○大坪政府委員
農業協同組合法の一部を
改正する
法律案につきまして、その提案理由を補足して御説明申し上げます。
この
法律案を
提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由説明におきまして申し述べましたので、以下その
内容につき若干補足させていただきます。
まず第一に、信用
事業を行う組合が内国為替取引について員外利用制限を受けずに行うことができるものとすることであります。
最近の金融機関における内国為替
業務のオンライン化の急速な進展に対応して、農協としても、組合員等の利便に資するため、その内国為替
業務について、全国オンライン化を早急に進めることが必要となっております。このため、全国銀行内国為替制度にすでに加盟済みの農林中央金庫及び信用
事業を行う連合会に加えて、新たに組合も加盟することが計画されておりますが、この場合、その利用者が組合員であるか否か等の確認を行うことは、事務処理の面から見て事実上不可能でありますので、組合についても、信用
事業を行う連合会と同様に、内国為替取引を員外利用制限を受けずに行うことができることとしております。
なお、信用協同組合、労働金庫等についても、さきの通常国会においてそれぞれ同様の
法改正が行われております。
第二に、信用
事業を行う連合会の有価証券の払込金の受け入れまたはその元利金もしくは配当金の支払いの取り扱いの
業務について、地方債等に限り、員外利用制限を受けずに行うことができるものとすることであります。
信用
事業を行う連合会の有価証券に関する
業務については、会員による有価証券の発行がほとんど行われていないことから、現行の員外利用制限のもとでは、員外者である
地方公共団体の発行する地方債等の元利金の支払い等をみずから取り扱うことができない
状況にあります。このため、連合会及び組合における地方債等の保有が著しく
増大しているにもかかわらず、その元利金の支払い等の取り扱いについては、銀行等他の金融機関に依存せざるを得ない実情にあります。このような実情にかんがみ、また、信用協同組合、労働金庫等についても先の通常国会においてほぼ同趣旨の
法改正が行われておりますことから、連合会について、地方債その他主務
大臣の指定する有価証券に限り、元利金の支払い等の
業務を員外利用制限を受けずに行うことができることとしております。
第三に、信用
事業を行う連合会の資金
運用方式の
改善についてであります。
最近、信用
事業を行う連合会の中には、地区内の
農業情勢、
経済情勢の著しい変化の中で、貯貸率が著しく低位となっている等の連合会が見られます。このような連合会について、傘下組合の経営基盤の安定に資するためにも、有価証券
運用、農林中央金庫への預金とのバランスに配慮しながらその貸し付けの拡充を図ることにより、資金
運用の
改善を進める必要があります。
このため、員外貸付制限について、現行の制限を存置しながらも、特例的に貯金及び定期積み金の合計額すなわち、資金量に百分の十五以内において政令で定める割合を乗じて得た額まで緩和する道を開くこととしております。この場合、特例の適用を受ける連合会は、資金の
運用状況、地区内の
農業事情等から見て、資金の安定的、効率的な
運用を図るため、現行の員外利用制限を超えて員外貸し付けを行うことが必要かつ適当なものとして主務
大臣が指定するものに限ることとしております。
第四に、連合会の総代の総会外選挙制の導入についてであります。
昭和五十二年に全国段階の連合会へ組合が加入するといういわゆる単協の直接加入が行われたことに伴い、これらの連合会では会員数が急増し、総代会制が採用されることとなりましたが、これらの連合会の総代の選挙については、現行制度のもとではなお、総会において行わなければならないこととなっております。
このため、連合会における総代の選挙について、組合と同様に総会外においても行うことができる道を開くこととしております。
以上をもちまして、
農業協同組合法の一部を
改正する
法律案の提案理由の補足説明を終わります。
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