○永井
委員 作業自体の安全ということ、作業自体の性格の持つ安全ですね、国鉄の特性、何回も言いますけれ
ども、これの教育と作業に当たること自体の作業上の安全ということも、そういう教育も徹底してもらわなければいかぬわけですね。
私はなぜそれを重視して言っているかというと、たとえば保線
関係の作業を通して、脱線
事故のことはいま
質問中でありますけれ
ども、それはちょっと横に置いておいて、この線路保守作業に従事している会社数が九十九社ある、こう言われておるのでありますが、保線
関係の作業を通して、たとえば五十一年に十一名、五十四年に四名、五十五年に四名、五十六年に七名、全部国鉄職員ではない外部の作業者が死亡
事故を起こしています。あるいは架線
関係の工事を見ましても、五十三年度に九名、五十四年度に十一名、五十五年度に十一名、五十六年度に八名死亡
事故を起こしているのです。私は何も死亡診断書を見たわけではありませんけれ
ども、これを若干いろいろ調べてみると、年齢から言っても十九歳の人もおれば六十歳を超えた高齢者の方もいらっしゃる。必ずしもこの人たちが鉄道という問題について熟知をしていない人が多い。死亡
事故の原因を見ましても、全く常識で考えられないようなことで、触車死亡というようなことが起きているわけですね。こう考えていくと、国鉄の安全を確保する作業現場の安全対策というのはきわめて肌寒い感じがする、私はこう思うから、執拗に安全教育のことをいま申し上げているわけです。これはひとつ肝に銘じて、安全教育を徹底して図ってもらいたい、こう思うのです。
さらに、ついでのことで申し上げますが、まくら木更換について言えば、実は遊間整正の
関係が今回の通達では
中心になっているわけでありますが、たとえば国鉄のいまの保線作業のあり方というか、新保守
体制が導入された経緯については、当時たまたま私も本部役員をしておりました
関係で、その点についてはよく存じ上げているのでありますが、とにかく保線作業に新しい保守
体制ということがあのころ導入されたわけでありますが、この当時の内容というのは、手作業で道床の突き固め作業を行っておったものを、マルタイという大型機械を導入してそれに置きかえていったわけです。まくら木、道床、路盤が現行の輸送力の要求にこたえられるような構造にしていく、路盤を強くしていく、線路も重いものに変えていくということでやってきたわけですね。これは輸送実態の変化に伴ってやっていくのはあたりまえのことでありまして、そういうふうに路盤を強化していくのはあたりまえのことでありますが、しかしその結果は、やはり近代化、合理化ということもあったのでありましょうが、マルタイという大型機械の稼動率を高めることに重点が置かれ過ぎたのではないか。だから、まくら木の更換作業がメインとなってしまった。それで、これからちょっと触れるのでありますが、いま問題になっている遊間整正という問題などは非常にじみな仕事でありまして、短いところでは二十五メートル軌条でしょう。ロングレールもありますけれ
ども、二十五メートルごとに線路のすき間をつくっていくわけでありますから、これを巡回して、
事故が起きないようにその矯正を図っていく、こういうじみな作業がどうしても軽視されがちになったのではないかと私は考えるわけです。大型機械でまくら木の更換、道床突き固め、そして、それにノルマを課してどんどん効率的なものを求めていく、そこにどうも目が向き過ぎたのではないか、焦りもあったのでありましょうけれ
ども。加えて、会計検査院や行政管理庁から繰り返し、高価な機械であるマルタイを入れたのだから、効率的な活用ということをもっともっと進めろという強い
指摘が何回かされてまいりました。こういうことが一層拍車をかけたのではないか、私はこう考えるんですね。
これは、遊間整正という問題が今回の
事故の中にも大きなウエートを占めているだけに、施設
局長の通達を見ましても、あるいは副総裁の通達を見ましても、このレール張り出し
事故の防止という
関係から、遊間整正の問題が正面に据えられているということを考えると、この問題について、本当は安全に大きなかかわり合いを持つじみちな安全作業というものが軽視されておったのじゃないかという気がいたしますので、この
関係について常
務理事としてはどういうふうにお考えになりますか。