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守住政府委員 いま
先生の方から、今後の展望を踏まえまして非常に大事な点について各般にわたってお触れになりましたが、まず第一の今後の
電気通信の動向、
国際化、国際性ということについて申し上げたいと思うわけでございます。
わが国は貿易立国で国際交流が活発化しておりますのに伴いまして、国際通信というのがまず量的にも非常に著しい伸びを示しております。量的に見ましても、国際電話につきましては最近十年間に毎年二〇%以上というふうな程度の伸びを、これはいろいろ国際間の景気の影響等もございますけれ
ども、平均しますと年三〇%程度の伸びを示しておりまして、今後も相当な需要の伸びが予測されております。
それからまた、その通信手段につきましても、国際的な通信衛星、インテルサットあるいは船舶系の移動通信等のインマルサット、そういうふうなもの、あるいは国際間の海底ケーブルというようなものでの整備、国際間の緊密な連携というものが要請をされております。
それからもう
一つは、今度は質の面でございますけれ
ども、国際通信の
分野におきましても
データ通信等々の新しいサービスの展開が見られておりまして、この面からも非常に変容が著しい。したがいまして、国際間の通信でございますので、国際諸外国が一致しまして、いわゆるITUという国連の専門
機関の場を通じましてこの国際の標準化というものに向かいまして、これは
電電公社、KDD、
郵政省を含めまして大いに貢献をしておるところでございます。
それからさらには、新しい通信サービスあるいは技術の進展というのが先進諸国でどんどん起こってまいりますと、今度は
発展途上国との間のそういう技術協力、技術移転等々が重要な使命になってくる、こういうことでございます。特にまた、わが国の
電電公社は先端技術を持っておりますので、たとえば日米の調達問題にもあらわれましたけれ
ども、今後そういう先進諸国の先端技術との間に、わが国の誇る技術同士が共同研究開発という形で
一つの協調を図りながら、一方ではわが国の国益を守りながら協調を図っていく。もちろん、単にこれはアメリカ、EC諸国だけではございませんで、日中間の
職員の交流、技術交流等々、あるいはASEAN諸国等々に対しましても重要な使命でありますし、
電電公社も最近国際局というものを設けましてこの方面にも積極的に対応していこう、こういう動きもあるわけでございます。そういう
関係、アメリカ、EC諸国あるいは中国を初めいろいろな
発展途上国との国際協力
関係がある、このように認識をいたしております。
それからもう
一つは、おっしゃいましたような通信主権と申しますか、これが非常に重要なテーマである。ITUの憲章と申しますか条約の前文でも、世界の各国はそれぞれの国の通信主権というものを踏まえまして、これに留意しながら、しかし国際通信というものは相互に自由な流通ができなければならない、こういう理念が掲げられておりますけれ
ども、私
どももその通信主権、国益というものを踏まえながら自由な
情報流通というものに向かって努力をしていきたい、このように
考えておる次第でございます。
それからまたもう
一つ、いわゆるオンライン化に伴います
情報の盗用、悪用という問題あるいはプライバシーの
問題等々出ておるわけでございまして、こういう
データ通信が社会にシステム化になりますと、一方では非常に便益がございますけれ
ども、
先生御
指摘のように陰の部分と申しますか脆弱性と申しますか、こういうものを秘めておりますので、私
どもといたしましては、たとえて申しますと
データ通信の
一つの暗号化と申しますか、そういうデータ、
情報通信の中を流れますところの
情報の暗号化へ向かっての研究開発というものにも取り組んでおりますし、あるいはまた、いろいろ地震あるいは人為的災害等々が起こりました場合に、この社会のシステムとなっておる
データ通信の世界がこれは一たん停止いたしますと物すごい影響力を持つ問題でございますので、これの総合安全対策といたしましての
一つのバックアップシステムというふうな発想での技術開発というものにも取り組んでおる次第でございます。
あるいはまた、いろいろこの通信の世界で通信の秘密を守る。それぞれ民間の
業務が今後通信の世界に参入してくるわけでございますので、それが単に罰則の整備だけでなくて、いわゆる人的、物的あるいはその
組織体の管理体制という問題に対しましても私
ども行政的にも対応して注意を喚起していかなければならぬ、こういう
立場におるというふうにいま
考えておる次第でございます。
いろいろな諸点、非常に大事な点を
先生から御
指摘いただきましたけれ
ども、私
どももそういうものを踏まえて、またこの
審議会というものの貴重な幅広い御
提言、御意見等も受けながら、今後に向かって取り組んでいきたい、このように
考えておる次第でございます。(
上原委員「プライバシーは」と呼ぶ)
プライバシーも、
情報というのは印刷
情報から始まりましていろいろな世界に
情報はあるわけでございますが、私
ども通信主管庁といたしましては、その中で通信に利用されるデータ、これはプライバシーも含めますし、国家的プライバシーもございましょうし、企業的プライバシーもございましょうし、基本は個人のプライバシー、こういう角度で、その通信の中を走るものが何であれ通信の秘密を守る、その保護体制ということで取り組んでいく次第でございます。
なお、
先生御
指摘のように広くは
政府全体の
情報というふうな
意味で、データバンクの
問題等も含めまして
行政管理庁等との関連もあろうかと思いますし、コンピューターという角度ではまた通産省という角度もあろうと思いますけれ
ども、
政府部内でも連携をとりながら、私
どもは、プライバシーも含めまして、特に通信の秘密を守るという
立場から取り組んでいきたいと
考えておる次第でございます。