○
小野最高
裁判所長官代理者 ただいまの林
委員の御
指摘は、全くそのとおりでございます。
証人が
法廷に参ります、これは全く事案真相解明のために御
協力いただいているわけでございまして、しかも
国民の義務としてどうしても出頭しなければいけないということで御
協力願っているということでございますので、
証人がおいでになったときにこういう危害が加えられるようなことがあってはならないということはもう当然のことでございまして、
裁判所どこにおきましても、そういうことが起きないように十分注意しているところでございます。
いまの御
指摘は、昭和三十四年の京都地裁舞鶴支部で起きた事件などでありますが、その前にも、三十一年ごろにやはり
法廷で
証人を追っかけていって凶器で危害を加えるというような事件がございました。それは身柄拘束中の被告人のようでございますが、その直後に、そういうことで法務省、
裁判所いろいろ検討いたしまして、そういう被告人の所持品の検査というようなことも行政の方で厳重にしていただく、
裁判所は
裁判所でそういうことがないように十分に
配慮しなければいけないということで、昭和三十一年に最高
裁判所の事務総長の通達を全国に出しまして、そういうことで遺憾のないようにしてもらう、十分
配慮してくれということをお願いして、御
協力を願っておるわけです。
ただいま
法廷の廊下というような問題もございましたが、まず、
証人がおいでになりました場合に
証人だけがおられる場所がなければいけないということでございまして、その後、庁舎につきまして
証人控え室を何とか確保するということで
努力してまいっております。大体地裁
関係では、全部と言っていいぐらい
証人控え室をいま準備しております。たまたま乙号支部の中で、古い庁舎でまだその余地がないというためにできないところは全国でほんのわずかございますが、そういうところでは、
証人に出頭いただきましたら、書記官室なり適当な場所でお待ちいただくというようなことをしております。
それから、いろいろ事件を見てまいりますと、特にこういう
証人については危ないとか、弁護人あるいは検察官の方からこういう事件については
証人について十分
配慮が必要であるという連絡がございましたり、あるいは
証人自身から、私はこういうことで心配なんだという御連絡もあったりします。
そういうような事案につきましては、
証人に御出頭いただくときに初めから書記官室に来ていただくとか、あるいは全く別なルートで、たとえば検察側
証人ですと、検察庁にまず来ていただきまして検察事務官に
裁判所の方に連れて来ていただく。連れて来ていただいた上は、
裁判所の方で廷吏なり警備員なりをずっとつけまして、書記官室にお連れする。書記官室にお連れしてからは、
法廷の出入りすべて
裁判所職員がそれぞれ付き添い、専用通路のあるところは専用通路を通っていただく。
また、
法廷内では、被告人の着席場所と
証言台との位置
関係を十分に
配慮する。被告人が
証人の
証言台のすぐ後ろにいるというようなことがないようにいたしまして、弁護人の前あるいは横に被告人を置く。
証人の
証言台は少しずらすとか、東京あたりでございますと、もう全然反対側の検察側に近い方に置いております。そういうようなことで、危害がそれでもなお心配な場合もございますので、そういうときには廷吏をその
証人の前あたりに置くとか、そういうことで、仮に被告人がそういう気を起こしても、そういうことがないようにという万全の措置をそれぞれ講じているということでございます。