運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1982-08-05 第96回国会 衆議院 交通安全対策特別委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十七年八月五日(木曜日)委員長の指名で、 次のとおり小委員及び小委員長を選任した。  自転車駐車場整備等に関する小委員       阿部 文男君    太田 誠一君       三枝 三郎君    野中 英二君       浜野  剛君    林  大幹君       安田 貴六君    沢田  広君       竹内  猛君    斉藤  実君       三浦  隆君    辻  第一君       伊藤 公介君  自転車駐車場整備等に関する小委員長                 安田 貴六君 ――――――――――――――――――――― 昭和五十七年八月五日(木曜日)     午前十時三分開議  出席委員    委員長 西中  清君    理事 三枝 三郎君 理事 浜野  剛君    理事 林  大幹君 理事 安田 貴六君    理事 竹内  猛君 理事 永井 孝信君    理事 斎藤  実君       太田 誠一君    北川 石松君       左藤  恵君    佐藤 守良君       関谷 勝嗣君    中西 啓介君       野中 英二君    沢田  広君       新盛 辰雄君    米田 東吾君       草川 昭三君    三浦  隆君       辻  第一君    伊藤 公介君  出席政府委員         内閣総理大臣官         房交通安全対策         室長      滝田 一成君         警察庁刑事局長 中平 和水君         警察庁交通局長 久本 禮一君         運輸省鉄道監督         局長      永光 洋一君         運輸省自動車局         整備部長    宇野 則義君         気象庁長官   増澤譲太郎君         建設省道路局長 沓掛 哲男君  委員外出席者         警察庁警備局警         備課災害対策官 長倉 真一君         科学技術庁計画         局国際科学技術         博覧会企画管理         官       鈴木 和夫君         国土庁大都市圏         整備局筑波研究         学園都市建設推         進室長     久保 敏行君         大蔵省主税局総         務課長     新藤 恒勇君         大蔵省銀行局保         険部保険第二課         長       田中  寿君         文部省初等中等         教育局高等学校         教育課長    中島 章夫君         文部省体育局学         校保健課長   森脇 英一君         農林水産省経済         局農業協同組合         課長      古賀 正浩君         通商産業省機械         情報産業局自動         車課長     高瀬 和夫君         運輸大臣官房審         議官      熊代  健君         運輸省港湾局防         災課長     上村 正明君         運輸省鉄道監督         局保安課長   金田幸二郎君         運輸省航空局監         理部長     山田 隆英君         気象庁観測部参         事官      内田 英治君         建設省計画局地         域計画官    藤井 崇弘君         建設省都市局街         路課長     依田 和夫君         建設省河川局河         川計画課長   岸田  隆君         建設省河川局都         市河川課長   萩原 兼脩君         日本国有鉄道常         務理事     坪内 亨嗣君         日本国有鉄道運         転局列車課長  茂原 弘明君         日本国有鉄道建         設局停車場第二         課長      内田 聰吉君         日本国有鉄道施         設局長     伊能 忠敏君         日本国有鉄道施         設局土木課長  村上  温君         日本国有鉄道工         作局長     坂田 浩一君         日本国有鉄道工         作局工場課長  伊東 弘敦君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     戸谷 是公君         特別委員会第一         調査室長    長崎  寛君     ――――――――――――― 委員の異動 八月五日  辞任         補欠選任   丹羽 兵助君     左藤  恵君   斎藤  実君     草川 昭三君 同日  辞任         補欠選任   草川 昭三君     斎藤  実君 同日  理事斎藤実君同日委員辞任につき、その補欠と  して斎藤実君が理事に当選した。     ――――――――――――― 五月十三日  自転車駐車場整備促進等に関する請願(大石  千八君紹介)(第三八〇一号)  同(小此木彦三郎紹介)(第三八〇二号)  同(片岡清一紹介)(第三八〇三号)  同(亀井善之紹介)(第三八〇四号)  同(木部佳昭紹介)(第三八〇五号)  同(島村宜伸紹介)(第三八〇六号)  同(谷洋一紹介)(第三八〇七号)  同(玉生孝久紹介)(第三八〇八号)  同(中村靖紹介)(第三八〇九号)  同(深谷隆司紹介)(第三八一〇号)  同(松永光紹介)(第三八一一号)  同(水平豊彦紹介)(第三八一二号)  同(与謝野馨紹介)(第三八一三号)  同(渡辺秀央紹介)(第三八一四号) 七月二十一日  交通事故防止対策被害者救済措置に関する請  願外一件(亀岡高夫君紹介)(第四五八〇号)  同外一件(愛知和男紹介)(第四五八一号)  同(小沢一郎紹介)(第四五八二号)  同(奥田敬和紹介)(第四五八三号)  同(亀井善之紹介)(第四五八四号)  同(唐沢俊二郎紹介)(第四五八五号)  同(竹下登紹介)(第四五八六号)  同(村岡兼造君紹介)(第四五八七号)  交通事故防止安全施設整備促進及び身体障  害者等安全輸送に関する請願外一件(亀岡高  夫君紹介)(第四五八八号)  同外一件(愛知和男紹介)(第四五八九号)  同(小沢一郎紹介)(第四五九〇号)  同(奥田敬和紹介)(第四五九一号)  同(亀井善之紹介)(第四五九二号)  同(唐沢俊二郎紹介)(第四五九三号)  同(竹下登紹介)(第四五九四号) 同月二十九日  交通事故防止対策被害者救済措置に関する請  願(田原隆紹介)(第四六三八号)  同外一件(玉沢徳一郎紹介)(第四六三九号)  同(木村守男紹介)(第四六七二号)  同(水平豊彦紹介)(第四六七七号)  同(佐藤守良紹介)(第四六八九号)  同(川田正則紹介)(第四七二八号)  同外二件(竹中修一紹介)(第四七五二号)  交通事故防止安全施設整備促進及び身体障  害者等安全輸送に関する請願亀岡高夫君紹  介)(第四六四〇号)  同(田原隆紹介)(第四六四一号)  同外一件(玉沢徳一郎紹介)(第四六四二号)  同(木村守男紹介)(第四六七三号)  同(水平豊彦紹介)(第四六七八号)  同(佐藤守良紹介)(第四六九〇号)  同(川田正則紹介)(第四七二九号)  同外二件(竹中修一紹介)(第四七五三号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 六月三十日  交通事故防止対策の強化に関する陳情書  (第三三四号)  自転車置場建設に伴う国庫補助制度に関する陳  情書  (第三三五号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  理事補欠選任  小委員会設置に関する件  参考人出頭要求に関する件  小委員会における参考人出頭要求に関する件  交通安全対策に関する件      ――――◇―――――
  2. 西中清

    西中委員長 これより会議を開きます。  交通安全対策に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本件調査のため、本日、参考人として日本道路公団理事戸谷是公君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 西中清

    西中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
  4. 西中清

    西中委員長 昭和五十七年七月及び八月豪雨による交通施設被害状況について、滝田総理府交通安全対策室長より発言を求められておりますので、これを許します。滝田総理府交通安全対策室長
  5. 滝田一成

    滝田政府委員 御報告を申し上げます。  お手元に差し上げてございます資料国土庁からいただいたものでございますが、上の方が七月分となっておりますが、長崎中心にいたしました豪雨災害のものでございます。二枚目の方が、十号台風とそれに続きます豪雨災害による被害状況でございます。  交通関係のものといたしましては、下の方に道路損壊長崎、熊本を中心といたします被害につきましては、道路損壊が二万百八カ所、それから橋梁損壊が二百三十カ所、一番下へまいりまして、鉄道関係被害が百十七カ所となっております。  それから二枚目へまいりまして、十号台風及びそれに続きます豪雨被害でございますが、同じく下の方にございます、道路損壊が静岡県などを中心といたしまして八千九百三カ所、それから橋梁損壊が、三重県が一番多うございますが四百五カ所、下へまいりまして、鉄道関係被害が、これも同じく三重県を中心といたしまして六十八カ所、こういうふうになっております。  簡単でございますが、以上で終わらせていただきます。     ―――――――――――――
  6. 西中清

    西中委員長 次に、交通安全対策に関する件について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。太田誠一君。
  7. 太田誠一

    太田委員 まず最初に、災害の問題というよりも、去ることし二月でしたか、日本航空墜落事故があったわけでありますけれども、その後の状況について質問をいたしたいと思います。  最近、アメリカの航空企業倒産あるいは赤字転落をするケースが非常に多いわけでありますし、特にブラニフ航空倒産をするとか、世界的に航空需要低迷の時期が続いているわけであります。そしてまた、国内線においても航空旅客需要が落ち込んでいるというふうに聞いているわけであります。たとえば、六月二十三日にオープンいたしました東北新幹線が、東京-仙台間の航空需要を非常に食っているというふうな話もございますし、あるいは、日本航空機事故が起こった以後は福岡-東京間の路線航空需要が非常に落ち込んでいるというふうに伺うわけであります。  さまざまなデータがあるわけでありますけれども航空需要低迷というのは、少なくとも全体的に見て、日本航空のみならず、日航機墜落事故というのが航空需要全体に悪い影響を及ぼしているのではないかというふうな懸念がなされるわけですが、その辺はどうでしょうか、運輸省にお伺いいたします。
  8. 山田隆英

    山田説明員 お答えいたします。  ただいま先生指摘ございましたように、世界的に航空需要低迷しておりまして、各航空会社とも非常に苦しい経営状況にございます。その点に関しまして日本も例外ではございません。  いま先生から、東北新幹線影響とか、あるいは日航機事故による影響もあるのではないかというお話もございました。その点につきまして私ども調べたところによりますと、まず東北新幹線影響でございますが、一番影響を大きく受けたのが東京-仙台ではないかと思います。東京-仙台につきまして、新幹線開業が六月二十三日でございますけれども、その前後の一カ月の輸送状況調査いたしましたところ、東京-仙台線旅客につきまして、ことしの一カ月、それから同じ時期の昨年の一カ月を比較いたしてみましたところ、東北新幹線開業前につきましてはほぼ一〇%程度伸びを示しております。ところが新幹線開業後になりますと、逆に二十数%のマイナスを示しておるわけでございます。  それから、日本航空機関係影響でございますけれども、ただいま先生おっしゃいましたように、東京-福岡線につきましてはその影響がかなり顕著にあらわれているのではないかと考えております。具体的に数字を申し上げますと、二月以降、東京-福岡線につきましては、日本航空は対前年の伸びで一〇%程度マイナスになっております。ところが、同じ路線を飛んでおります全日空につきまして見ますと、若干ではございますが、対前年伸びている、こういう数字がございます。これも結局事故影響によるのではなかろうかと私ども考えております。  ただ、新幹線であるとか、あるいは事故影響につきまして、まだ時期も短いわけでございますし、それから今後まあ多客期に入るということもございまして、正確な影響を見るためにはもう少し時間をかけて見守る必要があるのじゃないか、かように考えております。
  9. 太田誠一

    太田委員 羽田沖で起きた日航機墜落事故に関しまして、片桐機長に対して鑑定留置が行われてから二カ月半を経過をしておりますが、一部の新聞報道によると、これは精神分裂症ではないかというふうな疑いが出ているようでございますが、鑑定状況あるいはこの結果の最終的な報告というのはいつごろになるのでしょうか。
  10. 中平和水

    中平政府委員 お答えいたします。  本件につきましては、かねてから申し上げておりますように、直接事故を起こした片桐機長刑事責任有無の問題と、それからそれを運航管理あるいは健康管理の衝にあった会社側刑事責任有無と、この二つの魚度から現在捜査を進めている、こういう状況でございます。  お尋ねの鑑定の件でございますが、先般の事故調の中間結果等からもうかがわれますように、本件墜落事故というのは片桐機長異常操縦によって惹起されておる、こういうことが中間結果並びに私ども捜査の結果出てまいっておりまして、したがって、刑事責任を問う前提としてやはり精神鑑定を行う必要がある、こういうことで、去る五月十二日からの三カ月の予定で、東京警察病院多摩分院、ここで鑑定留置を行いまして、筑波大学の小田教授ほか一名の方々に、鋭意鑑定の結果を出していただくべく御努力を願っておる、こういう段階でございます。  当初三カ月の予定でございましたが、小田教授から私どもの方に、ぜひあと一カ月は欲しい、その理由は何かといいますと、片桐機長刑事責任有無を明らかにしていくためには、本人だけでなくて、本人の周辺も含めて幅広く、本人病歴関係者の認識の状況、そういうものも把握した上で慎重な結論を得たい、こういう段階でございまして、一応の目安としては、あと一カ月で、九月十一日に一応鑑定結果を出していただくことになっておりまして、現在そういう段階でございますので、一応、現在の状況はどうかということにつきましては、ちょっとお答えを差し控えさせていただきたいと思います。  この種の事件でございますから、私どもなるべく精密な鑑定の結果を得まして、その結果を踏まえて、当初申し上げましたような本人の問題あるいは管理責任の問題、そういうものを明らかにしてまいりたい、このように考えております。
  11. 太田誠一

    太田委員 いまのお答えは、わかりやすく言うとこういうことですか。片桐機長が仮に精神的な伺か分裂症なり何なり、そういう障害があったとして、その障害を発見することがむずかしかったのか、あるいはそれは可能であったのだけれども管理体制の方が十分でなかったからこういう結果につながったんだというところを、ちゃんと識別しなくてはいかぬという意味ですか。
  12. 中平和水

    中平政府委員 まず第一点でございますが、刑事責任を問うためには本人責任能力がなければいかぬわけでございます。したがって、心神喪失だとかいうような結果が出ますと、たとえば精神分裂病で本人心神喪失の状態にあった、こういうことになりますと、これは刑事責任能力なしということになるわけでございます。心神喪失までいかない、まあ心神耗弱程度、若干その辺の責任を問うあれが、心神耗弱だという結論が出てまいりますと、これは刑事責任を問う余地が出てまいる、そういう結論をまず本人について出していただかなければいかぬわけです。同時に、その結論に到達するためには、広く本人病歴等関係者を含めて聞かなければ、あるいは治療がどういうふうになされておったか、そういうことを含めて聞いた上で、私どもの求めている本人刑事責任能力有無、こういう結論鑑定の結果として出てまいるわけでございます。その結果を踏まえてさらに私どもは諸般の問題を考えてまいりたい、そういうことでございます。
  13. 太田誠一

    太田委員 事故の原因といいますか、最終的に責任所在がどうなっていくかということについて、亡くなられた遺族の方々大変気にしておりまして、私のところにも、何か時間がたっていくと責任所在があいまいになっていくような気がするというふうな不安を訴える方もおられるわけでございますので、ぜひとも明快な結果を出していただきたいと思うわけであります。  続きまして、前回のこの交通安全対策特別委員会で、日本航空高木社長出席をしていただきまして、補償問題については誠意をもって当たるというふうな御答弁をいただいたわけであります。その後の補償交渉あるいは被災者状況被災者方々がどういうふうな状況をたどっておるか、あるいはどういう体制日本航空がこの補償交渉に臨んでいるかというふうなことを、具体的に運輸省の方から報告をしていただきたいのですけれども
  14. 山田隆英

    山田説明員 お答えいたします。  日本航空事故の翌日に、日本航空といたしましては、被災者への補償に関します事務を取り扱う賠償対策委員会というものを社内に設置いたしまして、補償に関する基本方針等を策定いたしますとともに、二月十五日に、補償業務対外窓口といたしまして、羽田福岡に御被災者相談室というものを設置いたしまして、そして、亡くなられた方が二十四人、負傷された方が百四十二人おられるわけでございますけれども、これらの方々に対しまして、日本航空の職員百六人を配置いたしまして、その方々世話役として仕事に当たらせております。  そして、この亡くなられた方及び負傷された方々との補償話し合いにつきましては、高木社長も前に言っておったわけですけれども、普通ですと四十九日を経過してからということもございまして、本格的な話し合いに入りましたのは四月十一日以降でございまして、これまでのところ、亡くなられた方お二人、それから負傷された方三十九人との間で、示談合意を見ておるという報告を聞いております。  負傷された方百四十二人のうち、百二人の方が入院をされたわけでございますけれども、その後逐次退院をされまして、現在はまだ七人の方が入院をされておる、かように聞いております。  それから、先ほど申し上げました示談合意を見ていない方々につきましても、日本航空としては誠意をもって逐次交渉を進めているというふうに報告を聞いております。  私どもといたしましては、日本航空誠意をもって被災者方々話し合いを継続いたしまして、一日も早く円満な解決が図られるということを希望しております。
  15. 太田誠一

    太田委員 補償金を算定するに際していろんな項目が考えられるわけでありますけれども、いまどういう構成項目計算をしておられるのか。
  16. 山田隆英

    山田説明員 お答えいたします。  私ども本件に関しまして日航に問い合わせをいたしましたところ、補償金を構成する項目といたしましては、亡くなられたお客さんの場合には逸失利益とそれから慰謝料、それに葬祭料というふうに聞いております。また、負傷された方の場合にはまず治療費、それから休業中の損害に対する補償、それと後遺障害が残った場合の逸失利益、それに慰謝料、それと入院に関する諸雑費であるというふうに聞いております。
  17. 太田誠一

    太田委員 これはぐあいが悪ければお答えをいただかなくてもいいのですけれども被災者方々、亡くなられた方の慰謝料については、一律にある金額をもらった、どんな場合でも一律にもらっているのだというふうに理解をしておられる方が多いわけであります。それで、これはそのとおりですか。逸失利益計算の方は、これはホフマン方式とかなんとかで計算されるのでしょうけれども慰謝料については一律ということになっておるのですか。
  18. 山田隆英

    山田説明員 お答えいたします。  私ども補償話し合いにつきましては、当事者間で、日本航空として誠意をもって解決してもらいたいということをかねがね主張しておりますが、中身については必ずしも詳しい報告を受けておりません。いま先生の御質問にございました慰謝料でございますけれども、私どもといたしましては、一律であるかどうかということについては、現在のところ承知しておりません。  それから逸失利益につきましては、ホフマン方式とかその他の幾つかの方式がございますようですが、それにつきましても、日本航空被災者方々との話し合いに任せているということでございます。
  19. 太田誠一

    太田委員 できれば、こういう補償交渉の内容についても掌握をしておいていただきたいと思います。  それで、日本航空の問題は一応これで終わることにいたしまして、次に、長崎県を中心とする九州西北部に局地的に集中豪雨が降ったという件について、質問をさせていただきます。  これは、報道によりますと、九州北部に停滞した梅雨前線が低気圧の接近によって刺激されて発生したものである、場所によっては一時間に百五十三ミリという、国内観測史上二番目の記録的なものであったとも言われるわけであります。これは梅雨末期によく見られる湿舌現象であるというふうに言われておりますけれども、かつて、昭和三十二年七月に発生をしました諫早大水害のときの気象状況と非常によく似ているということも指摘をされるわけでありますけれども、こういうふうな状況にかんがみまして、気象情報がもっと的確に提供されていたならば、少なくとも人的損害だけはもっと少なく済んだのではないかというふうに思われもするわけでありますけれども気象庁の見解をお伺いしたいわけであります。
  20. 増澤譲太郎

    増澤政府委員 お答え申し上げます。  今回の長崎県を中心とする九州西北部の局部的な集中豪雨につきましては、各種の、天気図、それから数値予報、それから気象衛星等あらゆる資料によりまして、九州方面のどこかに集中豪雨発生する可能性が大きいということを半日ないし一日前から予想いたしまして、気象庁本庁では直ちに大雨情報を発表して、一般に警戒を呼びかけたところでございます。  しかし、このような段階では、どの県のどの地方にいつごろからというふうな形で集中豪雨発生するかということを、場所を限定し、それから時刻を特定して発表することは、現在の気象技術から見ますと大変困難でございます。  それで、九州各地気象台は、気象庁本庁の発表いたしました大雨情報に呼応いたしまして、監視体制を強化する一方、担当の予報区における集中豪雨発生の予測に努めました。そして、レーダー観測などによりまして、重大な災害をもたらすおそれのある雨雲が海上から特定の地域に接近しつつあることを確かめたところで、直ちに警報の発令を行ったのでございます。その結果、集中豪雨の始まる約二時間前には警報を発表することができたど考えております。これは、現在の気象技術から見まして、でき得る限りの処置であったと考えているところでございます。  なお、警報発表に当たりましては、いわゆる空振りの多発によりまして、よく言われるオオカミ少年にならないように留意しなければなりませんが、そうかといって、これを恐れるの余り、出しおくれにならないように努めているところでございます。  今後一層技術の向上を図りまして、少しでも早く適切な予報警報を発表できるようにしたいと考えておるところでございます。
  21. 太田誠一

    太田委員 長崎県の集中豪雨と台風十号による被害は予想以上に甚大でありまして、陸上、海上、航空の各輸送機関に与える影響も大変大きかったわけでありますけれども、今回の災害は自然災害ではあるわけでありますが、特に道路管理において、防災対策が日ごろ有効適切に実施されていたら、ある程度被害を防止する、あるいは軽減することができたのではないかとも思われるわけであります。  建設省は、昭和五十一年に全国主要道の危険個所の総点検を実施しまして、大雨の際、土砂崩れなどの危険があり、対策を講じなければならない地点が七万七千カ所あるというふうに報告をされております。これらの整備状況はいまどうなっておるのでしょうか。
  22. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 ちょっとその前に先生にお尋ねしたいのですが、いま先生は、最初五十一年度と言われまして、要対策個所が七万七千カ所とおっしゃられましたが、七万七千カ所は五十五年度に実施した分でございまして、先に五十一年度の方からお答えさせていただいてよろしゅうございましょうか。――それじゃ、そのようにさせていただきます。  昭和五十一年の防災点検による落石、のり面崩壊等の危険個所につきましては、おおむね昭和六十年度までに解消することを目途とし、第八次道路整備五カ年計画におきましても、バス路線にかかわる個所、緊急度の高い個所などの解消を図ることを重点施策として推進してきたところであり、これにより、昭和五十一年度から昭和五十七年度までの進捗率は事業費で七二%、個所数で六四%となっており、幾分おくれぎみではありますが、残された五十八、五十九、六十の三年間に精力的に事業を実施することにより、当初の目標を達成できるというふうに考えております。特に落石、のり面崩壊等の危険個所の解消につきましては、道路管理上、最も重要な課題であり、今後とも精力的に進めてまいりたいと思っております。
  23. 太田誠一

    太田委員 済みません。もう一回確認いたしますけれども、五十一年に危険個所として指定をされた、発見をされた場所についての進捗率が計画に比べて六四%であるということですか。その全体の何万カ所かわかりませんけれども、何万カ所のうちの六四%がもう終わっているということですか。
  24. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 五十一年度での点検におきましては要対策個所が七万五千七百六十五カ所ございました。そのうち、現在五十七年度事業については実施中でございますので幾分見込みも入るわけでございますが、五十一年から五十七年度までに四万八千二百四十四カ所について対策が完了するという数字になりますので、その比率が事業個所数で六四%ということでございます。
  25. 太田誠一

    太田委員 いま五十一年度のお話を伺いましたけれども、五十五年度については七万七千カ所でよろしいわけですね。そうすると、七万五千から次に発見された場所が七万七千カ所ということは、つまりふえているということですね。何千カ所かはふえていくというふうに理解してよろしいわけですか。この七万七千カ所というのは前の五十一年当時のものも含めてでしょうけれども、七万七千カ所に対しては今度どういうふうに整備をしていくのか、安全対策をどのように実施していかれるのか、そこをお聞かせいただきたい。
  26. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 昭和五十一年の防災点検に引き続きまして、道路沿道状況の変化等に対応するため、昭和五十五年において国道約四万キロ、都道府県道約十三万一千キロ、主要な市町村道約十一万二千キロ、有料道路約三千キロ、合わせて約二十八万六千キロメートルの道路を対象として、防災点検を実施いたしました。この点検結果では、落石、のり面崩壊等の対策を必要とする個所は、全体で約七万七千カ所となっております。  五十一年度のものとの関係でございますが、五十一年から五十四年度までに事業を終えたものはこの対象から外しておりますので、五十五年度以降のものについては五十一年度のものとダブるものもございます。ともかく、五十五年度以降に要対策個所が七万七千カ所あるということでございます。  これらの個所につきましては、五十五年度から、コンクリート吹きつけ、ブロック張り等ののり面保護工、洞門工等の事業を推進しており、昭和六十二年度までに概成することを目途といたしております。  なお、昭和五十五、五十六、五十七年の三年度の進捗率はおおむね三〇%であり、六十二年度までの残期間五年間で、この目標を概成できる見込みであります。
  27. 太田誠一

    太田委員 この危険個所についてランクを設けて、ランクI、II、IIIと緊急改修の必要性といいますか、緊急性のあるものから順にランクI、II、IIIというふうに分けておられるようであります。ランク別に分けるということは、つまり緊急性の高いランクIの方から対策に取り組んでいるというふうに考えるのが普通の常識なんでありますけれども、実際はそのようになっているのですか。緊急度の高いランクIの方から仕事を片づけていっているということになっておるのですか。
  28. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 基本的にはそのとおりでございますが、実際実施する場合におきましては、ランクが低いものであっても、その近くで改良工事をするとか、あるいはそれほど費用がかからないなど、いろいろ早く施工できるような要件の整っている場合には、ランクの低いものも先行することがございます。基本的には先生言われたとおりでございます。
  29. 太田誠一

    太田委員 危険個所が七万七千カ所とか、七万五千カ所とか出てきて、一カ所についてもかなりの工事費がかかるわけでありますけれども、そうであれば、限られた予算の中で早く危険を防ぐという観点から、ランクIの方から順々にやっていくというのが常識的なところであろうかと思います。  ただ、いま私の手元にある資料では、ランクIのものは一カ所平均して四千万くらいはかかる、ランクIIが一千四百万、ランクIIIが九百万くらいだというふうに、ランクが低い方が金がかからない。そうすると、勢い金のかからない個所から先にやろうというふうなことになるきらいがあるかもしれないということをおそれるわけであります。  これはいまお手元に資料があるかどうかわかりませんが、長崎市の場合に私、大変印象的でありましたのは、一時的にせよ、長崎市に通じる道路が全部落石あるいはのり面崩壊というのですか、そういうものでもってほとんど不通になってしまって、孤立をしたというふうな状況に陥った。長崎市は長崎県の県庁所在地であって、結構九州では大都市であるわけでありますけれども、こういう大都市が雨のために孤立するというのは、どうも非常に奇異な感じを受けたわけでありますけれども長崎市の周辺の道路について、五十一年度の調査でランクIとされたものに対して、きちんと対策が行われていたかどうかというあたりはわかりませんか。
  30. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 いま先生おっしゃられました長崎市周辺で、ランクIがどれくらいの対策がなされたかということにつきましては、現在手元に資料を持っておりませんが、全体的に申し上げますと、長崎県におきましては、全体で三千三百カ所の要対策個所が五十五年度の防災点検で挙げられております。そのうち約四分の一がランクⅠで、約二分の一がランクⅡ、残り四分の一がランクⅢというふうになっております。  直轄国道におきましては、昭和五十五年度から五十七年度までで約三〇%の対策を講じております。全国的に見ましても、この五十五年から五十七年までに要対策個所の三〇%対策を講じておりますので、長崎県全体についても、ほぼそういう数字であろうというふうに考えております。
  31. 太田誠一

    太田委員 道路の問題については、以上で終わります。  次に、河川の問題をお聞きしたいのですけれども、建設省は、昭和四十七年から一時間五十ミリ程度の雨量にもたえられる河川改修というものを進めておられるようでありますけれども、その進捗状況を教えていただきたい。
  32. 萩原兼脩

    ○萩原説明員 お答えいたします。  河川を大河川と中小河川と分けまして、その中小河川の整備につきまして、先生おうしゃいましたように、時間雨量五十ミリを対象にいたしまして整備を進めておりますが、その整備いたそうとしております総延長が七万三千五百キロメートルありますうち、昭和五十六年度末までに、その総延長に対しまして一八%整備を終わっておるわけでございます。
  33. 太田誠一

    太田委員 新聞報道によりますと、全国の都市中小河川の六二%は五十ミリ以下の雨量であってもはんらんするというふうに言われておりますけれども、この辺はどうですか。
  34. 萩原兼脩

    ○萩原説明員 ただいま申し上げました七万三千五百キロのうち一万一千キロメートルが都市の中小河川、それ以外が一般の中小河川ということでございまして、都市の一万一千キロにつきましては同じ五十六年度末で三八%の進捗を見ておりますので、新聞にございますように残りが六二%分残っておるということになるわけでございます。
  35. 太田誠一

    太田委員 長崎県で、特に豪雨によって浦上川、中島川という河川がはんらんをしたわけでありますけれども、この二つについてはいまの一時間五十ミリ以上の雨に耐えられるようになってはいたのですか。
  36. 萩原兼脩

    ○萩原説明員 お答えいたします。  御指摘の浦上川と中島川でございますが、現況でどのくらいの時間雨量に耐えられるかということを試算してみますと、大体九十ミリの雨には何とか護岸いっぱいいっぱいで流れるということになっておりますので、御指摘の五十ミリには一応対応できる河川になっておったというふうに考えております。
  37. 太田誠一

    太田委員 そういたしますと、長崎の場合は、一時間百五十三ミリという、もう歴史上珍しい雨量によってこのような災害が引き起こされたということになるわけでありますけれども、それでは、先ほどの五十ミリ以上の雨に耐えられないような河川を整備していくのは、これは当然急にはできないわけでありますから、これから何年間かはかかると見なければなりませんね。五十ミリ以上の雨量というのは、言ってみれば、八年か十年に一回はこういう雨量が観測されるわけであります。そういたしますと、整備が急速にはむずかしいということに対して、ある地域の雨量がこれこれであるということになった場合に、その周辺地域に警告を行わなければならないわけでありますけれども、そういう河川の流域別の細かい雨量の状況、そしてまた、その河川のキャパシティーといいますか、河川がどのぐらいの雨量に耐えられるかということの関係は、気象庁の方では、そういう細かい雨量を警察なりあるいは道路管理者なりに通報をするような体制にはなっているのですか。
  38. 増澤譲太郎

    増澤政府委員 お答え申し上げます。  いま先生がおっしゃられたような非常に細かい点については、建設省の河川関係の方でお調べになっているところでございまして、気象庁ではもっと広い範囲についての情報を提供することになっております。
  39. 太田誠一

    太田委員 わかりました。  そういたしますと、建設省の方で都市の中小河川別に雨量を観測して、そうであれば、この周辺の地域というのははんらんの危険性があるのだということを連絡する、警告を出すというふうな体制にはいまなっているのですか。
  40. 萩原兼脩

    ○萩原説明員 お答えいたします。  建設省と申しますか、いわゆる河川を管理する者、河川管理者といたしまして義務づけられております予警報と申しますものは、水防法という法律に実は定めがございまして、一つは洪水予報、ただ、これは利根川とか筑後川とか、きわめて大きな川に限られておりまして、一般の河川につきましては水防警報、これは水防法の第十条の四に決めてあるわけでございますが、水防警報というものを出すことになっております。ただ、その水防警報も、県内のすべての河川について出すだけの能力がございませんので、あらかじめ知事さんが県内で川を指定されまして、その川については水防警報を出すという法律の仕組みになっているわけでございます。  長崎県の場合で見ますと、中島川と浦上川につきましては、流域の大小等で分けられたのかもしれませんが、水防警報を出すべき河川に指定をしてないことになっておりますので、いまの法律の体系で申しますと、警報が出ない川の方へ入っておるわけでございます。
  41. 太田誠一

    太田委員 それはまことに困った話で、長崎のような例というのはまれでしょうけれども、恐らく、これから毎年、梅雨の時期になるとどこかに大雨が降るわけでありますから、そういたしますと、これこれの雨が降ったならばこの河川は危険になるということは、何らかの形で警告を出されなければぐあいが悪いのではないか。長崎のような九十何ミリに耐えられるというところですら、みすみすこういうことが起こったわけでありますから、五十ミリ以下で簡単にはんらんしてしまうような河川について、今後防災体制上、連絡、広報体制というものをつくっていかなければならないような気もするわけであります。この辺、いかがですかね。
  42. 萩原兼脩

    ○萩原説明員 全体の危険、避難の通知に関しましては、災害対策基本法を受けまして、防災計画書というものを毎年県でつくることになっております。したがいまして、市町村を通じまして、市町村がそういう避難の判断をされることになるわけですが、そのために必要な雨、水位等は、それを受けました水防計画書の中に、どこからどこへ御連絡をするということを取り定めておりますので、水防警報を出す出さないとは別に、そういう情報が流れまして、市町村長さん方が判断をされて避難命令を出せるという形になっておるかと思います。
  43. 太田誠一

    太田委員 日本の地形というのは、いわば大雨が降ればすぐに河川がはんらんし、災害が起こるというのが常であるような地形になっておるわけでございます。そして、日本の各地でいろいろな形で都市周辺の開発というのが進んでおるわけでございますから、従来よりも一層災害の起こる可能性というのは高くなっているわけであります。したがいまして、長崎県のような場合ですら、長崎県の浦上川、中島川についても警報が出せるような体制になっていなかったということは、法律上はどうも不備ではないかというふうな気もするわけでありますので、何か今後検討される必要があるのではないかというふうに思うわけであります。  それから、ちょうど台風十号が来ましたときに、私も大阪の富田林というところにおりましたが、広報体制そのものが、警察の車が来て何か警告を発しているのだけれども、結局は、大雨注意報がありますとか、危険ですとかいうふうなことを言うだけで、具体的に市民が一体どういうふうに反応したらいいかというのがはっきりしないような放送が行われておりますので、もう少し細目にわたって、こういう場合にはこういう警告を発して、それに対して市民が、少なくとも人的な災害、生命の危険にさらされるという災害からは身を守れるような広報、警報体制が必要ではないかというふうに考えるわけでございます。  以上の点につきまして質問させていただきましたけれども、以上で終わらせていただきます。
  44. 西中清

    西中委員長 次に、永井孝信君。
  45. 永井孝信

    ○永井委員 まず初めに、ちょっと苦言を呈しておきます。  私の質問時間が十一時五分ということにはなっておったのでありますけれども委員会の都合で若干時間が早まりました。やはり出席していただく側は、少なくとも十五分や三十分くらい早く来ておいてもらいたいということを国鉄に苦言を呈しておきます。十分間質問時間が空白を起こしました。時間が早まったのはこちらの責任でありますけれども、苦言を呈しておきたいと思います。  初めに、最前も太田委員から質問がありましたけれども、今回の集中豪雨でかなり大きな被害を及ぼしました。国鉄関係についてもきょうの報告によりますとずいぶんと被害が出ているようでありますが、これの復旧に万全を期してもらいたい。少なくとも交通の足がとまることのないように、国鉄の責任はそういう意味ではきわめて大きいわけでありますから、ひとつ積極的に一日も早く復旧がなされるように強く要望しておきます。  そうして、天災というのはどこまでが天災なのかわかりませんけれども、一〇〇%天災ということはきわめてまれでありまして、必ずそこに人災的なものが加わってくるわけであります。最前も話が出ておりましたけれども、河川一つとってみても、一時間当たり五十ミリの降雨量で対策が立てられている、しかもそれは一八%しか河川の改修が進んでいない、これ一つとってみても天災とは言えないと思うのです。その問題についてはあえて私は触れませんけれども、しかし、完全な人災という問題についてはやはり行政の責任としてきちっとしていかなければいかぬ、私はこのように思うわけであります。  そこで、初めに国鉄当局にお尋ねをするわけでありますが、ことしに入って大きな脱線事故が三つ起きているわけですね。去年も一件ありました。ここに副総裁の通達、そして施設局長の通達を持っているわけでありますが、この通達の中身を見ますとこのように書いているわけですね。  たとえば施設局長の通達を見ますと、線路に起因する列車事故の防止という問題でありますが、去年の六月六日の篠ノ井線の列車事故以来繰り返し指導を行ってきたけれども、しかし現実に、五月二十八日の中央本線、そして六月十日の石北本線、さらに翌日同じく石北本線、こういうふうに連続して事故が起きたということで、具体的なこれの対策を指示しているわけですね。  この対策の中身を見ますと、これはすべて類似の事故なんですね。なぜこんなに類似の事故が続発するのか、あるいは通達に言っているように、絶滅を期するためにいろいろやってきた、こう通達の中では前文で言っているわけですが、なぜ絶滅を期することを国鉄当局が全社を挙げてやっておるにもかかわらず類似事故が起きたのか、初めに常務理事からお答えいただきたいと思います。
  46. 坪内亨嗣

    ○坪内説明員 先生指摘のように、実は連続して四件脱線事故が起きました。これは五月の末から六月の二週間内でございます。これにつきましては、先生の御指摘のように、そのうち三件とも、原因は、遊間の整正管理が十分でないために、そのときの気候としては相当商い温度に周囲がなっておりましたので、レールに軸力が増大してそして張り出したというのが、そのうちの三件でございます。  昨年も同種の事故が起こっておったわけでありまして、これに対しましては、本社初め現場一体になりまして、二度とこういう事故を起こすまいということで、遊間管理につきましては、昨年から、現場を含めてあらゆる会議その他でその中身を通達し、そして、遊間管理のやり方につきまして、この三月に施設局から考え方を新しく出しまして、その徹底を図ったというのが実態であります。  しかしながら、残念ながら五月から六月にかけましてこういった事故が起こりまして、この原因は何だろうかということで私どもも大変驚愕をしたわけでございますが、いろいろ調べてみると、やはりそういった、五月から六月にかけての温度がそれほどまでに上がらないんじゃないかという、何と申しますか、甘さがあったことは事実でございます。そういった甘さがこういった事故を招いたということに尽きると思います。もちろん十分関心を持っていながら、いままでの経験から甘さがあったんじゃないかということを十分反省をいたしております。  ただ、ここでちょっと申し上げますと、線路はいままでの状態といろいろ変わりつつございます。と申しますのは、たとえば重軌条化がどんどん行われまして強化されております。そうしますと、線路自体としては、たとえばレール折損とかそういった事柄については強くなるわけでございますが、逆に、温度が上がりますと線路自体の軸力が増大するといううらはらの関係がございます。そういったことを十分認識して、いままでの経験ではなかなか解決できないということを、われわれは十分認識しなければいけないということを改めて皮膚をいたしております。  二度とこういうことのないようにがんばってまいりたいというふうに存じております。
  47. 永井孝信

    ○永井委員 線路の重量を重くして安全性に耐えるようにしていく、これはわかるのでありますが、それでは石北線の線路の重量は幾らだったのですか。三十七キロじゃないのですか。
  48. 坪内亨嗣

    ○坪内説明員 四十キロでございます。
  49. 永井孝信

    ○永井委員 いずれにいたしましても、いまの御答弁を聞いておりますと、結果的に安全上の問題について配慮が足りなかった、結果として軽視されておったということになってくると思うのでありますが、たとえばいま答弁の中にも一言触れておりましたけれども、まくら木の更換作業などの際は酷暑時は避ける、あるいは道床バラストの乾燥した時期を選ぶとか、あるいは二本以上連結して更換してはならないとか、最低限の基準があるわけですね。これが、この三件の類似事故ということでいくと、結果的に線路の張り出しということになっているわけでありますが、結果としてこういう最低の基準が全く守られていなかったということになるのじゃないですか。これは施設局長、専門的にどうですか。
  50. 伊能忠敏

    ○伊能説明員 お答えいたします。  張り出ししました三件の事故につきましては、遊間、レールの継ぎ目の整正がもっと早く行われるべきであったのが、おくれたということが主たる原因でございます。砂利の量の問題もございますし、それからまくら木の状態ということも関連はございますけれども、主たる原因は、レールの継ぎ目の整正作業が、先ほど常務も申しましたように、もう少し早く温度が上がる前に行うべきであったのが、おくれておったというのが主原因でございます。
  51. 永井孝信

    ○永井委員 遊間整正の問題については後ほどちょっと触れてみたいと思いますが、まず今回のこの事故を見てみますと、石北線事故でいいますと、この工事の施工は外注会社だったわけですね。これは間違いないですね。
  52. 伊能忠敏

    ○伊能説明員 石北本線の最後の事故は、これはレール遊間による原因ではなくて、張り出しの事故ではないのですけれども、最後の石北本線で起きました事故につきましては、まくら木更換作業を外注でやっておったものでございます。
  53. 永井孝信

    ○永井委員 一言で言って、石北線事故でとらえてみれば、外注会社の安全作業に対する認識の欠如、あるいは経験の不足、こういうものが大きな要素ではなかったかと私は思うわけであります。そしてまた、請負業者の作業指揮者というのですか、それに対する資格、技術研修というものなどについても、いろいろな資料を集めてみますと一応は行っているようにはなっているわけでありますが、果たしてそういうことが徹底しておったのかどうなのか、お答え願います。
  54. 伊能忠敏

    ○伊能説明員 線路接近で請負工事をさせる場合には、工事指揮者と申しまして責任者に、先生おっしゃいましたような講習をしております。これは三年に一遍更新をするということで、常にチェックをすると同時に、技術研修と、いわゆる機能検査というのと、両方やっております。そのほかに、軌道作業をやる業者につきまして、作業員の技術向上を図るために特別の講習会を設けまして、技術の向上に努めております。  なお、国鉄の軌道工事を行わせる業者全体につきましては、その請負工事をさせる資格を与えるにつきましても、技術力の程度を考えまして、その能力に従った工事を出すような仕組みをいたしております。
  55. 永井孝信

    ○永井委員 そこで、外注作業の実態について触れてみたいと思うのでありますが、一般に建設業、もちろん国鉄だけに限らないと思うのでありますが、一般に建設業と言われる企業については、好むと好まざるとにかかわらず、現実の姿というものは下請制度というものに支えられていると思うのであります。その最大の原因は、この建設業務というものはどうしても波動が大きい。コンスタントに一年間ずっと通して一般の企業が製品をつくっていくようなわけにはいかない。そこで、この下請制度で調整を図っていくということになっていると思うのですね。これは、国鉄の外注に関与している企業だって同じことだと私は思うのです。そうしますと、建設業務に携わる企業は、工事のときに最大限に必要な数の作業員を常時雇用しておくわけにはいかないというのが、結果的にいまのような状態になってきておると思うのです。  たとえば線路保守の作業についていえば、結果的に下請業者が施工する場合、仮に下請した場合ですよ、元請があって、元請のところではなかなか作業がし切れない、だからどうしても調整弁的に下請に出す、いまの社会的な実態から言っておるのであります。そうすると、下請業者が施工する場合に、石北線事故のように、まくら木を集中的に更換しなくてはいけない、線路を更換しなくてはいけない、こういう工事を受注した場合、その保線作業を熟知している者ばかりを確保することができているのか。私は必ずしもそうなっていないと思うのです。保線作業に熟知している者を常時抱えておる下請業者も、これまたないと思うのです。この辺の関係はどのように見ておられますか。
  56. 伊能忠敏

    ○伊能説明員 国鉄が工事を発注する場合も、先生おっしゃいましたように、必ずしも、現状において、すべて定常的に同じ量が出るというわけにはいかないという現実はございます。しかしながら、軌道工事におきましてはできるだけ繁閑を少なくするように、時期を調整しましてやるようにはしておるつもりでございますけれども、どうしても、たとえば北海道の場合でございますと冬は雪が降ります。そういうときは作業ができません。それから、その後急に暖かくなってきますと雪が解けてまいります。そうしますと、はさみ木作業と申しまして、雪が解けてきて線路が下がってくることを調節する作業が出てきます。その後、線路を調節してからまくら木更換作業になるわけで、このときに一時期に、特に北海道のように寒冷から暑くなる温度差の激しいところでは、春に集中して仕事が出るという関係がございます。しかし、そういうときでも、できるだけ熟練した作業員にやらせるように、軌道工事の場合、一般の土工もございますけれども、軌道工という専門の軌道の技術力を持った作業員をできるだけ張りつけるような仕組みを考えてございます。  この石北線の事故のときでも、工事指揮者あるいは幹部の作業員は、軌道工事について、長年やっておる者であったのでございますけれども、この工事は、作業の指示としましては、まくら木を一本ずつ更換するような作業指示をしておったのでございますけれども、たまたまこのときにまくら木を連続して更換してしまったということで、あのような事故が起きたわけでございまして、非常に残念に思っておりますし、今後とももっと指導を強めなければいけないと思っております。
  57. 永井孝信

    ○永井委員 そこで、これからそういう事故を起こさないように万全を期していきたいということではありますけれども、私がいま申し上げましたように、作業に従事する者が、鉄道の特性として、新線建設するのではなくて、列車が走っているときに合間を見てやるとか、いろいろ時間的な制約の中で作業しなければならないという条件はありますね。そういう条件があるだけに、安全問題については、作業者の安全を含めてきわめて重視し、配慮していかなくてはいかぬのですけれども、国鉄の業務というものは絶対に安全輸送が基礎でなくてはいけないということから考えると、少なくとも、列車の安全運行にきわめて大きい影響を持つ線路の更換作業とか、まくら木の更換作業などについては、その作業者一人一人に国鉄の特性、安全問題、あるいは作業の中身などについて熟知をさせておかないと、本来の国鉄の使命を果たすことはできないと私は思うのですね。  この事故が起きた当時に労使の間でいろいろ話がされているわけでありますが、施設局が出されている資料を見ましても、安全対策については、教育を行っていくとか、さらに安全対策として工事指揮者、事故防止専任者、あるいは保安管理者、列車見張員等を配置して安全確保を図ります、こう言っているわけです。言っているのだけれども、仮に工事指揮者が資格を持っておったとしても、作業者自体がずぶの素人であれば、まともな安全に基づいた作業はできない、私はこう思うのです。一般の企業で下請企業が部品を委託されてつくるというのと、性格が違うと思うのですよ。  そう考えていきますと、安全確保作業指導業務内容などの、いわゆる業者に対する指導教育をもっと深く突っ込んでやるべきではないのか。元請の指名業者の関係だけを集めて、そこの担当者に幾ら安全教育をしてみても、実際に作業に従事する者まで及ばない、途中で切れてしまっているということがあったのではどうにもならない。したがって、こういう関係については、これから教育を具体的にどうしていくのか、指導をどうしていくのか、お答えいただきたい。
  58. 伊能忠敏

    ○伊能説明員 軌道工事関係の業者につきましては、先ほど申しましたように、かねてからも指導しておったわけではございますけれども、今回の事故にかんがみまして、特に今後指導を強めていきたいと存じております。  具体的に申しますと、まず、先般の事故後、軌道工事の工事指揮者、いままで線路接近で行う工事につきましては、軌道、土木、建築ともに工事指揮者を配置する、その工事指揮者につきましては、講習と試験をするということでやっておったわけでございますけれども、軌道の工事指揮者につきましては特にもう一歩深めるということで、事故後、全管理局で、軌道の工事指揮者の資格を持っている八千人の人間について、再教育と事故防止の再徹底をいたしました。そして、一人一人呼びましてその修了証を渡して、その判こをついた者のみにこれから仕事をさせるということを、まず第一に行ったわけでございます。  それと同時に、今後なお、軌道の工事指揮者につきましては、軌道作業についての教育をさらに徹底するべく、いま準備中でございます。全国の指揮者にさらに講習をするために、少し時間がかかりますけれども、これをなお徹底しまして、軌道工事業者の技術力の向上に努めてまいりたいと思っております。  それから、軌道工事会社の中の保安管理体制につきましても、私、全国の軌道工事業者の幹部を呼びまして、下請に至るまでの会社の中の安全パトロール体制、それから元請と下請との緊密なる作業連絡、また、末端の作業員に至るまでの技術教育を徹底するよう指導しております。
  59. 永井孝信

    ○永井委員 言葉では徹底、徹底ということで済んでしまうのでありますが、たとえばここに国鉄当局の出した資料の一部があるのですが、常務理事、聞いてくださいね、こう言っておるわけです。「会社の従業員に対する技術教育等については、各会社の責任において行われるものであると考えるが、国鉄としても、事故防止、安全教育等について重大な関心を持っており、」「関心」ですよ。そして「安全関係請負事故防止こん談会等を通じて指導に努めるほか、各種協会等が自主的に実施している。」これは他人任せじゃないですか、国鉄の安全問題について。もう一回言いますよ。各会社の責任においてこの技術教育、安全教育などについては行われるものであると考える。国鉄としては事故防止、安全教育等について重大な関心を持っている。重大な関心を持っているのはいいんだけれども、その後「安全関係請負事故防止こん談会等を通じて指導に努めるほか、各種協会等が自主的に実施している。事故防止、技術力維持向上のための検討、教育について参加をしょうようしている。」この程度の範囲なら、外注で業務を請け負った企業の従業員にまで、端的な言い方ですが、国鉄の安全業務あるいは作業上の安全について、国鉄の特性に基づいた指導なんて、絶対にできないと思うのですよ。これはどうですか。
  60. 伊能忠敏

    ○伊能説明員 もちろん国鉄自体も直接指導しております。国鉄の職員の安全パトロール、工事技術指導もしておりますけれども、請負工事業者というものの仕事を責任を持ってやるという気持ちを業者にも持っていただくことも大事でございますので、いい仕事をするという責任を業者自体に持たせるという気持ちも大事であるという観点から、業者にも責任を持ってやっていただく体制をとっていただくという意味で書いたのでございまして、国鉄としては、なおその体制につきまして常にトレースをいたしまして、技術力の向上の実態を今後ともチェックしていくつもりでございます。  実は関係の各種協会ということも書いてございましたけれども、国鉄自体で指導しているものとしては、日本鉄道施設協会という協会がございまして、これに委託をして技術講習をやらしている、実態は国鉄が指導して行っておりますけれども、協会としてやらせるような仕組みをつくらせましてやっているものがございます。それから、なおこのほかに、軌道工事だけの業者の任意団体でございますが協会がございます。これにつきましても、自分たちの勉強という意味で、さらに国鉄の指導による技術教育以上に自分たちも責任を持ってやりなさいというつもりで、そういう自分たち自身の教育もやるように慫慂しているということでございまして、それを主体と必ずしも考えておるわけではございませんので、よろしくお願いしたいと思います。
  61. 永井孝信

    ○永井委員 作業自体の安全ということ、作業自体の性格の持つ安全ですね、国鉄の特性、何回も言いますけれども、これの教育と作業に当たること自体の作業上の安全ということも、そういう教育も徹底してもらわなければいかぬわけですね。  私はなぜそれを重視して言っているかというと、たとえば保線関係の作業を通して、脱線事故のことはいま質問中でありますけれども、それはちょっと横に置いておいて、この線路保守作業に従事している会社数が九十九社ある、こう言われておるのでありますが、保線関係の作業を通して、たとえば五十一年に十一名、五十四年に四名、五十五年に四名、五十六年に七名、全部国鉄職員ではない外部の作業者が死亡事故を起こしています。あるいは架線関係の工事を見ましても、五十三年度に九名、五十四年度に十一名、五十五年度に十一名、五十六年度に八名死亡事故を起こしているのです。私は何も死亡診断書を見たわけではありませんけれども、これを若干いろいろ調べてみると、年齢から言っても十九歳の人もおれば六十歳を超えた高齢者の方もいらっしゃる。必ずしもこの人たちが鉄道という問題について熟知をしていない人が多い。死亡事故の原因を見ましても、全く常識で考えられないようなことで、触車死亡というようなことが起きているわけですね。こう考えていくと、国鉄の安全を確保する作業現場の安全対策というのはきわめて肌寒い感じがする、私はこう思うから、執拗に安全教育のことをいま申し上げているわけです。これはひとつ肝に銘じて、安全教育を徹底して図ってもらいたい、こう思うのです。  さらに、ついでのことで申し上げますが、まくら木更換について言えば、実は遊間整正の関係が今回の通達では中心になっているわけでありますが、たとえば国鉄のいまの保線作業のあり方というか、新保守体制が導入された経緯については、当時たまたま私も本部役員をしておりました関係で、その点についてはよく存じ上げているのでありますが、とにかく保線作業に新しい保守体制ということがあのころ導入されたわけでありますが、この当時の内容というのは、手作業で道床の突き固め作業を行っておったものを、マルタイという大型機械を導入してそれに置きかえていったわけです。まくら木、道床、路盤が現行の輸送力の要求にこたえられるような構造にしていく、路盤を強くしていく、線路も重いものに変えていくということでやってきたわけですね。これは輸送実態の変化に伴ってやっていくのはあたりまえのことでありまして、そういうふうに路盤を強化していくのはあたりまえのことでありますが、しかしその結果は、やはり近代化、合理化ということもあったのでありましょうが、マルタイという大型機械の稼動率を高めることに重点が置かれ過ぎたのではないか。だから、まくら木の更換作業がメインとなってしまった。それで、これからちょっと触れるのでありますが、いま問題になっている遊間整正という問題などは非常にじみな仕事でありまして、短いところでは二十五メートル軌条でしょう。ロングレールもありますけれども、二十五メートルごとに線路のすき間をつくっていくわけでありますから、これを巡回して、事故が起きないようにその矯正を図っていく、こういうじみな作業がどうしても軽視されがちになったのではないかと私は考えるわけです。大型機械でまくら木の更換、道床突き固め、そして、それにノルマを課してどんどん効率的なものを求めていく、そこにどうも目が向き過ぎたのではないか、焦りもあったのでありましょうけれども。加えて、会計検査院や行政管理庁から繰り返し、高価な機械であるマルタイを入れたのだから、効率的な活用ということをもっともっと進めろという強い指摘が何回かされてまいりました。こういうことが一層拍車をかけたのではないか、私はこう考えるんですね。  これは、遊間整正という問題が今回の事故の中にも大きなウエートを占めているだけに、施設局長の通達を見ましても、あるいは副総裁の通達を見ましても、このレール張り出し事故の防止という関係から、遊間整正の問題が正面に据えられているということを考えると、この問題について、本当は安全に大きなかかわり合いを持つじみちな安全作業というものが軽視されておったのじゃないかという気がいたしますので、この関係について常務理事としてはどういうふうにお考えになりますか。
  62. 坪内亨嗣

    ○坪内説明員 先生おっしゃいますように、五十年代初期線路が大変悪い状態にありまして、そういったことで、線路の狂いをとにかく画さなければいけないということでマルタイを導入いたしまして、そして突き固めを十二分にやろうということで、一生懸命やってきたことは事実であります。おかげさまで現在約一万五千キロ、年間稼動になっておる次第であります。  ただ、御存じのように、線路はそういった突き固めだけで保全が保てるわけではございません。レールの更換もございます、あるいはまくら木が古くなればまくら木の更換もございますし、通りも直さなければいけないということでありまして、そういうものが総合してバランスしてこそ、線路のりっぱな保全が保たれるということでございます。  そういった意味で、今回の事故につきましては、先ほどちょっと冒頭に触れましたが、ともすれば、遊間整正という事柄についても、いままでの経験におぶさって甘さがあったのではないかということで、やはりバランスが崩れているということを私どもは反省をいたしております。  マルタイの稼動を上げることは必要でありますが、それと同時に、バランスをとった線路の保全ということを目指して、今後とも努力してまいりたいと考えております。
  63. 永井孝信

    ○永井委員 このマルタイの問題について、もう一点お尋ねしてみたいと思うのであります。  新しい保守体制を実施した当時、近代化、合理化ということよりも、施策としては要員の削減ということに重点が置かれておったと思うんですね。私はそう思うのでありますが、これはどうですか。要員削減だったのか、マルタイを入れることが線路の保守について安全向上につながるということでやられたのか、いずれにその重点が置かれておったのか。
  64. 伊能忠敏

    ○伊能説明員 これはどちらに重点と申されましても、われわれといたしましては両方でございます。  先ほど常務理事が申しましたように、線路状態が昭和五十年ごろ非常に悪かった、これを整正して、乗り心地のいい安全な線路をつくるためには、道床の突き固めの作業量をふやさなければならない、そのためには機械の高能率なものをして、しかも賢のいい仕事をするために、マルチプルタイタンパーの突き固めをふやすという点がございます。それと同時に、これを効率的に行うために少ない人間でやろうということも考えておりますから、両面から、このマルチプルタイタンパーの配備とその仕事量の増加を図ったわけでございます。
  65. 永井孝信

    ○永井委員 もう一つは、昔は線路を直すときに保線の魂とか言いまして、線路の突き固めを手作業でするときに、自分たちがかけ声をかげながら線路を突き固めておったのですが、そのときには、自分たちのこの一つ一つの突き固め作業で列車の安全を守っているんだという誇りを持って作業をしておった。いま外注業者が非常にふえてきた。この外注業者に昔の国鉄の保線魂という形を求めるのは、私は実際問題として無理だと思うのです。無理だと思うのですけれども、少なくとも、その作業の内容は直営であろうと外注であろうと全く変わらないわけだし、安全を求められる責任というものも同じであります。そう考えると、外注業者にその魂を持ってもらうぐらいのことをしなければいけない。それが、私が冒頭に申し上げたように、元請だけではなかなか作業がしにくい、だから下請を活用する、下請を活用する場合に必要に応じて労働者を集める、そこには経験のない者も入ってくる、教育が十分でない、こういう悪循環が、結果的にこの石北線事故にもつながってきたと私は思うのです。だから、この関係については徹底した安全教育、国鉄の特性を知らしめる、あるいは仕事の責任の重大性を知らしめるということを、日常的に系統的に扱ってもらいたいということを要望しておきたいと思います。  それから、同じこの石北線の事故関係で、作業の見張員とか、あるいは作業指揮者とか、こういう関係に国鉄の職員は配置されておったのですか。
  66. 伊能忠敏

    ○伊能説明員 軌道工事を行う場合に、仕事のやり方によって、常時国鉄の監督員がついている工事と、巡回監督と申しまして、随時一日に一遍なり三遍見回って、仕事の状態をチェックしながら工事を行わせるような工事と、二種類ございます。  それで、列車と列車との間に長い時間をとって、工事をやっている間は列車を通さない、線路閉鎖工事と申しますけれども、仕事が終わったら必ずそれを連絡をして列車を通す、そういうような工事の場合には必ず国鉄職員の工事監督員がついております。これは、それが終わらない間は列車を通すことは不安全な状態、たとえばレールを更換して、レールを破線してしまうような工事の場合は必ずついてございます。  石北線の事故の場合は、たまたまこの作業は――事故を起こしましたのは不安全な状態に業者がしてしまったからだということでございますが、実はこの工事は、列車の合い間に、常に列車が通っても安全な状態でまくら木を一本ずつ更換する、これは直轄工事の場合、昔やっていた場合でもどんなときでもそうでございますけれども、列車間合いでいつ列車が来ても大丈夫のような状況で工事をさせる場合には、業者で行わせる場合でも、かねてから、先ほど申しました資格のある工事指揮者がついて、業者の列車見張員をつかせることによって行わせるという仕掛けになっておりますので、石北線のときには、その事故が起きたときに国鉄の職員は現地にはついておりませんでした。
  67. 永井孝信

    ○永井委員 いま言われたとおりだと思うのでありますが、線路閉鎖のときには国鉄職員が常時監督に当たる、列車の間合い、列車の走っているダイヤの間を縫って作業をする場合は必要の都度随時に監督をする、私はどうしてもこれは納得できないのですよ。ダイヤをそのまま予定どおり動かして、列車の走っている合い間、合い間に線路の保守作業をするときこそ、いろいろな問題で、触車事故とかいろいろなことが起きると思うので、私はどうもここのところが納得できません。だから、たとえ外注業者が工事をやって、そのことが原因で事故が起きたとしても、結果として国鉄の責任は免れないわけでありますから、この線路閉鎖に対する国鉄職員の常時監督の配置と同じように、列車間合いについても常時監督ができるような要員配置をすべきではないかと思うのですが、常務理事、どうでしょう。簡単に答えてください。
  68. 坪内亨嗣

    ○坪内説明員 まず、線路閉鎖のときの監督につきましては、駅長とダイヤ間合い等をよく打ち合わせ、そして、作業がどういう状態になっているかということをきちっと把握して、運転関係者と十分な安全体制を組んでいかないと大変危険でございます。これは線路の破線等については大変危険でございますので、現在直轄の手で監督ということで、打ち合わせ等を含めてやらせておるわけでございます。  ただし、列車の間合いで、たとえば石北線の場合でございますと、まくら木一本一本をきちっと決められたとおりに作業をやってもらえれば、列車見張りもつけておりますので、限界内にいろいろな物を置かないということ、そして、必ず決められたとおり作業をやってもらえば安全に関する問題はないという認識で、私ども監督をつけていないというのが実態でございます。
  69. 永井孝信

    ○永井委員 私は、安全を確保する上で申し上げておるのでありまして、列車間合いの作業といえども、やはり直接責任を持つ国鉄が監督者を置くべきではないかということと、いま常務理事が言われたように、決められたルールどおりに作業をやっておればあの脱線事故はなかった、一遍に六本も七本もまくら木を外すようなことをしなかったらそんな事故は起きなかった、だから問題にしておるわけですよ。あたりまえのルールが守られていないような外注会社に工事をさせたところにこの事故があるのだ。だから私は、最前から教育とかいろいろなことを言っているわけだ。それは、そういうことが二度と起きないようにさせるということは、監視体制もそうだし、指導体制もそうだし、ルールをまず守る、そのルールとは何かということを直接作業に当たるところが知っておかないと、同じことが繰り返されるのですよ。だから、そのルールを守らせるために私は申し上げるのであって、それはひとつきちっと受けとめてもらいたいと思います。  もう一つは、この外注関係で時間をとって恐縮でございますけれどもあと簡単にいきますが、この国鉄の発注する工事の単価は大別して労務賃金、それから材料費であると思いますが、この労務賃金の中には、安全作業を遂行する上において、国鉄の特性から、列車見張員や事故防止専任者などの労務賃金も、私は当然入っていると思っているのです。それなら、そのことをきちっと守らせるということは、契約の内容から言っても当然なことであります。しかし、契約額が具体的にどうなっているのか、私はわかりませんけれども、少なくとも元請から下請へ作業が移っていく場合には、中間マージンを取るのは常識ですね。国鉄が関与しなくても結果的には常識でしょう。そうすると、元請から下請にいった場合に、国鉄がこれだけで作業ができると計算をしてはじいた契約金額というものは、実際に作業をする会社にすればもっと低い金額で作業しなければいけない。それではなかなか思うようにペイできない。ペイできないということになるとどういうことになるかというと、要員を減らして集中的に作業するとか、いま言ったように、一本一本まくら木を抜いて仕事をしなければいかぬものを、効率を上げるために、ついでに五本も六本も一遍に抜いてしまうということになっていくわけですね。だから、こういう大事な安全作業というものは、安易に外注にすべきではない、私は実はこのように考えているわけですが、その辺の関係については常務理事、どうでしょう。長く時間をとっては困りますので、一音でいいですから。
  70. 坪内亨嗣

    ○坪内説明員 石北線の事故に例をとりますと、先生指摘のように、そういったルールが守られていない、残念ながら工事指揮者が作業員にそういう指示を十分していないという事実が明らかになっております。  私どもといたしましては、先生おっしゃいますように、作業員の一人一人にそういう認識を持たせるということも大変大事であります。これも、先ほど施設局長が申し上げましたように、全力を挙げてこれからもやってまいりたいと存じますが、工事指揮者そのものが、そういった十分な指示をしてないという事実がございます。そういった意味で、先ほど施設局長が申し上げましたように、残念ながら工事指揮者の再教育を実施せざるを得ないということで、努力を現在しておるところであります。  いずれにいたしましても、ああいった事故はちょっといままで例がないと申しますか、最近においては例のない事故だということで、非常に驚きをもって、また重大問題だという認識で、これに対処してまいりたいというふうに私どもは思っております。
  71. 永井孝信

    ○永井委員 次に、同じくこの事故の問題で、問題の軌道の遊間整正の問題についてちょっと触れてみたいと思うのですが、ことしの五月二十八日の中央本線の事故も線路の、張り出しなんですね。いまの国鉄の労使問題で新聞でいろいろ言われたり、あるいは行政調査会が緊急何とかかんとかで十一項目ですか、その中に労使の関係ども入れておるわけでありますが、ちょっと余談になるようでありますが、現場協議制度というものがやり玉に上がっている。仮に現場協議制度の完熟していない、成熟していない面があるとするなら、その面だけに余りにも目を向け過ぎているのではないかと思うのであります。現場協議制度というものは、作業を労使お互いが協力し合ってできるように、現場の末端で話し合っていくというところに一番大きなメリットがあると私は思うのですね。  ところが、中央本線の鳥沢駅構内の脱線事故を例にとりますと、事故の起きる三十分前に、高速軌道検測車で走ってその不良個所を発見しているわけですね。不良個所を発見したものだから、この現場協議の幹事を通して、当局側の幹事に対して、直ちにこの遊間整正作業を行うように作業の組みかえを行ってくれ、こういうふうに要求しているのですね。要求したところが、当局側は、それは聞いて承知しながら、いまそれをやったのではダイヤに狂いが来るから、とりあえず作業の指示に従ってもらえばいいのだということで、せっかく三十分前に指摘をした問題個所に手をつけなかった、そして脱線事故を起こしているのですね。  こう考えていくと、巡回で不良個所をチェックし、あるいはそのことを通して徐行措置をとらせる、こういう関係についても、労使がお互いに力を合わせてやっていくということであれば、もっともっと円滑にこういう脱線事故あるいは運転事故を防止することができると思うのでありますが、この関係について、一言で言えば、当局の姿勢というのはダイヤ中心主義になっているのではないか。  ついでのことを申し上げますが、いま廃止対象線区になっている路線もそうでありますが、私の地元にも三つあります、第一次の廃止予定線区ですね。この間地元の人とその線路の付近を、全部の距離ではありませんけれども、ところどころ車からおりて歩いてみました。線路はこんなですね、でこぼこですね。こう見てみたら、こういうでこぼこの形になっておるわけですね。そうして、まくら木更換を含めて余り手が入れられていない。しかし、廃止を前提としていま地方協議を進めようとしておる線区であれ、あるいは東海道本線、山陽本線のような幹線であれ、そのレールの上は間違いなく列車が走って乗客が乗っているのだから、安全という面から見たら、そういうことで、仮にも区分けをして手抜きをすることがあってはならない。あるいは事前に検測車等を走らせて、あるいはもっと要員があれば線路を巡回して、冒頭に申し上げたように、遊間整正を必要とするような個所のチェックがもっともっと緻密にできると思うのですね。こういう関係について、安全対策上、当局の要員合理化というものが先行し過ぎていたのではないか、いわば員数合わせ、職員の数を減らすところにつじつまを合わせることにきゅうきゅうとしていたのではないかというふうに考えますので、この関係について、もうあとは多くのことは申し上げませんけれども、一この問題についてお答えください。常務理事で結構です。
  72. 坪内亨嗣

    ○坪内説明員 鳥沢の件につきましては、先生おっしゃいますように、三十分前にそういうことがわかっておったということも私ども承知いたしております。大変残念であったというふうに存じております。  いずれにいたしましても、危険と思われる事象が発見された場合には、遅滞なく列車をとめなさいということを繰り返し繰り返し指導しているところでありますが、そういうことが行われなかったということについては大変残念であります。その後の通達でもごらんいただきますように、再度そういうことで現場を指導し、列車をとめる、あるいは徐行するということを勇敢にやりなさいということを指導いたしております。  ただ、さっき先生おっしゃいましたように、保線魂という点から見ますと、何とか列車をとめないで運行したいという心意気もございます。そういった意味で私どもじくじたるものがあるわけでありますが、そういうことを乗り越えて、とにかく、技術的判断で危ないと思ったらとめなさいということを、今後とも指導していくつもりでございます。
  73. 永井孝信

    ○永井委員 あえてもう一回申し上げておきますが、私が保線魂と申し上げたのは、もちろんダイヤを守ることも大事でありますけれども、自分の一つ一つの作業に心を込めて安全を守っていくんだということであります。だから、ダイヤを守ることはもちろん一番大事なことでありますけれども、安全を守るためにはちゅうちょしてはならぬ。通達の中でもそう言っているわけであります。しかし、えてして事故が起きて、その事故に関連をして通達をおろす場合は、事故関係することだけが通達の中身に盛り込まれていきますので、限られた要員の中で、この方に力を入れて、あとはお留守になる。だから、私流に言えば、どうしても要員削減が大きな支障を結果的に来しているというふうに思います。この関係については、心して安全輸送確保のために国鉄当局はがんばってもらいたいということを、強く要請しておきたいと思います。  もう一つは、同じくこの安全の関係でありますが、工作局長に来ていただいておりますので、国鉄の安全という面からいきますと、レールだけが安全であっても車両が不安全であってはだめなんですね。時間がありませんので簡単に言いますけれども、車両というのは国鉄の商品だと私は考えているのです。お客さんから見れば、駅舎がりっぱになるのもいいことだ、しかし、駅舎に乗るわけじゃなくて、乗るのは列車でありまして、車両が快適でいいものである、そしてスピードが出て早く目的地に着く、しかも線路がよくて快適に、安全に旅行ができる、私はこれが国鉄の商品だと思うのです。そういう観点から、車両というものは随時改良していかなければいかぬし、安全性の向上を図っていかなければいかぬ。  たとえば新幹線はいま世界一の技術を持っている、こう言われているのですが、この新幹線の問題で言えば、工作局長新幹線の車両技術は何を集大成したものなんですか、一言で言ってくれませんか。
  74. 坂田浩一

    ○坂田説明員 お答えいたします。  鉄道車両そのものにつきましては、その技術進歩と、一方では従来ある経験工学と言いまして、従来の技術の蓄積によってさらにいいものが生まれるということであります。したがいまして、新幹線も、在来の線におきます特急電車というものがありまして、その長い間の経験と技術、それから、その後の進歩を総合して新しい新幹線をつくり上げた、こういうふうに思っております。
  75. 永井孝信

    ○永井委員 私もそのように思うのでありますが、日本だけではなくて世界の国鉄、あるいは民間の鉄道もありますけれども、やはり自分のところの商品である車両を、安全性、快適性を求めてより向上させていくためにということで、私は全部が直営でやっていると思うのです。そこに直営の価値があると私は判断しているわけであります。そうして、日本で言えば全国に工場というものが点在をしている。これはその地域のニーズにこたえたものにしていかなくてはいけないということもあるのでしょう。そうして、いま言われたように、新幹線の技術というものがそういう日常の検修作業を通して集大成されたものであるとするなら、設計あるいは新製をする場合、あるいは修理、改造、あるいは廃車に至るまで、この車両というものは管理が一貫しておらなくてはいけないと思うのですが、どうでございますか。
  76. 坂田浩一

    ○坂田説明員 お答えします。  車両といたしましては、設計、製作、保守、改良、廃車と、一連のサイクルを描いた運用システムが非常に望ましいと考えております。
  77. 永井孝信

    ○永井委員 いま望ましい、こう言われたのでありますが、国鉄の財政が非常に厳しい、厳しい中で、いま言ったように乗客の、お客さんの求める快適性、もちろん利便性もありますけれども、安全性、こういうものから考えて、いい車両をつくるといっても、なかなか予算がつかない。そうすると、いま現在走っている車両の寿命を延ばして機能を改善する、安全性を高める、快適性を高める、こういうことになっていくと、いま国鉄の財政が厳しいという中で求められるのは、老朽車を単に次々廃車していって新車をつくるということができないとなってくると、老朽車両の機能回復といいますか、こういうものが商品を売る側からすれば大切なことではないかと思うのですが、それはどうでございますか。
  78. 坂田浩一

    ○坂田説明員 お答えします。  車両につきましては、一応新製から廃車という、二十年くらい使用して廃車しているのが実態でございます。したがいまして、その間、省令に定めております全般検査なりあるいは要部検査というものを通じて、安全の確保維持に努めているわけであります。また、ある意味におきましては、ニーズにこたえましてアコモデーションの改良、あるいは保安対策等も工事の中で織り込んでやっているのが現状でございます。
  79. 永井孝信

    ○永井委員 そうして、この工場が幾つでしたかね、二十七、八でしたか、車両工場があるのは。後で答えていただいたらいいのでありますが、この工場の機能というのはどこの工場も一緒ですか。あるいは地域のニーズにこたえる関係もあるだろうし、どういうのですか、気動車もあるし、機関車もあるしということになってくると、これは機能的にはそれぞれ専門的になっているのですか。
  80. 坂田浩一

    ○坂田説明員 お答えします。  鉄道工場につきましては、先生おっしゃるように地域的に点在いたしております。その地域の車両を主として保守しているというのが実態でございます。  ただし、今後の輸送量の変化、あるいは電化の進展に伴いまして、かなり車両間においても種類が変わってまいります。たとえば電車がふえてまいります。あるいは気動車・客車が減る、あるいは今回のように貨物輸送が激減している中で貨車両数が大幅に削減するというようなことがありまして、絶えずそういう意味で、輸送コストを下げるための、保守のコストを下げるという中で、鉄道工場の果たすべき役割りもあるわけであります。そういう意味で、今後もますます工場につきましても効率化を目指してやってまいりたい、かように考えています。
  81. 永井孝信

    ○永井委員 そこで、私は常務理事にちょっとお伺いするのですが、最近国鉄当局から労働組合に対して、台車検査の外注が提案されたと聞いているのですが、それは本当ですか。
  82. 坪内亨嗣

    ○坪内説明員 先生のおっしゃるとおりでございます。
  83. 永井孝信

    ○永井委員 車両の検修というのは、私の知るところでは、一番大きいのは全般検査ですか、オーバーホールするのが。あるいは交番検査というものもある。台車検査というものもある。仕業検査というものもある。幾つか検修体制があるのですが、その中で台車の検査というのは、私の理解ではきわめて重要な検査だと思っているのですね。たとえば新幹線で言うと、新幹線の台車をどんどん修繕をして車体を置きかえていく、載せかえていくんでしょう。詳しいことは知りませんけれども、そうじゃないんですか。これは工作局長、よく知っているんですか。
  84. 坂田浩一

    ○坂田説明員 お答えします。  台車検査の目的は、重要下廻りの台車の走行部分の検査でございまして、運用間合いで、台車を整備したものと交換する検査が台車検査でございます。
  85. 永井孝信

    ○永井委員 台車検査というのはそういうものなんですね。この運用間合いで台車を検査して、検査というのはオーバーホールをして修繕をし直すということなんだと思うのでありますが、そういう台車を検査する重要な作業が外注にされるということが、果たして国鉄の安全性にとっていいことなのか悪いことなのか。  たとえば最前、線路保守の問題でずいぶん時間をかけました。線路の更換、まくら木の更換という基本的な、基礎的なそういう作業、こういう作業でも、外注に安易に委託したことが事故の大きな原因になってきたと私は判断しているのですよ。安全教育を徹底すればいい、技術教育を徹底すればいいと言えば、言葉ではそれで終わりますけれども、やはり人集めという、たとえば直営の場合ならその専門の職員を常時ずっと配置しておくわけでありますから、一人一人が全部その専門知識を持っている。しかし、外注業者に任せれば専門知識を全部に持たすことがなかなか困難である。だから事故が起きる。こう考えていくと、車両の台車の検査などについて、これまた外注で、直営でない者が入ってきて作業する。それに車体を載せて新幹線も走っていく。ほかの車両もそうでありますけれども。これでもし事故が起きたらどうするんですか。だから、直営ということについて車両の検修などについてはいままで重視をしてきたのではないのですか。常務理事、どうですか。
  86. 坪内亨嗣

    ○坪内説明員 台車検査を外注いたします場合は、当然のこととして、私ども、検査の結果のデータチェックなり、そのもの自体の最終的な受け取り検査をいたしまして、当局で十分その検査が行われた、あるいは遺漏ないということをチェックいたしましてから使用するということにいたしております。
  87. 永井孝信

    ○永井委員 私は、国鉄が三十五万体制と言われているし、今度はさらにそれをもっと切り込むという話もありますから、国鉄の経営が赤字である、大変なことだ、だから、それを何とかしていくために再建をしていこう、私はそのことに反対しているわけじゃないのですね。しかし、たとえばの話、今回の水害を見てごらんなさい。富士川の鉄橋が落ちました。富士川の鉄橋は国鉄が直すんでしょう。国の管理する国道は国が直すんでしょう。すべてがそうなんですよ。だから、国鉄の経営を論ずるときに、単に赤字だからということだけで問題の処理をすることには、私は大きな誤りがあると思っているのでありますが、そういう構造欠損的な問題をここで議論する時間はありませんので、それはさておきますけれども、しかし、要員のつじつま合わせをするためにどこからでも切っていく、外注で切っていく。外注で切ったからといって経費がゼロになるわけじゃないんだから、当然外注経費は要るわけだから、人数合わせで、員数合わせでどんどん切っていくことが、結果的に、犯してはならない国鉄の安全使命を大きく犯していくという危険性がきわめて固い。このことから、私は、この台車検査の問題も取り上げているわけであります。  もう時間がありませんので、そのことについて議論はなかなかできません。できませんから、またの機会に譲りますけれども、鉄監局長もお見えになっておりますから私は申し上げるのでありますが、いま申し上げたように、国鉄で犯してはならないのは安全対策、絶対安全対策なんです。これが他の一般の企業と違うんですよ。もちろん作業者の安全という意味ではどこも一緒でありますけれども、自分が直接作業に携わっておるものが、不特定多数の人々の安全に大きな影響を与えるというのは、これは鉄道の特性でしょう。  そう考えていくと、単に員数合わせの要素をもってこの作業をどんどん外注していくことは好ましいことではない、こう断ぜざるを得ないのであります。  この間、臨時行政調査会から基本答申が出されました。厳しい内容になっておるようでありますが、その中に分割、民営という問題も出されている。あるいはいま検修を扱っている工場の分離という問題も出されている。経営上の問題から分離、民営にすることだけで果たして事が足りるのか。公共輸送の性格、安全輸送を守らなければいかぬという特性、こういうことから考えて、だからといって安易に分離や、民営、分割、外注ということに走るべきではない。これは国鉄の持った使命だ、鉄道の持っている使命だ、こう思うのでありますが、鉄監局長、どうお考えになりますか。
  88. 永光洋一

    ○永光政府委員 輸送の安全を確保するということは、国鉄を初め公共輸送機関にとりまして最大の責務であると思いますし、われわれとしましても、従来から、安全対策につきましては、最大限の努力を関係者に傾注するように指導しているところであります。  御案内のように、国鉄の財政状況、非常に厳しい状況にありまして、各般にわたる合理化が必要でありますが、機械化あるいは減量化等の一環としまして、外注化という問題がまた進められておるわけでございまして、先生いまおっしゃいますように、安全問題ということが輸送機関にとりまして非常に重要事項でありまして、この観点を踏まえながら外注化をやる場合も進めていくべきものとわれわれは考えておりますし、今後ともそういう観点から、十分な配慮をしながら各般の合理化を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
  89. 永井孝信

    ○永井委員 時間が来ましたので終わりますが、常務理事、一言だけ答えてください。  台車検査の問題も私、出しました。線路の保守の問題も出しました。なるほど国鉄は、経営は大変だけれども、乗客の安全がかかっているのだから、外注をする、部外委託をするということをどこまでも無制限に手を広げるべきではない、私はこう指摘しているのでありますが、そのことを基本的には踏まえて対応する用意があるかどうか、答えてください。
  90. 坪内亨嗣

    ○坪内説明員 先生おっしゃいますように、私どもは、まさに安全という問題が輸送の大前提であり、最大の使命であるという認識の中で、いま御指摘になったもろもろの件につきまして、特に、こういった厳しい情勢の中でも、そういったことを大前提として取り組んでまいりたいという覚悟でございます。
  91. 永井孝信

    ○永井委員 以上で終わります。
  92. 西中清

    西中委員長 次に、沢田広君。
  93. 沢田広

    沢田委員 最初に、従来からこの委員会で議論がありました車検の問題で、先般参議院で、八月三日でありますが、附帯決議がつけられました。政府としてはこの附帯決議に対してどのような措置を講ずるか、お答えをいただきたい。
  94. 宇野則義

    ○宇野政府委員 お答え申し上げます。  昨日の参議院の本会議におきまして道路運送車両法の一部を改正する法律案が成立したわけでございますが、その前日、八月三日に参議院の運輸委員会におきまして、審議の結果、採決に当たりまして、附帯決議をいただいたわけでございます。  もう先生御承知の内容でございますが、一つは、今回の法改正の中身といたしまして、点検等の指示、それから、その最終段階におきますところの報告義務に対します違反者に過料をつけるということにつきまして、その運用につきましては特定の、すなわち不正改造車、あるいは違法な行為を行っております白ナンバートラックやダンプカーその他の整備不良車等を中心とするものとし、という御指摘といいますか決議をいただきました。さらに、これにつけ加えまして、「整備不良車に該当しない一般の自家用乗用車については行政指導にとどめるものとすること。」というのが一番でございます。それから二番目は、この「点検等の指示の適用については、本法施行後十分な指導期間をおくこと。」以上、二項目につきまして附帯決議をいただいたわけでございます。  私どもといたしましては、衆議院の審議並びに参議院の御審議におきます御議論の趣旨を十分に尊重いたしまして、特に、この点検等の指示の制度の運用に当たりましては、今後慎重を期してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。  なお、この運用を実施する段階に至りますまでに、私どもといたしましては、直接これを担当いたします要員等の教育、あるいは一般ユーザー等に対しますところのこの法の趣旨の徹底ということも図りつつ、今後十分にこの運用を検討してまいりたいというふうに考えております。
  95. 沢田広

    沢田委員 私は時間がないので、もう少しはっきりした答弁をお願いしたかったのでありますが、尊重とか、慎重とか、運用とか、これは答弁になっていないのですね。ですから、問題は、この附帯決議は法を変えるものではないけれども、おおむね法の改正に匹敵する内容を持った附帯決議であるというふうに理解をしているのですが、その辺の理解はいかがですか。
  96. 宇野則義

    ○宇野政府委員 附帯決議をいただきまして、その趣旨を尊重するというふうにただいま御答弁申し上げたわけでございますが、この附帯決議の第一項第二号につきまして、この項目に従いまして今後の運用をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  97. 沢田広

    沢田委員 きょうの段階はその程度にとどめておきますが、誠実に実行していただきたい。よろしいですね。――首を振っておられるから、そのように確認して、次へいきます。  次は過績みの問題なんでありますが、過積みの問題は従来からもたくさん指摘されていたわけであります。もう時間がありませんから、送検されておるのは五十五年版で三千三百九十九件、あるいは六百七十五件、十一万三千四百六十九件、こういうふうなことで、過積みが一応取り調べられている、こういう実態にあります。  過積みに対する措置について私は簡単に申し上げるのですが、写真を撮ったり、何かスピード違反も、野球の球まで速度がわかる今日なんであります。重量計算においても、道路に一つの線を引いておけば、そこへ乗ってくれば自動的に、二十トンを超えるものは少なくとも計量計に簡単に出てくるというようなものが今日できている段階なんですね。そういう設備がなぜ進まないのか、あるいはそういう設備がなぜできないのか、その辺をちょっとお答えをいただきたい、こういうふうに思います。
  98. 久本禮一

    ○久本政府委員 先生おっしゃいますとおり、取り締まりのやり方につきましては、できるだけ精確に確認できるような器械的な方法を導入して、取り締まりそのものを効果的に、適正にやりたいという気持ちはございます。取り締まりに関連いたしますところの、現実に取り扱いやすいとか、あるいは保管しやすいとか、いろいろソフト面がございますので、そういう点を絡み合わせまして、何が適当かという点については検討の余地があるわけでございますが、基本的にはそういうものを目指していきたいという方向でございます。  ただ、重量の取り締まりにつきましては、いままでそういう器材が開発されておりませんので、先生御承知かと思いますが、いわゆる台貫所で重量をはかる、あるいは持ち運びのできる重量計ではかっているというのが現状でございます。  ただ、御指摘のように、今後、重量につきましても可能な限りそういう器械的な手段を導入して、精確に、簡便に処理できるようにいたしたいという気持ちは十分に持っております。
  99. 沢田広

    沢田委員 そういうものの開発を委託される気持ちはありませんか。たとえば二十トンなら二十トンはすべて違反だとまでは私も言わない、一割であるとか、これはスピードだって同じことですが、警察はえげつないけれども、とにかくこれはあくまで標準なんで、二十二トンあったからこれはもう違反だとまでは私は言わないが、しかし、三倍も積んでいたりなんかするとこれは大変な問題になるわけですから、やはり社会常識の限界というものがあるわけです。それは血圧計だって高いのも低いのも出てくるわけですからね。その程度のものを線に引けば、この計量計は簡単にできるのじゃないか。どうしても考えつかないというなら、私の方で研究しても結構ですけれどもね。とにかくあなたの方で研究して、そういうものをつくる必要性があるんじゃないか。そして、特定の道路にはつけて、自動的にわかるようにする。できれば、同時に写真まで撮れるぐらいの連動性が必要になってくるんじゃないのかという気もします。そういうものを開発する意思を持っておるかどうか。いまは人手でやるというのは時代おくれですからね。やはり、器械でやっていくということ以外にはないだろうと思うのです。ですから、そういう点の開発について考えていくという気持ちがあるのかどうか。予算が厳しいと思いますけれども、それでもやっていただけるかどうか、その点についてあえてお伺いをいたしておきたいと思います。
  100. 久本禮一

    ○久本政府委員 基本的には、私は先生の御指摘のとおりだと思いまして、そういう気が十分ございます。ただ、こういう厳しい状況でございますので、なかなか、購入費はおろか開発費も出ないという現状ではございますが、まあその辺は何とか打開をして知恵をしぼりたいと思っておりますので、お知恵もおかりして検討いたしたいというように考えております。
  101. 沢田広

    沢田委員 わかりました。  大蔵省から来ていただいておりますのは、大蔵委員会では重量税だけをやるというわけになかなかいかないものですから、交通委の方でお聞きをするわけです。  建設の委員会で聞いた重量税に対する理解、いろいろあるのでありますが、重量税とはそもそもどういうものについて重量税を課してきたものなのか、あるいは今日的段階において重量税の持つ意味は何なのか、お答えをいただきたいと思います。
  102. 新藤恒勇

    ○新藤説明員 重量税につきましては、これは四十六年に創設されたわけでございますけれども、当時の考え方といたしましては、自動車が運行することによって、たとえば道路損壊とかあるいは公害の問題とか、いろいろな面で社会的費用の負担をもたらしておるということに着目して、この重量というものを一応の基準として課税するというたてまえで、できたわけでございます。  その後、重量税の考え方につきましては、今日におきましても変わっていないものというふうに私ども理解してございます。
  103. 沢田広

    沢田委員 そうしますと、道路の損耗と言えば、タイヤが二つで走っているより四つの方が損耗は多いんだろうと思うのです。四つよりも六つの方が多いと思うのです。さらに重さが多い方が多いと思うのです。それはいかがですか。
  104. 新藤恒勇

    ○新藤説明員 道路の損耗に与える影響という点から申しますと、そういう考え方もあろうかと思うわけでございますけれども、自動車重量税の考え方が、先ほど申しましたように、ただ単に道路損耗に対する負担ということではなくて、より広く、排気ガスの問題とかその他の交通安全に与える影響等、いろいろと社会的な費用をもたらすという考え方が背景と申しますか、考え方の中にあるものでございますから、そういう観点から、より客観的な基準としては、重量を基準にこの課税をするということが簡明で一番いいんではないかということで、できた経緯があるわけでございます。
  105. 沢田広

    沢田委員 私の言ったことだけに答えてください。道路は二つのタイヤと四つのタイヤと六つのタイヤとどっちが損耗率が高いか低いか、これがまず質問の第一。その次には、重さによって道路の摩耗率、損耗率は高いのではないか、それはイエスかノーかで答えてもらえばいいのです。
  106. 新藤恒勇

    ○新藤説明員 通常の場合ですと、自動車のタイヤが多い場合の方が重量が大きいだろうと思います。それから、重量が大きい方が恐らく道路に対する損耗の度合いは大きいということは言えるのではないかと思います。
  107. 沢田広

    沢田委員 これはあたりまえのことを聞いたんですから、あたりまえにお答えいただきたいわけです。  次に環境の問題、公害の問題ですが、現在排気ガス制限というのをやっていますね。マフラーを含めて排気ガスは車検の場合にも検査対象になっていますね。そうすると、この検査対象の許容基準以内、検査を通るという基準以内についてまでも国民は環境に対する責任を持つものなのかどうか、その点の見解をお聞かせいただきたい。
  108. 新藤恒勇

    ○新藤説明員 重量税の面からそういう点を配慮するという考え方は、重量税の考え方の中には入ってないというふうに考えております。
  109. 沢田広

    沢田委員 そうすると、重量税のいまあなたがおっしゃられた意味の環境に対する公害は、基準内の排気ガスですね。基準内の排気ガスは国民が許容できる限界である、受忍限度の限界である、こういうことに理解して間違いないですね。
  110. 新藤恒勇

    ○新藤説明員 重量税の観点から申しまして、公害の問題とか、あるいはその他の社会的費用全般の問題としてこの問題はとらえられておる。それで、許容の中であるから重量税の観点からどうかという考え方は、取り入れられていないというふうに理解しております。
  111. 沢田広

    沢田委員 それは、ごまかしてはだめなんだ。全般のと言ったら、それは後でまた聞きますけれども、少なくともあなたが、公害とか排気ガス、こういうふうに言われたから、それは国民の受忍限度として、それぞれの個々の車、いわゆる総和としての、総量規制の問題は別ですね。しかし、個々の車としての許容基準内は国民の受忍の限界に入るとすれば、それに負担を課するということは違法というか趣旨に反する、こういうふうに私は解するわけです。もしそうだとすれば、排気ガスの強化をもっと図らなければならぬということになるわけです。それに何らかの税金をかける。これは日照でも、日影でも、何でもそうですね。そういうように、受忍限度の範囲内については、それぞれお互いががまんする範囲内である、こういうことでしょう。そうすると、その受忍限度の中に何らかの負担をかけるということは妥当でない、こういうことになるのではないですか。いかがですか。
  112. 新藤恒勇

    ○新藤説明員 おっしゃいますように、個人個人の受忍の限度の中での問題について課税するかどうかという議論はあり得ると思いますけれども、いずれにいたしましても、受忍の中であっても、公害というもの、排気ガスというものが社会的な費用をもたらすということはあり得るわけでございますから、その観点で、その負担に対しての財源の一つの方策として、この重量税の財源を使うということは十分考えられることではないかというふうに考えます。
  113. 沢田広

    沢田委員 もう時間がないからその次にいくのですが、あなたが総体と言われたが、その総体の中身は何ですか。
  114. 新藤恒勇

    ○新藤説明員 総体と申しますか、要するに、自動車を走行することによっていろんな排気ガス等の公害をもたらすということに着目をした税である、こういうことで申し上げたわけでございます。
  115. 沢田広

    沢田委員 それでは、いろんなというのは何ですか。
  116. 新藤恒勇

    ○新藤説明員 いろんなと申しますと、交通事故の問題もございますでしょうし、それから、排気ガスが植物に等える影響もあるでしょう、あるいは排気ガスが人体に与える影響等、さまざまな社会的費用があるということで、この課税が考えられているわけでございます。
  117. 沢田広

    沢田委員 もう時間がないですからやめますが、それはちっとも説明にならないですね。事故の場合は自賠償保険を課せられているのですからね。さらに二重課税というのは、法律のたてまえからあり得ないわけです。二重課税というのはあり得ないのですから、事故に対しては自賠償の保険なり、刑法があとは適用されることになっているわけです。それから排気ガスの問題は、いま言ったように許容基準というものがあって、許容基準の範囲内において走行している限りにおいては、それは国民の受忍範囲である、こういういわゆる国会民主主義の立法の趣旨なんですね。そうなると、あと道路の損耗だけしか残らない。あなたの御説を一応肯定したとしても、主体は、道路の損耗しか理論的にはかける理由はなくなってしまうのです。  あと二、三分ですが、そこで結論的に申し上げますと、〇・五トン以下のものは五千円で、〇・五トンを超えるごとに五千円が乗用車、あるいは車両総重量が一トン以下は五千円、一トンを超えるもののときには、一トンまたはその端数ごとに五千円、こういう形になっております。これは、乗用車とその他の車両を比べますと、乗用車の方が重くなっている。その他の車は二千五百円が単位である。だから、もしもそれだけでかけるならば、そういうふうに一律に割り切ってかけて、あとは租税特別措置法で、産業のために減税をするならば減税をするという措置を講ずべきであって、根っこからこれを区別して下げていくという論理は、私は通用しないのではないかというふうな気がするわけです。ですから、これは改めて重量税だけでまたやりますが、結論的には、重量税の公正を期す、そして、産業用にどうしてもこれが必要だというものについては、省令その他で別個には下げているものもあるわけですから、かけていないものもあるわけですから、それは特別措置として減税なら減税の政策措置を講ずる、それもある程度の期間を決めてやる、こういうことが必要なのではないかと思うのです。  これは一般論だけになりましたけれども、いわゆる重量税の公正感というものを確保する必要があるのじゃないのか。もう時間が一分ですからそれだけで、あと考えてもらえるのかどうかだけ答えてもらいます。  それからもう一つ、徴収に当たって、すべての税金には完納将励金ですか、前納報償金がそれぞれあるわけですが、今度はこういうふうに三年なりになったら、これの分割方法を考えてもらいたい。それから、三年分を納めた者については、少なくともこの二年分の金利六・五なら六・五の金利に相当する前納報償金のようなもの、あるいはこれは二年間の定期分ですからその六・五の分を減額する。四千百六十何億ですか、四千億以上のものが入っているわけですから減額するのはつらいだろうけれども、それは税として当然措置すべきことではないのか。二年分までをそのまま前取りというのはあり得ない。  以上、乗用車と営業車の取り扱いについてと、三年分を月賦制にすること、それから前納の分の利息分だけ、二年の定期分ぐらいは報償金として払い戻すこと、この三つについてお答えいただいて、終わります。
  118. 新藤恒勇

    ○新藤説明員 第一点でございますけれども、おっしゃいますように、自動車重量税の負担のバランスということについては十分税制の中で考えられておるということでございます。ただ、営業車等につきましては、特別措置の中で、輸送効率という観点を考慮して、軽減措置が講じられているということは御承知のとおりだと思います。  それから、車検の期間の延長に伴いまして、いろいろ議論のございました御提案のような話があるわけでございますけれども、私どもといたしましては、この自動車重量税というものの性格が、車検を得ることによって走行が可能になるという地位、あるいは法的な立場というものに着目して課税するという性格のもの、こういうことで従来とも考えておるわけでございますから、税そのものは、三年になったからそれは前払いという性格のものではない、課税の考え方は、先ほど申しましたような地位を獲得する、そこに着目して課税するという考えでございますから、前払いとか、あるいはその和子というふうな考え方はとり得ないところではないかというふうに考えておるわけでございます。  それからあと、分割というふうなお話もございましたけれども、いまの課税の仕組みは、車検を受けましたときに税金をいただくということで、そういう意味では、徴税面あるいは納税者の利便の面から言っても非常にすぐれた制度ではないかというふうに考えておるわけでございまして、仮に分割納付等という形での制度を導入いたしますと、徴税コストの面あるいは税務署の人員の面、さらには納税者の負担という面でいろいろと問題があるのではないか。  いずれにいたしましても、件数が相当多いということでございますから、なかなかむずかしい問題があるということで御理解を賜りたいと思っております。
  119. 沢田広

    沢田委員 以上で終わりますが、頭を冷やして、もう一回考え直して今度は出てくるように、何も人が要るわけじゃないのだから、その程度のことは考えてもらえるように強く要望して、終わります。
  120. 西中清

    西中委員長 午後二時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時二十四分休憩      ――――◇―――――     午後二時二分開議
  121. 西中清

    西中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。竹内猛君。
  122. 竹内猛

    竹内(猛)委員 私は、筑波研究学園の延長線の上に開かれる科学博覧会に関連して、その安全輸送の問題で質問をいたします。  五十四年に概成を見て、筑波研究学園はいまだに人口が十四万という状況でありまして、公務員の宿舎やあるいは諸施設もまだ十分に活用されていない面があります。これは、交通あるいは医療、教育等々を中心とし、さらには定年でやめた後の生活の安定という問題に不安があるということからして、なかなか定着ができない。そういう段階のときに、さらにこれを補完し、補強し、完成への方向として、六十年に国際科学技術博覧会が筑波学園の中で開かれるということは、これは大変ありがたいことであるわけであります。その中で、法案が通って関連する予算もそれぞれ決定をし、附帯事業及び内部の建設等々についても決定をしております。  そこで、国土庁並びに建設省、それから科学技術庁にお伺いをするわけですが、国土庁は、当初の二十万を目標にした学園が、いまだに十四万そこそこで人口が停滞をしているということについて、今後一体、これをどうしたら当初の目的のような方向で町づくりができるのかという点について、これは国土庁にお伺いをしたい。  次いで建設省には、関連事業、科学博覧会についての附帯事業として、当然道路の問題等々になると思いますけれども、それがどのような状況になるのかという点については、建設省からお答えをいただきたい。  それから三つ目は科学技術庁ですが、科学技術庁に関しては、博覧会の担当庁でありますから、現在の予算の中で果たして十分に、理想どおりにできるのかどうかということが一つありますと同時に、この問題を通じて期待をしているように、学園都市というものが、文字どおり研究と、それから居住と、さらには生産もするし、そのほか学者、文化人が住民に協力ができる、こういう都市にするために、どのような役割りを果たすのかという点についても、科学技術庁からお伺いしたい。  以上、三点にわたってお尋ねします。
  123. 久保敏行

    ○久保説明員 お答え申し上げます。  先生指摘なさいましたように、筑波研究学園都市の人口の定着化と申しますか、それから都市化というものが、当初考えられていたようには必ずしも順調に進んでいない点があるわけでございます。  これは主として、予想しておりました関連人口等が張りつかないというようなことによるわけでございますが、国土庁といたしましては、当初の目的が十分に果たされますように、今後、研究学園都市の周辺地区等に、民間企業あるいは民間の研究所を導入するというような施策を講じまして、これに関連して当然、交通でありますとか、生活環境の環境施設の整備というものも必要でございますが、これらを含めまして、研究学園都市が総合的な都市として発展するような施策を、今後とも積極的に進めてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
  124. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 御説明いたします。  科学博にかかわる道路整備につきましては、昨年十一月六日の関係閣僚会議におきまして、昭和五十六年度以降、総事業費三千九百五十五億円に及ぶ関連道路整備計画が決定されたところであります。このうち広域的な幹線道路として、博覧会の開催までに、常磐自動車道を三郷から日立南間、東関東自動車道につきましては成田から大栄間、さらに首都高速道路につきましては足立-三郷線等の供用を図ることといたしております。  また、会場周辺の道路につきましては、約千百八十億円を投じまして、観客の円滑な運送を確保するとともに、関連地域の生活基盤の整備にも資するよう配意しつつ、強力な整備を図っておるところであります。
  125. 藤井崇弘

    ○藤井説明員 国際科学技術博覧会の観客輸送につきましては、総観客数二千万人を目標にしておりまして、そのうち約半分の一千万人を道路輸送で担当するようにしております。  道路整備につきましては、ただいま道路局長の答弁のとおり、鋭意事業を進めて、科学博開催に支障のないよう万全を期しているところでございます。  特に鉄道からの二次輸送の問題がございまして、これはバス輸送を主交通として計画しておるものでございますが、現在科学技術庁で検討が進められていると承知しております。建設省としましては、国鉄常磐線の臨時駅に接続する学園西大通り線から会場への連絡をいたしますが、この学園西大通り線の建設を現存鋭意進めておるところでございます。  なお、この学園都市に関連した新交通システムその他の問題につきましては、今後、事業主体あるいは経常等の諸条件を引き続き検討いたしまして、そして、この学園都市の成長あるいは工業団地の進展などの状況をよく検討して、今後の計画を進めてまいりたいと思っております。
  126. 鈴木和夫

    ○鈴木説明員 お答えいたします。  科学万博につきまして予算の中で計画どおりできるのかという御質問でございますが、現在、会場の建設費といたしまして、全体で四百九十億円の規模で計画しております。これは、博覧会を開催するために必要不可欠な敷地の造成あるいは道路、上下水道、電力といった基礎施設の整備等に要する経費でございます。この資金規模は、会場面積あるいは輸送されます入場者数から見まして、国際博覧会にふさわしい会場を建設するための必要最低限の経費であると考えておりますが、科学技術庁といたしましては、昨今の財政事情等にかんがみまして、この資金規模の枠内で、これまでにない新しい工夫等もこらしまして、「人間・居住・環境と科学技術」というテーマにふさわしい博覧会を開催できますよう、全力を挙げたいと考えている次第でございます。  なお、御指摘のございました筑波研究学園都市の研究の促進、あるいは居住環境等の整備等につきましては、この博覧会を契機といたしまして、この学園都市が、文字どおり科学技術の中心地として育成されるということを期待しておるものでございます。  以上でございます。
  127. 竹内猛

    竹内(猛)委員 いま御説明がありましたけれども、一つは予算の問題です。これは名前を言うことは差し控えますけれども、現に現場で計画をしている皆さんの方からは、たとえば道路あるいは公園、いわゆる環境ですが、会場外の環境の問題にしても、本来ならば木を植えて、四季おりおり、春には芽が出て秋になれば葉が落ちるわけですが、木というのは、常にそのような形でそこに残るわけですね。ところがそこは花も植えなければいけない。花というのはそう長もちはしないということで、木と花ではずいぶん違いがある。そこで、何とかして金をもう少し増してもらえないかという要望がいま現実に出ているわけですね。そういうことが出ている。だから、これからこの仕事をしていく中では、どうしても四百九十億では足りないということが一つ言えると思うのです。  それから一番の問題は、先ほど輸送でお話がありましたように、二千万の観客が六カ月間で見えられる。その二千万を、一千万は鉄道で、一千万はバスでという形になっておりますが、それが牛久新駅から西大通りに道をつくってそれで運ぶ、こういう形になっておりますが、それ自体に非常に疑問がある。非常にむずかしいと言われている。これは可能性が、それだけではどうもうまくいかないということが言われておりますね。ところがそれがうまくいくんだという話もあるけれども、そこでこれを補う意味においても、将来の方向からいっても、何としてもそこにもう一つの方向を考えなければならない。それが新交通システムという形で最近現地でも問題になっているけれども、先ほどお話がありましたが、将来にわたって新交通システムを完成するのはわかるけれども、現に学園内において千五百五十メートルですか、それから、土浦との関係から言えば学園まで行くと十三キロになりますか、こういうところで新交通システムの導入をしてほしい。その架設についての基礎として科学技術庁あるいは科学博覧会に協力してもらえないか、こういう具体的な要請がある。それについては受け入れの主体がないじゃないか、こういう話があります。これらについても、県あるいは地元の市、さらには第三セクターというようなところがありますけれども、これができてこないと、本当の意味において多くの観客の皆さんに十分に輸送のサービスができない。いまから困難ではあるけれども、これをやはり克服しなければならぬだろう、こう思っているわけですけれども、これは科学技術庁の方になると思いますが、これについてはいかがでしょう。
  128. 鈴木和夫

    ○鈴木説明員 お答えいたします。  先生指摘のとおり、臨時駅から会場までの観客輸送の問題でございますが、これにつきましては、過去技術的可能性あるいは資金的な側面、乗務員の確保へあるいは社会的な制約といった諸条件を踏まえて検討いたしてまいりまして、その結果バス輸送ということにしているものでございます。  たとえば観客輸送に八十人乗りの通常のバスを利用すると仮定した場合、最も観客が集中した際には約三百台程度のバスが必要となると想定されております。とのため、パス輸送の実施に当たりましては、たとえば専用レーンの設定であるとか、優先信号の採用あるいはバスの集団走行の実施、さらにはバスの大型化といった、さまざまな工夫が必要であると考えております。  したがいまして、現在博覧会協会におきまして、民間パス会社あるいは関係機関の協力を得まして、具体的な対応策についての検討を行っておるところでございます。この検討結果を踏まえまして適切な措置を講ずることによりまして、臨時駅-会場間の輸送につきましては、バス輸送で十分可能になるというふうに考えておる次第でございます。
  129. 竹内猛

    竹内(猛)委員 まあ可能だとおっしゃるけれども、筑波研究学園に人口が定着しないという理由の中に二つの問題があるんですね、交通問題からいけば。その第一は、東京と学園との間の交通が十分でないということ。それからもう一つは、常磐線から学園の中に入って、その内部が非常に細長くて交通の便利が悪いということ、この二つが交通上から問題があると言える。そのほか、さっき言ったように医療とかあるいは教育の問題がありますけれども、それはさておくとして。  そこで、この科学博覧会というもので二千万の人々が観客として来られる。それを新牛久駅で受けとめようとする。新牛久駅というものは、国鉄の話によると、おりる方だけは受けるけれども乗る方はめんどう見ない。終わってしまったらこれは取ってしまうんだ、あとは勝手に地元でやれ、こういう話なんです。そうしますと、将来の展望との関係から言えばまさにこれはないですね。結局それは、博覧会の間だけは駅としては置きますけれども、それが終わってしまえばそこはなくなってしまうというような話ですね。それではせっかく科学技術博覧会をあそこでやった意味がほとんどない、こういうことになるのですね。だから、どうしてもこの際、新交通システムのような方向、それも多くの金をかけるというよりも、神戸のポートライナーのいいところを取り入れて、そしてとりあえずその基礎工事をやり、土浦から花室、花室から会場というところに行けば、将来にわたってもこれは活用できるわけなんだ。そのための資金繰りをどうするかという問題、いろいろあるけれども、恐らく中川長官との間でもかなり話が詰まっていると思うのですが、やはり五十億程度の金をそこに投じて基礎工事、仮設工事をやる、そういうことを考えてもらいたい。現に学園内の一・五キロは事業が認可されているわけだ。だから、そうであればあるほどに、その事業に着手してそれをつなげる工事をやっていく必要があるのではないか。  その新交通システムについても、いままでは土浦―桜村あるいは牛久-矢田部町と、二つのルートから要請がありました。それがこの間七月三十日に、地元の人々の努力によって一本になって、そして新交通システムを推進する懇談会が成立をして、筑波大学の教授陣がそれに参加をしていろいろな意味で協力をしている。そういうような段階のときに、それは将来の問題だということではなくて、現実の問題としてこれを取り上げていくということが、むしろ万遺憾なく科学技術博覧会を成功させる道に通ずる。どうせ将来やるのであれば、いまのうちにこれを努力する必要がある、こういうぐあいに考えるわけですね。その点については、いまここですぐ答弁できなければ、持ち帰って検討するというような努力はぜひしてほしいと思うのですね。これはどうですか。
  130. 依田和夫

    ○依田説明員 先生の御質問に十分お答えできる自信はございませんけれども状況を若干御説明申し上げたいと思います。  御指摘にございましたように、筑波研究学園都市に関連した新交通システムにつきましては、昭和五十三年度から、中心部約一・五キロメートルの区間につきまして事業化されているところでございます。しかし、その後の経営見通し等に問題がございまして、今日まで調査段階を出ていない状況でございます。  一方、科学技術博の観客輸送対策といたしましては、常磐線の臨時駅からのバス輸送に対応すべく、学園西大通り線延伸の事業を実施しているところでございまして、これは博覧会開催時までに予定どおり完成できる見通しでございますが、新交通システムに関しましては、現段階では、科学博対策としての関連事業には含まれていない状況でございます。  今後の問題といたしましてでありますが、導入のために必要ないろいろな条件がございます。これらの条件が整いました場合には、建設省といたしましても応分の協力はすべきものと考えております。  以上でございます。
  131. 竹内猛

    竹内(猛)委員 国土庁の方でも、国土庁が五十六年に出した「筑波研究学園の現状」の中の三ページ、五ページ等には、やはり新交通システムというものを東京都との関係、常磐線の関係で大きな要素として挙げておりますね。こういうものは、条件が整うということと整わせるという問題があるでしょう。人間が出入りしなかったらいつまでたっても条件は整わない。だから条件を整えるためには、どうしても便利をよくしてやるということの方が先なんだよ。待っていたらいつまでたってもどうにもならないでしょう。だからこの機会に条件をつくってやるというのが、それが行政じゃないですか。せっかくそういうものをつくって、住宅は約八千戸つくった。公務員の住宅は八%あいているでしょう。それから施設も、二十万人の施設をつくって十四万人しか入っていないから、かなりあいているのですよ。そういうむだなことをして、今度は条件が整うまで待つといったら、一体どうなるのですか。これは新交通システムの中で、とにかく土浦から一遍入れて、便利をよくして、人をそこへ定着させる、それで採算がとれるように指導するというのが行政の仕事じゃないですか。当然そういうふうに考えるべきでしょう。書類の中にばかりあって、この中にだってちゃんとある、こういう書類の中にはあるけれども、いつからやるとは確かに書いてない。ないけれども、条件の整うのを待つということだったら、いつまでたってもだめですよ。一体いつになったら二十万になるのです。その点はどうですか。
  132. 久保敏行

    ○久保説明員 お答えいたします。  いつになったら人口が計画どおりになるかというようなことでございますが、先ほど御説明いたしましたように、現状では残念ながらそこまでいっておりませんので、周辺地区に民間企業等を導入していこうじゃないか、こういう施策をやっておるところでございます。  問題になっております科学技術博覧会の跡地につきましても、これは博覧会が終わりましたら工業団地になる予定でございまして、そうすれば工業が進出してそれに伴う関連人口もふえてくるであろう、こういうようなことでございます。必ずしもこの博覧会の跡地の工業団地一つですぐ二十万になるというものでもございませんので、周辺の開発をさらに適地を見つけて数多くやっていくということが必要であろうかと思います。したがいまして相当の年数はかかるのではないか、このように考えておるわけでございますが、年数はかかったにいたしましても、所期の目的を達するように努力をしてまいりたい、このように考えておるわけでございます。  したがいまして、新交通の問題につきましても、そういう段階になればある程度条件が整うということになろうかと思いますけれども、現状ではなかなか容易でない、こういう段階だと認識しております。
  133. 鈴木和夫

    ○鈴木説明員 科学技術庁の方でお答えいたします。  新交通システムの導入の問題でございますが、先ほど申し上げましたように、臨時駅と会場間の輸送につきましては、博覧会の開催のためにはバス輸送というふうに考えております。これはいろいろ検討した結果、これが交通機関として最適ではないかという結論を得たものでございます。  先生指摘の新交通システムにつきましては、科学万博の開催に直接的には必要であるとは考えにくいのでございますが、この科学万博の開催が契機となりまして、新交通システムの導入を含めて筑波研究学園都市の熟成、これを願います地元の御熱意の実現に貢献するということができれば、非常に幸いであるというふうに考えておる次第でございます。
  134. 竹内猛

    竹内(猛)委員 これは先ほど建設省からもお答えがあったわけですけれども、それぞれ皆関係があるわけだから、これは要請をしておきたいわけですが、すでに地元の体制、いわゆる受け入れる主体というものがまだはっきりしないじゃないかという話は確かにありますね。先般の会合を見ても、県が出てきたり、関係八カ町村が出たり、第三セクターは出てきていないけれども、それに関連をする県や、市町村や、あるいは地元もそれぞれ出てきているわけですから、いずれにしてもこの問題を避けて通るわけにはいかないと思うのです。  だから、いつの時点でこれを踏み切っていくのかという問題は、それは確かに検討の余地はあるにしても、この科学万博というものを一つの契機にしてこれを踏み切っていくということが必要じゃないか、どうしてもそういうふうに考えられる。  ただいままで、パス輸送というものにかなり確信があるようにおっしゃられるが、まだ現地の方ではほとんどこのバス輸送についての納得はしていない。皆さんだけが納得している。そして道路の問題にしても、いままで現に通行している人間がいて、その上に何万人かの人たちが、多いときには二十万くらいの人がおりるということになれば、大混乱することは明らかだ。だから、もう少し便利のいい形のものを採用してほしいということは偽らない要望であります。  きょうはここで多くのことを言う時間がないけれども、とりあえず現地の声というものと、そしていま、七月三十日の段階で少なくとも八カ町村なり、筑波大学なり、あるいは、県はかなり慎重ですけれども、慎重であるとはいえ、知事を立てていまから要請が始まるわけです。こういう運動が起こっている段階だけに、中央においてもこれを、科学万博が終わってからということではなくて、それとの関連でこの問題について対応をしてほしい、検討をしてほしいということについて、関係者からもう一度お答えをいただきたいと思うのです。
  135. 鈴木和夫

    ○鈴木説明員 科学万博の開催担当といたしましては、地元の御熱意あるいは御協力をお願いすることでございますが、全力を挙げて科学万博の成功ができますように持っていきたいというふうに考えております。  したがいまして、これからも、関係機関あるいは民間等も含めまして御協力をいただけるような方法でやっていきたいというふうに考えております。
  136. 竹内猛

    竹内(猛)委員 この問題はいずれまた次の段階で質疑もしていくし、報告もしていただきまずから、次に移ります。  次の問題は、常磐線そのものの輸送力の問題ですが、十月から取手までは地下鉄が乗り入れて複々線になる。これは八年と百二十数億の金をかけて利根川に橋をかけたのですね。ところが、それから先の方は電流の関係からいってなかなか複々線がむずかしい。それは、柿岡に気象庁の地磁気観測所というものがある。この問題についてはすでに県議会においても、しばしば地磁気観測所の移転の問題で質疑があったし、国会でも私は何回か質問しましたが、常に答弁は、七十年間の長い歴史を持っているのだ、そしてそこには蓄積された資料がある、国際的な関係もあってと、こういうような答弁をされると、これは神聖にして侵せるものではないんだという考え方を持ってしまって、それ以上だれも突っ込んでいかない。いろいろ調べてみると、七十年の資料がどんなものであるかわからないのですね、これは。そういうことで、これでは地域の開発とそして住民の福祉との関係から言えば、大変どうも迷惑な話になっている。お互いに迷惑ですから、これについて私どもはいろいろと検討した結果、これはもっと親切に、七十年の歴史というものは一体どういうものであるのか、何が一体非常に重要なものであるのかというようなことを、地域の人々と話し合いをする機会というものがぜひ必要だ、こう思うのですね。  そこで先般来、県議会あるいは地元の市町村、そして筑波大学の地球物理学の教授たちと話をしてみると、これは一定の条件のもとには移すこともできるし、また再検討も必要だ。特に、昭和二十八年に擾乱の委員会が設けられて、三十一年に一応の結論が出ている。それから二十五年、四半世紀がたっているわけですね。その間にコンピューターもできているし、あるいはロケットも飛ぶというような段階になると、いつまでもいつまでも七十年前のそういうものに固執をすることもどうかなというふうに思っている。そしてやはり、そこを輸送力を強化をしていくということは、これはまた東京と学園との距離を縮めることにもなるし、その辺の地域の発展開発には大いに役に立つということでありますから、この点は特に、その後どういうふうに変化をしたか、その点についてお伺いをしたい。
  137. 内田英治

    内田(英)説明員 お答え申し上げます。  先生指摘の地磁気観測所の件でございますが、気象庁としましてもその対応はこれを真剣に考えておりまして、技術的な検討を行っているわけでございますけれども、いま先生から御指摘のありましたように、茨城県に地磁気観測所問題研究会というのが発足する予定になっておるのでございまして、そして、気象庁もこれに積極的に参加することを考えておる次第でございます。  その会議におきまして、先般問題になっております地域開発の問題と、地磁気観測ということの共存可能な条件など、こういうものが一体何であろうかということを協議いたしまして、地元の理解とコンセンサスを十分取りつけていきたい、そのように努力していきたい、こう考えている次第でございます。  以上でございます。     〔委員長退席、浜野委員長代理着席〕
  138. 竹内猛

    竹内(猛)委員 いま内田事官の方から大変前向きの話がありましたけれども、いままではそういうような話はほとんどなかったのですね。行って質問すると門を閉じてしまって、古い歴史と国際問題であるというようなことで常に逃げられてしまった。今度は地磁気観測所問題の研究会を一緒にやるということになれば、これは大変前向きだと思うのですね。ぜひこれは県、地元、そして通勤者も含めた、そういう人々も入れた幅のある会議にして、住民の皆さんに十分に理解をしてもらいたいと思うのですね。そして、なぜ移すことができないのか、あるいは移すとすればどういう条件が必要なのか、あるいは何が大事なのか、こういうようないろいろな問題について十分に話をするような、そういう機会をつくって、それを、たとえばマスコミなんかも交えて、その都度その都度確実な報道をしていかないと、これは大変誤解を招いている向きもあるし、私も大変誤解をしているうちの一人ですから、何とか移したいという方向に物を考えている者の一人ですから、これは常磐線の輸送力を強化する、そして複々線にしていくという意味において、国鉄の方でもこれについてきわめて単純な答弁しかしてくれない、あれはもうどうにもならないのだ、金がかかってしようがないんだ、こういうようなことで、国鉄自身も中へ突っ込んだことはなかったのですが、初めてそういうものを発足するということが出たことは前向きですから、ぜひやってほしい。  大体いつごろこれは出発させる予定ですか。
  139. 内田英治

    内田(英)説明員 お答えいたします。  茨城県の方でいろいろ計画をしておりまして、実は七月の終わりごろのつもりでおったらしいのですがいま延びているのでございますが、ごく近々発足するはずでございます。それには一生懸命積極的に当庁も参加したいと思っております。
  140. 竹内猛

    竹内(猛)委員 では、これで終わります。
  141. 浜野剛

    浜野委員長代理 草川昭三君。     〔浜野委員長代理退席、委員長着席〕
  142. 草川昭三

    草川委員 公明党・国民会議草川昭三であります。  本日は、たくさんの問題があるわけでございますけれども、交通遺児学生の会の皆様方の要望の問題を中心に、関係省庁に問題提起をしたい、こう思うわけであります。  特に、この交通遺児学生の会というのは交通遺児の大学生の方が多いわけでありますけれども、それぞれ家庭の中で、育ち盛りの中、交通事故で、父親を亡くすあるいは母親を亡くす、こういう方々炉多いわけであります。さらにその上に、自分たちのきょうだいが悲惨な交通事故に犠牲になっておる。こういう方々中心になりまして、一昨年このような会ができて、たくさんの要望があるわけでありますけれども、特に高スピードの自動二輪車あるいは原付車に対する免許の実技試験の導入、あるいは免許年齢の引き上げ、とにかく今日の災害の基本的な問題点の要求が出ておるわけであります。  また、ちなみに警察庁のいろいろな統計資料等を拝見いたしましても、最近交通事故発生も、残念でございますけれども、対前年度に比べると非常にふえておるというような数字が出ておるわけでございます。私どもも、このような交通遺児学生の会からの、関係方面に対するいろいろな救済策についての要望書の提出に、少しでもこたえていく方法はないだろうかというので、きょうの質問に相なったわけでございますけれども、まず最近の自動二輪車あるいはまた原付車等の事故の現状というのはどうなっておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
  143. 久本禮一

    ○久本政府委員 最近の交通事故発生状況、特に二輪、原付の状況について御説明を申し上げます。  本年の上半期、六号末の交通事故発生状況は、件数が二十三万三千五百九十二件、死者が四千百七十四人、負傷者二十九万四百五十七人ということでございまして、これは前年に比べまして発生件数が六千七百五十七件、三%の増、死者が二百四十名で六・一%の増、負傷者が五千三百二人で一・九%と、それぞれ増加をしているという厳しい現状でございます。  特に死者の中で、原付自転車に乗車中であった人の数は四百四十三名でございまして、前年同期に比べますと九十九人、二八・八%増加をしているという現状でございます。  なお、自動二輪乗車中の死者につきましては同期間中五百七名でございまして、前年同期に比べて百三十六名、三六・七%増加したということで、これまた大変厳しい状況であるというのが最近の事故の概況でございます。
  144. 草川昭三

    草川委員 わかる範囲内で結構でございますけれども、その中で特に五十cc以下の原付自転車の事故発生でございますけれども、いまの自動二輪の中に当然これが含まれておると思うわけでございますけれども、その中でスピードの出し過ぎというのでしょうか、そのような事故の割合というのはどの程度になっておるのか、わかればお聞かせ願いたいと思います。  同時にまた、これは通産省になりますか運輸省になりますか、どちらでも結構でございますが、いわゆる保有台数、現益市販をされて保有をされておる五十cc以下の原付自転車と称せられるものの数はいかほどなのか、これもお聞かせ願いたいと思います。
  145. 久本禮一

    ○久本政府委員 ただいま申し上げました報告の中の原付自転車というのが、先生指摘の五十cc以下のものでございます。  それで違反の関係でございますが、第一当事者としての死亡事故の違反別、これの中でスピード違反というものを申し上げますと、自動二輪による死者の中では、三百九十五名のうち二百一名が最高速度違反であるということでございます。それから原付自転車につきましては、三百名のうち三十九各が最高速度違反であるというのが実情でございます。
  146. 宇野則義

    ○宇野政府委員 原動機付自転車の保有台数についてお答えいたします。  五十七年三月末現在、排気量が五十cc以下の第一種原動機付自転車、この保有台数は全国で約千百三十四万台となっておりまして、前年度に比べて約一四%の増加になっております。
  147. 草川昭三

    草川委員 いま全国で千百三十四万台であり、その数が一四%ふえてきた。しかも、いま警察庁等のお話によりますと、スピードによる事故が非常に多い、しかもこれもまた前年度からふえている、こういうことになっているわけですが、まさしくこの点にこそ、交通遺児学生の会の、高スピードの原付車をつくるのをやめてもらいたいという切実な抗議と要求を裏づけすることが、いまここで明らかになっておるわけであります。  そこでもう一風警察庁にお伺いしますが、道交法によると、原付自転車の法定最高速度というのは何キロを指すわけでございますか。
  148. 久本禮一

    ○久本政府委員 原動機付自転車は、法令上最高速度は三十キロ毎時以下でございます。  それから、ちょっと追加でございますが、先ほどのお答えの中で、原付と自動二輪車の最高速度違反の数字を人と申し上げましたが、実はこれは件数でございますので、件と御承知いただきたいと思います。失礼いたしました。
  149. 草川昭三

    草川委員 三十キロ以内でいわゆる原付自転車がバタバタと走っておれば、それなりの利用ということについてはわれわれも社会的に認知できると思うのでありますけれども、私どもが警視庁あるいは警察庁等の資料等を拝見いたしておりますと、最近は原付自転車も百キロぐらいの性能があるというように言われております。それで通常七、八十キロ、私どもも車を運転しておりますからよくわかっておるわけでありますけれども、六十、七十、八十はざらにスピードを出しておるわけでありますし、昔のように原付自転車という言葉では表現できないように、最近は非常にスマートなものになっておりますし、カラフルになっておりますし、若者のある程度のアイドルに、この原付自転車というものが大量に市販をされております。  私どもも、地元へ帰りまして、最近目立っておりますのは、小さな自転車屋さんが、いま申し上げるような原付自転車を店頭に華々しく飾っておることも見るわけでありますし、ポスター等も非常に若い、しかも低年齢層に魅力のあるポスター等が張られておるわけでありますけれども、このままいくと、私は、この原付自転車というのはこれから非常に大量に増産をされていく可能性があると思うのです。  そこで、これは若者をあおっていくメーカーにも非常に問題があると私は思うのですけれども、メーカーということになりますとこれは通商産業省になると思うのですけれども、ひとつ現実を謙虚に直視をして、社会的な責任というものの立場の中から、今後も高スピード原付車というものをつくらなければいけないと通産省は思うのか、あるいは法令上三十キロというような限界があるならば、たとえば登坂能力、坂で三十キロでは走れませんから、そのときには馬力アップで五十キロとかという程度のところで抑える、まさしく目で見てわかる原付自転車の範囲内にとどめるべきではないか、こう思うのですが、通産省としてはどのように考えられますか。
  150. 高瀬和夫

    ○高瀬説明員 通産省といたしましても、従来から、ただいま問題になっております原付二輪車、いろいろな批判がある、問題があるということは認識しておりまして、いままでも、たとえば速度、性能等につきまして無用な競争を避けるべきであるという観的から、二輪車メーカーに対しまして、速度、性能の現状凍結を指導してまいっております。また、技能講習会の開催でございますとか、あるいはテレビ、新聞、雑誌等マスコミの手段を通じまして、安全確保のためにPR活動を積極的にやっていただくというふうな面でも、各メーカーに要請をいたしてきておるところでございます。  なお、御指摘のとおりいろいろ問題もあるということでございますので、今後につきましても必要なメーカーに対する働きかけは続けてまいりたい。  ただ、その場合に、やはり今後の対応策の前提といたしまして、事故原因の分析結果をよく踏まえること、またそれから、既存の法規制との整合性も考える必要がございますので、こういった点につきましては、関係省庁とも相談いたしまして、これからの対応については考えてまいりたいというふうに考えております。
  151. 草川昭三

    草川委員 メーカーの方は通産省に仕様書を出しておると思うのですけれども、最高スピードというもの、最高速力というものをどのようなスピード、たとえば八十なのか百なのか、どの辺で申請していますか。仕様書にはそのような申請はないのですか。
  152. 高瀬和夫

    ○高瀬説明員 ただいま御指摘の仕様書には、通産省に提出される書類には、最高速度についての記載はございません。
  153. 草川昭三

    草川委員 そこで、いま通産省の方から答弁があったわけでありますし、二輪車の安全対策について、通産省の方としてはメーカーに指導しておることは事実であります。これはもうここでよくわかっておりますけれども、問題は、日本自動車工業会の中で川重、鈴木、本田、ヤマハの四社が二輪車メーカーだと言われるのですけれども、販売店に原付車の安全運転指導徹底方というのを、要望を出しておることは出しておるのですね。それで講習会をやれ、講習会をやって多大な成果を上げておるというんですけれども、成果が上がっていないわけですね。ですから、これはメーカーにもっと本来の、無用な速度、性能を競争するべきではないということを一段と強めて、少なくとも法定速度は三十キロだよ、だからそれを前提に物をつくるべきだというような、一歩踏み込んだ指導というのはできませんか。現実にメーカーは、法定速度が三十キロと定められておるにもかかわらず、五十ccを超えたというような宣伝文句をポスターなりテレビに使っておるわけですよ。五十ccを超えたというようなのは、間接的に、三十キロではないですよ、五十キロですよ、八十キロですよ、ときには百キロ出るんですよ、かっこういいんですよ、だから乗りなさいよ、と言わんばかりの宣伝をしておるわけであります。だから、業界全体としても、通産省の指導にあるように、テレビ等マスコミでユーザーに安全運転を呼びかけろと言っているのですけれども、マスコミでは五十ccを超えたという宣伝をしておるわけですよ。この点はいま一歩突っ込んだ指導ができないのかどうか、お伺いします。
  154. 高瀬和夫

    ○高瀬説明員 私どもは、ただいま先生指摘のような宣伝を、メーカーが積極的にやっているという事実をまだ把握していないのでございますが、早急にその事実関係を調べまして、必要な措置はとりたいと思います。
  155. 草川昭三

    草川委員 ぜひお願いをしますが、もう一つここで運輸省にお伺いをしなければいかぬわけですが、運輸省ではいわゆる道路運送車両法で保安基準というものがあるわけですね。この保安基準ではこれが対象にならない。保安基準というのは、型式だとかあるいはシートベルトだとかいろいろなことなので、対象にならぬと言いますが、私は、道路運送車両法の保安基準にまさしくいまのような問題点はなるのではないか、こう思うのですよ。  だから少なくとも、従来の運輸省の頭の中にある保安基準というのをこの際抜本的に切りかえて、たとえば性能等についても、cc、排気量で考えるべきなのか、あるいはヨーロッパ等で採用されておるように馬力で一つの基準を考えるべきなのか、少し基本的に見直すべき時期に来ていると私は思うのです。運輸省はいまの質問に対する考え方はどうですか。
  156. 宇野則義

    ○宇野政府委員 運輸省といたしましては、ただいま先生指摘のように、原付自転車の構造基準というものを規則で定めておるわけでございます。  ただいま先生指摘のように、この安全基準の中で排気量あるいは馬力等が抑えられるのではないかという御意見、御質問があったわけでございますけれども、私ども、いままでの考え方としましては、安全基準はそれぞれの車、二輪車なりあるいは四輪車なりが、その姿においてどういうふうに安全でなければならないかということで、基準をつくっておるわけでございます。  ちなみに原動機付自転車について申し上げますならば、ブレーキの装置がどうでなければならない、あるいはヘッドライトあるいは尾灯、こういうものを含めました灯火関係が備えつけられていなければいけないとか、あるいはスピードメーターが備えつけられていなければいけない、こういうような構造上の基準を定めておるわけでございます。  先ほど来御質疑が出ておりますけれども、この第一種を中心にいたしました原動機付自転車の事故の増加ということにつきましては、私どもも非常に重大な関心を持っておるところでございまして、今後どういう形でこのような車の基準というものを考えていったらいいのか、検討することも必要ではないかというふうに考えております。  さらに、安全基準につきましては私どもも常に見直しをするということで、これも先生御承知のように、四輪車につきましては、長期の計画を立てまして、逐次内容を充実していきたいということで、現在いろいろな検討をしておる最中でございます。  こういう二輪車につきましても、ハードな面での車の構造の問題、あるいはソフトの面での運転の仕方等いろいろな環境の問題もございますが、関係の省庁とも十分連絡協議をしながら検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
  157. 草川昭三

    草川委員 もう一度宇野さんにお伺いしますが、いま何て言ったんですか。はっきりと見直すと言ったんですか。安全基準なりいわゆる二輪車の問題については、ハードな面とソフトの面があるということ、それはわかりましたが、問題は、私がいま指摘をしたことに対して、一歩踏み込んで見直すというのですか、考えるというのですか。もう一度その点についてはっきりしてください。
  158. 宇野則義

    ○宇野政府委員 ただいまお答えいたしましたけれども、第一種原動機付自転車の交通事故の実態につきましては重大な関心を持っておるところでございまして、この原付自転車のあり方につきまして、今後技術的に検討をすべく考えておるわけでございます。
  159. 草川昭三

    草川委員 技術的に検討をするということは、いまのままではいけないということがわかったと思うのですけれども、問題は、事態は一年ごとにものすごい進歩をしていくわけですよ。すごいスピードなんですよ。私は、きょうのこの質問に当たって通産省にも事前のレクをしましたし、総理府にもお伺いをしましたし、警察庁にもお伺いをいたしましたけれども、お互いに、幾らスピードの出る車であったって、運転者が三十キロ以下で走ればいいじゃないかという発想がどこかにあったり、それから通産省の方は、基本的に型式承認は運輸省なんだから、運輸省の方で明確な一つの方針が出れば、メーカーにもしかじか、かくかくのような対応ができるというような御意向があるわけですよ。だから、これはしぼっていきますと、それは警察の方の取り締まり行政の方からもいろいろな御意見があるかもわかりませんが、筋は運輸省道路運送車両法なり保安基準というものを、一歩踏み込んで、三十キロなら三十キロに見合う能力の車をつくれ、そういう基準を早くつくることがこの問題の基本的な解決だと思うのですよ。  大体、私は不満なんですけれども、きょうのこの交通安全特別委員会に、私ども交通遺児学生の会の問題を持ち出しておるのですが、これはまさしく交通安全特別委員会になじむ議題だと私は思うのですよ。なじむ議題だと思うにもかかわらず、運輸省は自動車局長が出てこないというのはおかしいですよ。局長が出てきていろいろな考え方を述べられるべきですよ。大体運輸省は、僕がこの前運輸省の決算委員会で私鉄の問題を取り上げたときにも、鉄道監督局長なり監督局全体が出てこないのですよ。きょうなんかでも、これだけの問題があるならば当然のことながら局長が答弁すべきですよ。しかし、ここに出てきているのは宇野さんしかお見えにならない。宇野さんの方は専門家ですからとやかくは申し上げられませんけれども、これは運輸省そのものの交通事故に対する責任がないということですよ。どんなことがあったってお見えになるべきはずですよ、事前レクがいっているのだから。もしも局長が不在なら、事前にわれわれに、しかじか、かくかくの理由で出れないなら出られないという連絡があるべきですよ。私は整備部長が相手不足だという不遜な、生意気なことは言いませんけれども、少なくとも運輸省は、この特別委員会に対する軽視だと私は思いますよ。どうですか、その点について。いまのことを含めて答弁してください。
  160. 宇野則義

    ○宇野政府委員 お答えいたします。  ただいまお話に出ました道路運送車両法、あるいはそれに関連いたしますところの安全基準等につきまして、自動車のいわゆるハードな面におきます行政の組織の中で私が一応責任者になっておりますので、今回の答弁につきまして私が出席させていただきました。こういうことでございます。
  161. 草川昭三

    草川委員 いや、それはわかっています。わかっていますけれども、私が言いたいのは、問題は技術的な話じゃないですよ。これは精神的な問題もあるし、ポリシーですよ。あるいは逆に言えば、運輸省としての交通事故に対する考え方ですよ。理念なんですよ。もっと大きく言うならば哲学ですよ。だから、現実の対応に運輸省が放置をしておるから交通事故がどんどんふえ、現実に毎日のようにふえているでしょう。統計でそれが示されているわけでしょう。だから、法律で三十キロという制限があるならば、早くそれに見合うようなものにしなければだめよということを運輸省が指導しなければ、そして通産省はそれに応じて、あるいは合議をするかどうか知りませんけれども、メーカーに対して過大な広告はやめろよということが直ちに出てこない限りは、事故なんか減らぬじゃないですか。ふえる一方じゃないですか。  これは総理府にも申し上げなければいけませんけれども、総理府はこういうときのためにあるんですよ。私、きのうも総理府に、おい、総理府って一体何をやるんや、と言って聞いたんですよ。この問題こそ総理府がやってくださいよ。  そして、これはもう時間がありませんから警察庁にもお伺いをしますけれども、これはいろいろな問題もあるけれども、免許年齢の引き上げを考えてもらいたいとか、あるいはテストの点についても実技試験を入れてもらいたいという、これは全く素朴な要求だと私は思うのですよ。これについても、警察庁はすでに申し入れについては承知をしておるから答えてもらわなければいかぬのですけれども、たとえば広い道路でも、この車で右折をする場合には一信で回るんだってね。五十cc以下でも一信で回る。広い二つも三つもある線で、左側から五十ccの小さい車が一信で右へ回るということ自身が、交通事故のもとだと思うのですよ。それで、二信で回るべきじゃないかと私が言ったら、二信で回るとまたこれも左折に巻き込まれるから危ないなんと言うんですよ。これも早急に、五十ccの右折は二信で回るのか一信で回るのか、各府県によっても違うようですけれども、あるいは歩いて渡れというような指導も個人的にはしてみえるような話も聞いたんだけれども、これは重要な話だと思うのですよ。この点、どうでしょうか。
  162. 久本禮一

    ○久本政府委員 確かに原付の利用者の技能の実態から申しますと、原付は道交法上は自動車として扱うわけでございますが、ほかの大型の自動車と同じような方法をとることが果たしていかがであろうかという点は幾つかございます。  おっしゃるとおり、そのような点につきまして多分にいろいろ個人差のばらつきが大きいという点もございますので、各県がそれぞれのところで対応してきたということにも、いままではある程度無理からぬところもございますけれども、これだけ数がふえ、事故も多いという現状の中で、今後どうすべきかという点につきましては、御指摘の点も十分に踏まえまして、今後迅速に対応してまいりたいというように考えております。
  163. 草川昭三

    草川委員 総理府、いままでの質問について答えてください。
  164. 滝田一成

    滝田政府委員 先ほど来お話が出ておりますとおり、ことしに入りましてから特に二輪車関係の交通事故が非常にふえているわけでございまして、そういう情勢を踏まえまして、すでに御報告してございますが、六月七日の交通対策本部におきまして「交通事故防止に関する当面の緊急対策」というものを決定をし、現在実施をしているわけでございます。その中におきまして、申し上げますとおり、交通事故がふえております中の中身が三輪車関係が多いわけでございますので、この二輪単の事故防止対策というものに重点を置きまして、二輪車に対する指導、それから四輪車に対する指導、特に二輪車につきましては、先ほど来お話の出ております講習の徹底強化、こういうものにつきまして現在実施をしているわけでございます。  二輪車にいろいろ問題があることは、もうある程度前からの問題でございます。たとえば昨年中も事故が、死者はちょっと減りましたけれども、しかし、二輪車関係についてだけ見ればふえているわけでございます。しかし車の台数なんかも非常にふえておりますので、事故率などの面から見ますと、年々ある程度減少をしているというような面も見られます。また、年齢につきましても十六歳から十九歳ぐらいの方が多い、これも事実でございますが、また、二十歳から二十四歳ぐらいのところも非常にふえております。また高年者一特に六十歳以上の人の事故なんというものも相当あるようでございます。  いろいろな問題があるわけでございますが、この二輪車の防止対策につきましては、先ほど申しましたとおり緊急対策をいま実施中でございますので、そういうものの推移も見ながら、しかし、御指摘のような問題点があることはもう間違いないことでございますし、道路交通法あるいは道路運送車両法に絡む問題でございますので、関係省庁と連絡を密にしながら対処をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
  165. 草川昭三

    草川委員 室長、私の質問をよく聞いておいててもらわぬと困るのですよ。おたくがこの問題の一番の頂点に立つわけですからね。  それで、事故率が下がると言うのですけれども、絶対数、数がふえているのですから、率で計算したってだめなんですよ、絶対件数はふえているわけですから。そして、いま御指摘があるとおり若い人の事故もふえておるわけですから、これは、先ほどから私が言っておりますように、高スピードの原付は必要ない、日本語で言うまさしく原付自転車の範囲内にとどめておいていただきたいのです。いまのは原付自転車のかっこうをしていないのです、カラフルで。そしてもう明らかにスピードの車ですよ。しかもそれが実技試験がないんだから、だれだって取れますわな。ふえるのはあたりまえなんです。だからメーカーは、売れるからつくるわけですよ。だけれども、売れるからつくるということを早く先取りをするのが行政でしょう。それをやるのは私は総理府だと思うのですよ。だから、運輸省と通産省に、きょうのこの指摘について、早急にやろうじゃないかということを言いなさいよ。どうですか、もう一度答弁をお願いします。
  166. 滝田一成

    滝田政府委員 先ほどもお答えしましたとおり、すでに何回も打ち合わせをした上で、緊急対策の実施をしているわけでございます。もちろん、相当前から学識経験者なども加えながら勉強もいたしておるわけでございます。さらにそういう面につきましては努力を続けてまいりたい、こういうふうに考えております。
  167. 草川昭三

    草川委員 これは宣伝のことも含めて真剣に考えていただきませんと、本当に犠牲者が非常にふえておるわけですし、われわれだっていっこういう運命になるかわかりません。だから、その点だけは慎重の上にも慎重な態度が必要であります。これはわかりやすい対策なんですから、やる気があるならばあすにでもやれる問題でありますから、早急な対応策を立てていただきたい、私はこう思います。  時間が限られておりますので、最後の問題で、同じように自賠責の支払い限度額の引き上げについて、質問をしたいと思います。  これは五十三年の七月に千五百万から二千万までに引き上げられて、まる四年になります。その間の物価の高騰等を考えれば、当然のことながら常識的には引き上げる時期に来ておる、これはどなたも否定しないと思うのです。これは交通安全対策特別委員会等におきましても何回か議論になっておるところでありますけれども、一体その見通しについてどのようにいま考えられるのか。これは、運輸省の方は運輸省の方として基本的な態度もあるでしょうけれども、早く大蔵の方と協議の上、引き上げをすべきじゃないかと思うのです。  これを私は、昨年の運輸の決算委員会の場でも、塩川運輸大臣でございましたけれども、申し上げたわけでございますが、五十七年度の運輸省の概算要求には、国鉄の赤字対策に百二十億でございますか、この自賠責の方から無利子融資等を含めてそういう概算要求が出たのですよね。ところが、五十七年度は結果としては取り下げられておりますけれども、放置するとこれはまた国鉄の赤字にとられますよ。国鉄の赤字のためにわれわれは自賠責を掛けておるわけじゃないのですから、少なくとも自賠責を掛けた以上は、給付の引き上げを早急に図るべき時期が来ておると私は思うのです。これはどのような考え方になっておるか、ひとつ御説明を願いたいと思います。
  168. 熊代健

    熊代説明員 お答えいたします。  ただいま先生おっしゃったように、五十三年の七月に千五百万から二千万に上げた後、四年経過しております。限度額の問題は、おっしゃったような、裁判等におきます賠償額の推移、あるいは物価、賃金といったようなものの上昇を考慮していかなきゃいかぬわけですが、先ほど言われました五十三年の改定は、保険料率を四十四年から基本的には据え置いて、それで事故率が減少する、車がふえるということの中で、保険財政全体の中で限度額を上げてまいったわけでございますが、たまたま五十三年度以降、先ほど来問題になっております事故の減少が頭打ちといいますか弱まった、あるいは車の増加が多少鈍化したというような要素から、保険収支そのものがかなり悪化してまいっております。  先生おっしゃるように、われわれとしましても、この自賠保険制度の持つ意義から考えまして、できるだけ被害者の救済に万全を尽くしていかなきゃいかぬという観点で、ただ、いま申し上げたような状況でございますので、限度額の引き上げが保険料率に響いてくるおそれがあるのではないかというように心配しておりますが、これらを含めまして大蔵省ともよく相談しまして、御趣旨を体しまして検討を進めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  169. 草川昭三

    草川委員 実は、そのためにも、農協の方にでも来ていただいて実情を少しやろう、こう思ったのですが、時間がございませんので、農林省の方には、せっかくおいで願って恐縮なのですけれども質問をいたしません。  そこで、料率にかかるとは言いますけれども、私が先ほど触れたように、日本の今日の財政上から言いますと、特別会計にいろいろと目が移りまして、特別会計の方から流用というようなことも言われてくるわけでありますから、私は、早期にこの問題については運輸省なり大蔵省の決断が必要ではないか、こう思います。ぜひわれわれの言う趣旨に応じて、自賠責の引き上げを要望するわけであります。  それからもう一つ、昨四日参議院において道路運送車両法の改正案が可決、成立しておりますけれども、自家用乗用車の新車については車検期間が延びたわけでありますが、これに対応して自賠責保険の料率というものはどのような数字になっていくのか、これをお伺いしたいと思います。
  170. 田中寿

    ○田中説明員 道路運送車両法の改正に伴いまして、初回目の車検の期間が二年から三年になるということでございます。  現行の自賠責保険料のシステムと申しますのは、先生御存じのとおり車検期間と対応しておりますので、こういう制度に変更がなければ、三年分をちょうだいするということになろうかと思います。  ただ、その場合に、単純に二年分をちょうだいしておりますのを三年分でございますから一・五倍になるか、こういう点につきましては、これは利息相当分もございますし、それからまた、募集に当たるいわゆる社費相当分等の、いわばそういう意味での節減が図られるわけでございますので、そういう点を加味したところで、三年分の保険料を定めるということになろうかと思います。  したがいまして、一・五倍ではなくそれよりも下回ったところで、試算数字ではございますけれども、たとえば一・四に近いところの数字になろうか、こういうふうに思っております。
  171. 草川昭三

    草川委員 一・五でなくて一・四を割るという数字はいま初めて言っていただいたわけで、当然その裏づけとしては、複利計算になるか、あるいは原価の消耗等いろいろなものだと思いますが、ぜひその検討をされておることを早期に発表されたい、こう思うわけであります。  時間が来ましたので、最後に一問、同じくこれも大蔵なり運輸にお伺いをいたしますが、昨日でございますか、いわゆる発表に応じまして自賠責保険、重量税の一括払いの負担軽減ということで、自動車工業会、自工会の方が、自動車重量税なり自賠責保険料のユーザー負担が大きくならないように、支払い方法などの制度改正を政府に求めるという言い方の申し入れをしておるようであります。この発表を、これは運輸省としてどのように受けとめているのか、これを運輸省の方としてもお伺いをしたいと思います。同時に、この検討した内容というのを、ぜひ今国会中にわれわれの方にも報告が行き渡るようお願いをしたい、こう思います。運輸省、どうですか。
  172. 熊代健

    熊代説明員 いまの二年が三年に延びた保険料の支払い方法を、たとえば分割するとかいったようなことのお話かと思いますが、現在車検制度とリンクさせておりまして、強制保険につきましては、付保されているかどうかというチェックをしております。したがいまして、三年に延びた場合に、たとえば一年とか二年というようなことで切りますと、無保険車が必然的に出てくるという問題がございまして、われわれとしてはきわめて困難な問題ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
  173. 草川昭三

    草川委員 そういうことはお互いにわかった上での議論をしておるわけですから、ひとつそれは、いまのような答弁をいつまでも続けないように、知恵を出していただきたいということを強く申し上げまして、質問を終わります。  どうもありがとうございました。
  174. 西中清

    西中委員長 三浦隆君。
  175. 三浦隆

    三浦(隆)委員 台風十号による問題について、お尋ねをしたいと思います。  初めに、道路公団にお尋ねをいたします。ことしの七月、八月の豪雨によりますと、かなり全国的に道路損壊もひどかったようで、この八月四日付の国土庁調査によりましても、七月で二万百八カ所、八月に八千九百三カ所となっているわけですが、特に台風十号によりましての高速道路の被災状況はどうでしょうか、お尋ねいたします。
  176. 戸谷是公

    戸谷参考人 お答え申し上げます。  今回の台風十号によりまして、日本道路公団の管理いたします高速自動車国道におきましては、のり面の崩壊を中心といたしました災害が、東名高速道路ほか七路線におきまして、四十五カ所発生いたしました。  そのため、東名高速道路ほか五路線、四十六区間、これはインターチェンジの間でございますが、四十六区間にわたりまして通行どめを行っておりましたが、本日、八月五日午前零時現在におきましては、中央自動車道の八王子-勝沼間下り線及び阪和自動車道の海南-和歌山間上り線を除き、仮後脚等を完了し、供用を再開しております。
  177. 三浦隆

    三浦(隆)委員 山梨県上野原町の中央高速道路では大変大きな土砂崩れがありまして、通行車両三十台以上も埋没し、死傷者を含め多数の被災者を出したと新聞は伝えております。この事故のこれまでわかりました概要及びこれに対する対策について、お尋ねいたします。
  178. 戸谷是公

    戸谷参考人 お答え申し上げます。  昭和五十七年八月二日午前零時前後に、中央自動車道下り車線、高井戸から五十三・八キロの付近、すなわち相模湖-大月間の上野原バスストップから約二キロ先の付近の切り土のり面で、台風十号によりますまれに見る豪雨のため、幅七十メートルにわたり土砂崩れが発生し、車両三十三台が被害を受けたものでございます。  このため、死亡一名、重傷一名、軽傷四名、被災者七十九名が出たものでございます。
  179. 三浦隆

    三浦(隆)委員 これまた新聞報道によりますと、被災者たちは道路公団に対して、小規模な崩れがあった後の避難誘導の処置に誤りがあった、このため大きな崩れによってさらに被害が広がったと言っております。事実はどうでしょうか。
  180. 戸谷是公

    戸谷参考人 お答え申し上げます。  当時、台風十号の接近に伴いまして、特別巡回中でありました日本道路公団の交通管理隊員は、八月一日午後十一時四十五分ごろ、中央自動車道下り車線、相模湖-大月間の五十二・八キロポスト付近に滞留している車両及び路面への流出土砂を発見し、後続の日本道路公団巡回車二台の乗員とともに、流出土砂や滞留車両の状況の把握、通行者に対する避難の呼びかけ、車両の停止及び反転等の交通整理、日本道路公団大月管理事務所との無線交信等に従事しておりましたところ、約三十分後でありますが、八月二日午前零時十五分ごろ、二回目ののり面土砂崩れが発生いたしました。  直ちに、巡回車の乗員は、付近に避難しておりました通行者をより安全な上野原バスストップに退避させるなど、暴風雨の中で可能な限りの努力をいたしました次第でございます。
  181. 三浦隆

    三浦(隆)委員 といいますものの、土砂崩れの原因では、道路に対する日常の保守点検にもやはり至らなかったところがあったからじゃないかというふうに思いますが、今後、このような自然災害に対して被害を少なくするために、なおどのような対策を立てられておりましょうか。
  182. 戸谷是公

    戸谷参考人 お答えいたします。  日本道路公団におきましては、道路の損傷あるいは異常を県期に発見するため、日常の巡回、通常点検、特別点検、これは二つに分けておりますが、通常点検と申しますのは、道路の上も下も全部歩き回りまして、年に二度ほど詳しく調べる点検でございます。特別点検と申しますのは、梅雨どきであるとか、台風の直前であるとか、そういう時期に必要な都度行う点検でございますが、そのような点検を実施し、また、防災対策工事を計面的に、あるいは必要の都度実施し、道路を常に良好な状態に保つよう努力しておるところでございます。  御指摘の当該個所につきましては、毎日行っております日常巡回のほか、今回は六月十二日及び七月三十日にそれぞれ点検を行いましたが、その際は異常は認められておりませんでした。  今回のような異常降雨に際しましては、「日本道路公団防災業務計画」というものに定められました防災業務を実施することにしておりますが、今後とも、この防災業務を確実かつ強力に実施することが必要であると考えております。なお一層の防災体制の強化に努めてまいります。
  183. 三浦隆

    三浦(隆)委員 中央道は、ことしの暮れに勝沼-甲府昭和間の建設工事を終えて、待望の全線開通を迎えるようでありますので、この際、交通規制の雨量の目安を含めて、しっかりした防災体制をつくっていただきたいと思います。  さて、その次に運輸省港湾局にお尋ねをしたいと思います。  台風十号によりまして東京湾、ことに横浜港の被害が大変出ております。  初めに、台風十号は東京湾の船舶に衝突、流失など大変大きな被害を与えて去ったわけですが、台風が直撃した伊勢湾ではこうした船の大きな事故がなかったと言われますだけに、台風に弱い東京湾といった印象が強く残ります。  そこで、今回の台風によります東京湾の被害状況とともに、台風に弱い東京湾の原因ということについてお尋ねをしたいと思います。
  184. 上村正明

    ○上村説明員 台風十号は、八月二日の午前零時過ぎに知多半島に上陸したわけでございますが、東京湾の沿岸地域にも、その前後から非常に風が吹きました。それで、横浜の気象台の観測によりますと、最大瞬間風速が四十・八メートルも吹いたわけでございます。  まず、御質問の、この風によって東京湾の各港の被害状況がどうであったかということについてお答えいたします。  東京湾の中には木更津港、千葉港、東京港、川崎港、横浜港、横須賀港の六港があるわけでございますけれども、台風十号による港湾関係の施設の被害状況については、各港の港湾管理者からまだ正式な報告が出ておりません。しかし、私どもが各港の港湾管理者に対しまして事情を聴取いたしましたところ、現在調査中でございまして詳細なところは不明であるという回答が返ってきたわけでございますけれども、私が得ました感触では、横浜港と横須賀港を除く四港につきましては被害がない模様でございます。  横須賀港につきましては非常に軽微でございます。  御指摘の横浜港でございますけれども、これにつきましては、港湾施設の被災という観点に限って見ますと、被災の状況は決して大規模とは言えません。しかし、今回の被災が船舶の事故に伴うものであるということが考えられておりまして、これにつきましては、今後しかるべき調査が行われることになると思いますので、その結果によりまして、私ども港湾当局といたしましてやるべきことが明らかになってまいりますれば、積極的に対応したいと思っております。  それから、第二点の伊勢湾との比較についてでございますけれども、先ほど言いましたように、東京湾では、横浜の気象台で観測されましたように、最大瞬間風速が四十・八メートルに達しております。一方伊勢湾では、これは名古屋の気象台の観測でございますけれども、八月一日の二十一時四十分に同じく最大瞬間風速三十一・四メートルを記録しておりまして、同じような湾形をしておりますものの、東京湾の方が伊勢湾に比べて非常に風が強かった、これが原因ではないかと思っております。  ただし、この問題につきましては、専門の海上保安庁等の事故原因の調査を待ってから、正式にはお答えさせていただきたいと思います。
  185. 三浦隆

    三浦(隆)委員 新聞に書かれたところによりますと、横浜港の被害は、わかっただけで概算一億七千万円に上ると、市の港湾局がまとめているようです。いわゆる本牧埠頭、大黒埠頭、海釣り施設の方に被害が出ております。この台風のために東京湾内で沈没した船一、転覆したのが一、いかりが効かずに流れたり衝突したのが計二十隻に上っているとも言われていますし、また十号のような南風、すなわち房総半島からの風は、陸に近い東京・横浜港の船を陸方向へと流しやすい。そして、風が海上を渡る距離が長いほど、風下への波の影響が強まり、横浜港内の船はあおりを強く受け流されやすいのだ、このように伝えております。  そこで、横浜港の本牧埠頭、大黒埠頭、海釣り施設などが被害を受けたのですけれども、これは横浜市としてももちろん手がけるわけでしょうが、これに対して運輸省港湾局として、復旧の見通しはどうなっているでしょうか。
  186. 上村正明

    ○上村説明員 ただいまの御指摘の港湾施設の災害の復旧の見通しでございますが、港湾管理者でございます横浜市の調査結果及びそれに基づきます正式な被害報告を待って考えたいと思いますけれども、一般的に申し上げますと、災害復旧事業は三カ年で行うことを原則としております。ただし、その被害が重大で、ほうっておきますとさらに被害が拡大するとか、その施設が港の機能にとって非常に大きな役割りを果たしているというようなものにつきましては、早期に復旧するように努めたいと考えております。
  187. 三浦隆

    三浦(隆)委員 関連しまして、第六次港湾整備五カ年計画において、本牧、大黒地区等におきます国直轄事業である岸壁建設など、補助事業である道路及び廃棄物護岸建設など、起債事業である埠頭用地造成等の港湾整備事業は、現在どのようになっているでしょうか。
  188. 上村正明

    ○上村説明員 御指摘のように、直轄事業、補助事業といたしまして、港湾整備事業を行っております。そのほかに、荷役機械でございますとか埠頭用地の造成、これは起債事業でやっております。また、港湾整備事業ではございませんけれども、港湾地域におきます埋め立て事業、これにつきましても起債事業でやっているところでございます。  私どもが現在持っております昭和五十六年度からスタートいたします第六次港湾整備五カ年計画におきましては、横浜港におきましては直轄、補助事業合わせまして九百十五億円の投資を考えております。現在、横浜港で整備の重点になっておりますのは、御指摘の大黒地区及び本牧地区でございまして、その地域におきまして十二メ一夕ー岸壁の新設あるいは改良、十メーター岸壁、これは四バースでございますが、その新設等の事業をやっておりますほか、臨港道路の事業あるいは緑地の事業、廃棄物埋め立て護岸等の事業を行うこととしております。  また、起債事業でございますけれども、これにつきましては、五カ年計画といたしまして総額二百八十六億円を考えておりまして、その起債事業といたしまして、埠頭用地の造成、荷役機械の整備等を行ってまいりたいと考えております。
  189. 三浦隆

    三浦(隆)委員 同じく第六次港湾整備五カ年計画におきまして、横浜の都心臨海部総合整備事業におきます埋め立て事業の実施に対しては、どのような配慮がなされているのでしょうか。
  190. 上村正明

    ○上村説明員 ただいま先生がおっしゃいました都、心臨海部総合整備計画、これは、港湾管理者でございます横浜市は「みなとみらい21」ということで、港湾再開発の目玉として今後強力に整備を促進しようと考えているプロジェクトでございますが、この港湾整備五カ年計画の中には、そのうち再開発の土地となりますものを埋め立て事業として考えておるところでございます。それからもう一つ、水際線に面するところでございますけれども、ここに緑地をつくろうということで、その土地をつくるのも埋め立て事業を伴うわけでございます。  これらの事業につきまして、港湾管理者でございます横浜市は、昭和五十八年度におきまして、埋め立て事業としての事業費を要求してきております。  それからまた、緑地整備の事業費についても要求しているところでございます。  港湾局といたしましては、港湾再開発事業というものを推進していくという観点から、これに対しまして前向きに対応していきたいと考えております。
  191. 三浦隆

    三浦(隆)委員 次に、国鉄に対してお尋ねいたします。  台風十号によりまして、静岡県内の富士-富士川間にあります富士川鉄橋が流失したことに関連してです。  初めに、鉄橋危険度は危険が大きい順にA、B、C、Sの四ランクに分かれ、東海道線富士川鉄橋はAランクに属していたようです。流失した鉄橋の橋脚は高さ約十九メートル、設計時には約十一メートルが川床に埋め込まれていたようですが、流失時には川床が低下し、埋め込み部分はわずかに七メートルであったと言われます。今度の流失はこうしたことも原因の一つになったのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
  192. 村上温

    ○村上説明員 富士川の鉄橋の流失で非常に御迷惑をおかけいたしまして申しわけございません。  先生いま御指摘ございましたように、富士川の橋梁が流失したわけでございますが、この橋梁の流失の原因といたしましては、やはり大変に異常な出水、百五十年来とも聞いておりますが、それで橋梁が洗われて、一気に崩れたものだということで考えております。なおまだ水が引きませんので、水が引いてしまってから、さらに詳細に原因を調査したいと考えております。  それで、いま先生が御指摘のように、橋梁がつくられたときから比べて確かに河床が低下してございますが、この河床の低下につきまして、四十二年ごろから五十二年ごろまでブロックで補強してまいりまして、ここ二、三年は若干小康状態を保っておりましたので、通常の大水程度では危険がないということで運行をしてございました。  今回はそれを上回る出水ということで流失したというふうに考えております。
  193. 三浦隆

    三浦(隆)委員 やはり、設計時には十一メートルが河床に埋め込まれて安全だというふうにつくっていて、現に今度崩れたときにはわずか七メートルになっていたというのでは、本当に危ない限りであったというふうに思います。ほかにもこのような事例がたくさんあるのではないかと心配です。  さて、これに対します鉄橋の復旧対策、今後の見通しについてお尋ねをしたいと思います。いつごろ直るのでしょうか。
  194. 村上温

    ○村上説明員 御承知のように、すでに単線で運転をしてございますが、流失いたしました古い鉄橋でございますけれども、水が引きませんと、倒れました古い橋脚、あるいは古いけたがどの辺にあるかということがもう一つ詳細にわかりませんので、その程度によりまして被害程度といいますか、復旧のスピードがかなり変わってまいりますが、常識的には半年程度はかかるのではないかということでございます。
  195. 三浦隆

    三浦(隆)委員 鉄橋につきましては、富士川の場合だけでなくて、両毛線の新前橋と前橋間で橋脚に変状を来し、小海線の野辺山と小海間で橋台変形を来すなどの被害が出ているわけです。  現在全国の鉄橋数は五万四千と言われております。また橋げた数八万二千のうち老朽したもの約五千、橋脚数十三万のうち老朽数約六千と新聞は伝えておるのですが、これらの改修計画は現在どのようになっておるのでしょうか。
  196. 村上温

    ○村上説明員 先生指摘のような橋梁状況でございますが、この橋梁状況がまずどのようにして数値が把握されておりますかと申しますと、全国の鉄道管理局に構造物検査センターというところがございます。そのほかに、保線区というところにも構造物を検査するグループがおりますが、このグループが検査をしました結果、健全度としてA、B、Cというランクづけがあるわけで、もちろんAの中にも非常に老朽度の進んだものとまだ若干の安全なものとがございまして、これらのものからさらに順位をつけて、各年次予算をいただいて取りかえを進めてございます。  橋梁の場合で申しますと、年間、私ども橋梁やトンネルを含めまして土木の防災関係の予算を、五十六年度の例で申しますと五百七十億ばかりの予算をもらっておるわけですけれども、そのうち橋梁につきましては、自前で取りかえるものとそれから河川の改修に伴って取りかえるものがございまして、実績としては上部構を約三百二十連、下部構を約二百七十基取りかえてございます。
  197. 三浦隆

    三浦(隆)委員 これらの老朽した橋やその他に対しましても踏まえて、改修による予算措置というのは現在どのようになっておりますか。
  198. 村上温

    ○村上説明員 ただいま申し上げましたように、予算は、国鉄の工事経費の枠の中の、私ども、土木の防災関係にいただいております予算から、順次取りかえておるわけでございます。  橋梁の場合には、そのほかに、河川の改修に伴いまして川幅が広がってくるとか、深く川床が下がるというようなことで、橋を取りかえます場合には、建設省の河川局の方と折半の負担で取りかえてございます。そしてその金額が、国鉄の自前で取りかえるものと河川改修で取りかえるものと合わせまして、国鉄の出費としては大体年間二百億ずつぐらいで取りかえてございます。
  199. 三浦隆

    三浦(隆)委員 果たして二百億で済むのか大変心配でありますが、そうしますと、この改修がすべてなされるにはどのくらいの年月がかかりますか、そうした予算の措置で。
  200. 村上温

    ○村上説明員 これは先ほどのAクラスというものの中にも程度がございまして、なかなか推定がむずかしいのでございますが、現在把握しております私どもの技術屋の判断として、なるべく早く取りかえたいというようなものを、いま程度の予算規模で取りかえてまいりますと、二十年程度かかるのではないかというふうに考えております。
  201. 三浦隆

    三浦(隆)委員 二十年というのはきわめて長い年月でありまして、日本は毎年のように台風なり豪雨に見舞われるわけですから、それでは直している最中から壊れてしまって、いつまでたっても直らないのじゃないか、そんなことで果たしていいのだろうか。言うならば、二十年かかります、大変のんびりした答えなんですが、そんなことでは本当に不安はとても解消できないというふうな気がいたします。しかし、時間ですので先にいきます。  次に、災害の一般的な問題で、また国鉄にお尋ねをしたいというふうに思います。  それは、輸送機関別輸送人員によりますと、昭和五十四年度におきまして民鉄は百九億二千四百万人を運び、国鉄は六十九億三千百万人です。輸送人員の比率は二十一対十三という形で、圧倒的に民鉄の利用度が高まっているわけです。  これに対して、昭和五十四年版運輸白書によりますと、「昭和五十二年発生自然災害による運輸関係施設の被害」におきましては、民鉄は四億五千七百万円、国鉄は九十六億三千五百万円でありまして、民鉄は国鉄の四・七%、言いかえれば国鉄は民鉄の二十一倍の被害金額を出しているわけであります。輸送人員において民鉄の約半分、被害を受けるときには民鉄の二十一倍ということは、理由はともあれ、赤字をふやす国鉄の現状を示しているものだと思うのですが、いかがでしょうか。
  202. 村上温

    ○村上説明員 先生指摘のような現状にあると思いますが、その原因といたしましては、御承知のように国鉄の線路は、明治五年に開通いたしましてから建設されておりまして、大半が戦前の建設でございます。したがいまして、たとえば七十年以上たっておる線路といいますのは国鉄の場合は三五%あるのですが、私鉄の場合は一七、八%ということでございますし、それから通っております場所が私鉄はほとんど大都会、しかも最近高架化が進んでおるということで、国鉄の場合は全国に張りめぐらされた線路、山合いや谷筋を走るということで、たとえば山間部というところを走っておる線路の比率を調べてみますと、国鉄は五三%ということで半分以上、私鉄の場合は一五%でございまして、これも一つの原因かというふうに考えております。
  203. 三浦隆

    三浦(隆)委員 問題はそうではなくて、たとえば国鉄の運賃全収入に占める人件費、逆にまた、民鉄が収益として上げるものの中に占める人件費を比べた場合に、国鉄は人件費の比重が余りにも多過ぎるために、鉄道あるいは鉄橋、道路、いろんな意味においての、そうした日常の費用というものに金をかけることができない。そんなところが大きな被害を招いているのじゃないかというふうに思いますので、これからの国鉄の姿勢を正していただきたいと思います。  次に、建設省にお尋ねいたします。  先ほど富士川の鉄橋のことについて実は質問したわけでありますが、鉄橋の危険度には、先ほども述べましたようにAランク、Bランク、Cランク、そしてSと、四つのものがあるようです。そうしたことを踏まえて、富士川の場合には、当初十一メートル川床に埋まっていたのが流失のときにはわずかに七メートル、これは明らかにそこの川からの砂利採掘その他、いろんな問題があるように新聞にも指摘されていたんだと思うのですが、この砂利採掘業者に対しては建設省がやはり管理、指導の立場にあろうかと思うのですが、どのような措置をとられていたのでしょうか。
  204. 岸田隆

    ○岸田説明員 お答えいたします。  一般に、河川におきます砂利採取は、河川改修計画上必要となります河道断面の範囲内で、水理上、利水上支障を生じない場合に計画的に採取するよう規制計画を策定の上、許可をしてきているところでございます。  富士川につきましては、昭和四十一年六月に砂利採取規制計画を策定いたしまして、計画的採取を実施してきたところでございますが、富士川の下流部につきましては、昭和四十三年に河口から五キロメートルまでを、また昭和四十九年にはさらに上流部の山梨県境までの十三・九キロメートル、合計十八・九キロメートルを河川砂利採取禁止区間に指定いたしまして、河川管理施設に著しい影響を与えないよう配慮してきたところでございます。
  205. 三浦隆

    三浦(隆)委員 次いで、建設省にお尋ねします。  先ほどの台風十号によって高速自動車道路その他が大変に被害を受けたわけですが、こうした道路公団に対して日常どのような指導をされておるのでしょうか。
  206. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 お答えいたします。  防災対策は道路管理上最も重要な課題でありますので、従来から、道路管理の強化について、また防災対策の推進について、さらに落石等危険個所の点検についてなどの道路局長通達等により、防災対策の推進について指導しておるところでございます。  今回、不幸にしてこのような事故発生いたしましたが、日本道路公団に対して、その被害を最小にとどめるとともに、早急な復旧を図り、本来の高速道路の機能を速やかに回復するよう指示してきたところであります。  今後とも、なお一層の努力をするよう日本道路公団を指導してまいりたいと考えております。
  207. 三浦隆

    三浦(隆)委員 同じような質問なのですが、運輸省は国鉄に対して、今回の台風十号等の被害でどのような指導をされたのでしょうか。
  208. 金田幸二郎

    ○金田説明員 台風十号及びこれに引き続きます豪雨によりまして、国鉄におきましては、非常に広域的な範囲にわたりまして被害を受けまして、大きな輸送障害が生じたということでございまして、異常な降雨ということではございますけれども、非常に残念なことだと考えております。  国鉄におきましては鋭意復旧に努めておるところでございまして、台風等におきまして四十九線区において被害を受けたわけでございますが、現在までに大分復旧してまいりまして、現在七線区不通個所が残っております。  私どもといたしましては、鉄道輸送の公共性というものは非常に高いわけでございまして、できるだけ早く復旧するよう全力を挙げるように指導してまいりたいというふうに考えております。
  209. 三浦隆

    三浦(隆)委員 警察に対してお尋ねいたします。  警察も今回の台風によりまして多くの被害を受けたと思うのですが、その被害状況はどうでしょうか。  また、被害を受けた警察署あるいは交番も多数あったと思うのですが、そうした中で、交通関係の書類その他を踏まえて、文書の管理等はどうなっているのですか、お尋ねをしたいと思います。
  210. 長倉真一

    ○長倉説明員 お答えします。  長崎県の警察の被害につきましては、警察施設、たとえば警察署の派出所、駐在所においても数十カ所、全壊、一部損壊ないしは床上、床下浸水などの被害を受けております。また、警察の通信手段、有線、無線につきましてもかなりの被害を受けております。さらには、警察車両、パトカーなどの車両について水没あるいは流されるというような被害を受けている、こういう状況でございます。  さらに、交通関係の施設でございますが、これにつきましても、たとえば信号機、信号制御の機械が水没したりしまして、かなりの個所について障害を受けている、あるいは道路交通標識、これにつきましても損害を受けている、こういう状況でございます。
  211. 三浦隆

    三浦(隆)委員 全壊をしたなどというと、たとえば交通事故を起こした人によると、その関係書類がどうなっているかというのはきわめて関心を持つところじゃないかと思うのですが、そうした場合でも文書の管理は安全、大丈夫であるというふうにしっかりしていただきたいと思います。  なお、被害を受けた後大変に混乱状況が続いたと思うのですが、そうしたときの町の治安状況というのはどうであったのでしょうか、お尋ねしたいと思います。
  212. 長倉真一

    ○長倉説明員 お答えします。  町の治安状況でございますが、警察活動といたしましては、被害状況を早期に把握してこれに対応する、そうしまして人命の救出救護に当たるということをまず第一の仕事にしております。これにつきましては、当日、大雨あるいは洪水警報が出されて直ちに警備本部を設置し、管下の警察署に対して態勢をとるように指令いたしまして、そして、非常招集をかけまして警備態勢を確立しているということで、直ちに避難誘導、救出救護、こういう人命尊重を第一にしました活動に当たっております。その後は、交通対策あるいは被災地の警戒活動、こういった活動に当たっておりますが、現在のところ警察治安的には特別な問題は起きていない、こういうことでございます。
  213. 三浦隆

    三浦(隆)委員 いま特別な問題は起きていないということで大変よかったと思うのです。とかく混乱のときというのは、どさくさに紛れて窃盗事件その他が起こるのではないかという気がしたのですが、起こらないということはやはり日本国民がそれだけすぐれているというか、そういう異常のときにはむしろ助け合いが出てくるよさがあったと思いますし、またお答えにあったように、警察の方が、自分のうちも大きな被害を受けたにもかかわらず、大変御努力されたことだと思いまして、その点に大いに敬意を表したいと思います。  時間も来たようでございますが、わが国は、とにかく毎年台風、豪雨というものがつきものですから、このような自然災害があっても、より少ない被害で済むような対策が必要です。いわゆる後追い対策とならないように、関係当事者の方にお願いしまして、質問を終わりたいと思います。
  214. 西中清

    西中委員長 次に、辻第一君。
  215. 辻第一

    ○辻(第)委員 私は、今回の台風十号及びその直後の豪雨災害に関連して、質問をいたします。  質問の前に、犠牲を受けられた方の冥福を心から祈り、また被災をされた方に心からお見舞いを申し上げます。  まず、国鉄の問題でお尋ねをいたしますが、今度の台風十号並びに豪雨による国鉄の被害というのは、本当に甚大なものがあると思うわけであります。そのことは、国民の通勤だとか、通学だとか、あるいは旅行だとか、貨物の問題で深刻な事態になったわけでありますが、その上、いわゆるお盆ラッシュを目前に控えているという状況であります。どうしてもここで国民の足を守っていただきたいと思うわけでありますが、安全対策を十分やっていただいて、しかも、できる限り国民の足を守るために御奮闘いただきたいということをまず要望をして、質問に入りたいと思うわけであります。  現在不通となっている区間、それからその原因や状況、そしてその開通の見込みを、簡単にお答えをいただきたいと思います。
  216. 村上温

    ○村上説明員 今回の十号台風豪雨によりまして国鉄の受けました被害は、線区の数で言いますと十号台風が四十七線区、それから豪雨で二線区追加がございまして、四十九線区というふうになってございます。  その後鋭意復旧に努めました結果、現在残っておりますのは七線区ございます。  東の方からまいりますと、両毛線、吾妻線、それから御殿場線、小海線、二俣線、飯田線、名松線ということでございます。  このうち両毛線に関しましては、利根川の鉄橋の被害でございまして、水が引きませんとちょっとめどが立ちませんが、水が引きましたら早急に復旧したいというふうに考えてございます。  それから、名松線を除きます他の線区は、飯田線の場合には地すべりということで、これも地すべりがおさまらないとめどが立ちませんが、そう長くかからずに、長くても一カ月か一カ月半程度で開通させたいというふうに考えております。  名松線の場合は特に山合いの方で被害が非常にひどうございまして、道路の方も不通でございまして被害の全容がまだつかめてないような状況でございまして、これが一番長くかかるのではないかというふうに考えております。  それから、そのほかに単線運転を余儀なくされておる線区がございますが、東海道本線の富士-富士川間と、それから中央本線がございます。  東海道本線の方は、水が引いて橋脚がどの辺に倒れておるかというようなことを調べないとはっきりしたことがわからないのですが、複線に戻すのにあるいは半年ぐらいかかるのではないかというふうに考えております。  それから中央線の方は、これは複線に戻すのにそう時間がかからないで、十日か二週間かあれば複線に戻すことができるというふうに考えております。
  217. 辻第一

    ○辻(第)委員 こういうことを申し上げるのは好ましくないかもわからぬのですけれども、幹線と地方交通線を同じように復旧に努力をしていただきたい。ちょっと言い過ぎたかもわかりませんけれども、お願いをしておきます。  それから、関西線の王寺駅で浸水がありまして、電車が非常にたくさん被害を受けたようでありますが、大体何両ぐらい被害を受けたのか。また、その修理期間はどれぐらいかかるのか。お答えをいただきたいと思います。
  218. 伊東弘敦

    ○伊東説明員 お答えいたします。  冠水いたしました車両は百両でございまして、これをこれから工場に回送いたしまして修理をいたしますけれども、全部が直るにはおよそ二カ月間を要する見込みでございます。
  219. 辻第一

    ○辻(第)委員 その百両の修理に二カ月もかかるということになりますと、後のダイヤを組まれるのに非常な支障を来していると思うわけでありますが、今後の運転計画ですね。まあ、いろいろ段階を追って最終的にもとの正常な状態に戻ると思うのですが、運転計画について、あるいはその運転計画を進められるについて、車両を持ってこられることなどいろいろ対応があろうかと思いますけれども、その点についてお尋ねをいたします。
  220. 茂原弘明

    ○茂原説明員 ただいまお答えしたような状況でございますので、国鉄といたしましては、車両の修繕を持ちまして所定のダイヤに戻す考えでありますが、それまでの間は、近隣の線区の車両を初め隣の大阪鉄道管理局、さらには、先ほど話がありましたように、富士-富士川間は単線運転をしなければならないというふうな問題はあるわけでございますけれども、必要のいかんによっては首都圏からも応援を得るなどいたしまして、可能な限り運転本数を確保していきたいというふうに考えております。  なお、本日のところは、終日で見まして所定輸送力の八割強を確保いたしておりますし、また、十日以内を目途に終日で九割強ぐらいの輸送力まで確保したいということで、現在努力いたしておるところでございます。
  221. 辻第一

    ○辻(第)委員 全面的にはいつごろですか。
  222. 茂原弘明

    ○茂原説明員 先ほどありましたように、車両の修復に一、二カ月ということでございますので、完全にもとに戻るためには九月いっぱいはかかるかと考えております。
  223. 辻第一

    ○辻(第)委員 関西線も一刻も早く回復をするように御努力をいただきたいと思います。  それから、東海道本線については今後どのような段階で運転が再開されていくのか、その点についてお尋ねいたします。
  224. 茂原弘明

    ○茂原説明員 お答えいたします。  御承知のとおり、昨夕方開通したわけでございますけれども、さしあたって、ただいま現在はタブレット方式で運転いたしておるわけでございます。そういうことで一日約九十本ほどの列車しか通せない状況でございます。でございますので、私どもといたしましては、閉塞方式を単線自動方式に切りかえるべく、すでに工事を始めておるわけでございますので、十日過ぎにはそれが使用可能になるかと思います。その場合には、ただいまの九十本の約五割ぐらい列車本数をふやすことが可能ではないかと考えておるわけでございます。  その先につきましては、先ほど答弁がありましたように、複線化が完成いたしませんと所定のダイヤには戻らぬわけでございますので、先ほども申し上げましたとおり、一刻も早く複線化が完成するよう努めてまいりたいと考えております。
  225. 辻第一

    ○辻(第)委員 先ほど三蒲議員が質問をされて重複をするようでありますけれども、富士川の鉄橋の流失の問題についてお尋ねむいたします。  新聞で見ますと、その直前に三列車が通過をしておったということであります。約十七分前ですか貨物列車が通過をする、さらにその二分前にも貨物列車、さらにその七分前、流失した二十五、六分前になるのでしょうか、そのころには団体列車の銀河五一号が通過をしたと書いてあるわけで、私は非常に衝撃を受けたわけであります。  いろいろ新聞や国鉄の方にお尋ねをしたわけでありますが、明治時代にできておった橋脚ということでもありますし、大変古いというのが一つあると私は思うのです。それから、この十七分前に汽車が走った後、この橋梁が危険だということを保安の係員の方が発見されて列車をとめる手だてもされたということでありますが、何人の保安の方が現場で見ておられたのか。それはいかがでしょう。
  226. 村上温

    ○村上説明員 先生の御質問に正確な答弁になるかどうかわかりませんが、全国にたくさん橋がございまして、先ほどの三浦先生のお話でございましたように、最初につくったときよりも川床が下がっている橋がたくさんございます。そういうのは、橋梁のけたの一番下から何メーターのところまで水が来れば危ないかというのを計算で定めてございまして、その水位に来ましたら、まず最初に徐行をし、その次に停止をするということで、この富士川の橋梁の場合にも定めがございまして、橋脚に量水標で数字が書いてございますが、この数字を見て列車をとめるということで、一たん列車をとめて、そして少し水が下がった、これはその辺の判断がかなり問題ないことはないのですが、一たん下がったということで列車を通した、そして再び盛り上がるように急に水が来た、かなり雨の量が激しいということで水位の変化が激しかったのだと想定しておりますが、これはいかんということで連絡をするというときに橋が流失したということで、不幸中の幸いであったと思っておるのですが、富士保線区というのが現地にございまして、富士川以外にもたくさん警戒する個所がございますから、ほとんど総出で徹夜で警戒をしておったということで、たまたまその橋梁を見ておったのがその当時何人であったかということまでは把握しておりません。保線区員がほとんど全員出ておったと判断しております。
  227. 辻第一

    ○辻(第)委員 それでは、話が前後するのですけれども、この富士川の橋梁に対してどのような認識を持っておられたのか。先ほど来お聞きしておりますと、国鉄では健全度でランクをつけておられるようでありますけれども、その健全度にも本当に危険の度合いの高いものと危険の度合いの少ないものとあろうかと思うのですが、この富士川の鉄橋についてはどのような認識を持たれ、またどのような対応をされてきたのか、お答えをいただきたいと思います。
  228. 村上温

    ○村上説明員 富士川の橋梁は、流れました橋は明治四十三年の建設、新しい方の橋は昭和三十一年の建設でございまして、前々から川床が下がっておったということは事実ですが、先ほども三浦先生の御質問に御答弁いたしましたように、全国に検査センターというのがございまして、ほぼ停年川の状態を調べてございます。それで、普通の状態では安全なわけですから、その川の下がった状態に応じてさっきの規制の水位というものを変えまして、大水の来たときには安全なようにすることのほかに、川床が下がり過ぎるということで、昭和四十二、三年ごろから約十年間、ブロックで補強をしてございます。ところが五十四、五年ごろから少し川床が戻り始めた。先ほどの建設省のお話にございますように、砂利の規制もございまして戻り始めたということで、普通程度の大水であれば一応安心であろうと考えておったわけです。しかしながら、何せ古い橋でもあるし、再び川床が下がり始めればブロック補強も必要な橋だということで、できれば近い将来に取りかえの計画を立てたい、大きい河川ですので調査も必要でございますし、河川側との協議も必要でございますので、すでに調査をしておったわけですが、そういうふうな認識でおったわけでございます。
  229. 辻第一

    ○辻(第)委員 近い将来というのはどれくらいですか。
  230. 村上温

    ○村上説明員 予算の都合がございますが、全国にたくさんある橋の中で、少なくとも十本の指の中に入るぐらいの順位には考えておったわけでございます。
  231. 辻第一

    ○辻(第)委員 また、これも重複するわけでありますけれども、全国で橋梁が国鉄のは四万九千ですか、けたで言いますと八万二千連、そのうち五千連が健全度Aですか。それから脚で言いますと、十三万基あるうちの六千基が健全度Aというふうに聞いているわけであります。大変な数であります。一年に大体どの程度橋梁については新しくつくりかえておられたのか、お答えいただきたいと思います。
  232. 村上温

    ○村上説明員 橋梁の取りかえば、自前で取りかえるほかに河川の改修に伴って取りかえるものがございまして、数で言いますと、いまのけたの上部構造の方は、これは最近の年度の実績でございますが、年間約三百二十連ぐらい、それから下部の、橋の橋台、橋脚の方は約二百七十基ぐらいの取りかえでございます。  それから、予算の実績としましては、国鉄の持ち分、河川改修で国鉄の持ち分を含めまして二百億ぐらいでございますが、河川改修で改修します場合にはそのほかに建設省からお金をいただいておりますので、実際の額はもう少し多くなるというような状況でございます。
  233. 辻第一

    ○辻(第)委員 先ほどもお聞きしておりますと、いまの健全度Aを改修するのに二十年ぐらいかかるというふうにも聞いたのですが、健全度Aというのは二十年ぐらい大丈夫というようなものも入っているということですか。
  234. 村上温

    ○村上説明員 Aといいましても非常に幅がございまして、それから悪い個所もいろいろございます。そういうことで、構造物検査センター等で検査を年々行い、最も危なそうなものから取りかえていくわけで、全部二十年も保つかという質問は非常にむずかしい質問でございますが、そういうことで暫定的には、取りかえが追いつかない場合には、先ほど申しましたように、ふだんは大丈夫だけれども大水のときに危ないというものは大水のときにとめる、それから大きい地震のときに危ないというものは大きい地震の後で点検をするというようなこと、それから補修で延命をさせる、たとえば先ほど申しましたように川床をブロックでとめるというようなことで、いずれにしましても、保安に一番危ないものから順次取りかえるということで、二十年かかるからすぐに危険になるということではないように努めるというふうにしておるわけでございます。
  235. 辻第一

    ○辻(第)委員 国鉄の非常に財政的な危機の状況の中ではありますけれども、十分な安全対策をとっていただきたいと強く要望しておきたいと思います。  それでは運輸省に、国鉄の今度の問題の復旧にどのような対応をされるのか、簡明にお答えをいただきたいというふうに思います。
  236. 金田幸二郎

    ○金田説明員 先ほど国鉄からも答弁がございましたように、現在七線区がまだ不通として残っておるわけでございますけれども、これをできるだけ早く復旧させるということが何といっても第一でございまして、全力を尽くして早く復旧するよう督励してまいりたいと思っております。  また、先ほどからいろいろ御議論が出ておりますように、要注意個所といいますか、そういう点につきます点検といいますか監視といいますか、それを強力に行う必要があるわけでございますし、また、何か異常が発見された、あるいはそのような場合におきましては、徐行なり列車の抑止なりというものを適時適切に行っていくという面につきまして指導しまして、安全確保に万全を期してまいりたいというふうに考えております。
  237. 辻第一

    ○辻(第)委員 運輸省としても安全対策に一層御努力をいただきたいと要望して、次の質問に移ります。  次は、道路公団にお尋ねをいたします。  これも、先ほど三浦議員がお尋ねになって重複をするわけでありますが、中央高速道相模湖-大月間で土砂の流出事故があったわけであります。この当該区間でどのような防災体制をとってこられたのか、公団と警察にそれぞれお尋ねをいたします。
  238. 戸谷是公

    戸谷参考人 お答えいたします。  日本道路公団は、道路災害を未然に防止し、被害の拡大を防ぎ、かつ、災害復旧を迅速に行うために、日本道路公団防災業務計画というものを定めております。  この計画におきましては、警戒、緊急及び非常という三段階から成ります防災体制の確立、道路の特別巡回、公安委員会との協議に基づきます交通規制、あるいは災害発生後の各種の対策等を実施することといたしております。  当該区間は、八月一日昼ごろから風雨が激しくなってまいりましたために、午後三時から警戒態勢に入り、情報連絡体制等を強化いたしますとともに、午後六時二十五分より五十キロ速度規制を実施いたしました。その間、パトロールカーによります特別巡回を頻繁に実施してまいってきたわけでございますが、さらに風雨が激しくなってまいりましたので、午後十時に緊急体制に切りかえ、さらに雨量の激しさが加わりましたので、午後十一時二十分より相模湖インター、勝沼インター間の上下線を通行どめにいたしました。
  239. 久本禮一

    ○久本政府委員 高速道路の防災措置につきましては、警察といたしましては、高速道路交通警察隊を各県に配置をいたしております。この隊が、それぞれ道路を所管される道路公団の管理局と協議をいたしまして、交通規制の実施及び指導、取り締まり等その担保に当たっている一方、必要な道路の巡回、あるいは誘導等に当たるということでございます。  当日は、ただいま公団から報告がありましたように、荒天による速度規制を実施をしておりますが、雨が非常に激しくなったということで、十一時二十分に公団の協議を受けまして、道路の全面閉鎖に同意をし、二十三時二十分から規制が実施をされておるということでございまして、その直後二十三時三十分に、大月インターから、山梨県高速道路交通警察隊の大月分駐所所属のパトカー二台を上り線上に発進をさせて、警戒並びに残留車両の排除、避難、救護等に当たらせたところでございます。
  240. 辻第一

    ○辻(第)委員 いま防災体制についてお答えをいただいたわけでありますが、結果としては一人がお亡くなりになる、それから五名の方が重軽傷を負われる、車が三十三台土砂に埋まって、何十人かが被災を受けるというような事故になったわけであります。  そしてまた、新聞の報道によりますと、その被災者ドライバーの方々は、一回目の土砂崩れの後、それから二回目の土砂崩れのときまでの、人身事故なんかが起こるまでの間の誘導の状況というのですか、対応が十分でなかったというふうに道路公団に追及をされているというような記事が載っているわけでありますが、その時点の対応というのはどういうことだったのか、お尋ねをいたします。
  241. 戸谷是公

    戸谷参考人 台風十号の接近に伴いまして、特別巡回中でありました日本道路公団の交通管理隊員は、同日午後十一時四十五分ごろ、中央自動車道下り線五十二・八キロポスト付近に滞留しておりました車両、それから路面への流出土砂を発見し、これは第一次災害、第一次土砂崩落でございますが、後続の日本道路公団の巡回車二台の乗員とともに、流出しております土砂や滞留しております車両の状況の把握、それから通行車に対する避難の呼びかけ、車両の停止及び反転等の交通整理、大月管理事務所との無線交信等に従事しておりましたところ、三十分後の午前零時十五分ごろ、二回目ののり面の土砂崩れが発生したわけでございます。  巡回車の乗員は、直ちに、付近に避難していた通行車をより安全な上野原バスストップに退避させるなどの、あの暴風雨の中では可能な限りの努力をいたした次第でございます。
  242. 辻第一

    ○辻(第)委員 暴風雨の中で本当に大変な御努力をいただいたというふうに思うわけです。しかし、結果としてはやはり一名の方が亡くなる、五名の方が負傷をされるというような人身事故になっているわけであります。被災をされたドライバーの方たちからは、暴風雨の中で御努力されたのだと思うのですが、しかし、適切な誘導でなかったというような指摘があるわけであります。今後、二度と再びこういうことがないように、十分な日ごろからの訓練といいましょうか、対応の研究といいましょうか、そういうものを十分にやっていただきたいということを強く要望いたします。  そして、この中央高速道というのは、全線で見てみますと三分の一が山間部を走る。そこは山を切り開いたカット区間であるというふうに聞いておるわけであります。言うならば、山岳ハイウエーというような状況であろうと思うわけであります。こういう山岳でカット区間が三分の一を占めるというようなところは、今後いろいろと土砂崩れなど問題が出てくるのではないか、こういうふうに考えるわけであります。一層の安全性の確保のための御努力をいただきたい。  また、交通規制の雨量の問題ですね、この目安、こういうものも含めて、一層十分な防災体制をとっていただきたいと強く要望をする次第でございます。  その点について道路公団の所見を承りたいと思います。
  243. 戸谷是公

    戸谷参考人 お答え申し上げます。  このような災害を未然に防止するためには、日ごろから、のり面など道路構造物につきまして、その損傷を早期に発見し対策を講じるための点検、これを充実し、また防災対策工事を計画的に推進していきますとともに、降雨等異常気象時におきましては、定められた防災業務を、確実かつ強力に実施していくことが何よりも必要であろうかと考えております。  今後、このような観点から、なお一層の防災体制の強化に努めてまいりたいと思っております。
  244. 辻第一

    ○辻(第)委員 最後に、建設省としても、このような事故が再びないようにどのように対応されるのか、お答えをいただきたいと思います。
  245. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 お答えいたします。  今回の中央自動車道のような災害については、未然に防止することが第一であると考えております。しかし、不幸にして災害発生した場合には、その被害を最小にとどめるとともに、早急な復旧を図り、本来の高速道路の機能を速やかに回復することも肝要であると考えております。  従来からも、これらの点に諸通達を通じまして道路公団を指導してきたところでございますが、今後とも、なお一層の努力をするよう日本道路公団を指導してまいりたいと考えております。
  246. 辻第一

    ○辻(第)委員 終わります。
  247. 西中清

    西中委員長 次に、伊藤公介君。
  248. 伊藤公介

    伊藤(公)委員 警視庁がまとめられましたことしの上半期の交通事故発生状況等を伺ってまいりますと、死者の数はことしは九千人を超えるということが心配をされているわけであります。特に、同僚議員の御質問にもございましたけれども、最近のオートバイやミニバイクあるいは二輪車の死傷者の数が非常にふえておりまして、いわゆる五十ccのバイクの高性能化の問題、あるいは高等学校などでバイクの通学あるいは免許証の取得についての自主規制、また最近、主婦が利用されて大変人気のありますミニバイク等の無謀な運転の問題が社会問題化しております。  先ほども御議論がありましたけれども、私ども青春時代を振り返ってみますと、最初に免許を取ったのは五十ccの、いまあるかどうかわかりませんが、かつてのカブと言われた原付のバイクでございました。しかし幸いにして、われわれ田舎でありましたから、たんぼに飛び込んだりして命拾いをしたことも記憶をいたしております。しかし、大都市ではなかなかそういうわけにはいかない。  しかも、最近はミニバイクが非常にかっこうよくなりまして、先ほども御答弁がありましたとおり、五十ccで制限速度、最高速度三十キロと言われておりますが、今日では八十キロは出る。かつてわれわれが利用した五十ccのカブでも、たしか七十キロから八十キロは出ていたと思います。そういたしますと、いまはもっと技術が高度になっているわけであります。しかし、業者といいますかメーカーですね、バイクをつくっている方の立場からすれば、よりかっこうよくて、いまふうで、そしてできるだけスピードの出る、これは当然利用者はそういうものを求めるわけでありますから、そういう方向にいくということは、これはいつの時代でも、それをとめることはながなかむずかしいだろうと私は率直に思うのです。  われわれがいま海外に旅行いたしましても、日本の車がヨーロッパやアメリカの高速道路を非常に走っている数が多いように、若者たちや主婦の中にも、日本のオートバイに乗っている人たちが非常にふえております。しかも、店頭では非常に人気がある。なかなかかっこうよくて、しかもスピードがあるということで人気がある、こういうことも事実ではございます。国際競争の中で、日本のそうしたバイクのメーカーが、世界の国々との競争にも打ちかっていかなければならぬという状況も、私たちはわからないわけではありません。しかし、少なくとも日本の国内では、今日悲しい交通戦争の一つの非常に大きな原因になっていることも事実でございます。  また、かつての五十cc、カブというような感覚で、スピードの非常に出る、性能のいいバイクに今日の免許制度で対応できるのかどうなのか。最近の交通事故状況の中に占めるバイクの事故の実態、また、今後どういう形で対応していこうとしているのか。基本的な考え方をまずお伺いいたしたいと思います。
  249. 久本禮一

    ○久本政府委員 お尋ねのように、最近、特にバイクの普及状態が車社会に大きな問題を投じていることは御指摘のとおりでございます。また、こういったバイクの普及が、高性能のものがかなり出ているということで、いまの制度自身が、バイクというのはそれほどすっ飛ばすものではないという前提ででき上がっているという点から、現行制度との間でかなりいろいろきしみを生じているということも御指摘のとおりでございます。この点は、つとに各方面の御指摘もいただいているところでございまして、こういった中でどのようにして安全な車社会を維持していくかという点は、私ども非常に苦慮いたしているところでございます。  結論的に申し上げますと、このミニバイクの問題につきましては、余り遠出をしないで近くを、げたがわりと言うと語弊がございますけれども、かなり手軽に使えるという車に対するニーズと、そういう実態が現実にあるというところに出発をしておりまして、現実にそういう形の利用が多いということも一つの事実でございます。  といたしますと、当面の問題といたしましては、実態と制度の間に生じつつあるいろいろなきしみについて、その実態を十分見ながらその辺の対応を考えると同時に、こういった形の事故を誘発しやすい、未熟な、未経験なドライバーに対しまして、できるだけ徹底した指導あるいは習熟の機会を広範に付与いたしまして、これがどこまで効果があるかということを中心に進めてまいるというのが現実的ではなかろうかと考えておりまして、その辺に最大の力を向けていくという考えでございます。
  250. 伊藤公介

    伊藤(公)委員 私の基本的な考え方を申し上げますと、メーカーに、スピードの出ない、それほどかっこうよくないものをつくれなんということは、言ってもなかなかできることではないと思うのですね。しかし、問題をひとつ整理して、少なくとも事故を減らしていくということに手を打たなければいけない。そういたしますと、いまのように、原付自転車などと言われて、実地の試験がなくて、ペーパーだけで、非常にスピードの出るバイクに実際は乗れるわけですね。若い人たちも乗れるし、主婦の人たちでも現実には乗れる。そして、アクセルを回せば八十キロ出るわけですから、これはやはり七十キロ、八十キロのスピードにも運転技術的にきちっと耐えられる、そういうちゃんとした習練を受けた人たちが乗らなければいけないと思うのですね。  そうすると、メーカーに対するいろいろな行政指導ということも一方では考えられると思いますけれども、一つの新しい技術革新に対応する免許制度の改革が、いまやはり必要とされてきているのではないかなと私は思うのですね。実際にはスピード感についていけないような人たちが、七十キロ、八十キロ出るミニバイクにペーパーだけで乗れるということは、当然即事故につながると私は思うのですけれども、免許制度の改革が、この高性能のミニバイクに対応してもうそろそろ考えられなければいけないのじゃないかと私は思っているわけですけれども、その辺の対応はどうされるのですか。
  251. 久本禮一

    ○久本政府委員 先ほどもその点につきましては若干触れさせていただいたかと思いますが、私、いまの制度がこのままでいいと思っているわけでは決してございません。制度のあり方と現実の車社会の間にかなりきしみが生じているということを申し上げましたのは、その辺の私どもの認識と、ある意味ではいら立ちを申し上げたものでございます。  おっしゃるように、免許制度自体で対応しなければならないという意見もすでに十分ございますし、そういった点についても私ども十分まじめに検討しなければならないと考えております。  ただ、現在のいわゆるミニバイクと申しますか原付自転車というものは、法令上最高制限速度以上を出してはいけないということになっておりまして、確かに性能がよくなっているものが多いことは事実でございますけれども道路交通に出てくる場合におきましては、それは使い方の問題でございまして、やはり使い方を厳密に、制度の趣旨に合ったものとして徹底させるということが、当面の問題としてまず第一に努力されなければならない、それが警察に課せられた当面の責務であると考えておりますので、手順としては、その点につきまして最大の努力をしなければいけないということでございます。  ただ、この問題については、そのまま今後ずっとこのとおりでいけるかどうかという点につきましては、まさに利用の実態と交通事故の実態というものを今後十分慎重に検討いたしまして、その推移によりましてはまた、それぞれ対応した方策を考えていかなければならないという気持ちは十分に持っております。そういった基本的な構えの中で、この問題についてはひとつ十分腰を据えて対応してまいりたいと考えております。
  252. 伊藤公介

    伊藤(公)委員 将来の方向としていろいろお考えをいただくということはよくわかりますけれども、実地の試験がなくて、これだけスピードの出るミニバイクに実際乗れる、そういう免許を与えるわけですからね。そういういまの制度で対応ができるとお考えなんですか。それとも、免許を与えるときにはやはり制度を改革しなければいけないと基本的にお考えになっているのですか。メーカーに対する問題はまた別にして、免許制度の点から考えて、いまの状況でそういう行政指導をいろいろやって対応できるとお考えになっていらっしゃるのか。現実に事故は起きているわけですからね。これはやはり免許制度を変えるべきだとお考えなのですか。基本的なことをちょっとお聞かせください。
  253. 久本禮一

    ○久本政府委員 免許の問題は、これは決して不動なものではございませんので、実態がそうでなくなるということでございますれば、将来の問題としては変えていくという議論は当然起こってくるだろうと思います。  ただ、現在の交通事故の状態というものが免許制度を変えなければ対応できないものであるかどうか、そうしなければどうにもならないという事態であるかどうかという点についての自信は、私どもへ現在のところまだないという状況でございまして、その辺については、先ほど申し上げましたように、こういった車の利用される実態とこれに関連して生ずる事故の実態というものが、どのようにそういった制度改正に結びつくかという点について、なお慎重に検討を経なければいけないのではないかと考えていることを申し上げたところでございます。
  254. 伊藤公介

    伊藤(公)委員 いろいろな省庁にかかわる問題でもありますので、早急にひとつ各省庁で調整をして、この問題に対応していただきたいというふうに思います。  実は私、この問題に非常に強い関心を持ったのは、ことしに入って、具体的に私の個人的なことを申し上げれば、高校生の両親から相談がありまして、学校にバイクに乗ってきてはいかぬという学校の規則があって、しかし、何しろ最近免許を取ってうれしいものですから乗っていた。その前から、取っている免許証は学校に預けなさいと、学校から、全校のところでも二、三回そういう話があったし、クラスの中でも担任の先生が、もし皆さんが免許証を持っていたらちゃんと学校に預けなさい、こういう指導をされていた。君、持っているのじゃないか、ちゃんと出しなさいという個人的な指導はしなかったけれども、クラスと全校のところではそういう指導をしていた。ところが、最近苦労して免許を取ったばかりなものですから、それを学校に出さないでひそかにその子は持っていた。ところが、その友達がこの子のバイクに乗って、学校にそのことがわかってしまって、ほかの子供たちがその子のこともしゃべって、彼だって持っていますよということで、それだけが原因で彼はとうとうその学校を退学になったわけですね。  私はもう少しいろいろな原因があるのじゃないかと思って、学校に行ったわけです。担任の先生も校長先生も、この子は非常に学校の成績もよくて、これだけの問題で退学させるのはどうも、しかしこの子を許せばほかの子も許さなければならないので、残念ながら退学をしてもらうことになりました、こういうことなんですね。  私は、文部省にも来ていただいていると思いますので伺いたいのですが、この免許証を高校で規制をしている実態、そしてそのことによって退学されている人は、私のところだけでこれだけの数があるのですから、これが原因で退学されたという生徒も現実にたくさんいると思うのです。そういう実態をどの程度把握をしているのか。まあ十六歳になれば取れるわけですね。国の法律では乗っていいですよとなっている。しかし学校に言わせると、学校では乗ってはいけない。そして学校の規則が優先で、ある意味では自分の一生を変えるかもしれないという退学に追い込まれた生徒が現実にいるわけですから、これに対して文部省はどういう対応をされるのか。当然これは、文部省も関係省庁の中の重要な一つの省に入ると思いますが、お話を伺いたいと思います。
  255. 森脇英一

    ○森脇説明員 退学の実態については、後ほど高等学校教育課長から御説明させていただくこととしまして、学校では乗ってきてはいけないということでございますとかそういうことについて、私どもの把握しております限りでは、全国の約半数ぐらいの県で、学校、父兄、そして生徒も一部加わりまして、いわゆる「三ない」という形で、「免許を取らない。車を運転しない。買わない。」ということで来ております。  これが、国の法律では許しているのにそういうことはどうかというお話でございますが、こういった、いわゆる管理的指導と申しておりますが、こういった管理的指導を行っております学校におきましても、通学上どうしても必要な場合とか、アルバイト等あるいは家業の手伝い等必要な場合については、個別にその運転についての規制を解除と申しますか、そこまではとめてはいないというふうに承知いたしております。  先生お尋ねの退学にかかわりますことについては、高等学校教育課長から説明させていただきたいと思います。
  256. 中島章夫

    ○中島説明員 退学の問題についてのお尋ねでございます。  いま先生から御指摘がございましたような、学校でつくっております規則に違反をしたということで、オートバイに乗ったことで退学した者の数というのは、実は私どもでも正確な把握はしておりません。  ただ、昨年の退学者数について調べた結果がございまして、その退学理由を、学業不振、病気・死亡、経済的理由、問題行動等、その他の理由というような、幾つかの理由に分けて調べたものがございます。五十四年度のものを各都道府県から出してもらったものでございますが、これによりますと、これは公立高等学校について調べたものでございますが、全日制の場合に問題行動等ということで、恐らく規制違反というようなことでございますと問題行動等という範囲、それからその他の理由というのが複合理由のものでございますので、こういうどっちかの範疇に入ってくるかと思いますが、問題行動等の場合が五千人余りで一五・七%、これは全日制ですが、定時制の場合が千二百人余りで六・九%、合わせまして一二・七%ぐらいが問題行動等で退学になったというふうに数字的には上がってきております。非常に多くの、五割近い数字がその他の理由ということになっておりますので、いま先生指摘がございましたような規則に違反したからということだけで退学をするというケースは、私どもの見ております限り非常に少ないのではないかとは思っておりますけれども、それぞれの学校で、この交通安全対策の問題について非常に深刻に取り組んでいるという学校によりましては、そういうケースがあるのではないかというふうに見ておるところでございます。
  257. 伊藤公介

    伊藤(公)委員 もう少しお聞きしたいことがありましたけれども、私の持ち時間が終わりで、同僚委員方々に御迷惑をかけますので終わりますが、ひとつ子供たちにとりましても大変大事な問題でございますので、教育の問題を含めて、車社会から逃げるのではなくて、やはり時代に即応した法制化、あるいは各省庁の対応を積極的にしていただくように強く要望して、質問を終わります。  どうもあり歩とうございました。      ――――◇―――――
  258. 西中清

    西中委員長 この際、理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い、ただいま理事が一名欠員となっております。その補欠選任を行いたいと存じますが、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  259. 西中清

    西中委員長 御異議なしと認めます。  それでは、理事斎藤実君を指名いたします。      ――――◇―――――
  260. 西中清

    西中委員長 次に、小委員会設置の件についてお諮りいたします。  自転車の安全利用の促進及び自転車駐車場の整備に関する諸問題を調査するため、小委員十三名よりなる自転車駐車場整備等に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  261. 西中清

    西中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  262. 西中清

    西中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  小委員及び小委員長は、追って指名の上、公報をもってお知らせいたします。  なお、小委員及び小委員長辞任の許可並びにその補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  263. 西中清

    西中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、小委員会におきまして参考人の出頭を求める必要が生じた場合、出頭を求めることとし、その手続、人選等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  264. 西中清

    西中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、公報でお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時散会