持って図書館活動をやっているというのは、
日本の中で貴重な存在なんですよ。特別にくれと言っておられたところが二十何ぼあって、そこだけいっておったんだから、これだけ積極的な役割りを担っている人を激励してほしいと私は思うんです。全国の市町村図書館というのはもっともっとたくさんありますよ。だけれ
ども、そこの中で、わずかのところ、せめてあれをくれよと頼んできて、あげておった存在だ、だから私はこの分野についてはぜひとも積極的に相談に乗ってほしい。その相談の一番大きい問題は、僕はこの週刊版だと思うんです。もうおたくの方で月報にああいうふうに書いてしまったから、いまさら
方針変えられませんとおっしゃるのかどうか知りません。私は、そう言わぬと、この分だけは一ほかの分野についてはよく相談してもらって、
理解してもらっていろいろ検討をしてもらったらいいと思うけれ
ども、せめて市町村の奮闘しておられる諸君のそこのところの分野だけは、十分に再検討をやってほしいなということを強く私は感じますので、ちょっと所見を聞きたいと思うのです。