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岡田(正)
委員 私は、民社党・国民連合を代表いたしまして
討論をさせていただきます。
今回の
提案につきまして今日までいろいろと
質疑を重ねてまいりましたが、
大臣の考え方も十分理解ができますし、当局の姿勢もずいぶん
前進があるというふうに評価をいたしておりますので、私
どもの党といたしましては、以下申し述べますようないろいろな意見を持っておりますが、
修正案は提出することなく、
本案について
賛成をいたしたいと思っておるものであります。
そこで、意見でございますが、重複をいたしまして恐縮でありますけれ
ども、一応申し上げておきますと、まず第一番は、
新規登録、それから常時
携帯の
義務年齢につきまして十四歳から十六歳に引き上げられましたことは確かに
前進でありますけれ
ども、
質疑の中でも繰り返しましたとおり二十歳が適当ではないか、あるいは少なくとも、幾ら譲歩したとしてもやはり十八歳、当局で御
説明のありました社会的自立
年齢ということを考えると、やはり九四%から高校進学をしておりますので、高校卒業後の
年齢十八歳ぐらいが適当ではないかという意見を持っております。
第二は、
登録証の更新の
期間でありますが、三年を五年にする、これも確かに
前進であります。しかしながら、
永住権者の人に関してはもう更新の必要は全くないのではないか、免除をするべきではないかという意見を持っております。
第三の意見は、常時
携帯義務の問題でありますが、
永住権者については免除すべきものではないであろうか、さらに、その他の人でありましても、運転免許証を持参しておる者については免除してもいいのではないかという意見を持っておるわけであります。
第四の意見でありますが、
指紋押捺義務の問題であります。これは大変問題でありまして、まさに
人権を逆なですると言われてもいたし方のないような問題でありまして、もしこれを百歩譲るといたしましても、
永住権を取得するときだけ
指紋を取るということでもいいのではないか、その他の場合はすべてサインでいいのではないかと考えておるわけであります。特に外人の記者あるいは学者の人たちからは悪評さくさくたるものがあります。この点もひとつぜひ御考慮をいただきたいと思うのであります。
第五の問題は、強制退去の問題でありますが、
永住権者に対しましてはこれはもう
廃止したらどうか、免除してはどうかということを強く申し述べておきたいのであります。
次に、第六点でありますが、
登録事項を更新のときにやりますが、
職業とか勤務先については、御承知のとおりあの方たちの就職の状態というのは、非常に気の毒ですけれ
ども不安定であります。したがいまして、
職業、勤務先の
登録がえをすると言えば頻繁にやらなければならないのでありまして、この点については記載事項の中から
廃止してもいいのではないかという意見を持っておるのであります。
次に、七番目の
罰金の問題でありますが、これは今回三万円から二十万円に引き上げるということでありますけれ
ども、これは上げ方も大変上げ過ぎでありますし、
罰金なんということはやめて、金額は現状どおりで、そして
過料とすべきものではないかという意見を持っておるのであります。
以上、七つの意見を申し上げましたが、近い将来、私
どものこういう意見を取り入れられた法
改正をされますように、この際強く要望しておきたいと思うのであります。
なお、個々具体の事件の処理あるいは法の
運用につきましては、人道的な配慮を特に強く要請をいたしておきたいと思う次第であります。
最後に、本件の行方につきまして重大な関心を持っておられます
韓国の国
会議員の皆さん十数人と私はお会いいたしましたが、その人たちの言葉を収録しておりまして、前回一部御披露いたしましたけれ
ども、
討論の機会でございますので、再度御
紹介を申し上げておきたいと思うのであります。
これは、
外国人と住民という問題についてぜひひとつ考えていただきたい。
韓国籍でありましても、
日本社会の一部を構成している住民であることに間違いはないはずであります。住民なればこそ納税の
義務を負っておるのでありまして、単なる観光客ではありません。それも特殊な過去の遺産として数十年前から住民とならざるを得なかった歴史があります。しかし、結局は住民として取り扱われてはいないというところに問題の本質があるのではないでしょうか。
住民というのはその社会で生きているということでありまして、その社会に貢献することであります。人間が生きる、生きていくためには、自由と平和と安全と生活などの基本的な要件が満たされなければなりません。しかし、
永住外国人は別だよ、その限りではないよというのでは、
在日韓国人は永遠のエトランゼでしかいられないということになるではありませんか。問題はここにあると思います。
在日韓国人は永遠に行政上の対象からはぐれて、ただ
管理の対象以外の何物でもないということになるのですか。非常に残念であります。
住民としてということになるならば、住民
登録だけでよいのではないでしょうか。なぜ三年が五年の更新なのでしょうか。なぜそのたびごとに
指紋の
押捺が必要なんでしょうか。どうしてこんな発想が生まれてくるのでありましょうか。
永住権を与えながら強制退去をさせるというのはどういう発想なんでしょうか。住民としての貢献度を無視して、繁栄と福祉は
日本人だけで享受するということなんでしょうか。
内外人平等の
原則がうたわれ、一九六六年の世界
人権規約を批准し、難民条約に
加入した真の民主主義の真価のためにも、
永住許可の
在日韓国人に対しては、永遠の観光客扱いはやめていただきたい。住民として扱っていただけませんか。そうなれば、金融、福祉、社会保障、教育、就職の差別も根本的に解決ができるだけではなく、いま一歩進めて、三年以上
外国籍でありましてもその地に居住しておる者であれば、スウェーデンやスイスのように、地方自治体における選挙権、被選挙権の獲得も可能になると思うのであります。
そこで、仮称でありますが、
外国人登録特別法を
制定して、
永住許可の出た
在日韓国人を処遇していただけないものでありましょうかというようなことが大体要約でございます。
以上、私
どもの党の意見と、そして
韓国国
会議員の
方々の希望を申し上げたわけでございます。
以上で
討論を終わります。(拍手)