○市川説明員 お答え申し上げます。
三千万キロリットルの国家備蓄に対応いたします施設の容量をどれぐらい用意をすべきかということが
先生の御
質問のポイントではないかと
考えるわけでございますが、備蓄をするのは原油でございます。したがいまして、対応する施設についてはそれぞれの方式ごとにいろいろ施設の規模が決まってくるわけでございます。
この施設の容量は、いままで幾らということで申し上げてきて国会等でも御議論をいただいてきたところでございますが、私
どもの三千万キロリットル体制を実施をするに当たっての必要規模といたしまして、
考える要素といたしましては消防法の開放点検等の問題、それから、民間の利用権といたしまして備蓄の基地の建設、管理を行う第三セクター、これの中核となっていただく精製会社等に対して民間の利用権を付与することとなっているわけでございますが、これについてどの程度見積もるかという問題、それから温度の上昇等によって原油が膨張するわけでございます。それをどう
考えるかという問題、それから異なる油種を貯蔵いたすわけでございますが、その混合を避けるためにどれだけの余剰率を持つかといったようないろいろな観点から方式ごとに貯蔵の量が決まってくるわけでございます。したがいまして、いま
先生御
指摘のように立地が昨年の夏ぐらいからかなり順調に進んできておりまして、施設容量といたしましておおむね三千万キロリットル近い数字が得られているわけでございます。したがいまして、これからどれだけつくるかということにつきましては、いま、先ほど申しましたような
事情をいろいろ勘案いたしまして、具体的にどのような方式についてどれくらいの量ということを
考えながら最終的にまとめ上げていかなければならない段階かと思うわけでございます。
特に、これまでは、おおむね平均をいたしまして、貯油率、油を入れる比率が約七割程度ということで
考えておったのであります。七割で計算いたしますと四千四百万キロリットルということではございましたが、最近の石油情勢の問題でどういう変化が出てくるかということでございますが、民間利用権として中核会社等に
現実に与えている利用権というものが、これは
契約ベースで一〇%あるわけでございます。この部分を
現実にどれだけ用意をしてくるかということが最近の石油情勢によって若干の変化を来しているわけでございまして、四千四百万という数字で、四千万キロリットル強と
考えていたものがどの程度になっていくか、あるいはこれより下回るのではないかということも
考えられるわけでございますが、最終的に、具体的にどういう数字になるかということについては、先ほど申しましたようにもう少し候補地点を、これからどのように地元調整が進んでいくか等も見ながら、どの方式がどれくらいということを
考えてからでないと申し上げる段階にないわけでございます。
次の問題といたしまして、それに対応してどういうような候補地点があるかということでございますが、現在までに三次にわたるフィージビリティースタディーで十一地点の立地可能性
調査を実施いたしておるわけでございます。これに加えまして、全く新しい方式といたしまして地下備蓄につきましても立地可能性の
調査を現在実施いたしまして、本年中に結論を出したいと
考えているわけでございます。この合わせた数が候補地点であるわけでございますが、さきに申しました十一地点、これの中で現在までに可能性ありということで残っている地点は七地点でございまして——失礼いたしました。十一地点のうちの六地点を立地決定いたしておりますが、三地点につきましては立地可能性に問題があるという結論が出ているわけでございます。それと地下備蓄についての三地点が現在のところの候補地点でございます。
これにつきまして、今後どのようにして立地をしていくかということにつきましては、それぞれのプロジェクトごとに
地権者、漁
業者その他の地元調整の進捗
状況、それから全体として必要な施設の容量、それから全国的配置の観点などから総合的に勘案をして検討をしていくことになるということでございまして、馬毛島地区につきましては、先ほど申しましたように補完
調査を実施中でございまして、その補完
調査の結論を見てみないと最終的に立地が可能であるかどうかという評価は下せないわけでございますが、これが立地可能性ありという結論に最終的になったときには、先ほど申しました候補地点の
一つとして残っていく、こういうことになろうかと思います。いまの時点で、馬毛島地区がどういうふうになるかということは申し上げられない段階でございます。