○楢崎
委員 予備的な質問はそれくらいにいたしまして、以下、事実の
指摘をいたしたいと思います。
私が急遽この問題を取り上げましたのは、実は
理事会でもきょう
厚生省関係が行われるかどうかわからなかった。これが行われることになったから急遽取り上げたわけです。なぜかというと、私がいろいろ調査を行ってまいりました。ところが、それをかぎつけて、先週末から証拠隠滅が行われておる。したがって、私は以下申し上げる点で、実際には本
委員会で具体的なものは明らかにせずに、
委員会が終わってそれぞれの
関係のところに証拠を出して調査をお願いしようと思っておりましたが、悪質な証拠隠滅が行われておるから、この際、
関係しておる会社名、
関係者の氏名及び旅行会社の名前を具体的に明らかにいたします。
まず、提供者は塩野義製薬株式会社、ここの直接
関係しておるところは名古屋分室であります。いろいろ便宜提供を受けておるのは、名古屋大学医学部耳鼻咽喉科のいまお話のありました講師柳田則之外。以下明らかにしてまいります。
まず、私が調査の結果裏づけをとった、判明した事実を申し上げます。
いまから申し上げる総会や学会にこの柳田講師外が出席する際、塩野義製薬から提供されたホテルのクーポン券で宿泊をし、出張旅費は
厚生省のさっき
説明された補助金や文部省の出張旅費から別に取っておる。まるまる金が浮くわけです。なぜこの塩野義製薬がそういう提供をしておるか。いま御
案内のとおり、最近抗生物質の競争は非常に激しい。そこで、塩野義製薬は自分のところの薬品をこの医学部及び附属病院で大量に使用してもらうことを条件に、こういう便宜供与を図っておる。
まず三つ例を挙げます。
一番目。さっき申し上げました特発性の感音難聴調査研究班、これの第一回の総会は、昨年八月二十八日から二十九日、東京都港区の笹川記念館で行われております。柳田講師らはこれに出席するために、その八月二十八日にクーポン券で一泊をしております。さっき申し上げたとおり、これは
厚生省の補助金から別にもらっている可能性があります。
二番目に、この研究班の第二回総会はことしの二月六日から七日にかけて同じく笹川記念館で行われました。それで柳田講師らは、二月六日土曜日、都イン・東京——先ほ
ども泊まったところは都イン・東京というホテルです。この二回目の総会のときも、二月六日、都イン・東京に同じようにクーポン券で一泊をしております。
三番目に、日本耳鼻咽喉科学会第三十回中部地方部会連合会、これはことしの七月十八日、浜松医大で行われております。これは名古屋から新幹線に乗ったら四十六分で着くのです。何も前の日に行って泊まることはないのにわざわざ前の日に出かけておる。つまり七月十七日の土曜日に出かけております。そしてホテルコンコルド浜松というところにクーポン券で一泊をしております。これは恐らく文部省の先ほどの出張旅費から別に金は取っておるに違いない。提供は塩野義。
そこで問題は、こういうことがなぜ行われるかというと、さっき言った文部省の出張旅費その他あるいは
厚生省の補助金その他のチェック体制、管理システムに問題があるのではないかという気がします。このために
公務員法違反あるいは贈収賄罪、詐欺横領罪、公文書偽造罪、こういった犯罪を生み、犯人をつくることになっておるのではないか。私は直ちに調査に入ってもらいたい。
それで、私がなぜこれを急にと言うかは、これは名大の医局が医局ぐるみでこういうことをやっている可能性が大だからであります。どのような証拠隠滅が行われておるか、いまからその証拠になるものを、文部省と
大臣と会計検査院と警察庁と四者にこれを渡したいと思います。これを
説明しますから。
先週末に私が調査しておるのを感づいて、日本旅行、これは旅行会社ですが、日本旅行が塩野義製薬に連絡をした。塩野義製薬の
関係者が、後で言いますが、柳田講師のところに走っている。実は楢崎が調べておる、どうするか、それじゃ塩野義で出したクーポン券に対して塩野義に自分が金を支払った、そういうことにして日にちをさかのぼって処理してくれ、そういうことが、ほんの先週末ですよ、行われておるから、私はやむを得ずこういうことを明らかにしておるわけです。
いまお渡しした書類、この
説明をいたします。
まず上の方、私は黒く削っておったのは日本旅行と書いてあるところ、しかしこれはもうはっきりしますよ。まず「ご旅行申込書」。これは一番左の上に七月十七日とありますね。「お名前」は「イトウアキカズ」「ウエダヒロミ」「ヤナギダノリユキ」。「ウエダヒロミ」これはかたかなで書いてあるけれ
ども、漢字は植田広海という字です。これは名大の大学院の学生、三年生。これがどういうことをしたか、後から触れます。
それから伊藤明和、これは名古屋大学附属病院耳鼻咽喉科助教授であります。この伊藤明和というのは消してありますね。これは矢が引っ張ってある。この人はキャンセルした。「七月十六日トリ申出」取り消しの
申し出のことです。そして次に丸が書いてある。その中には七月十六日と書いてある。そしてホテル側は「トリOK」と書いてある。取り消しオーケーという
意味です。それから連絡先は、ここに明らかなとおり「シオノギ一学岡田 納田」と書いてあります。この一学というのは、塩野義製薬本社名古屋分室の第一学術部という
意味であります。塩野義製薬は二学とか一学とか
地域で分けています。その岡田と書いてあります。この人は岡田和彦、納田敬
一郎、ともに塩野義製薬名古屋分室の人であります。これを塩野義が申し込んでいる。そしてここに丸い印がある。これはクーポン券を発行した日である。「発行済」とある。五十七年六月十日。それで下の方の「宿泊月日」のところに、最初浜松グランドホテルに申し込んだけれ
どもだめで、それでコンコルド浜松に変えた。オーケーです。それから端の方には、ルームチャージ六千円、これは税、サービス抜きです。これがこの「ご旅行申込書」の
説明です。
つまり、塩野義製薬がクーポン券を自分のところで買って渡していることはこれで歴然であります。そしてコンコルド浜松は確かに泊まっている。これは私、調べました。クーポン券で泊まっておる、これも明らかです。
その次、これは都イン・東京、宿泊カードであります。ここに前受金七千円と書いてありますね。これは八月二十八日の分です。ここに英語でクーポンと書いて丸が書いてあるでしょう、七千円の横に。つまり、クーポンで泊まったということです。
それから次に、ことしの二月六日の分、八千五百円、その横もクーポンに丸が書いてありますね。こっちの方の都インの方のクーポンはどこで買われたかというと、日本交通公社渋谷営業所です。何で渋谷の営業所で買うのか、私よくわかりません。何か因縁があるのでしょう。そしてこの学会に出た。
学会のことをちょっと
説明しますけれ
ども、いまの宿泊者の名簿にありますとおり伊藤明和という人は、この学会の日に「滲出性中耳炎と内耳」という講演をしております。それから植田広海、この人はやはり学会の学会員になっておるのですけれ
ども、「伝音難聴とティンパノグラム」という題で講演をしております。ほかというのが書いてありますが、この学会は、いまの主題で講演をしたのは村橋けい子というこれも同じ大学。それから柳田則之がここで同じようにやっております。それから、さっきの「滲出性中耳炎と内耳」の方は、これも伊藤明和ほかになっておりますが、このほかは鈴木康之のことであります。
以上が大体、もう時間が来ているということですから、
あとは直接
説明を別にいたします。したがって結論は、私は早急に検査をしてもらいたい。会計検査院、いいですか。