○水上説明員 例年責任
事故はかなりの件数を発生させておりまして、大変御迷惑をかけて恐縮いたしておるわけでありますが、五十六年度の運転
事故、運転阻害を見ますと、先ほど
先生御
指摘のとおり、かなり件数的には減少してきております。中でも、職員の取り扱い誤りによりますいわゆる責任
事故百四十四件ということで、対前年これも減少はいたしてきておるわけでありますが、ただ、百四十四件という件数は、日割りにいたしますと二日半強で一件という割合になりますし、また
内容的にはかなり問題のある
事故も含まれておるのが
実態でございます。したがいまして、これは引き続き減少に最大の努力を重ねてまいりたいと思っておるところでありますが、いま御
指摘の責任
事故は、職員が定められたルールに違反した行為をしたというのが
原因になっておるものでありまして、当然でありますけれ
ども、職員の一人一人がみずからの職責を認識する、
作業を決められたとおり正しくやるというのが基本でございます。
個々の
事故について分析をいたしますと、決められたとおりにできなかった理由が、技術や知識が欠如しておる、仕事に対する意欲や認識の不足あるいは設備的にも若干改良の余地があるのじゃないかというようないろいろなケースがあるわけでありますが、こういったことに対しまして、明確に業務指示なり、指導をすることの
徹底なり、職員相互の意思疎通を円滑にする、職場内の
教育なり
訓練を充実していく、保安設備あるいは職場環境等の設備をよくいたしまして働きやすい職場をつくるというような、いろいろな
対策を進めてきつつあるわけでありますが、個々の
事故につきましては、私
ども本社の中にもあるいは管理局単位にも
事故防止
対策委員会というのがございまして、定例的に開催をいたしておるわけであります。その中で一件一件、いま申し上げたような、どこに本当の
原因があるかということを分析いたしまして、それなりに
対策を講じ、その推進に当たっておるわけでございますが、いま御
指摘の入れかえ
作業が全体の四一%を占めておるということでございます。これは例年そういう
傾向があるわけでございますが、特にこの入れかえ
事故について見ますと、連絡なり打ち合わせが不十分である、独断で憶測
作業をやった、あるいはなれ合い
作業であるというようなものが大半でございまして、特に入れかえ
作業時における連絡、打ち合わせ、復唱等の
徹底、要注
作業、要注個所の見直し、また、各駅ごとに継電連動化と申しまして設備上、ある一定の縛りをかけるというような
対策を講じてきておるところであります。
五十六年度は特徴的に、いま御
指摘のございました
検査作業の不良というものがかなりの件数を占めておりまして、特にレールとまくら木を結びます締結装置が緩んでいたのが発見できなかったとか、保線
作業をいたしました後十分なバラストを補充しなかったとか、電気
関係で設計図にミスがありましたとか、現場で電気の結線間違いをしたとかいうようなものがかなりの比率を占めたわけでありますが、特にこういった
検査作業不良によるものに対する
対策といたしまして、線路
関係では、張り出しを防ぐために継ぎ目の間隔を適切に保つための基準をきちっとつくり直すとか、バラスト輸送を十分確保いたしますとか、また電気
関係で申しますと、いま申し上げたような
事故をなくすためのマニュアルを
整備いたしまして、計画、設計、施工の各
段階における確実なチェック体制を
徹底する、あるいは技術
教育を進めるということで、細かな
対策を個々の
事故ごとに決めまして、引き続きその減少に努力してまいりたい、かように
考えておるところでございます。