○大原(亨)
委員 これは、
政府として現在、統一ある方針をとっているのかどうかという点については、いま見解を聞きましてもかなり分かれておるような気がいたしますが、しかし、いずれにいたしましても、中曽根長官がはっきり言明されましたように、この問題については近く決着がつく、こういうふうに思います。ただ、その
考え方は
先ほど申し上げたのですが、縦割り行政を打破するためには、やはり中央の
政府の機能はどうあるべきであるかという点をきちっと統一的に
政府全体で把握する必要があると思うのです。そして、たとえば企画の面とかあるいは財政のバランスをとる基本的な面とか、そういう面においては国はきちっと保持いたしますが、しかし、他の実施の
段階においては、自治体というのは生活行政、福祉行政、横の行政ですから、そこで統一的に処理をするという方針で思い切った措置をとらないと、同じ行政の面におきましても、それぞれの分野で委任すべき分野があるわけですから、そういう点については、全体といたしましては、統一ある方針を進めてもらいたいと思います。
第二臨調に自治省が出しました問題の提起については、私も検討いたしてみましたが、細かな点はお話しになりませんでしたが・これも改めて分科会等で
議論をいたしたいと思うのです。そういう問題につきまして、行政の従来の、言うならば惰性を打ち切るようなそういう方針を各大臣とも持って、そして全体といたしましては、いわゆる年金にいたしましても、医療にいたしましても、社会福祉サービスにいたしましても、住宅にいたしましても、雇用にいたしましても、全部住民一人一人を中心に行われるのですから、そういう面においてはかなり行政の水準も成熟している、上がっておるというふうに考えますし、いつまでも中央だけがわかっておるような顔をしていたのじゃいかぬわけでありますから、この点については全体として十分留意をされたいと思うのです。中曽根長官がおられませんし、
総理大臣、
官房長官もおられませんが、そのことを私は強く要望いたしておきまして、答弁をする人がいないのでありますが、全体的な答弁をするのは大蔵大臣やりますか。あなたやりますか。
つまり、大蔵大臣、
予算を編成するものが、大蔵省が非常に権力を持っておる。きのうから言っておる。それが財政のつじつまを合わせただけじゃだめだ、こう私言っているのです。そのことをいままで言っておったわけです。しかし、あなたは聞いておらぬようだから、そこの結論だけを、つぼだけを言っておいて前へ進めますが、管理庁長官はこれは決着をつけるというふうにはっきり言っておられますから、この問題については十分討議をして、全体として行政をどうあるべきか、新しい八〇年代、二十一世紀にかけてどうあるべきかという点を考えていかなければ、財政のつじつま合わせだけでゼロシーリングを繰り返すと、そうすると政治の矛盾というものがだんだん拡大する、こういう点を十分留意をしてもらいたいと思います。賢明な大蔵大臣は十分理解をされておると思いますので、前に進んでまいりたいと思います。
項目にあるところで、ついでに寝たきり老人の問題を私はこれに
関係して申し上げたいと思うのですが、寝たきり老人と医療法の問題であります。
つまり、行財政改革の中で、行政を総合的に進めていく、インテグレーションと言いましたが、そういうことは新しい理念や
考え方の一つの基礎になっておるわけでありますが、そこで、高齢化社会の最大の政治課題は、これは寝たきり老人の問題なんです。というのは、
政府あるいは自民党は、家族基盤をどういうふうに充実させるかということで、家族に高齢者やみんなと一緒に生活するような方針を出すのですが、しかし高度成長を通じまして民族移動が行われまして、核家族化が非常に進んでおるわけであります。一人暮らしの老人がどんどんふえておるわけであります。その中で、寝たきり老人がどんどんふえているということが、
国民の感情から言いますと非常に大きな先行き不安の問題というか、課題であります。
寝たきり老人の問題等を一つとって考えてみましてもそうでありますが、特別養護老人ホーム、施設ケアを中心にやるのか。これは、一人について措置費が十七万円もかかるわけであります。大蔵大臣、あなた御
承知のとおりだ。
〔小宮山
委員長代理退席、
委員長着席〕
そして、老人医療の無料化と一緒に医療費が重なってくるわけであります。ある場合にはこれを逆に使いまして、たとえば、私が後で申し上げるのですが、去年も
予算委員会でやりましたが、神戸の近藤病院などというのは、医者と特別養護老人ホームあるいは第二薬局とかトンネル会社をずっと総合的に経営いたしまして、近藤グループをつくって十五億円の脱税をやっている、こういう問題が大きな問題になりまして、ここではアフターケアについて御質問いたしますが、いずれにいたしましても、そういう施設については金がかかって、そして、この寝たきり老人の、実際のそれを背景とする家庭的な
情勢や地域的な
情勢に応ずることができないという
情勢ですから、どうしても在宅ケアを考えていく。在宅ケアを考えていく際には、どういうふうにこの在宅ケアを充実させたらいいかという問題を考えないと、私は、医療の問題は解決できないと思うのです。
そこで、そういう問題は
日本が非常におくれておるわけです。
日本の政治というものは非常におくれておる。ばらばらであるわけであります。たとえば厚生省だけをとりましても、各局各課が分かれておる。こういうことで補助金がずっと末端に流れまして、総合的に使われていないわけであります。ですから、寝たきり老人の対策をどうするのかという問題について厚生省ははっきりした方針がなければいかぬ。これについてはどういうお考えであるか、お聞きをいたします。