○佐藤(敬)
委員 まことにりっぱな決意でありまして、ぜひひとつそのとおりやっていただきたいと思います。私も大賛成ですけれ
ども、ちょっと苦言を申し上げなければならないのは非常に残念であります。
いまも話がありましたが、私は、これまでに
発生した、多くの死傷者を出した代表的な例を拾い上げて、その議事録を全部読んでみました。
一つは四十三年十一月の有馬温泉池之坊満月城旅館、それから二つ目は四十四年の福島県の
磐光ホテル、三番目は千日
デパート、その次は
大洋デパート、それからおととしの川治プリンス、その前に静岡のゴールデン街がありますね。これの議事録を取り寄せて全部読んでみました。驚いたことに、ほとんど同じ
質問をみんながやって、そして同じ答えを当局が答えておるのです。これはもう、ここにありますから後で見てください、全く同じことを
質問して全く同じことを答えている。
一番最初に
発生したのが
昭和四十三年です。いま五十七年ですから、十何年たっておるのですね。私の前に
質問した
方々に対する答弁、あるいはまた前に説明を受けたいろいろな
火災の原因、現況、こういうものを聞きましても、全く
状況は変わらない。いま決意のほどを聞きました。そして歴代の
消防庁長官からも、もう
火災は起こさない、一生懸命そういう強調をして、決意のほどは何遍も聞きましたけれ
ども、残念ながら決意を表明したしりから、次から次と
火災が
発生しておるのです。
しかも、それが別の
状況じゃなくて全く同じ
状況なんですね。共通して
指摘されるのは、煙による死者が非常に多いということです。これはもう全部に
指摘されている。今回も
指摘されている。それから避難誘導が不適切だ、
訓練が全く行き届いてないということ。それから防火
設備が不備である。これは
建築基準法と
消防法との矛盾、ギャップ、これが何ぼやっても埋められないで、いつまでたってもこの問題が介在しておる。そして最後には、せっかく
指導しておきながら事後
措置を何もやってないのです。これ全部に共通しておる。今回の
火災にも、まさにこれがそのとおり当てはまっておるのです。
こうなってきますと何か条件反射みたいなもので、あなた方が大丈夫だと言うと火事が起きる、大丈夫だと言うと火事が起きる、また大丈夫だと言うとまた火事が起きる。またあなた方、大丈夫だと言っていますから、ぴんとくるのは、また起きるだろうという条件反射なのです。この条件反射をどうして断ち切るか。大丈夫だと言いながら、五回も六回も七回も悲惨な
事故が起きている。
これをどうして断ち切るかということで、今回の
ホテル・
ニュージャパンの火事に際して私
どもが、いま政務次官が言われたように不退転の決意でもって取り組まなければいけない。いままでは決意、決意と言って、決意をやっているけれ
ども、何もやっていないのです。ここのところが、私が冒頭に、一体どういうつもりで今度のあれに取り組むのか、その決意を聞いた理由でございます。
たとえば、川治の火事それから今回の火事、これは非常によく似ているのですね。全く、川治プリンスという名前と
ホテル・
ニュージャパンという名前と、その名前だけかえれば同じ
質問しても通用するぐらい似ているのです。あれから一年三カ月たっています。あのとき私も
質問しました。あのとき
指摘された事項が何
一つ達成されてない。火事を起こした人は悪い。横井さんという人は非常に批判されている。しかし、それはそれとして、こういう長い間、
問題点がはっきりと
指摘されておりながら放置されてきた。特に、川治プリンスはついこの間の話なんです。それで
指摘されたものが何にも
改善されないで、再び今回の
ホテル・
ニュージャパンの火事を起こしている。これはまさに
行政の責任以外の何物でもない、私はこう思いますけれ
ども、
消防庁長官、どうです。