○水田委員 いま次官は一歩も二歩も研究がということですが、そうじゃないのですよ。それを使おうという意欲が一歩も二歩もおくれているということじゃないかと私は思うのですよ。さっきも言いましたように、
日本にはほとんど油はとれない。それでガソリンをぷっぷっとけつからたれ流すような形で飛ばしておるわけでしょう。
アメリカは国内で半分以上の石油はあるわけです。それでもなおかつ燃料問題を考えれば、
エネルギー問題を考えればということで
アルコールを使っておる。そうすると、
日本は研究がおくれておるのではなくて、そういうことをやろうという政策が一歩も二歩もおくれているのではないだろうかということを私は申し上げたいのです。
そこで、
日本の技術というのは、いま次官もお認めになったように、たとえばインターフェロン、
日本でも林原もいま世界で最高の単位のあれができるようなことを研究しておる。ところが各社で開発しておるということで、やはりイギリスから技術を導入するということもやらざるを得ない。画期的な
技術開発については、
日本は若干おくれというのがあるのです。
日本の特質というのは、外国から技術導入をしてそれを改良する、その技術がすばらしいのですね。そしてこれをマスプロでやっていくということで高度
経済成長をやってきた。
たとえば真空管がICに変わるというのは画期的な技術革新ですね。そこからこれをいかにたくさんぶち込むかという技術、これは改良なんですね。その点では、
日本がいまや大量生産では追い抜いた形が、いまのLSIの
経済摩擦の問題になってきておる。これを今度は十六Kから六十四Kビットに変えるというのは、
アメリカではまさにこれは線が非常に細いですから大変な技術革新です、同じ五ミリ四方に入れるのは。
日本は発想を変えたわけですね。それをちょっと大きくして六十四Kビットをつくったわけです。だからその点では
日本の方が先になった、そういう
日本の特質があるわけです。
アルコールについては、セルローズからいくのは先の問題としても、でん粉なりあるいは糖分からいくのは世界最高の技術を持っている。問題は
コストの問題だけなんですね。だから、それが実用化できるような政策をつくることが大事なのではないだろうか。これは考えてみますと、いま
専売アルコールでつくっておる
アルコールは大体十五万キロリットルぐらいですね。たとえば
日本で三千五百万キロリットルの燃料を使っておる。その一〇%
アルコール燃料を混入ということになれば、三百五十万キロリットルの
アルコール燃料をつくらなければならぬ、あるいは輸入しなければならぬということになるわけです。ですから、そういうものを政策的に持ち込めば、それに向かっていく技術というのは
日本にある。量をたくさんつくることによって
コストを下げることもできるだろうし、あるいはいま国内
原料として使っておるのはカンショを使っていますね。あるいは使おうと思えばサトウキビもバレイショもあるいはビートでも、さっき
答弁もありましたように、ミカンの果汁の廃液は幾らでもあるわけです。一方ではミカンが余るから、とにかくミカンの木を少し切ろうじゃないか、あるいは生産制限をやれ、こういうようなことをやっておるわけです。ですから、そういうことを現行の
日本の技術でいかに安くつくるかということについては、
日本が大変な技術を持っておるわけですから、やろうと思えばできる。そして三百五十万キロリットルを全部
日本でつくるといったら、いまの農地を、休耕地を全部使ってもとてもできっこない。そうすると、
日本では一リットルが大体二百五十円につくわけですから、たとえば三百五十万キロリットルの中の一割を国産の
アルコールでやる。そうすると、いまの
アルコール専売の十五万キロリットルの倍以上になるわけですから、それは農業地帯にいわゆる
一つの
地域産業を興すこともできる、
雇用もそこで興ることもできるわけです。
値段で言いますと、
アメリカはガソリンが大体一リットル八十円です。向こうで
アルコールは八十円なんです。
アルコールのカロリーというのは大体六〇%ですから、
アメリカは
アルコールに一ガロン六十セントですか補助金を出して、やはりガソホールという形で誘導政策をとっているわけなんです。
日本の場合は大体二百五十円として、ガソリンが百六十円です。これを一対九でまぜたら、値段の点では一リットル大体百六十五円ぐらいになるわけです。そうすると、いまガソリンは大体百六十円で、あるいは百六十五円のところもありますが、いままた原油は下がりつつあるというのに国内では油の消費価格を値上げしようという。ですから、まさにいま
日本が国内で使う一〇%のガソホールの中の一割を国内でつくる、そしてあと九割を輸入ということにすれば、値段の点では
アメリカと余り変わらないわけです。これはそういう政策があれば、この値段を下げることはもっとできるだろうと私は思うのです。ですから、一歩も二歩も研究がじゃなくて、そういう政策目標をきちっと出すか出さないかによって、燃料
アルコールは進むか進まないかということが決まってくるわけです。
これはまだほかの大変な効用があるのは、たとえば
日本の油は中東からホルムズ海峡を越えて七五%来る。非常に危険なわけですから、これを分散していくという点では、特に貿易問題を考えても、たとえば非産油国である開発途上国に設備を持っていって技術指導をして、そして大変な太陽熱を年じゅう受けておる、そこで三毛作ぐらいのタピオカならタピオカをつくって入れてくるという形なら貿易がさらに拡大する。あるいは
アメリカは貿易収支の赤字を文句を言いますけれ
ども、油を売ってくれと言ったら売らぬわけです。これは中東から入れておるのを少しでも肩がわりすればこの差は大分縮まるのです。油を売らぬのなら
アルコールで買おうじゃないか、あるいは
アルコールが十分できぬのなら、その
原料のトウモロコシを入れようや。国産ではカンショなりバレイショのでん粉と、いわゆるコンスと混合してつくれば、
アルコールは二百五十円が百八十円ぐらいになるかもしれない。
そういう形を政策的にとるかとらないかが、この燃料
アルコールを早急に進めるか進めないかにかかっておると私は思うのです。一挙両得という言葉がありますが、これは一挙三得にも四得にもなるのです。だから、そういう点はやはり通産省の
大臣なり次官、政策的なものですから、そういう点一私が申し上げた
状況をどういうぐあいに受けとめ、そういう政策目標をきちっとつくってやるというお考えがあるのかどうか、あるいはやろうとされるのかどうか、お
伺いしたいと思います。