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安倍国務大臣 中小企業信用保険法の一部を改正する
法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御
説明申し上げます。
中小企業信用保険
制度は、中小企業者に対する
事業資金の融通を円滑に行うため、全国
各地の信用保証協会が行う中小企業者の債務の保証について中小企業信用保険公庫が保険を行う
制度として創設され、現在約十兆円に及ぶ保険規模に達しております。
最近の中小企業を取り巻く経営環境は、依然として厳しいものがあり、信用補完の面におきましても、中小企業の資金
需要への的確な対応の必要性がますます高まってきております。
本
法律案は、このような
観点から
中小企業信用保険法の一部を改正しようとするものであります。
次に、この
法律案の要旨を御
説明申し上げます。
第一は、
エネルギー対策保険
制度の創設であります。中小企業が今後健全な発展を遂げるためには、
エネルギーコストの低減を図ることがきわめて重要であります。このような
観点から、省
エネルギー施設または
石油代替エネルギーの利用施設を設置しようとする中小企業者の信用力を補完するために、新たな保険
制度として
エネルギー対策保険を創設することとしております。この保険の付保限度額は一億円、てん補率は八〇%となっております。
第二は、倒産関連中小企業者の範囲の拡大であります。冷夏、豪雪その他の突発的事由により、特定の地域の
相当部分の中小企業者の経営の安定に支障を生じている場合に、当該地域における特定の業種に影響を及ぼしているときには、当該業種に属する中小企業者に対して、さらにその地域において業種横断的に影響を及ぼしているときには当該地域に
事業所を有する中小企業者に対して、それぞれ、通常の付保限度額のほかに別枠で利用できる倒産関連保証の特例が適用できるよう、倒産関連中小企業者の範囲を拡大することとしております。
以上が、この
法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
次に、
小規模企業共済法の一部を改正する
法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御
説明申し上げます。
小規模企業共済
制度は、小規模企業者が相互扶助の精神に基づいて、毎月掛金を積み立て、廃業や死亡といった有事の事態に備えるという共済
制度でありますが、小規模企業者にとってその果たす役割りは大きく、
昭和四十年十二月の
制度発足以来加入者は年々累増し、今日までにその在籍件数は百万件を超えております。
現在、
制度発足以来十六年余りを経過したところでありますが、本
制度は
法律上、経済事情の変化に対応すべく、
制度の眼目である掛金、共済金等の額の検討を五年ごとに行うよう義務づけられております。
そこで、前回
昭和五十二年に改正が行われて以来五年目に当たる本年、改めて
制度の見直しを行い、必要な改正を行うために、この
法律案を提案いたした次第であります。
改正の趣旨は、最近における所得や物価の推移などの経済事情の変化、小規模企業者から本
制度に対して常日ごろから寄せられております要望などを勘案し、本
制度の一層の整備を図ろうとするものであります。
次に、この
法律案の要旨を御
説明申し上げます。
まず第一に、掛金月額の上限を現行の三万円から五万円に引き上げることであります。これに伴いまして、共済金の最高額も引き上げられることとなり、
税制上の優遇措置と相まって小規模企業者にとって大変魅力ある
制度となると
考えております。
第二は、共済金の受給のために必要な掛金納付月数を十二月から六月に引き下げることであります。
第三は、第一種共済契約者につき、いわゆる法人成り等の事由が生じた場合、現行法におきましては、中小企業
事業団が共済契約を解除することとし、このために、共済契約者には届け出義務を課し、届け出義務違反には罰則を適用することとしておりますが、かかる場合には共済契約は自動的に解除されたものとみなすこととし、かかる場合の共済契約者の届け出義務を廃止することであります。
以上が、この
法律案の提案理由及び要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。