○辻(第)
委員 とても納得できるような話ではありません。この新住法の
趣旨から見てみても、
先ほど申しました施行規則から見てみましても、本当にりっぱな環境の住宅
地域に、白地に墨を投げつけたようなそういう感じがするものであります。もちろん古くからの市街地との関連というものも否定できませんけれ
ども、もっともっと
考えるべきものがあるということであります。ことに、この住宅
地域へ来られた方は奈良県の方もたくさんおられるわけでありますが、
大阪あたりから、本当に空気のきれいな、静かな、よい住宅環境をということで住宅を求めてこられたという方がたくさんおられるわけであります。
局長も御理解いただけると思いますけれ
ども、今日、働く人が住宅を一軒求めるということは大変なことです。しかも、本当にすばらしい住宅環境ということを願ってやっと求めた。しかしまだまだ苦労が続くわけですね。恐らくローンでやっている方もたくさんあると思うのですね。そういう本当にすばらしいところに来たなと思っておった、しかも、この住宅供給公社から、そういう住宅地へそのような大量の通過
交通が予測されるような県道が通るということは知らされていなかったのですね。ですから、ほとんどの人、全部と言っていいくらいの人がびっくりしているわけです。だまされたという感じなんですね。中には
大阪から、子供さんがぜんそくで、空気のきれいな奈良へということで来られたという方もおられるわけです。そういうところへ、このような相当の通過
交通が
考えられる
道路を団地のど真ん中を縦断させるということは、どのようにおっしゃろうと、それはきわめて不合理なものと言わざるを得ないというのが現状だと思います。
しかも、この
道路は、
先ほども
局長が言われましたように、
昭和四十年ごろですか
計画決定をされまして、それから丸山古墳が史跡に指定されたというような
関係で、変更案がつくられたということです。
それから
先ほど、市街地の真ん中の方に入るのを市街地をうんと外れたと言うけれ
ども、そんな感覚を私は持ちません。市街地の真ん中ではありません。かなり外れたところへ、丸山古墳のところでもこれがつくということです。そんなに変わりはありません。その辺はちょっと訂正していただきたいと思うのです。
そういうところへ変更をされて、そして、六月十六日に住民に通知をされた。それがすぐ、七月十三日には橿原市の都市
計画審議会が開かれて決定をされる。この間二回ほど
事務的な
説明があった。住民の意見は十分聞かれないような状態のまま、橿原市の都市
計画審議会が開かれて決定をされ、そして十月十九日には奈良県の都市
計画地方審議会が開かれた。このときには、住民との話し合いということも含めて継続をして審議をするということになったわけであります。ところが、この地元住民の意見をよく聞くということは、県当局と地元住民の間で合意が取りつけられていたのでありますが、県当局は住民に科学的なデータも示さない、また、住民との話し合いを続けている最中に、合意を取りつけないまま、十二月二十五日に、言うならば強行審議、決定というような形になったわけであります。
しかも、
先ほど申しましたように、住宅供給公社は、去年の三月に入居した新しい居住者にも、こんな
道路がつく予定だというようなことは一言も言っていない。もっと古いことを言えば、十年ほど前の案内書には、この地図に袋小路になっているように、こういう
道路が将来通るだろうというような感じのことは全然書いていないのが実態だったのですね。しかもさらに、この
道路が貫通しないかということを確認した住民に対しては、貫通しません、こういうことも言っていたというのが現状であります。しかも、このように住民の話し合いを十分していない、住民の合意というものを踏みにじって強行しようとしている状況であります。まるで、そこのけそこのけ
道路が通るというような感じの問題であります。
最近、私、奈良の
建設省関係のお役所で、これまでの、そこのけそこのけお馬が通る、車が通るという感覚じゃなしに、非常に話し合いをしていただくというような姿勢を感じて喜んでおるのですが、まさにこの県、市の
対応というのは住民合意というようなことを本当に踏みにじっているという現状だと思うのです。どうでしょうか、
局長。このような都市
計画を進めるに当たっては住民との合意というのは本当に重要な問題だと思うのですが、御見解を聞きたいと思います。