○
佐々木参考人 佐々木でございます。
われわれの工業会はメーカーの
団体でございますので、われわれに課せられた使命と申しますのは、
自転車の
安全性をどうして
確保するか、こういう問題かと存じます。
自転車の
安全性の
確保につきましては二つの問題点があると思います。一つは、製造上安全な
自転車を確実に供給していくということが一つの使命でございますし、もう一つは、乗られる方が
自転車の
点検整備をして自分の
自転車を
事故のないようにしておくという、二つの問題かと思いますが、工業会の方はメーカーの
団体でございますので、反復継続して、安全な
自転車を提供するということが一番重大な問題でございます。今回、国会の先生方の御努力でできました
法律にも、第九条と第十条にそのように規定がございます。
工業会では早くから
自転車の安全問題というものには非常に強い関心を持ちまして、先ほど通産省の
車両課長からも御
説明がございましたように、工業標準化法ができました
昭和二十四年来、
自転車の
規格化、標準化、それから品質の
向上、
安全性という問題を踏まえまして、この
法律にのっとりましてJIS
制度を進めてまいったわけでございます。いろいろな商品がございますが、
自転車が最もJISの発達した一つの商品じゃないか、このように確信しております。
なお、
自転車の問題につきましては、JIS以外に、もっと
安全性の問題があるのじゃないかということで、アメリカで一九七五年にCPSC、消費財の安全
委員会という
制度ができまして、
自転車がこれに指定されまして、
自転車の安全
基準ができました。
自転車につきましては、乗り手側から見ればシャープエッジと申しまして、先鋭物だとか、突起物だとか、非常にふくらんでいる突出している部分だとか、それから反射灯ですかこれが完全に作動するような、後ろから自動車で照らしましてもよく見えるようにするとか、こういうような問題を踏まえまして安全
基準ができましたので、私どもの工業会も早速、中に安全
対策委員会というのを設けまして、このCPSCを基本といたしまして、自主安全
基準をつくりました。これが
昭和五十年にできまして、私の方の会員にはこれを必ず守るようにという努力を続けてまいりました。
なお、この安全
基準というのをできるだけJISの中に盛り込んでくれというので、政府とも折衝いたしまして、逐次JISに安全
基準を取り入れてまいったのが現在のJISでございますが、なおかつ、ほかにも安全
基準を取り入れるようにこちらも努力し、政府の方もそのようにJISの改正を行って今日まで至っております。
それから、安全幕準の問題につきましては、これは一国だけの問題ではございませんので、国際的な問題でございますので、それがまちまちであると非常に貿易の障害にもなるのみならず、
余り好ましくないというところで各国の
意見が一致いたしまして、ISO、国際標準化機構というところに
自転車の部会、TC149と称しておりますが、テクニカルコミッティーの百四十九番という
委員会ができまして、そこで国際的な安全
基準をつくろうというのでつくってまいって、日本もこの加盟国になっております。これが一九七三年から始まっていまして、そのISOで決まりましたものは、これまたJISに取り入れていくというような形で進んでまいったのでございます。
私の方の
自転車の
安全性の追求につきましては、非常に長い歴史を持っております。
道路交通法が改正されまして、
道路交通法で
自転車が
歩道を走れるようになりまして、
自転車というものについての安全
基準をつくってそして型式認定も行う、また使用中の
自転車についても
点検を行う、こういうことになりましたが、この
基準もすべてJIS、それからまたISOの安全
基準を基本としてでき上がったものでございます。
この皆様方でおつくりになっていただきました
自転車に関する
法律でございますが、この
法律ができまして、第十条には、国で定めた
基準に従った
自転車をつくるというようになっておりますので、それで
自転車というものは、SGという先ほど
車両課長から
説明ございました
制度が適用されることになりました。この
認定基準でございますが、これもJISとかあるいはISOの
基準を基本としてでき上がったものでございます。
ところが、
自転車の業界というのはアセンブリー産業でございまして、たくさんの部品や附属品からでき上がりまして、これを組み立てれば
自転車になるということでございます。私の方は会員が二百八十前後でございますが、この中には、部品とか附属品とかあるいは
完成車というのも、皆さんが同居しておられます。
完成車メーカーのうちには、工業型と申しまして、組み立てのラインをつくりましてそこでちゃんとつくる、こういうところもあれば、部品を収集いたしましてそれをキット化しまして送って、小売先で組み立てるとかあるいは半分組み立てるとか、いろいろ出荷の形が違ってまいって知ります。われわれの工業会では、組み立てラインをちゃんと持っておられる方に対しては
完成車JISを適用できるわけでございますが、それはすでに四十一企業、四十九
工場になっております。しかしながら、そういう組み立ての設備をお持ちにならない方は、JISというものはなかなか厳しいものでございますから、組み立ての設備をお持ちにならない方に何とか安全
基準を守ってもらわなければいけないというところから、組み立て
工場を持たなくても、ちゃんとJIS部品を使って組み立ての
基準に従って組み立てたものというのができるものにつきましては、このSGの
工場に指定するということに相なったわけでございます。これらの
方々、数量から申し上げますとJIS
工場で組み立てられるものが大体六〇%でございまして、集荷されまして一部組み立てるとか、あるいはまた、全部バラでキット化して出荷している
方々の数量が四〇%ぐらいでございますが、後者の問題が非常に問題になる点でございまして、それらにつきましては、安全
基準が
遵守できるようないろいろ方策を講じまして、それらの
方々がSGの
工場になるということを
指導してまいりました。現在では、五十八企業の六十一
工場がそういうSGの指定を受ける
工場になったわけでございます。
なお、保険につきましては、われわれの方も過去八年から
団体保険をやっておりまして、生産物の賠償保険でございますが、もし生産物が悪くてけがをされたとか、あるいはまた
歩道を走ることによって、ウインドーにぶつかってけがをするのみならず、その器物を損壊したといった場合に、それを保障するための保険を工業会と保険会社の間に結びまして、これにみんな御加入を願っているというようになっております。
われわれ、この
法律が先生方の御努力によりまして成立いたしまして、なお一瞬、今後
安全性確保のために努力していかなければならぬと覚悟を新たにしておりますので、今後ともよろしく御
指導願いたいと思います。
以上でございます。