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渡部(行)
委員 大変おもしろい論理を聞きました。これは農民や一般から見たらかえって不公平だというふうに映ると言うが、不公平だと映っているからこうして私たちは代表して
政府に迫っているのですよ。いまの方が不公平なんですよ。それをやってなぜ逆にかえって不公平になるのですか。どうもその論理がわかりませんね。
しかも、
公務員共済年金というのは、同じように
拠出制で運用しているのでしょう。そうしたら、これに
軍歴通算したら、かつての分までこの中から出すことになるんじゃないですか。そんなこと、どこにつなごうが同じでしょう。もしそのつなぎ男が悪かったら、それは
政府で責任をとればいいのですよ。問題は、法のもとに平等であるというその実感を
国民にどう与えるかが政治のかなめなんだ。それをあなた方は、どれほどいままで陳情や議員連盟からそのことを言われておるかわからない、しかるに、一言半句これを変えようとしないという態度は、一体これはどういうわけですか。
私は、いままでの
経緯をここで読み上げてみます。これは、かつて総務
長官三原朝雄氏と
軍歴通算議員連盟が会見したときの報告です。
八月九日午后五時総理府において議連を代表し、小林副会長、武藤
事務局長、川俣健二郎代議士、貝沼
理事が三原朝雄総務
長官と面会し約一時間に亘り
軍歴通算問題につき会談をしました。
その結果を報告します。
三原
長官 現在総理府には、戦争に関係する事案とした
これは、ちょっと語句が間違っておるかもしれませんが、そのとおりに読みます。
(1)日赤看護婦と陸海軍看護婦に関する慰労金の
(2)シベリア抑留者に関する救済の問題
(3)
軍歴通算議員連盟に関する問題
(4)特務機関要員に関する問題
(5)満洲開拓青年義勇隊に関する問題
(6)一般空襲による戦災者補償の問題
(7)在外邦人財産補償の問題など七つの率案が持ち込まれている。そのいづれについても何簿かの結論を出さなければならぬと苦労しているが、順序としては先づ「日赤の看護婦」と「
軍歴通算問題」を何んとかしなければならぬと思い、部下官僚に指示しているが、役人のサボタージュで仲々進捗せぬのが実状である。
(1)先づ日赤の看護婦の慰労金の件であるが、これは
大臣自身が
委員会で公式に約束したことでもあり、五十五年度の国家予算で調査費をつけるよう厳命した。
私としては陸海軍従軍看護婦も日赤看護婦と同様に扱うものと考えているが、現在、官僚が抵抗して事が運ばぬというのが実状である。役人は日赤の看護婦は徴用であり、陸海軍看護婦は自らの希望で雇われたものであるから、従軍の性格も違っており、同一に扱うわけには行かぬ、然も調査費をつけることは実現を前提とするものだから、調査費もつけるわけに行かぬと、大胆に対して反論しているのである。
こういうことなんです。これだって、できないできないと言って、いまできているんじゃないですか。
(2)
軍歴通算議員連盟の要求に対しても、三木、福田両首相が前向きに
措置することを約束しており、
大臣としても、その要求は当然と考えているので、しばしば官僚に対して、その具体化を指示している。即ち「同じ軍隊で生活していたものが、一方はその
期間が
年金に
通算され、一方は
通算されぬというのは誰が考えても不公平である。君達自身もそう思うだろう、然らばこの不公平を救済するために、何等かの
方法を講じなければならぬ、五十五年度予算に改めて調査費をつけるか、さもなければ、この種の問題を一切整理をするため、総理府
長官の下に
審議会を設置するか、そのいずれかを考えよ」と厳命している。然るに今日まで役人は、なしのつぶてで、何等の回答も持ってこない。これは
大臣に対する徹底的な抵抗姿勢とみなければならぬ。
以上がいつわらぬ現在の状況であるというのが
大臣の回答でありました。
こういうふうに言われておるわけです。中間を省略してもっと読みますと、その後で、
役人はこういう戦後処理を全部採用すると国家の総予算の二割もこれに割かなければならぬから不可能だといっているが、実際の腹は近く解散もあるし、
大臣もかわってしまうので、このまま抵抗しておればよいと考えているかも知れぬが、私としては在職中に何等か芽を出しておくようにするから信頼してくれ
こういうふうに言われておるんですよ。
そうすると、総理
大臣以下各
大臣のこの意思というものを全く無視して、言ってみれば
国民の意思を無視して、そして官僚だけの法解釈によってこれに対してサボタージュをしておる、こう言われても仕方ないんじゃないですか。これについてはどう思いますか。