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城地委員 今回審議をしております
機械類信用保険法の一部を
改正する
法律案の関係でございますが、そのバックボーンといいますか、その
改正の要点は、新しく
プログラム信用保険制度を
導入する、そのための
改正ということでありますが、その
プログラムというものは
情報産業全体にかかわる大きな問題でありますし、そういう意味では、いまの日本の
情報産業全体の中にもかなり伸びてきている
部面があると同時に、また伸び悩んでいる
部面もある。
さらに、
情報産業そのものを見ますと、
田原委員も言われておりましたが、
ハードの
部面は非常にいいが、
ソフトがある意味でおくれている。そういう意味で、
産業全体を見ましても、
ソフトウエア産業の成熟がおくれていると一般に言われているわけでございます。私は、なぜそういうような事態が現出されたのかということにメスを入れる必要があると思いますし、またそういうところにメスを入れて、今後の
産業政策を立てていかなければ大変なことになるような
感じがするわけでございます。したがって、
通産大臣または
政務次官に、それらの
産業政策の
分野でのこれからの
考え方について伺いたいと思います。
たとえば、いまの
情報産業全体の現状からいたしますと、
昭和五十五年の資料では、
情報産業全体として二兆五千三百五十四億。そして
電子計算機産業が一兆八千六百五十六億、
情報処理産業六千六百九十八億。本来であれば、
電子計算機産業が一兆八千億以上の売り上げという
状況になっているわけでありますから、
情報処理産業ももうすでに一兆円
産業になっていてもいいのではないかというように
考えるのですけれども、現状
昭和五十五年で六千六百九十八億円という
状況でございます。そして、言われているように、
情報処理の中で
ソフトウエアの部分がおくれてきている、成熟がおくれているというふうに表現されて一般に言われています。おくれているのではなくて、成熟がおくれているのだというふうに言われているわけです。私は
電子計算機産業の関係者からいろいろ伺いますと、
ハードも
ソフトもいわゆるメーカーとしてはかなり突っ込んでやっているわけでありまして、
ハードがよくなるということは、
ソフトがよくなければ
ハードがよくならない、それが実情であるわけであります。しかし、日本のこの
情報産業の
進展の中で、特に
電子計算機を
導入している企業の多くは、その
ソフトの部分も、それに付随して自社で自力で開拓をするというようなことが非常に多く行われてきたわけであります。したがって、日本のこの
情報産業全体がここまで伸びてきた。そしてそれらが電子部品その他の関係でさらに
発展的に飛躍的に
技術開発がなされて、それらが相まってさらにまた一段と進んできているという現状であろうと思います。
ただ、最近のこの
電子計算機の
状況は、ただ大型、中型の
コンピューターだけでなくて、いわゆる
オフィスコンピューターとかマイコンとかいうようなものの登場になって、さらにすそ野が広がってきている。すると、どうも
ソフトの部分がそれに追いついていかないという、そういう意味での非常に跛行的な現象があらわれてきているのではないかというふうに
考えるわけであります。したがって、基本的な問題としては、私は跛行的な、
技術の面で
ソフトが断然おくれているというようなことではないと思うのであります。
そういう
認識に立ちますと、これはもともと
産業政策の関係で
ハードに力を入れる、そしてしかも、それに力を入れると同時に、自社で
ソフトの面も
開発をしているということで来たことに、何ら手をつけずに来たという
産業政策の面での
問題点があるのではないかと
感じておるわけであります。そしていよいよこの
コンピューターの普及がどんどん広がっていくにつれて、大企業から中企業、中企業から小企業、さらに家庭にもそういうものが入ってくるというような普及の
状況になりまして、
ソフトウエアが追いつかなくなってきているという現状ではないかというふうに
考えるわけであります。
そういう意味でいきますと、日本の
産業政策の
問題点としては、やはり何といいましても、そういうおくれている
部面を早く取り返していく。
ソフトウエアにもう少し力を入れれば、力としては十分あるわけでありますから、そういう普及の中における
ソフトウエアにもう少し力を入れるような政治的な配慮をなされていくべきなのではないかというふうに
考えるわけであります。もともと
ソフトが非常にだめなんだということではないというふうな
認識を持っているわけであります。したがって、ここで今後の
産業政策の重点として、そういうおくれているところにどんどん日を当てていくというふうな
体制でいかなければならない
状況に差しかかってきているというふうに私は
認識をしております。
コンピューターの関係で一般に言われている言葉ですが、「
コンピューター、
ソフトがなければただの箱」。
ソフトがなければただの箱であるわけであります。そういう意味でいきましても、やはり力はあるし、
ソフトと
ハードが一緒になっていかなければ
発展がない。したがって、いま言いましたように、そういうおくれている
分野にもう少し力を注いで、ある一定のところまで
水準を引き上げていく。私はそういうことがいま一番必要なのではないかというふうに
考えているのですが、そういう基本的な
考え方について、
政府のお
考えを伺いたいと存じます。