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部谷分科員 もう一度ここで繰り返すのもどうかと思いますけれども、
最後の結論を申します前にいまのことをもう一度じっくり
お話ししておきませんと、どうも十分御
理解がいただけないような気がいたしますので、もう一度
状況をひとつ
お話ししてみたいと思います。
あの地区は、御承知のように大体北風であります。したがって北へ向かって発進をいたします。発進した直下に帝人があります。その先に山陽国策パルプ、その先に三井石油化学と興亜石油、その間はいわゆるタンカーの停泊地、こういうふうになっておりますね。くるっと旋回して南へ参りますと、東洋紡、旭化成、こういうふうな
工場群がずらっとあるわけです。そこで、いま申しましたようなそういう危険な地域であるから、なるべく早く右旋回をしようといたします。この一月十五日に
アメリカのフロリダ航空の
飛行機がワシントンで墜落をいたしました。あのときの
原因も、発進する
飛行機が民家を避けてポトマック川に沿って飛行するために早く旋回をする、そういうことをやっておることが非常に大きな
原因であるということを
指摘されておるわけでございまして、あのポトマックと同じような
状態が毎日岩国では繰り返されておるわけでありますから、そういう認識をまずしっかりしていただかなければならない、このように思うわけでございます。
もう
一つは、
工場群の中には塩素ガスがあります。もしこの塩素ガスの構造物の上に何らかの落下物が起こりますと大変な惨禍であります。いま岩国は大体十一万人口がおりますけれども、いろいろな
調査によりますと、その塩素ガスの構造物に落下物が起きたならば、大体七万人の
市民が避難しなければならない、こういうふうな
状態、まさに火薬庫の中に
市民は住んでおるという
状態にあることをひとつしっかりと認識していただかなければならない、このように思うわけでございます。
これもこの前申しましたが、私ごとで恐縮ですが、私は旭化成の
工場の中に小さな
工場を持っておる中小企業者の一人なのです。五十一年のときは、ちょうど私の会社の百メートル沖で落下いたしました。そのときは大変
米軍のパイロットがベテランでありまして、
工場群あるいはそれを突き抜けますと今度は市街地へ入るわけですが、それを阻止するためにみずからは生命を失いながら海中へ沈んでいった、こういう
事件が実は五十一年にあったわけでございまして、もしそれがそのまま百メートル陸の方へ突っ込んでおれば、私は、うちの会社の従業員の合同葬儀
委員長をやらなければならなかったかもしれないという、実は私にとっても大変切実な問題であります。しかも、それからちょうど五年たって、ことしの二月に、またその少し沖ですけれども墜落したということが繰り返されておりまして、
皆さんのそうしたペーパーの上の観念でいろいろな御議論をいただくことは大変残念だ、私はこういうふうに言わなければならないと思います。
時間が大分切迫をしてまいりましたので、
最後の
質問に移りたいと思いますが、去る一月の二十日、平河町の砂防会館におきまして、地元
関係者約一千五百人が参集いたしまして岩国基地沖合移設促進大会が開催され、基地に起因する諸問題に悩み続けてきた地域住民の過去十数年にわたる切実な悲願といたしまして、次の三項目について
関係方面に強く要請をいたしております。
その
一つは、現在行われております経済的移設にかかわる
調査、この結論が
昭和五十七年度の早い時期に出されること。出していただきたい。第二番目に、
昭和五十八年度予算の概算
要求時に間に合うように
政府の方針の決定をしていただきたいこと。さらにまた第三番目に、
昭和五十八年度から
事業の実施を前提とした本
調査に着手していただきたいこと。こうした、大きく言って三つの要請がなされたわけであります。
われわれ民社党といたしましても、従前から岩国基地の沖合い移設につきましては、地域における諸問題の解決と国防上の見地から促進を図ってきたところであります。また、去る二月初めに、わが党の防衛問題
対策特別
委員会の中に岩国基地沖合移設に関する小
委員会を設置いたしまして、今後この問題と取り組む、こういうことにいまなっておるわけでございます。
そこで、お尋ねの第一点は、
昭和五十五年度から実施されております経済的移設に係る
調査につきましては、
昭和五十六年度でこれが終了いたしまして、この
調査は、
昭和四十八年度から連続的に進められた諸
調査を総括いたしまして最終的な結論を出されるというふうに伺っております。あと一カ月で五十六年度も終了するわけでございますが、
昭和五十六年度の
調査内容について
調査された
内容と、現在恐らく最終の取りまとめに着手しておられると思いますが、その取りまとめはいつごろ完成し、発表されるか、これが第一点。
第二点は、この
調査結果に基づきまして、岩国基地の沖合い移設に対して
政府として今後いかに対処されるかの問題であります。岩国基地の沖合い移設は、過去十数年来の悲願といたしまして、地域住民はもとより、全県的な盛り上がりの中で超党派的に促進運動が進められてきたものでありまして、
政府といたしましても、
昭和四十八年以降、二億七千万の
調査費を投入いたしまして諸
調査が実施されております。わが国の国防上からもぜひとも実現しなければならないものだと考えております。また、地域住民の感情からいたしましても、もうすでに受忍の限度に来ておる。現在実施されております経済的移設に係る
調査に
最後の、唯一の望みを託しておる現状でありまして、
調査結果が単なる
調査結果として放置されるようなことが万が一にもあるならば、
政府として何らの対処
措置が講じられなければ、これまで国防という見地から忍びがたきを忍んで
協力してきた地域住民は、望みなしとして一転、基地撤去運動に転ずるという、そういうおそれさえ感ずるわけであります。そういう懸念さえあるわけであります。このような実情にかんがみまして、
調査結果に基づいて、
政府としての方針決定の時期及び
昭和五十八年度から
事業実施のための本
調査、つまり環境アセス、地質
調査等の
調査に着手されるのかどうか、その点について明解に御
答弁をいただきたいと思います。