○岡田(正)委員 ただいま民社党がかねて提案をいたしておりましたブロック
制度のことについても言及をされましたので、一言申し上げておきたいと思います。
私ども民社党が提案をしておりましたブロック
制度というものは、地方区も
全国区もなくして、そして日本を九つぐらいのブロックに分けて、そこで少数派の人も出馬することが可能なように、拘束
名簿式ではない、オープンの
選挙を堂々と戦っていただこう、こういうことによって広過ぎるという弊害、有権者になかなか知られにくいという弊害、そして金がかかり過ぎるという弊害が防がれるであろう。さらにいま
一つ、かねてから懸案でありました
政治資金規正法などと並びまして、金をかけてはならぬとか、そういう問題をしきりに皆さん方から言われておったのでありますが、そういうものに対しても弊害が防げる。それからいま
一つの問題は、少数派の締め出しということがあり得ない。十分に出馬されるところの余地を与えることになる。こういう問題を含みますから。それから地方区の定数の是正、これもいままで東京高裁から二回も
指摘を受けておる。しかも、
参議院においてもやらなければいかぬ、中西さんの案まで出ておったにかかわらず、そういう問題をほったらかしにしておいて、今回
全国区の拘束
名簿式だけが出てきた。こういうことから考えてみても、私どもが言うブロック
制度をとりましたならば、地方区の定数是正も一遍に解決する案なのであります。
こういうことを私どもは言っておったのでありますが、今度の皆さん方が発議せられましたこの案によりますと、少数者というものは全くの締め出し。それは、締め出しと言ったって
立候補できぬことはないじゃないか、結社の自由があるから十人ほど束ねて
名簿を出せばいいじゃないかということをおっしゃいますけれども、現在でも、先ほど御説明がありましたように、
全国区の法定
選挙費用が三千八百万円ですよ。その三千八百万円に対して、実際に一番使った人は三千五百万と言っておる。ところが少数派の人が十名の人を集めて
立候補しようとすれば、
名簿を提出しようとすれば、四千万の金が要るじゃありませんか。そしてもし一人しか当選できなかったら、いわゆる二倍を引いた残りの八つ、三千二百万というものは完全に没収をされてしまうじゃありませんか。いままでの、
全国区の法定
選挙費用を使った一番最高に近いほどの金が、何にもすることなく没収されるわけであります。金がかからぬどころではない、金がかかるようになる。こういうことを考えてみますと、私は非常に残念であると思うのです。
いま
一つ、耳にさわることを申し上げますが、いま私は
選挙区に土帰月来で往復をいたしておりますが、わずかな数でありますけれども、お会いいたします
選挙民の方々が、その職業のいろいろな方がいらっしゃいます。会社の社長さんもおれば、工員さんもいらっしゃいます。そして御婦人の方もいらっしゃいます。家庭の主婦もおる。そういう人
たちの意見が恐しいほど一致しているのはこういうことです。岡田さん、今度
参議院の
全国区というのは、聞くところによったら何か
名簿で
選挙するんだそうですな、地方区のときに投票するという話であるが、何もしないで五十名、五十名、裏表百名、二百五十二名の
参議院議員の中で百名もの人が
選挙運動をすることなく、自分の政策も訴えることなく、
国民の声を吸収することもなく、
参議院議員としてバッジをつけるというのはいかにもむだである。それほど人材が欲しい、それほど良識のある、識見のある人が欲しいというのなら、政府の中に設けてある二百有余の審議会の中に幾らでも入っていただく余地はあるではないか。それをわざわざ六年間もバッジをつけていただいて、
参議院議員としておっていただかなければならぬ理由がどこにあるのだろうか。先ほど私が何のために
お尋ねをしたかといいますと、アメリカの上院の数は百名、下院の数は四百三十五名ということであります。それに比べまして日本は二百五十二名、そして五百十一名、人口の数はアメリカが二億一千万、日本は一億一千七百万、約半分であります。人口は半分であるのに、上院に相当する
参議院の数は百対二百五十二であります。
国民はこのことを言うのです。いま世を挙げて行政改革をやれ、
国民の声であります。その行政改革は
国会からやったらどうかということを平然と言いますよ。それほど
選挙が嫌なら、
名簿で当選しようなんということを考えるのなら、何も百名の
全国区の
議員を
参議院に置いておく必要はないではないか。そんなものはひとつ
国会から行革を率先してやってもらいたい。百名の
議員がおらぬようになったらどれだけ違うのだ。まず
国民に、あなた方へのサービスも低下しますよ、そのかわりみんなで痛みを分かち合いましょうという、いよいよこれから痛さが直接わかってくる行革
国会が迫ってまいります。
国民には多大の犠牲を強いなければならぬ時代がやってまいります。そのときに、
参議院の
全国区が広いから、えらいから、しんどいから、金がかかるからというので、
名簿だけで百名の
議員が誕生するということを知ったら、
国民がどうして行政改革に協力をしてくれるでしょうか。
議員にとって
選挙というのは
一つの洗礼ではないか、私はそう思っておるのであります。そして
候補者はその
選挙を通じまして自分の政治信条を
国民に訴えて、そしてその負託を受けたということになったら、その負託にこたえるべく専心
国民の幸せのために精進をする、これが
議員の務めじゃないでしょうか。
議員が
国民に接触をしないようになってどうやって
国民の声を吸収することができるのですか。
参議院は学者の座るところではありません。学問をするところではありません。政治をするところであります。その
国民の素朴な声を一体発議者の皆さんはどうお考えですか。私は返事に困りました。私の仲間も
参議院の
全国区にもおります。地方区にもおります。先輩も
全国区におります。みんなりっぱな人です。だがしかし、そのりっぱな
全国区の
議員の人
たちが、いまこの法案を審議することによって
国民にだんだんと知られていくことによって、何だ、こんなことなら行政改革を
国会からやれと言われて、
先生方はどうお答えになりますか。感想をお伺いしたいと思います。