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島田委員 大臣は、私が冒頭で申し上げた
甘味離れという点について私とはずいぶん認識が違うようであります。確かに健康に悪いから
甘味はなるべく控えた方がいい、そういう風潮のもとに置かれていることも事実です。しかし現実はそうなっておらぬ。
砂糖でべろべろなめるかお菓子にして食べるか、いずれにしても甘い物を体に入れていることは事実なんですね。トータルでいえば、さっき私が言いましたように、
甘味は依然国民全体で消化している分は減っていないのです。
甘味離れ、
甘味離れとおっしゃるが、それならお菓子を食べるのも減っていればいいのですが、減っていない。こういう
状況の認識というのは、余り大きく狂いますと
砂糖政策という問題に大きなそごを来すのではないでしょうか。
砂糖だけの
分野で言えば、確かにおっしゃるとおり、そうなっています。私が先ほど指摘した大事な点は、外国から限りなしに入ってくるような
状態もきちっと整理してもらわないと困ります。たとえば、その一番王様と言われるのはココア調整品、いわゆる加糖の輸入であります。あるいはチョコレート、ビスケットのたぐいのものであります。いずれも
砂糖が入っているのであります。その入っている量はどうかわかりませんが、あるいは昔のビスケットからいえば
甘味が薄くなっているということはあるかもしれません。チョコレートも昔ほど甘くなくて少し薄くなっているかもしれない。しかし、そういう
一つの事実というものをしっかり認識しておきませんと、単純に
甘味離れだというふうにきめつけてかかったのでは、私はこれは間違いではないか、こう思うのです。
後段の
部分は大臣の決意のほどでございますから、それにいちゃもんをつけるつもりはさらさらございません。どうかその気持ちでぜひひとつ……。
糖安法というのは、何も改めて私が申し上げるまでもございませんが、国内の保護というところに目的を置いた
法律でございますから、それを正確に適切に
運用していくということについて、私は否やを申し上げているのではありません。ただ、
現状の認識にそんな狂いがあっては困ります。まあ時間の関係で大臣の重ねての答弁は求めないことにいたします。
さて、そういう点を踏まえまして、現在、それからこれから
長期的にどういうふうに見通していくのか。需給の関係で言えば見通しが正確に近いものであってほしい。それは
長期的に十年でやるのか、五年でやるのか、単年度ごとにやるのか、いろいろの手法を組み合わせていかないと正確を期することができないということが言えると思います。ただ厳然たる事実は、閣議で
北海道のてん菜は七万七千ヘクタールということを認めているのですね。六十一万トンの
砂糖ができますということもこれは認めていらっしゃる。ここは動かせないのであります。ところが、
現状のまま放置していけば、やがては七万七千ヘクタールをオーバーしていくような結果になりはせぬか。これは
北海道にとっても必ずしも幸せなことではありません。ましてや総合対策を構えるということになりますれば、それぞれ
分野ごとに節度ある行動が必要であることは言うまでもないわけであります。
ところが、片一方に政策の不合理が残っておりますれば、なだれを打つということになるのであります。ですから、
精製糖のところに大変な犠牲を強い、
異性化糖にもそのリスクをしょわせておきながら、
北海道でばんばん面積が上がっていくなんていうことになったら、これはやはりこの
糖安法さえもおかしくなってくるということになりかねないから、やはり一定
程度の節度を
北海道としても望んでいる。決して何十万ヘクタールもつくらしてくれなどということを言っているのではないのでありまして、そういう整理され、一定の方向にきちっと政府が期待しているような数字で動いていくことが最も望ましいのであります。特に
北海道は三十八万ヘクタールの畑作面積を持っています。こういう中で畑作農家の皆さんが金科玉条として踏まえているのは、輪作体系を崩してはいけないということであります。それが崩さざるを得ないような
状態になったとしたら、これは大変なことだ。われわれ
北海道の農民にとって自殺行為になりかねません。ですから、そこのところの対策はきちっとしてもらわなければならない、私はそう思うのです。
そこで、需給見通しというものをどのような手法でお立てになると
考えていらっしゃるか、具体的なことをお聞きしておきたいと思います。