○寺前
委員 林野庁の長官、昨日のNHKのテレビを見ながらつくづく感じました問題について、急な問題提起でございますけれ
ども、私の感じた点についてお答えをいただきたいと思うのです。
きのうテレビでやりましたのは、インドネシアの木材の
状況がどういうことになっているかという姿でございました。それはインドネシアの問題であるとともに、直接的に
日本の木材産業の問題を示しているというふうに言えると思うのです。
昭和四十年代から木材の
輸入の
自由化によって木材不況が起こって非常に厳しいものになってきております。木材の自給率は年々低下して、七割近くが
輸入に依存するという事態にあります。木材の産地国の多くで、
資源の有効活用と国内の雇用拡大を目的として丸太の
輸出を抑えるという方向が打ち出されてきております。製品
輸出を増大させようという動きと相まって、五十年に比べて五十五年には製材品が二倍にもなっているという姿を
輸入の面をとってみても見ることができるわけです。インドネシアにおいては、
向こう三年後には丸太の
輸出は禁止しようかということまで話が出てきている。インドネシアを初めマレーシア、フィリピン、これらの地域から持ってきているところの丸太というのは、
日本の
輸入の中においても非常に大きな位置を占めているだけに、
日本の製材業者にとっては自分の問題にもなってくるわけです。そういうことを
考えると、今後の
日本の木材というのはどういうふうにやっていくのか、もう少し真剣に
考えないと、好きほうだいなことをやっておったならば、それは必ずたたりが来るというのは当然であろうと思うわけです。
一方、
日本の人工林についても、半分以上が間伐期に来ているように思います。間伐を必要とする面積というのは二百万ヘクタールぐらいはあるだろうと思うわけですが、現実にはわずかな分野しか間伐は行われていません。
林野庁としても若干の間伐の対策を打ち出されておりますけれ
ども、この間伐対策という問題は、今後の
日本の製材
関係を
考えても非常に大きな位置を占めるというふうに思うわけです。したがって、海外の、このように丸太の
輸出を規制するという、みずからの国の問題として提起される問題が現実化しつつある中においてどのような国内における
対応策をとられるのか、私は非常に重要な位置を占めておると思うのです。この間伐について、前にもここで論じたことがございますけれ
ども、薄く板を切るという問題、大量にやっていくという問題など、本当にコストを安くして製材をしていくことを可能にする道をつくらなかったならば、あの間伐材が実際上積極的に
日本の市場に出ていくということにはならぬだろう。もっともっと積極的にそこの研究開発を急ぐということが今日非常に重要な位置を占めているのじゃないだろうかという見解を私は持つのです。それが
一つです。
同時に、
日本の海外へ外材をとりに行く姿に対して、きのうも放映をやっていましたけれ
ども、緑の破壊者
日本というふうにこれらの国々で言われているわけです。きのう聞いておってわかることは、一ヘクタール当たりから、
日本の木材業者がとりに行く木というのは本当に十本とか十五本とか一番大きい、いい木だけをとってくる、後は地元において大きな林道がつくられている、その周辺は焼き畑農業となって燃やしてしまってそして農業をやっているという姿が露骨に出ている。国際協力
事業団ですか、
林野庁の方々もかなり積極的に参加をして技術指導をやっておられるようですけれ
ども、私はきのうの
状況を見ておって、その後の植林の
事情というのも必ずしも成功するようなことになっていないと思うのです。ですから、私はそういう
意味において、
日本の国内対策としての材木問題を
考える問題と、海外にさんざん迷惑を与えてそして緑の破壊者とまで言われた
日本ですから、したがって、ここの緑をもとに戻すんだという積極的な使命というのがこれまた
日本に課せられた重要な仕事だろうと思うのです。その点では一体どのように海外におけるところの
対応策を今日までとってこられたのか、その成功している実情はどういうふうになっているのか、成功しているのかしていないのか、していないとするならば今後どうするのか、私はそこのところを率直に事実に基づいて聞かしていただきたいということを感じましたので、
林野庁の長官から
お話しをいただきたいと思うのです。