○瀬崎
委員 答えになっていないのですよ。会計検査院にいた人が、逆に検査される
建設省へ出てくるのをどう思うか、そういうことでは当然なれ合いも出てくる、こういうことを言っているわけなんです。
時間の関係がありますから、
あと私はま止めて、一応今後
建設省が
調査する上で参考になる部分を全部明らかにしておきたいと思います。それは、入札以前に発注先が決定され、かつそれが知らされている例というものはずいぶん挙げておきましたが、それに加える例であります。
資料2の2の上、阿武隈大橋下部工。事務所長面接、所長発言によると千代大橋下部工に廻る公算大、最近阿武隈大橋に飛島の割込があった模様 阿武隈大橋二工区発注一五億」一工区についてでしょう。「千代大橋は工事費はそれより上廻る模様、局長、事務所長の線で既に或る程度の内定がある模様」この所長発言のとおりへ阿武隈大橋下部第二工事は「五十四年三月九日、二億二千八百七十万円で飛島建設に発注されているのですよ。三井建設は、前回明らかにしましたように、またここでの所長発言のように、千代大橋下部工事に回っているわけですね。まことに報告書どおりなんです。
次に、5、山形県村山広域水道浄水場。ここで「11秘書」、このDというのは当時の松沢代議士ですね。「秘書すじの
調査によると浄水場
設計(東洋
設計)は五月に完了、五十五年度工事発注が
考えられる、その場合全体を一工区で発注の場合は三井の可能性はない(多分鹿島の模様)二工区分割発注ならば三井の可能性もあり得る。目下分割発注の
運動を始めている。」この結果というのは、文字どおり、ここに書いてあるように二工区に分かれたけれ
ども、二工区とも鹿島と升川建設のジョイントがとっているのです。これは表にしてありますから、ごらんください。
それから、1の一番下をごらんください。五十三年六月二十四日、岐阜県の阿多岐ダム。これは「地元業者、大日本土木とジョイントを組めるか否やが問題点、Aの」、Aと書いてありますのは、
渡辺代議士です。原文は。「取りなしを待つ以外にきめ手はなかろう。」で、
渡辺代議士が特別なとりなしをしたのではないのかもしれません。というのは、結果はむしろここに書いてあるとおりなんです。大日本土木と大成建設のジョイントにこれが落ちているのですね。だから、先ほどジョイントなんて
建設省は教えないと言うけれ
ども、どこが本命でだれが組むかというのがこんな早くからわかるのですね。
今度私が新たに明らかにしている事実の重要性というのは、三井が、三井を本命とする工事をあらかじめ連絡を受けているのがいままでの例なんですが、今度の場合はそうじゃないのですよ。三井とは関係のない業者に出る分までちゃんと三井に情報が伝えられる。ここに重大性があるわけですね。すなわち、どの工事がどの企業に発注されるかは、もう
建設省幹部と大手建設企業幹部間では公然の秘密になっていることを、これは赤裸々に物語っているわけなんです。現在の
建設省と大手企業の癒着というのは、これほど全面的で、これほど深いものになっている、このことを明瞭に物語っている。当然三井がもらう工事は早くから、入札以前から教えてもらっている。三井以外のところへ行く工事についても、それがどこへ行くかはちゃんと三井に教えられているのですから、当然他の本命業者には前もって通知が行っているのは明らかですね。だからこういう点では、これを改めるということになるならばよほどの決意が要る、このことを指摘をしておきたいのであります。
そして、随所に新たな
政治家工作が生々しく出てきているわけですね。その中で、きわめて特異な例を
一つ説明しておきたいと思うのです。3を見ていただきたいのです。五十四年五月十九日、山形県神室ダムですね。「INAの役員をしている山形県議Bと」原文では児玉勉氏です。「電話連絡、近い内面接の約束をとってある。一応神室の件で、世話になりたい趣旨申し述べて了解を得ている」と記載されているのです。私が調べたところでは、この神室ダムはつい先日基本
設計が終わり、これから実施
設計に入るところで、本体工事は未発注なんです。INAというのは、株式会社INA新土木研究所で、本社東京の
設計コンサルタントで、ここに名前の出た児玉県議というのは、そこの監査役をしておるわけです。このダムの本体基本
設計は、五十六年八月六日から五十七年三月十日にかけてこのINAが行って、県へすでに納品済みであります。支払いの方も行われておりまして、七千五百六十八万五千円の支払いが終わっております。
ここでわれわれが驚かされるのは、三井の井田氏は、このINAが
設計に着手する二年も前から、ここの役員である児玉県議との接触をとろうとして、しかも「世話になりたい趣旨申し述べて了解を得ている」、こうなっているところなんですね。これは何といったってこれだけの情報がとれているという事実を明瞭に物語っているのです。否定のしょうがないと思うのですよ。
さらに重大なことは、
建設業界の受注工作がここに示されているように、
設計コンサルタントも巻き込んでいるということなんですね。
建設省としてもこういう点を特に重視しなければだめだと思うのですよ。現在
設計とか積算を外注に出しているわけでありますけれ
ども、その外注先がちゃんといろいろな工作の対象に挙げられてきている、このことを明瞭に物語っているので、こういう積算、
設計の外注の制度の見直し、また、外注する場合不正が発生しないようにどのようにチェックするかという
検討が必要だろうと思います。
時間が来ておりますから、最後に、こういうふうなことが起こってくる原因として、かねがね私は、一方では入札制度の改善が必要である、一方ではより重要なこととして、政治献金、少なくとも国の公共工事を受けている企業の政治献金は全面的に禁止すべきだと言ってきました。そのことめ必要性を物語る資料が一番最後についているのであります。これは「五十六年政治
団体加入承認の件」という
文書であります。社長室長から土木営業管理部長にあてたものであります。「題記の件につき、政治資金規正法に基づく当社枠千五百万円に対し、本年は二千万円を超える加入申請があり、
検討の結果、貴部支店に関しましては、別紙の通り決裁されましたので通知致します。」そして、別紙にちゃんと土木管理部内の査定された割り当てが書いてあるわけなんですね。これはいろいろおもんぱかって本
委員会には資料としては出しませんでしたが、読み上げます。
そこには、選挙区、議席名、議員名、政治
団体名、年会費、備考、こうありまして、全国区、参、坂野重信、坂野建政会、三十六万円、全国区、参、増岡康治、新国土研究会、三十六万円。福井
地方区、参、山内一郎、海外建設技術開発研究会、二十四万円。三重三区、衆、田村元、三鈴会、三十六万円。愛知五区、衆、
村田敬次郎、青波会、二十四万円。農業土木関係政治
団体、耕隆会、十二万円。鹿児島三区、衆、二階堂進、日本国土
計画調査会、二十四万円。全国区、参、岡部三郎、岡部農政研究所、二十四万円。北海道五区、衆、
中川一郎、近代政治懇話会、二十四万円。全国区、参、井上孝、新政策研究会、三十六万円。全国区、参、梶原清、航空懇話会、十二万円。山口
地方区、参、江島淳、江山会、十二万円。締めて三百万円。こういう表がついているわけであります。もちろんこれは合法的な政治献金であります。しかし、いま読み上げましたのでおわかりのように、このうち七人の方は
建設省のOBまたは建設
委員長歴任者なんですね。それから、その他の方もそれぞれの省庁の、いわゆる
建設関係のOBなんですよ。
団体は
一つ。合法とはいいながら、今日の政治資金規正法によって定められているこの貴重な枠をいかに有効に生かきついて、三井が苦心している模様だけはよくおわかりだと思うのですよ。偶然こういう建設畑の人にばかり集中しているとは
考えられないでしょう。しばしば、こういう問題を指摘すると合法的なものだ、やましいものではないと言われるけれ
ども、出している三井のいままでしてきたことと結びつけて
考えていただくならば、これは大いに意図、
目的を持ってこういう割り振りをしたと
考えざるを得ないんじゃないかと思うのです。だからこそこういう癒着の要因になるものはきちっとやっぱり法律的に禁止をする、こういうことを、これは
政府として、これだけの大きな問題が出た以上、改めて
検討すべきだと思います。この
答弁を求めて、終わりたいと思います。