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市川委員 ソ連というのはいろんな文献を出していますからね、そのときどきの文献によって言い方は変わってくるし、
海上交通の破壊というよりも、むしろ第七艦隊をねらっているんだという
発言をしている文献だってあるわけでして、ただ文献の種類とかそういうことによって変わってくると思うのです。大体およそ
世界的にいま海軍の役割りというのはそういうことじゃないのですか。ですから、極東艦隊を全部
通商破壊に向ければ、それは莫大な破壊力を持っていますよね。全部か一部かを向ければね。しかし、SSBNの擁護、それに、尽きてしまうのじゃないか。ですから、そういう
意味で
防衛庁のおっしゃっている千海里の
防衛というのは、ソ連太平洋艦隊の任務をわざと取り違えて過大に言っていることが
一つ。
それから、もし本当に守るとしても守りようがないのじゃないか、要するに実際問題として。さっきも何隻の何機のと出しましたけれども。ですから、そういう
意味においてどうもあいまいな点が多いわけです。
それでは、
シーレーンのことの締めくくりとして、長い間お待ちいただいて大変恐縮なんですが、
シーレーンというのは、いま千海里ということを限られた時間の中でちょっとやりとりしたのですが、もうちょっと時間が欲しかったのですけれども、要するに非常に不確実な要素がたくさんあるわけですね、
防衛力でただ
確保するということ自体。守れるのか守れないのか。守るとなると膨大な予算がかかる。しかし、先ほど申し上げましたように、
シーレーンというのは何も千海里だけではない。要するに一万一千キロという積み出し港から
海上ルートから
日本の港まで遠大な
距離なわけです。それをどう
確保するかということの方が重要なんであって、その議論がむしろ先行していなきゃいけないと思うのですよ、官房長官。その議論が先行していて、その一部として千海里を
防衛庁がどうするかということが言われているのならまだまだ百歩譲って話はわかるのですが、この
海上輸送ということをどうするのかという議論は余りなされないで、ただ千海里千海里ということで、突然千海里というものが出てきて、それを
防衛力で守るんだ守るんだという話だけが非常に先行している。こういう
シーレーンに対する
考え方に対して非常に疑問を持っているわけですが、今後重要なテーマとして
総合安全保障閣僚会議で検討していかれるということを先ほどおっしゃっておりましたが、こうしたことについて、どうですか、これからもっと
トータルシステムの
シーレーンというものの議論を
政府でやるべきじゃないですか。何か
シーレーンというと
防衛庁の専売特許で千海里、こうなっていますが、ちょっと一部肥大症じゃないですか。これからのあり方について、官房長官に締めくくりでお伺いしておきたいと思います。