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笹山委員 いままで見たように、これまで人災だ、人災だ、人間的な側面が必要だと言いますけれども、その人間的側面というのは、ごく限られた防火管理者とか、そういう
消防施設に付随するような人的側面を重視されてきたようなきらいがあるわけでございますけれども、私は、むしろ
経営の中身とか
経営者の資質というものまでも立ち入るような、そこが
一つの遠因になっているような面もありますので、その辺をひとつカバーし得るような体制というものをつくっていただきたい。
特に
消防法の中で、危険物等の流出に関しては三十九条の二、三において明記してあって、同時に両罰
規定で四十五条で行為者のほかに法人または人に対しての罰則
規定があるということから言いますと、五条ないし十七条と危険物等のそういうものと法体系のアンバランスがあるのではないかというふうに思うわけでございます。
今回は
国際観光ホテルの
火災でありますけれども、それよりもこわいのはビジネス
ホテルの
火災であろうかと思います。その辺、ビジネス
ホテルに対する受け皿を
運輸省で考えているようでございますけれども、ただでさえいまは第三次
ホテルブームということで、地方都市でも、五万ぐらいの都市でもチェーン
ホテルブームである。昨年度中のオープンの
ホテルは四十に上る、五万七千室、チェーンに限ってみても今後三年間に百十七の
新規オープンが予想される。いわば素人の方が土地を提供すれば中央のシステムが来る、あなたはすぐオーナーになれますと。そういう安易な
ホテルのオーナーがふえては非常に困るわけでございまして、いまの防火管理者というのはどうも権原のない防火管理者がいるということで、その辺のネックもあるようでございますが、今回の事件を契機に、むしろ
経営者が防火管理者になるぐらいの、あれは講習を二日間ぐらい受ければいいわけでありますから、そのぐらいの徹底した対応をひとつ
消防庁の方で検討していかなければ、またこれに続く人災というのはすぐ起こるに決まっている、そう断言してもいいというふうに思うわけでございます。
以上、
経営上の問題を終わりまして、第二に構造上の問題でございますが、今回の
事故はいわば落第生の
ホテルでございますので、落第生に卒業試験を課すようなことは、そういう細かいことを
指摘するのは時間のむだですからやめるとしまして、
一つだけ私は気がかりな点がありましたので、御回答願いたい。
それは、
ホテルの現場を見まして気になったのは、
ホテルの正面ないしくびれたところ、ロビーの部分、いわば大広間の部分というのがスカートのすそのように広がっているということでございます。このスカート状のものがはしご車の活動に対してかなり影響があるのではないかというような推測をしたわけでございます。ちなみに、
昭和四十八年六月十八日の釧路オリエンタル
ホテルの
火災におきましても、同様なスカート状の構造になっていたようでありまして、建物の西側部分にしかはしご車が寄りつけなかった。そのため、五階から一名のみ救出するにとどまったという事実があるわけでございます。
それで、
消防庁にお伺いしたいわけでございますけれども、はしご車の架梯可能の高さというのは、起立角度というか、そういうものと
関係があるわけでございますけれども、ある物の本によりますと、建物から十メートル以上離れますと先端の荷重が百五十キロぐらいに達してしまって、それにリフターの荷重百キロが含まれると、もう人が
実質余力五十キロの荷重しかないというような説もあるわけでございます。それが本当かどうかわかりませんけれども、ともかく建物から離れざるを得ないという、そういう邪魔物の部分があればあるほど、はしご車の活動には不便を生ずる。私、飛びおりの分布を見たわけでありますけれども、飛びおりの死亡者に限って言いますと、スカートの部分での飛びおり者がほとんどであります。きのういただきましたので見ましても、非常に多いわけであります。
しからば、はしご車のアクセスはどうかと言いますと、正面は七台ございますけれども、このスカート部分にある消防車は中台でございます。また、北の方ですが、これもやはりスカート部分には一台しかない、南は全くないということで、この辺のひさし等の出っ張りに対する対応といいますか、いまさらひさしを削るわけにいかぬでしょうから、はしごを常設するとか、そういうような
対策がとられるべきではないかというふうに思うわけであります。
いまはスカート状のロビーの出っ張りを言ったわけでございますけれども、それに限らず、はしご車の
ホテルの客室へのアクセスといいますか、そういうものについてもう少し真剣に考える必要があるのではないか、これは私自身の私見でございますけれども、その辺、
消防庁の御意見をお伺いしたいと思います。