○坂本政府
委員 昭和五十七年度
厚生省所管
予算の概要につきまして、お手元の資料に従いまして簡単に御説明申し上げます。
昭和五十七年度
厚生省関係の
予算額は、総額で九兆百六十八億三千五百万円でございます。前年度に対しまして、額で二千五百二十五億八
千八百万円の増、率で二・九%の伸びを示しております。
次のページは、
厚生省予算を
経費別に掲げたものでございますが、一番下の欄をごらんいただきますと、
厚生省予算額の一般会計総
予算に対する割合は一八・一%となっております。
以下、主な内容について御説明を申し上げます。
目次のページを二枚飛ばしていただきまして、一ページをごらんいただきたいと存じます。
最初は、
老人保健制度の創設でございます。新しい
老人保健制度を創設いたしまして、五十七年十月から
実施することといたしまして、所要の
経費を計上いたしてございます。
第一は医療でございますが、
老人医療給付費補助金といたしまして、医療に要する費用の二割を計上いたしております。
第二は
保健事業でございますが、備考欄の真ん中ほどから二ページにかけまして
各種の
保健事業が掲げてございます。これを
実施いたしますとともに、二ページの中ほどにございますように、
保健事業実施のため保健所機能の
強化を初めとする基盤
整備を行うことといたしております。
三ページからは
福祉対策関係でございます。
最初に在宅身体
障害者対策でございます。総額で六百三十九億千九百万円を計上しておりますが、備考の2にございますように
社会参加促進対策に重点を置きまして、身体
障害者相談員の増員、一県当たりの事業費の
増額、メニュー事業の追加、デーサービス
実施個所の増加等を行うことといたしております。
五ページにまいりまして、備考欄の一番上でございますが、
福祉手当につきましては、手当額を月額一万円から一万五百五十円に
引き上げることといたしております。
中ほどの在宅心身障害児(者)対策でございますが、在宅精神薄弱者
福祉対策につきましては、精神薄弱者の通所
援護事業あるいは精神薄弱者の通勤寮、精神薄弱者
福祉ホーム、精神薄弱者相談員につきまして、それぞれ個所数の増、人員の増を行うことといたしております。
六ページの中ほどでございますが、特別
児童扶養手当につきましては、手当額の
引き上げと本人所得制限の緩和を行うことといたしております。
〔
委員長退席、
今井委員長代理着席〕
このページの一番下から七ページへかけまして、在宅
老人福祉対策でございます。
在宅
老人福祉対策につきましては、特に七ページをごらんいただきますと、中ほどに要
援護老人対策がございますが、
家庭奉仕員につきましては、
派遣対象の拡大といたしまして、
所得税課税世帯を含めるとともに、
家庭奉仕員を一万三千三百二十人から一万六千六百十八人と大幅な増員を図っております。
八ページは
母子保健対策でございますが、心身障害発生
予防対策を初めといたしまして
各種対策を
推進するため、総額百三十三億九
千八百万円を計上いたしております。
九ページの中ほどからは
保育対策でございます。総額二
千八百七十七億七千七百万円を計上いたしておりますが、
保育所措置費につきまして、新規に
夜間保育、延長
保育等対策費を計上し、ベビーホテル問題に対処することといたしております。
十ページでございますが、
児童健全育成対策でございます。総額六十億五千七百万円でございますが、
児童館六十カ所、
児童センター八十カ所の新設を予定しております。
十一ページは
児童手当
制度でございます。
児童手当につきましては、所得制限の額を六人
世帯で四百五十万円から三百九十一万円に引き下げることといたしておりますが、同時に、年収三百九十一万円から五百六十万円までの被用者につきましては特例給付を行うことといたしております。
次に、母子・寡婦等
福祉対策でございますが、総額二千九十六億五千七百万円を計上しております。母子
福祉貸付金及び寡婦
福祉貸付金について貸付原資の追加を行うとともに、母子
家庭等介護人派遣事業につきまして、父子
家庭への介護人の派遣を新規に行うことといたしております。
十二ページでございますが、
児童扶養手当につきましては、手当額の
引き上げを行うことといたしております。
次に、十三ページは低
所得者援護対策でございます。
生活保護制度につきましては、
生活扶助基準の六・二%
引き上げを行うとともに、
生活扶助基準の男女差縮小を図り、また、暴力団等不正受給
適正化対策を
推進することとしております。
下へまいりまして、
社会福祉施設の
整備と
運営でございますが、
社会福祉施設の
整備につきましては、補助基準単価の
引き上げを行うとともに、デーサービス施設単独型の
整備を新たに対象とすることといたしております。
十四ページの中ほどでございますが、施設入所者等の処遇
改善につきましては、特に備考欄の真ん中よりやや下にございますように、施設管理面におきまして四十四時間勤務体制の計画的
改善を図ることといたしまして、五十分相当短縮の措置を講じております。
また、新規といたしまして、痴呆性
老人対策のため精神科医雇上費を計上しております。
次に、十六ページでございますが、
年金制度の
改善でございます。
厚生年金、
船員保険及び
拠出制国民年金につきまして、
物価上昇率は五%を下回る見込みでございますが、特例物価スライドによる給付
改善を行うことといたしております。
実施時期は、
厚生年金、
船員保険が五十七年七月、
国民年金が五十七年八月でございます。
次に、
福祉年金につきましては、五十七年九月から
年金額の
引き上げを行うことといたしまして、老齢
福祉年金は月額二万四千円を二万五千百円と、千百円の
引き上げを予定しております。ただし、扶養義務者の収入が六百万円以上八百七十六万円未満、これは六人
世帯の場合でございますが、この場合におきましては月額二万三千円を二万三千三百円としております。また、一番下にございますように、所得制限につきましては、本人所得制限の限度額を、十七ページにございますとおり、老齢
福祉年金、障害
福祉年金について
引き上げを行うことといたしております。
次に、十八ページは
医療保険制度でございます。
政府管掌健康保険におきましては、高額療養費自己負担限度額を月三万九千円から五万一千円に
引き上げることといたしておりますが、七十歳以上
老人及び低
所得者については据え置くことといたしております。
次に、下へまいりまして
国民健康保険でございますが、療養給付費補助金につきましては、会計年度区分の変更を行い、十一カ月分を計上いたしております。また、高額療養費自己負担限度額につきましてもこれを
引き上げることといたしておりますが、七十歳以上
老人、低
所得者は据え置くことといたしております。
二十ページへまいります。二十ページは
健康づくり対策でございます。
総額二百五十九億八千二百万円でございますが、特に備考中ほどにございますように、
家庭婦人の健康診査費、栄養
改善地区組織活動費の対象地区の拡大を図っております。
次に、二十二ページへまいります。中ほどに救急・へき地医療対策がございます。
救急医療対策につきましては百五十五億六百万円を計上し、救急医療体制の計画的
整備を進めることといたしております。また、二十三ページの一番上にはへき地医療対策がございますが、四十六億九千六百万円を計上し、
各種対策の計画的
整備を進めることといたしております。
次に、真ん中よりやや下でございますが、ここからは特定疾病対策を列記してございます。
難病対策につきましては、特定疾患治療研究費の対象疾患を拡大することといたしております。
二十四ページでございますが、中ほどに循環器疾患対策がございます。
国立循環器病センター、地方循環器病センター、国立病院循環器病診療部門の
強化の
整備を中心としております。
二十五ページでございますが、がん対策につきましては、国立がんセンター、国立病院、国立療養所の
整備を中心といたしております。
次に、中ほどの腎不全対策につきましては、腎移植を
推進することといたしまして、特に新規として備考欄の4にございます腎移植オンラインシステムの導入を図ることといたしております。
次に、下の脳卒中リハビリ対策でございますが、リハビリテーション施設、
老人慢性疾患専門医療施設の
整備、理学療法上等養成所の
強化を図
ることといたしております。
二十六ページは精神衛生対策でございます。特に新規といたしまして、通院患者リハビリテーション費を計上し、病院以外の場所におけるリハビリテーションの
実施を進めることといたしております。
一番下の保健衛生・医療施設等の
整備につきましては、新規として
老人保健関係施設の施設及び設備の特別
整備を行うことといたしております。
二十七ページでございますが、中ほどに看護婦等の養成確保対策と処遇
改善でございます。総額四百九十二億六千七百万円を計上いたしまして、養成確保対策、処遇
改善を進めていくこととしておりますが、新規として看護研修研究センターにおいて助産婦養成所教員養成課程を新設することといたしております。
二十九ページにまいりまして、戦傷病者戦没者遺族等の
援護対策でございます。総額千五百四十六億九百万円を計上しておりますが、遺骨収集、慰霊巡拝、慰霊碑建設のほか、特に中国残留孤児対策の
充実強化を図ることといたしまして、新規に
調査団の中国への派遣及び永住帰国受け入れ対策を講じるとともに、訪日孤児の人員を六十人から百二十人に倍増することといたしております。
三十ページの中ほどでございますが、遺族
年金につきまして恩給の
改善に準じた
改善を行うことといたしております。
三十一ページは環境衛生関係営業の
振興でございます。総額八十八億二千七百万円でございます。特に都道府県環境衛生営業指導センターを二十二カ所から三十カ所に増設することといたしております。
三十二ページは原爆被爆者対策でございます。医療特別手当等につきまして、備考欄にございますように五十七年九月から手当額の
引き上げを行うことといたしております。
三十三ページは同和対策でございます。同和の関係の施設
整備及び事業の
推進につきまして、所要の
経費を計上をいたしております。
次に、食品・医薬品等の安全対策と三十四ページの血液・麻薬・覚せい剤等対策につきまして、それぞれ最近の実情を勘案し、所要の
経費を計上し
施策を進めることといたしております。
三十五ページの中ほどから少し上でございますが、
生活環境施設の
整備でございます。引き続き施設
整備を進めることといたしておりますが、特に水道水源の確保と水道の広域化の
推進につきまして、備考の真ん中よりやや下、3のところにございますように、広域化促進地域上水道施設
整備といたしまして、高料金対策六億四千三百万円を計上しております。これは、建設条件が悪いために建設費が高騰し水道の
整備事業が阻害されていることに対する新規の補助でございます。
三十六ページにまいりまして、中ほどから下に研究開発の
推進が掲げてございます。
各種の研究費の主なものをここに掲げたものでございます。
なお、次の三十七ページ以降に各特別会計の歳入歳出
予算等の一覧表をつけてございますが、この説明は省略させていただきたいと存じます。
以上でございます。