○吉浦
委員 もう
一つの事例を私申し上げたいんですけれ
ども、これは愛媛県の伊予郡の砥部町の空散の問題点でございますが、五十四年の六月から七月にかけて一年目の
実施を行っておりますが、大変
計画にずさんなところがありまして、ヘリコプターに対して
散布区域を示す明確な旗を立てるなり、線引きといったって区域に線を引いていくわけにいきませんから、
住民にわかるような知らせ方が明確じゃない。そのために
子供たちが学校へ通う、あるいは幼稚園の
子供が通園するという時間に空散が行われるというようなことがありまして、そういう配慮が何もなされてない。また
空中散布の
注意などを書いた広報が行き届いていない。一枚私はここへこの砥部町の空散についての
お願いというチラシを持ってまいりましたけれ
ども、このチラシの中に余り活字が多いと
一般の
方々は読めないだろうと思うのですよ。最近は皆さん方選挙に強い方ばかりですから、御承知のとおりでございますけれ
ども、名前だってひらがなを使うほど、
周知徹底させるためには漢字が
一つは多過ぎること。それと、中に「
散布試験の結果、みつばち以外は、人畜、鳥類、魚類にはきわめて低い毒性ですが、」とこういう項目がある。また、これから私はスミチオンの問題等もお尋ねをいたしたいのですけれ
ども、こういう「人畜、鳥類、魚類にはきわめて低い毒性ですが、」という文章を書いちゃいけませんよ。急性毒性の場合には低い毒性かもしらぬけれ
ども、慢性毒性については何だというようなことを書くなら別としても、こういう文章は誤りを
住民の方に知らせるようなものだ、私はこう思うのです。そういう点で、こういう
一つの
住民に知らせるチラシにしたってもう少し配慮する。
林野庁は一枚一枚にはそれは責任はないかもしれませんが、
実施する立場として十分な配慮を私はこれからしていただきたいと思うのです。
その砥部町の問題で、知らなかったから
子供が外で遊んでいたとか、知らなかったので洗濯物を干していたというふうな声が聞かれておるのです。これは配慮が余りなされていないということですね。
それから空散を行うのに天候との
関係をどういうふうに
考えて
実施しているのかなと思う疑問がある。幸い事故がなかったからいいものの、雨の中や濃霧の中でも
散布を強行している。
昭和五十四年六月二十六日のことでありますけれ
ども、
散布したその夜から連日四日間、四百ミリ以上の雨が降っている。そうすると、
散布したものが洗い流されるようなもので、反対の
方々はせいせいとした
気持ちになったようですけれ
ども、空散したものはまるっきりだめ。しかも、スミチオン等の毒性の強いものが川や海へ全く一度に流れ込んで汚染の度合いも強くなるし、空散はこれまた
効果が全くないというふうなむだなことをやっている。ですから、
法案を決めても、行政の段階でもって、それを受けた業者なり企画した団体なりが日にちを決めたから、ヘリコプターとの契約等が成ったからもうやらなければいかぬ。何が何でもその日にやるんだ。ほかの日はもう
考えられないというようなことでやってしまうのか。朝の早い時間、五時から六時ごろということで、なるべく人も少ないし、また風も出ないという無風な状態等を選んで最初は予定するようですけれ
ども、時間がずれ、ヘリコプターが来るのが八時ごろになるとか九時ごろになって、やむを得ず十時までくらいには終わろうとかいうふうなことで強行している向きがある。ですから、こういう問題が起こってくると思う。強行するがゆえに、天気予報が危なくなって——何のために天気予報を聞いているかといったって、豪雨になるときですらもこれを強行して、こういうむだなことをやっている。
また、すばらしい自然環境のところを破壊してしまうような
森林の崩壊につながるようなことを強行されている点があります。時間がありませんからこれを読み上げませんが……。
また、
散布面積等についてもその半分近くが
松林がなくなっているのに量は全く同じものを使用していくというふうな
計画性がない。それは
地域の——これからは市町村単位の
地域によってその
計画書を出させられるようですから、
地域の方に責任があると言ってしまえば終わりでありますけれ
ども、そういう面のチェックを厳重にしていただきたい、こう思います。
最後に、
住民への安全
対策が不十分であるという点で確認をしておきたいのです。
散布区域を明確にして、山道の入り口とかあるいは危険な場所等にきちっとした
注意を与えるような立て札とかあるいは入山者にわかるような
方法で知らせてもらいたいし、また、
散布終了直後等も、すぐかけ札を外してしまって
関係ないようなことになると、
薬剤の有効期間が二十日間もあるというふうなことを県は
説明しておりますので、これから五月から七月にかけますれば
子供たちも夏休み近くなって山に入っていく、あるいは大人だってそうでありますけれ
ども、そういう危険にさらされることになるわけであります。こういう点で、十分なチェックをしないままいま行っているような、
地域体制に任せているような点が多過ぎやしないか。こういう点でどういうふうにお
考えを持っていらっしゃるのか。全体をひっくるめて結構でございますから、お答えをいただきたい。