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永井委員 その陸揚げされた貨物が、足が短いとかいろんな問題はあると思うのですよ、あると思うのですけれ
ども、港湾施設をつくるときに、もともと鉄道というものを考慮に入れなかったのかどうなのか。どこへ行っても私はそう思うのですけれ
ども、そばまで駅があって、いま
国鉄の貨物のシェアがどんどん落ち込んでいる。一体
国鉄はどうしておるかという経営面でのおしかりを、政府からも
国鉄当局は受けておるはずなんです。世間からも批判されているはずなんです。だから、聞くところによると貨物のヤードもどんどん減っている。近くは、さらにこの貨物のヤードを今年度中に減らす
計画もあるというように聞いているのです。貨物のヤードはどんどん減らし、取扱場所が少なくなっている、だから荷物は
自動車に持っていかざるを得ない、そういう
状況が周囲からつくられて、全体の貨物が落ち込んでいくということもあるのです。ところが、そういう港湾施設をつくるときに、道路はなるほど建設省がつくるのか知らぬけれ
ども、しかし貨物の流通という面から考えて、
運輸行政として
国鉄の問題をそこに意図的に考えていく余地がなかったのか。私は、そういう
行政を続けていく限り、
国鉄の貨物なんて減る一方だと思うのですよ。
だから私は、あえて
運輸大臣に聞いているのでありますが、たとえば、この横浜のいまベイブリッジをつくるところの近くに
高速道路へつなぐ大黒道路をつくってくれ、こういう要求が出てきている。この大黒道路をつくるのに
国鉄の新興駅という貨物駅が邪魔になる、何とかならぬかという陳情を私は地元から受けた。目の前にある貨物の駅が邪魔になるから、何とかそれを、簡単な言葉で言えば、横へどけて道路をつくれという要望なんですよ。その要望する側が悪いとは言いませんよ。しかし、少なくとも、この運輸という
行政をつかさどる
立場からすると、その新興駅をむしろ、コンテナ基地のすぐ隣でありますし、揚がってくるのはコンテナばかりとは限ってないのですから、その駅を活用することを考えてみたらどうか。
ちなみに、このコンテナを扱っている横浜羽沢という駅がありますが、この横浜羽沢という駅は、横浜から陸揚げされるコンテナで言うと、九百六十万トン中わずか九万トンしかそこへ持ち込まれていない。しかもこれは、かなり駅から離れているところに持ち込むようになっているわけですね。すぐそばにある高島という駅は最近はコンテナの取り扱いをやめてしまっている。そうして一般の貨物で言っても、この横浜羽沢では一億二千七百万トンのうちわずか十一万トンしか貨物が運ばれていない。もっと有効に行財政改革を進めるのなら、既設の施設をもっと有効に使うという視点が
運輸省にも
国鉄当局にもあっていいのではないか。
まず
一つは、
運輸省がそういう港湾施設をつくるときに、
国鉄という問題をどういうふうに見つめて扱ってきたのか。
国鉄当局からすればこの種の問題は指をくわえてただ見ているだけか。駅員に貨物のセールスをしてこいと言ったって、なかなかそんなことは思うようにいかないのはわかっているのだから、もっと具体的に、貨物を輸送できるような
立場に立った営業施策を
国鉄当局はとれなかったのかどうなのか。私は港湾を
調査しておりましてつくづくそう感じました。なるほど港湾施設はりっぱになっているけれ
ども、それに付随して道路ができて、
自動車でもって道路を利用して運んでいく、それはいいんだが、このことは
交通事故と密接不可分の
関係にある、大型車ですからね。四十トンを超える大型車が多いんですから。そういう
状況にあって、片っ方では
国鉄が、そばに線路が来ておっても、それは一顧だにもされないということでは、流通を預かる
運輸行政として私はきわめて問題があるんではないかという気がいたしますので、
大臣と
国鉄当局の両方から答えてください。まず
大臣から答えてください。