○小杉
委員 それでは、
質問をいたします。
いま私どもが提出した修正案につきまして趣旨説明をしたわけでありますが、今回のこの
審議におきまして一番
論議が集まった問題はこの
政党要件という面であります。従来の
全国区
選挙につきましては、金がかかる、肉体的に負担が大きい、あるいは
有権者が
全国の約百人の
候補者の中から一人選ぶということ、選択が非常に困難である、こういうことから今度の比例代表
選挙になったわけですが、一方において現行
制度の中にもやはりメリットがある。それはどんなに少数の
政党であっても立候補ができる、あるいは無所属であっても自由に出られるということであったわけでありますが、今度の
改正におきましては事実上そういった無所属候補なりあるいは少数会派というものを制限してしまう、こういう点が大きな
問題点としてクローズアップされてきたわけであります。
そこで、これに対しまして社会党からも
政党要件の緩和ということで原案の衆参合わせて五人以上というのを三人に改めろ、あるいは四%を二%にせよ、それから立
候補者を十人以上というのを五人にしろということで緩和策が出ておりますが、私どもはこれでもまだまだ少数
政党あるいは無所属の人たちが立候補するには少しきつ過ぎるのではないかということから、たとえば
参議院の先例集を読みますと、
参議院の中で会派を結成できる
一つの
基準として所属
議員が二人以上というようなものがございますので、一応現職の
議員が二人以上いれば
一つの
政党としてみなしていいではないか、こういう
考え方から第一の項目を原案の五人以上というのを二人以上にしたわけであります。
それから、第二の一%ですが、有効投票を五千万票とすれば一%といいますと約五十万票、前回の衆参同時
選挙でもこの五十万以上取った人というのはたしか次点以下五、六人おられたと思うのです。ですから、直近の
選挙で五十万票、もう
当選圏に非常に近いところまでの一%程度の票を取った人たちに対してやはりもう一度チャレンジをする機会を与えてもいいのではないか、挑戦をする機会を与えてもいいのではないか、こういう趣旨から一%にしたらどうだろうか、こういう
提案をしているわけであります。
それから、第三の項目の十人以上の
候補者がいることを三人にするというのは、この
審議の中でも、十人となるとたとえば供託金にしても四千万円集めなければいけないということでありますが、三人ということになれば千二百万程度、しかもたとえば市川房枝さんなどの例を挙げますと、仮に市川房枝さんが出たいと思った場合に、自分に本当に共鳴してくれる仲間を二人程度、
お話をして一緒にひとつ
名簿を出させてもらいたいということであれば、
政党要件としては三人ということであっても事実上は市川房枝さん
個人が出るのと何ら変わらない、こういうふうな
考え方から三人以上ということで、事実上小会派あるいは無所属候補の人たちも立候補できる道を開いた、こういう
考え方であります。
もちろん、余り
政党要件を緩和してしまうと非常に乱立をするのではないか、あるいは
政党らしい
政党として認めがたいのではないかとか、いろいろ
政治的な影響とか
選挙におけるいろいろな弊害もこれは全然皆無とは言えないと思うのですね。しかし、いままで
個人本位の
選挙でだれでも
個人が立候補できたという
制度から一挙に
政党選挙だといっても、激変するということは好ましくないのではないか、やはり経過的な措置として、過渡的な措置として、いままでの
個人選挙から
政党選挙に移行する
一つの過程として思い切ったこうした緩和策を
考えてもいいのではないか。
政党らしい
政党と言いますけれども、いまの
政党だって、
政党らしい
政党というのは私どもも含めてむしろ少ないというかまだまだ弱い面があるというふうに私は思うわけなので、今度の
改正で
政党に
名簿の
選定の権限とかいろいろな、
政党が確固とした非常に力あるものと想定した
考え方があるわけですけれども、まだまだ
日本の
政党というのはそんなに十分には成熟してない段階だと思うのですね。そういうことも
考えまして、私は余り急激に
政党要件を厳しく突きつけるというのは、
日本のいまの
政治の現状からしてふさわしくないのではないか、こういう
考え方に立って、この
政党要件の緩和ということを打ち出したわけでありますが、提出者の方からひとつ率直な御
見解も聞かしていただきたいと思うわけであります。